(11月の特集本:オレンジ文庫編❷/4)「異人館画廊」シリーズ/谷瑞恵(著) 装画:詩縞 つぐこ

2018/11/28 (Wed)
11月の特集本:キャラ文芸
思わず惹き込まれる世界観、個性的、独創的な登場人物たち。
キャラクターの個性がいわゆる立っていて、独特の世界観をもち、しっかり物語が紡がれている”キャラクター文芸”が、いま出版界を振わせている。恋愛もの、ほっこり系、殺人、ミステリー、異世界、オカルト……とジャンルは多様で、いずれも読む人を惹きつけてやまない知的エンタメ!今月はそんな話題の”キャラ文芸”の文庫をご紹介。

集英社の”キャラクター文芸”が、すこぶるおもしろい!
集英社・オレンジ文庫編❷/5
読んでハマる、ちょっぴり泣ける、そして元気が出る!
登場人物たちの豊かな個性、活躍、心情が、読む人の心を掴んで離さない「キャラ文芸」
表紙を見てもその世界観がひと目でわかるまさにエンタメの王道。
いま、読んで置きたい集英社・オレンジ文庫を紹介。
著者:谷 瑞恵
装画:詩縞 つぐこ
🍊呪いの絵画をめぐる美術ミステリー①
独自の意味を背景や小物として描きこんだ絵画=図像(イコン)。
英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、
画廊を経営する祖父の死に際し帰国するが、ある図像を鑑定するように依頼され…。。
独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像。英国で図像学を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。祖母が経営する画廊には一風変わった仲間たちが集っており人付き合いの苦手な千景は戸惑うばかり。そこで千景はある盗難絵画の鑑定を依頼されるが、仲介者が昔から気の合わない幼馴染みの透磨だと知って…!? 呪いの絵画をめぐる美術ミステリ!!
文庫書き下ろし。
集英社 (2014-02-25)
売り上げランキング: 357,952
🍊真実は絵の中に。呪いの絵画をめぐる美術ミステリー!
千景の目の前には、ライトに照らし出された極彩色の絵がある。
英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、祖母の営む『異人館画廊』で暮らしている。ブロンズィーノの贋作の噂を聞いた千景と幼馴染みの透磨は、高級画廊プラチナ・ミューズの展覧会に潜入するが、怪しい絵は見つからなかった。が、ある収集家が所持していた呪いの絵画が、展覧会で見た絵とタッチが似ていることに気づく。しかも鑑定を依頼してきたのが透磨の元恋人らしいと知って…!?
集英社 (2015-01-20)
売り上げランキング: 334,826

千景は図像学の学者。幼なじみの透磨は、画廊のオーナーだ。ある日、千景の研究対象にあるブロンズィーノの贋作が出回っていると聞き、ふたりは展覧会に潜入したが……。 絵画をめぐり繰り広げられる人の心の複雑な思い込み、挫折、恋、憎悪。「異人館画廊」シリーズ2作目。今回は悲しい贋作師のお話。千景の心の闇は相当深いようですが、キューブのメンバー達との交流で少しずつ解れていくといいですね。今回は、贋作に纏わる事件でしたが、透磨の元カノが出て来てびっくり。千景が志津香に対して嫌われたくないと思った理由が痛々しいですが、ゆっくりゆっくりでも透磨との間が埋まっていくといいな。図像学そのものではなく、図像学の存在を使った話の展開はよく引っ張ったなという感じる。主人公ふたりが素直じゃなくて会話がいちいち勿体ぶったというか回り道をする感じが好きです♪それにまだ姿を現していないメンバーが姿を見せる日もそう遠くないような気がしました。
🍊呪いの庭園に隠されたのは、過去の幻影。
長い髪の少女が、異人館のテラスに座り込んでいた。
此花千景、彼女は幼かったが、
くっきりした目鼻立ちや長い手足に、
将来美しくなるだろう片鱗を隠さず、ふてくされた子猫のようにうずくまっていた。
図像術の絵を求めて離島に住むブリューゲルのコレクターを訪ねた千景。波田野は邸の庭園でブリューゲルの絵を再現し、そこに図像術を込めようとしていた。庭園を完成させれば絵を見せると言われた千景は庭園の謎を追うが、透磨はそれが千景の父・伸郎の設計だと気づく。父の見えない悪意に苦しむ千景は、さらに波田野の息子が起こした事件に巻き込まれてゆき…。
集英社 (2015-08-20)
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🍊呪いの絵画をめぐる美術ミステリー第4弾
月の明るい夜、フラワーロードに突然クラッカーの音が鳴り響いた。
成瀬家は、代々“禁断の絵”を守ってきた旧家だ。その絵が盗まれた。現当主の美津に絵をさがしてほしいと頼まれた千景と透磨だが、件の絵は異人館画廊に置き去りにされていた。同時期、失踪中の次期当主候補・雪江が死体で見つかるが、容疑者として浮上した男が千景の誘拐事件の関係者だと判明し!? 深まる謎の中、記憶の封印が次第に解けてゆく。緊迫の美術ミステリー!!
集英社 (2016-09-16)
売り上げランキング: 222,250
🍊呪いの絵画に隠された、学園の秘密とは――!?
あ、ここだ、ここ。
わあ、ステキなカフェだね。
絵が飾ってあるの? そりゃそうよ、画廊なんだから。
自殺未遂した少女、消えた絵……。鈴蘭学園美術部で起こった複数の事件には、図像術につながる何かが感じられる。そんななか鈴子の提案で、千景は生徒の一人を装って、学園の潜入調査を決行することになって……!? 矛盾する少女たちの証言に翻弄されながらも、千景と透磨は、事件と……呪われた絵画「ユディト」の謎を追う――。話題の美術ミステリー、第五弾!!
集英社 (2017-12-14)
売り上げランキング: 180,273
谷 瑞恵(たに みずえ)
1967年生まれ。 三重県出身。『パラダイス ルネッサンス』で1997年度ロマン大賞佳作入選。コバルト文庫『伯爵と妖精』シリーズ、集英社文庫『思い出のとき修理します』シリーズ、最新単行本は『木もれ日を縫う』集英社刊。他、著書多数。代表作
┣伯爵と妖精シリーズ
┣思い出のとき修理します主な受賞歴
┣第6回集英社ロマン大賞佳作入選デビュー作
┣『パラダイス・ルネッサンス―楽園再生―』
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