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《文豪×酒2‐「文豪+作家etc.×酒談」❶》吉行 淳之介×「酔っぱらい読本」シリーズ

kage

2018/11/22 (Thu)

文学の秋の特集:お酒と本。🍶
文豪×酒

文豪作家etc.×酒談❶
吉行 淳之介×「酔っぱらい読本」シリーズ


小説家はしばしば、作中に自分の”酒観”を覗かせる。

今回は、古今東西、酒にまつわる名作『酔っぱらい読本』から日本の作家のエッセイを精選に注目。

酒の席にまつわる作家・文豪など著名人たちのさまざまなストーリーが溶け込んでいる酒にまつわる談。

盃を傾けながらページをめくり、「飲む文学」を味わおう。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


古今東西、酒にまつわる名作『酔っぱらい読本』から日本の作家のエッセイを精選。
 酔っぱらい読本/吉行 淳之介(編)

酔っぱらい読本 (講談社文芸文庫)
丸谷 才一 佐多 稲子 大岡 昇平 阪田 寛夫 坂口 謹一郎 内田 百けん 埴谷 雄高 堀口 大學 太宰 治 阿川 弘之 吉田 健一 草野 心平 大岡 信 井伏 鱒二 檀 一雄 安岡 章太郎 江國 滋 志賀 直哉 室生 犀星
講談社
売り上げランキング: 574,245


古今東西、酒にまつわる名作エッセイを、吉行淳之介が選らんだ『酔っぱらい読本』を再編集。

酔っぱらいによる酔っぱらいのための本。

◆ 酔っ払い
丸谷才一[小説、評論、随筆、翻訳]
佐多稲子[小説家]
大岡昇平[小説・文芸評論]
阪田寛夫[詩人、小説家、児童文学作家]
坂口謹一郎[発酵学者,農学博士、歌人]
内田百間[小説家・随筆家]
埴谷雄高[政治・思想評論家、小説家]
堀口大學[詩人・歌人・翻訳家]
太宰治[小説家]
阿川 弘之[小説家、評論家]
┣吉田健一[批評家、小説家、英文学者]
草野心平[詩人]
大岡信[詩・評論・翻訳]
井伏鱒二[小説家]
檀一雄[小説家、作詞家]
安岡章太郎[作家]
江國滋 [演芸評論家、エッセイスト、俳人]
志賀直哉[小説家]
室生犀星[詩人、小説家]


Arikaアイコン(小)1あの人もあの人もあの人も…
名だたる文士たちの飲んで飲まれてエッセイです⁉

「第三の新人」吉行淳之介編集の酒にまつわるアンソロジー。吉行淳之介が編集したシリーズを再構成したものなのですが、読んでいるとお酒が飲みたくなりますね。戦前、戦後に活躍した酔っぱらい文人達の文章や詩は五臓六腑に浸みわたる。酒飲みの情景。観察者か酩酊者か。酒を殺す飲み方もあれば、飲まれる飲み方もある。 境界をあいまいにし、距離を縮めさせるという役割には賛成。本書の魅力を伝えるに吉田健一の一節を以てすれば十分だろう。

「それ(酒)が逃避でも暇潰しでもなくてそれこそ自分が確かにいて生きていることの証拠でもあり、それを自分に知らせる方法でもあるということで、酒というものがあってそれと向かい合っている形でいる時程そうやっている自分が生きものであることがはっきりすることはない」

エッセイのつぼを押さえたようなエッセイで、堪能した。丸谷才一、太宰治もよかった。「毎日酒が飲みたいなあと思うのなら、アルコール中毒」という医者の論に対して「イエス様でもそんなにひどい事は言わなかった」と呆然とする丸谷才一がとってもチャーミング。太宰治の話は作品と紙一重な感じがして面白い。酒の肴のレシピを並べた草野心平には「そんな一面もあったのか」と感心するとともに「試してみたい」という気をそそられました。日本酒に洋酒が様々なシチュエーションで語られるエッセイは読んでるだけで酔いました(読んでいるうちに、こちらも酔っぱらい状態に........)。数々の文豪が綴る酒についてのもろもろ。あっちへふらふらこっちへふらふらしながら、読み進め、大変おもしろい気分。文豪も酒に酔ったらただの人。これがもう、秋の夜に飲みながらちびちび読むのが最高なんです。内田百閒「おからでシヤムパン」が個人的にツボ



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(11月の特集本:JUMPjBOOKS編③/3)Arknoah 1 僕のつくった怪物僕のつくった怪物/乙一(著) イラスト:toi8

kage

2018/11/22 (Thu)

11月の特集本:キャラ文芸
キャラ文芸1

思わず惹き込まれる世界観、個性的、独創的な登場人物たち。

キャラクターの個性がいわゆる立っていて、独特の世界観をもち、しっかり物語が紡がれている”キャラクター文芸”が、いま出版界を振わせている。恋愛もの、ほっこり系、殺人、ミステリー、異世界、オカルト……とジャンルは多様で、いずれも読む人を惹きつけてやまない知的エンタメ!今月はそんな話題の”キャラ文芸”の文庫をご紹介。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


若い世代に向けての小説+漫画のNewWorld!
集英社・JUMPjBOOKS編③/3

ここで紹介するのは、細やかなキャラ設定と

若い感覚で読者を引き込む読み応えのあるキャラ文芸!

文庫ではないが、すこぶるおもしろい!!!

小説+漫画のニューワールド!

コレ知らなかったら損をする、JUMPjBOOKSの書籍を紹介。


異世界ファンタジー 
 Arknoah 1 僕のつくった怪物僕のつくった怪物/乙一(著) イラスト:toi8

父親を亡くした兄弟・アールとグレイは、不思議な世界『アークノア』に迷いこんだ。

そして2人は出会う。世界を破壊するべく現れた、恐ろしい怪物と。

乙一とtoi8のイラストでおくる、シリーズ第1弾!!

僕のつくった怪物 Arknoah 1 (集英社文庫)
乙一
集英社 (2015-09-18)
売り上げランキング: 403,548


Arknoah 1 僕のつくった怪物
乙一
集英社
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Arikaアイコン(小)1出会い、闘い、別れ。
敵は誰? 味方は? 恐怖は怪物を創造する? 

いじめられっ子の兄弟が、本の世界アークノアに入り込んで冒険しながら成長する物語。アールとグレイの兄弟は、学校でいじめられている。ある日ふたりは、亡くなった父親のクローゼットにあった『アークノア』という絵本を見つけ、やがてその絵本の中の広大な世界に迷い込んでしまった。そこでふたりは、「家に帰るには、2体の怪物を殺ささなくてはいけない」と教えられる……。

本当に想像力をかきたてられるようなユニークな発想と文章力で、どちらかと言えば児童向けでしょうか? 入り込んでしまった本の世界では、自分の心の闇が実体化して「怪物」となり、その怪物を倒さなければもとの世界には帰れないという約束があり、主人公は広い世界のどこかにいる怪物を探して殺しに行かなければいけません。本の世界は「海の部屋」「火山の部屋」といった部屋ごとに仕切られていて、どんなに大きな山も海も、四方を巨大な壁に囲まれた箱の中にあり、ちゃんと雲もあるけど光源は太陽ではなく大きな照明器具という設定です。壁に付いている扉をくぐれば全然違う世界が広がっていて、どこまで部屋が繋がっているのかまだ誰も知らず……。

「最果ての滝の部屋」「もどかしい階段の丘」、新しい部屋が出てくるたびに想像してわくわくします。しかも住人達は死ぬことがなく事故にあっても煙になって翌日帰ってきます、が、犯罪を犯した者だけは復活の権利を剥奪されるという特例もあって、たとえ復活できなくてもいいから犯罪に手を染めようとする住人もいたりして……、アークノアの説明をしつつ伏線をちりばめる前半と、怪物退治の作戦が動き出す後半、癖のない読みやすい文章。ほのぼのしているだけでないグレーな世界観が、ホラーも得意とされる白でも黒でもない乙一らしい作品です。


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