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集英社文庫ナツイチフェア2019:切ない本よまにゃ①/3(帰郷/裸の華/娼年(しょうねん)/追想五断章/光/何もかも憂鬱な夜に)

kage

2019/07/05 (Fri)

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令和元年の夏、本を読みながら、大切なものに思いを馳(は)せてみませんか?

文庫「ナツイチ」フェア

集英社文庫

英社文庫『ナツイチ2019』。

2019年のテーマは、「あの一行が、鳴り止まらない。」

ざわざわ。
ざわざわ。

ページをめくるたび、
こころの音が響いてくる。
なんだか、お祭りみたい。

夏がきた。
さぁ、よまにゃ。

■今年の特典


かわいく揺れて 手ざわりやわらか!
【ナツイチ限定】よまにゃ”ねこじゃらしおり”(全4種類)

※「参加書店の店頭でナツイチ対象文庫を一冊買うと、その場でひとつプレゼント!」

※なくなり次第終了になります。


読書が大好きな、集英社文庫の新しいキャラクター。
どこかの町の本屋さんで、まいにち本を読んで暮らしている。
口癖は「よまにゃ」

😻マスコットキャラクター、「よまにゃ」とは?
読書が大好きな、集英社文庫の新しいキャラクター。
どこかの町の本屋さんで、まいにち本を読んで暮らしている。
次に好きなのが人間観察。
お店にやって来るお客さんたちの心を読んで、日々、オススメの本を紹介している。
口癖は「よまにゃ」。

人気イラストレーター、Noritake氏デザインの愛くるしいポーズがたまりませんにゃん♪


■フェアのジャンル項目


注目の本よまにゃ
ほっこりする本よまにゃ
切ない本よまにゃ
すっきりする本よまにゃ
ドキドキする本よまにゃ
なるほど!な本よまにゃ

・・・・の6ジャンル。


北村匠海×浜辺美波
ナツイチ2019スペシャルムービー「僕らのナツイチ」完全版



夏らしい浴衣姿の北村匠海さんと浜辺美波さんが今年のナツイチ本を爽やかに紹介するムービーです。



今年も集英社文庫では、全国の参加書店で夏のフェア「ナツイチ」を実施中。

注目の本、ドキドキする本、切ない本、すっきりする本、ほっこりする本、なるほど!な本……。

様々な「夏の一冊」を取りそろえています。

また、対象書店でもらえる「ねこじゃらしおり」や、イラストレーターのNoritakeさんがデザインしたナツイチ2019年限定カバーにも注目を。

「ナツイチ」対象文庫は全82冊。

仕事、家族、友情……。


7月21日は「ナツイチの日」

好きな本の世界へ、冒険にでる日だよ。
その一冊と出会いに、本屋さんへ行こう。







なつは短い。
でも、あっという間の
お祭りみたいなその切なさも、
ぼくは好きだなあ。
心地いいんだ。


切ない本よまにゃ

第43回大佛次郎賞受賞
 帰郷/浅田次郎 (著)

帰郷 (集英社文庫)
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浅田 次郎
集英社 (2019-06-21)
売り上げランキング: 1,427


戦争とは、かくも残酷で理不尽なものなのか!

戦争によって何もかも失った男たちが、絶望の中にあっても持ち続けた優しさ、気高さ。

名もなき市井の人々の目線から〝戦争の理不尽さ〟を描いた戦争短編小説集。


もう二度と帰れない、遠きふるさと。学生、商人、エンジニア、それぞれの人生を抱えた男たちの運命は「戦争」によって引き裂かれた――。戦争小説をライフワークとして書く著者が、「いまこそ読んでほしい」との覚悟を持って書いた反戦小説集。戦後の闇市で、家を失くした帰還兵と娼婦が出会う「帰郷」、ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工を主人公にした「鉄の沈黙」、開業直後の後楽園ゆうえんちを舞台に、戦争の後ろ姿を描く「夜の遊園地」、南方戦線の生き残り兵の戦後の生き方を見つめる「金鵄のもとに」など、全6編。



 裸の華/桜木紫乃(著)

裸の華 (集英社文庫)
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桜木 紫乃
集英社 (2019-03-20)
売り上げランキング: 95,878


直木賞作家が描く、踊り子たちの矜持と葛藤。

踊ることを愛し、踊りで人を魅了する。その仕事に自分の夢を懸けた女たち。

元ストリッパーとふたりの若いダンサー。

3人の鮮烈な生き様が舞台上で咲き誇る!


舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。心機一転、故郷札幌で店を開くことに。訳ありの凄腕バーテンダーやタイプの違う二人の女性ダンサーと店は軌道に乗り始める。しかし、私も舞台に立ちたい、輝きたいという気持ちは募るばかりで──。ノリカの表現者としての矜持と葛藤。そして、胸が詰まるような踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、直木賞受賞作『ホテルローヤル』に連なる一冊。



シリーズ累計108万部
Arika報告書y0001おすすめ
 娼年(しょうねん)/石田衣良(著)

娼年 娼年シリーズ (集英社文庫)
集英社 (2012-11-15)
売り上げランキング: 8,340


体を重ねるほどに深まる、愛の光と影。

うつろな毎日を送る大学生のリョウは、会員制ボーイズクラブで〝娼夫〟として働くことに。

さまざまな女たちの欲望に魅せられながら、自身も成長してい。


恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく……。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

…‥‥‥…
女性が男性を買う。
娼夫リョウ、20歳の夏の光と影を描く物語。
 

Arikaアイコン(小)1虚ろな日々を送る大学生のリョウは、ボーイズクラブのオーナー御堂静香と出会い、娼夫となる。様々な女性が抱く欲望の深奥を見つめた20歳の夏を鮮烈に描き出す恋愛小説。「女性にも性欲がある」という事が如実に描かれています。男性のそれよりも女性の性は複雑。設定だけ見れば衝撃的で、まさにメグミのような感情を持たざるを得ないが、それをも包み込んで優しい物語にしてくれるのは、石田衣良の表現力が海のように豊かだからではないかと思う。大学生のリョウが「娼夫」の仕事を始め、多くの女性とセックスをするなかで女性の欲望を見つけていく。見方を変えれば官能小説なんだろうけど不思議と優しさと温もりを感じてしまう。性の世界においては誰もが奇妙な性癖や歪な欲望を持っており、そこには正常も異常もなく、ただ快楽だけがあるのだなと感じました。メグミのような潔癖な正しさは、果たして本当に正しいのか、考えさせられる一面も。性行為を売買するのは社会的には悪とされているが、それにより救われている人がいるのも確か。生々しいエロスとリアルな情景は、自分が知り得ない世界がすぐ隣に寝転がっていると教えてくれる高揚感があります。そして何より、まるで映画を見ているかのような描写とそれに色を添えるような表現が美しい。精練された数式を美しいと感じる人もいると聞くが、文章が美しく見惚れているうちに読了するという不思議な体験をした。6年前に読んだ時も衝撃的だったが、今読んでも、やはり驚きがある。世の中にはいろんな人がいて、愛にもいろんな形があって、その数だけ物語があるんだろうな。 正しさとか常識ではなくて、最終的には感情によってのみ人の心が動かされている様が実に人間らしく生々しいと思いました。


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逝年 (集英社文庫)/集英社

¥価格不明
Amazon.co.jp

Arika注目1h小説『娼年』の続きが気になる方は続編『逝年』を読もう♪
人生にも恋愛にも退屈していた二十歳の夏、「娼夫」の道に足を踏み入れたリョウ。所属するボーイズクラブのオーナー・御堂静香が摘発され、クラブは解散したが、1年後、リョウは仲間と共に再開する。ほどなく静香も出所するが、彼女はエイズを発症していた。永遠の別れを前に、愛する人に自分は何ができるのか?性と生の輝きを切なく清澄にうたいあげる、至高の恋愛小説。

小説『娼年』も衝撃的でしたが、続編も「エイズ」、「性同一性障害」、「同性愛」など、本当に切り込んで様々なことを盛り込んだ作品です。石田衣良の凄さは女性の加齢を本当に美しいものとして書く筆力。熟成してゆく女性の身体。加齢とともに丸みを帯びた自分の裸体にコンプレックスを持つが、この作品ではその重ねた年齢だからこその味を伝え、前作同様、美しい言葉や表現が 沢山あって読んでいて心地良かったです。 印象としては『娼年』よりも緩やか。エイズや性同一性障害などの重いテーマに切り込みつつ、生きるとは、そして死ぬとはなにかということが静かに語られています。「心を分け合うために、身体を重ねる」という表現が素敵で、悲しみや痛みを分かち合うために肌を重ねる描写は切なくも美しかったです。本当に綺麗に書いてあり、女性も読みやすい作品。リョウと静香さんの最期が切なかった。歳を重ねるごとに美しくなっていく、美しく歳を重ねることは、輪郭を淡くすることかもしれないけれど その淡さの中で 性は濃くなっていくのかもしれないと感じました。

私も美しいシワを重ねたいと思います。<(_ _)>


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2018年4月6日公開
 娼年 

■映画ストーリー
大学生のリョウこと森中領(松坂桃李)は、バーのアルバイトに精を出していた。ある晩、ホストクラブで働いている中学時代のクラスメートの田島進也が、客の御堂静香を連れてリョウがいるバーを訪れる。

★映画チェック★
石田衣良の小説を、舞台でも組んだ三浦大輔監督と松坂桃李のコンビで映画化した衝撃作。退屈な生活を送っていた主人公が男娼(しょう)となり、成長していく過程を描く。性描写に一切の妥協をしなかったという三浦監督のもと、『不能犯』などの松坂が体当たりの芝居を披露している。

■スタッフ
脚本・監督: 三浦大輔
原作: 石田衣良
製作・企画・プロデュース: 小西啓介
製作: 松井智 / 堀義貴 / 木下暢起
エグゼクティブプロデューサー: 金井隆治 / 津嶋敬介
プロデューサー: 永田芳弘 / 山野邊雅祥 / 藤原努 / 石田麻衣
製作年:2018年
製作国:日本
日本公開:2018年4月6日 (TOHOシネマズ新宿ほか)
上映時間:1時間59分
企画製作・配給・製作幹事:ファントム・フィルム
製作・製作幹事:ハピネット
製作:映画「娼年」製作委員会
製作・制作プロダクション:ホリプロ

■キャスト(役柄:俳優)
森中領: 松坂桃李
御堂静香: 真飛聖
咲良: 冨手麻妙
平戸東: 猪塚健太
白崎恵: 桜井ユキ
田島進也: 小柳友
イツキ: 馬渕英里何
主婦: 荻野友里
紀子: 佐々木心音
ヒロミ: 大谷麻衣
階戸瑠李
泉川: 西岡徳馬
老女: 江波杏子






 追想五断章/米澤穂信(著)

追想五断章 (集英社文庫)
米澤 穂信
集英社 (2012-04-20)
売り上げランキング: 87,753


謎めいた古書をめぐる、緻密なミステリー。

古書店に居候する芳光の元に、

亡き父親が遺した〝5つの物語〟を探してほしいという依頼が舞い込む。

いつしかそれは、ある未解決事件の真相へとつながり……。


大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。五つの物語に秘められた真実とは?青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。

…‥‥‥…
5つの小説に封印された、未解決事件の真相は。  
Arikaアイコン(小)1五つの物語にひそむ秘密。精緻な本格ミステリ。古書店に居候する芳光は、依頼を受けて五つのリドルストーリーを探し始める。やがてその著者が、未解決事件の被疑者だったことを知り──。精緻でほろ苦い、大人の本格ミステリ。伯父の古書店に居候しながら店の手伝いをしている主人公が 店を訪ねてきた女性から5つの作品探しの依頼を受けるのだが 調べるうちに昔の事件が絡んできて・・・ってお話し。 5つの物語に秘められた意味と、事件の真相とは・・・? って感じの内容ですなんですが、後半に予想外の展開が。 これは単なる絵合わせ的なものではなかったらしい。結末を読者に委ねるリドルストーリー。亡き父によってその結末だけが手元に残されており、それに対応する本編を探してほしい、と古書店に居候している主人公がとある女性から依頼をされる。初めは依頼の金目当てだったが、やがてその五つの掌編が、過去のとある事件の真相に絡むものだとわかってくる……。残された結末から物語を追うという構成と、どんでん返しのあるラストは見事!私の勉強不足で本書で初めてリドルストーリーという言葉を知った。 結末が無く読者に委ねられているお話のことだが、米澤氏の長編ミステリーに組み込まれると非常に面白い。真相は途中でだいたい分かる形にはなってるが、終盤に目まぐるしく変わる状況に私自身とても満足したし新鮮だった。最後までという表現は変だけどリドルストーリーに縛られていて好みは分かれるところだけど、私は好きです。よく練られた構成は面白かった。 本作の探偵役はなんとなく某古典部の探偵役とイメージが重なってしまったが、とても上品で上質なミステリーを書かれる方だと思う。 たった1行の結末がもたらすマジックに驚いてしまった。




 光/三浦しをん(著)

光 (集英社文庫)
光 (集英社文庫)
posted with amazlet at 19.07.18
三浦 しをん
集英社 (2013-10-18)
売り上げランキング: 28,675


暴力は、やってくるのではない。帰ってくるのだ。

天災ですべてを失った中学生の信之は幼なじみの美花のため、ある行動をとる。

20年後、その秘密を知る輔が現れ――。

映画化もされた渾身の人間ドラマ。


島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。ある日、島を大災害が襲い、信之と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。島での最後の夜、信之は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。それから二十年。妻子とともに暮らしている信之の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。信之は、美花を再び守ろうとするが―。渾身の長編小説。

…‥‥‥…
平穏な日常の裏に潜む悪意と暴力と恐怖の連鎖。 
人間は何か大切な物を亡くしたとき、どうなるかわからないのが怖い。 
 

Arikaアイコン(小)1重い、暗い。しかし、面白かった! すごく直接的に、暴力とは?、愛とは?、生きる意味とは?、を問いかけてくる小説でした。青臭く感じるテーマなのに、微塵も青臭さを感じさせないところはさすが。 こんな暗いお話をこの人が書くなんてビックリ!!でもすごく入り込んでしまって、あっとゆう間に読了。題名の光とは程遠い内容でした。誰も救われないしハッピーエンドでもないけれど、私たちの生きる日常に似ているなと思いました。何の罪もない善良な人が天災や事件に巻き込まれて命をおとしたり、罪を犯しても咎められず毎日健康に過ごしていたり。南海子の姿を見て生きていくって時にすごく残酷だなと思いました。 三浦氏は腐敗の描写がうまいと思う。腐敗というか「夏の不快感」。その不快感が描写される人間関係にも絡まってもう何とも言えない。有性生殖で増えていく生物はほんと厄介だし無駄に社会が発達した人類はほんとにめんどくさい。作者は人間の本質、あるいはその暴力性といった部分を的確に見抜かれているのかもしれません。作中では一番大人しかった妻、南海子が一番したたかで、後日談があればおそらく一番暴力的になるような気がしました。この小説は、裏を返せば、幸せとはなにかを考えさせる作品だったと思います。日常の小さな幸せに感謝しようと思いました。 どうしようもなく暗く、重い話でした。その分、タイトル「光」の持つ意味が深いのでしょう。 この小説は、裏を返せば、幸せとはなにかを考えさせる作品だったと思います。日常の小さな幸せに感謝しようと思いました。 どうしようもなく暗く、重い話でした。その分、タイトル「光」の持つ意味が深いのでしょう。


Arikaシネマ2014b5

2017年11月25日公開公開
 光 

■映画ストーリー
東京の離島・美浜島で暮らす中学生の信之はある夜、男に襲われた恋人の美花を救うため、殺人を犯してしまう。そして島を大災害が襲い信之、美花、幼なじみの輔と数人の大人だけが生き残る。25年後、島を出て妻子と生活している信之(井浦新)と、過去を捨て芸能界で成功を収めた美花(長谷川京子)の前に輔(瑛太)が現われ……。

★映画チェック★
舟を編む」などで知られる直木賞作家・三浦しをんの小説を、『ぼっちゃん』などの大森立嗣監督が映画化したサスペンス。大災害で生き残った3人の男女が25年後に再会し、逃れることのできない運命に翻弄(ほんろう)されるさまを描く。主人公とその妻を井浦新と橋本マナミ、幼なじみを瑛太、元恋人を長谷川京子が演じ、過去の秘密によってそれぞれの狂気が呼び起こされる様子を体現する。

■スタッフ
監督・脚本: 大森立嗣
原作: 三浦しをん
音楽: ジェフ・ミルズ
製作年:2017年
製作国:日本
日本公開:2017年11月25日 (新宿武蔵野館、有楽町スバル座ほか)
上映時間:2時間17分
配給:ファントム・フィルム

■キャスト(役柄:俳優)
黒川信之:井浦新
14歳の信之:福崎那由他
黒川輔:瑛太
輔(幼少期):岡田篤哉
篠浦未喜/中井美花:長谷川京子
14歳の美花:紅甘
黒川南海子:橋本マナミ
黒川椿:早坂ひらら
小野:南果歩
洋一:平田満









 何もかも憂鬱な夜に/中村文則 (著)

何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)
中村 文則
集英社 (2012-02-17)
売り上げランキング: 10,699


死刑確定を控えた殺人者は、何を隠しているのか。

刑務官の僕は、1週間後に死刑が確定する山井の担当。

僕は彼に、自分と似た部分を感じて――。

重大犯罪と死刑制度、生と死、そして希望と向き合う意欲作。


施設で育った刑務官の「僕」は、十八歳のときに強姦目的で女性とその夫を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している――。どこか自分に似た山井と接する中で、「僕」が抱える、自殺した友人の記憶、大切な恩師とのやりとり、自分の中の混沌が描き出される。
芥川賞作家が重大犯罪と死刑制度、生と死、そして希望と真摯に向き合った長編小説。

…‥‥‥…
死刑制度、少年犯罪を題材に人が生きることの意味を問う。
闇と闇が重なって光が生まれる。、とても深い一冊! 
 

Arikaアイコン(小)110代の重大犯罪をテーマに命と救済を描いた問題作!まさにタイトルの通り。とても憂鬱な内容・・死刑とは?罪とは?闇、後悔、懺悔。。ネガティブな思考に走りそうですが、「人間とその人間の命は別のように思うから。殺したお前に全部責任はあるけどそのお前の命には責任はないと思ってるから、お前の命というのは本当はお前とは別のものだから。」解りますか? 哲学的でよく噛み砕かないと入ってこない。犯した罪の償いに命を捧げることはないってことでしょうか? 感動するような本ではないと思っていた。が、最後は、本当に涙が出た。中村さんの小説の真骨頂を見せられた気がした。犯罪者と常に接している刑務官の「僕」。施設の前にもう一人の子供と捨てられていた過去。自分が面倒を見ている収容者と自分に重なる部分を見て、内面で積み上がっていく恐怖。自殺した親友と別れた彼女。そして彼のメンターだった施設長。全てのモチーフが最後に向かって繋がり、交響曲のようなハーモニーを奏でる。佐久間にはムカムカし、主任には会ってみたいと思った。 中村さんの作品は暗いけど、必ず光が見えるから好き。 拘置所での話なので『教団X』のような大規模なことが起こるのか?と思っていたら、シンプルに収まっていました。犯罪に至る心理も心に突き刺さる文章。あらゆる悪に対面した時、僅かでもいいから想像力を持って接しよう、と思わせる内容でした。シビアな内容ですが、最後数ページに泣けました。 加害者をモンスターとしか扱わない、裁けば終わりの世界じゃないことが、救い。山井さんは、芸術や文学と出会って、幸せだったのか不幸だったのか。人間の命について孤児院や死刑制度、囚人たちとも絡めて書かれていてとても深かった。また、佐久間や山井、竹下も性について述べていて、佐久間や山井は性衝動が原因で罪を犯してしまう描写も物語のテーマの命となにか関わりがあるのかも。 ずっしり、濃く重い、、、最近のあの殺傷事件も少し思い出すというか、とにかく生きている中での、美しいものを知るということ、に今回は引っ張られた。 著者のあとがきの最後の言葉と又吉さんの解説がまた素敵でした。

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