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新潮社文庫の100冊2019|恋する本❹|文豪の恋愛小説(眠れる美女/春琴抄/こころ)

kage

2019/09/09 (Mon)

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新潮文庫の100冊2019
文庫フェア


潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2019年のテーマ「この感情は何だろう。」

毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■今年の特典


#キュンタ大作戦

新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。

 今年の「新潮文庫の100冊」には、「#キュンタ」で盛り上げて、「純金キュンタしおり」をゲットしよう!

応募方法

一冊買えばもらえる!

「キュンタうちわしおり」

※「キュンタうちわしおり」は「新潮文庫100冊」フェアを開催している全国主要書店でもらえます。
※「新潮文庫の100冊」購入者が対象です。
※「キュンタうちわしおり」は無くなりしたい終了します。

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抽選100名様に「キュンタうちわしおり」が当たる!
※当選された方はDMが届きます。
*24K(表面加工)です。

応募締切
2019年9月5日(金)正午まで

締め切り以降の投稿は応募対象外となりますので、ご注意ください。

詳しいことは
「新潮文庫の100冊2019」ページで応募規約を含めて確認!


■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


■アイコンの説明


=受賞作
=映像化
📚=新潮文庫の一行


大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。
 💑恋する本*:
  文|豪|の|恋|愛|小|説| 

 📚女の子は深あく眠っていて、なんにも知らないんですわ。(P10)
 眠れる美女/川端康成(著)

幼い体に重ねる、命の哀しみ。

「最後の一線」で研ぎ澄まされる、圧倒的な性。

川端的エロティシズムの金字塔。 


眠れる美女

眠れる美女 (新潮文庫)

限定プレミアムカバー

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館であった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視している。熟れすぎた果実の腐臭に似た芳香を放つデカダンス文学の名作「眠れる美女」のほか「片腕」「散りぬるを」。

目次:眠れる美女/片腕/散りぬるを
解説 三島由紀夫

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン前後不覚に眠る裸形の美女を横たえ、周囲に真紅のビロードのカーテンをめぐらす一室は、老人たちの秘密の逸楽の館であった――表題作等3編。年頃の娘と添い寝ができる老人限定の宿を勧められた男が、その状況に戸惑いつつ、やがて人生で出会った恋人や娘、妻といった女たちの面影を回想してゆく…。実際のところ、相手の寝姿をじっと眺めるといった行為は、非常に稀な状況だと思う。そう考えると、こうした心情を拾い上げ、物語に昇華させた文豪の着眼点は素晴らしいと思う。そして、この本を読んだ後には、作者の小説に出てくる父親の、女性に対する執着心が目につくように。実験的な色合いの濃い短編集であり、色んな意味で文豪の印象が変わる一冊。

川端康成
┣1899年(明治32年)6月14日 - 1972年(昭和47年)4月16日(72歳没)
┣大阪府出身。東京帝国大学国文学科卒業
┣小説家、文芸評論家
┣大正から昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学の頂点に立つ作家の一人である。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。


掌の小説 (新潮文庫)
掌の小説 (新潮文庫)
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川端 康成
新潮社
売り上げランキング: 17,747


唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説"122編を収録した。若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。


伊豆の踊子 (新潮文庫)
川端 康成
新潮社
売り上げランキング: 4,411


旧制高校生である主人公が孤独に悩み、伊豆へのひとり旅に出かける。途中、旅芸人の一団と出会い、そのなかの踊子に、心をひかれてゆく。清純無垢な踊子への想いをつのらせ、孤児意識の強い主人公の心がほぐれるさまは、清冽さが漂う美しい青春の一瞬……。ほかに『禽獣』など3編を収録。巻末の三島由紀夫による「解説」は、川端文学の主題と本質についてするどく論じている。





 📚何卒わたしにも災難をお授け下さりませ。(P81)
 春琴抄/谷崎潤一郎(著)

春琴抄 (新潮文庫)
春琴抄 (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 16,884


盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助は、後年春琴がその美貌を何者かによって傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するため自ら盲目の世界に入る。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン盲目の三味線師匠春琴に仕える奉公人の佐助は、春琴と同じ暗闇の世界に入り、同じ芸の道にいそしむことを願って、針で自分の両眼を突く……。

佐助は春琴を必要以上に愛しすぎ、春琴はますます魅力的な女性になっていく。目の見えなくなった佐助が頭の中で想像する春琴は刻々と変化して、さぞ美しかったでしょう。男女の関係がやらしくないですし、話の展開は危険ですが、全体的には樹木の剪定に例えると風通しがよく、爽やかな印象が残りました。春琴に対する佐助の一途な思い。純粋な愛情に心を打たれる。天才的な才能があった春琴。その性格がもう少し穏やかであればもっと世に知られる奏者としてまた作曲家としても名が残っていたかもしれない。谷崎潤一郎のフィルターを通すことで、その佐助の純粋さそして女性から男性への虐待という形の愛情表現がきれいな絵巻として蘇る感覚を得る。解説の西村孝次さんが谷崎潤一郎とアンドレ・ジッドを比較したのは面白い視点ですし当たっていると思いました。

谷崎潤一郎
┣1886年(明治19年)7月24日 - 1965年(昭和40年)7月30日(79歳没)
┣東京・日本橋生れ。東大国文科中退。在学中より創作を始め、同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊。同誌に発表した「刺青」などの作品が高く評価され作家に。当初は西欧的なスタイルを好んだが、関東大震災を機に関西へ移り住んだこともあって、次第に純日本的なものへの指向を強め、伝統的な日本語による美しい文体を確立するに至る。1949(昭和24)年、文化勲章受章。
┣主な作品に『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『細雪』『陰翳礼讃』など。情痴や時代風俗などのテーマを扱う通俗性と、文体や形式における芸術性を高いレベルで融和させた純文学の秀作によって世評高く、「文豪」「大谷崎(おおたにざき)」と称された。その一方、今日のミステリー・サスペンスの先駆的作品、活劇的な歴史小説、口伝・説話調の幻想譚、果てはグロテスクなブラックユーモアなど、娯楽的なジャンルにおいても多く佳作を残している。


刺青・秘密 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 21,155


肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師清吉が年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。性的倒錯の世界を描き、美しいものに征服される喜び、美即ち強きものである作者独自の美の世界が顕わされた処女作「刺青」。作者唯一の告白書にして懺悔録である自伝小説「異端者の悲しみ」ほかに「少年」「秘密」など、初期の短編全七編を収める。


鍵・瘋癲老人日記 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 79,408


老夫婦の閨房日記を交互に示す手法で性の深奥を描く「鍵」。老残の身でなおも息子の妻の媚態に惑う「瘋癲老人日記」。晩年の二傑作。


細雪(上) (新潮文庫)
細雪(上) (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 19,661


大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。


細雪(中) (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 16,221


雪子と対照的に末娘の妙子は自由奔放な性格で、男との恋愛事件が絶えず、それを処理するためにも幸子夫婦は飛びまわらざるをえない。そんな中で一家は大水害にみまわれ、姉の鶴子一家は東京に転任になる。時代はシナでの戦争が日ましに拡大していき、生活はしだいに窮屈になっていくが、そうした世間の喧噪をよそに、姉妹たちは花見、螢狩り、月見などの伝統的行事を楽しんでいる。


細雪 (下) (新潮文庫)
細雪 (下) (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 16,010


昭和十六年、三十五歳になった雪子は、やっと貴族出の男との縁談がまとまり、結婚式に上京する。他方、バーテンと同棲した妙子は子供を死産してしまい、明暗二様の対比のうちに物語が終る。『源氏物語』の現代語訳をなしとげた著者が、現代の上方文化のなかにその伝統を再現しようと、戦争中の言論統制によって雑誌掲載を禁止されながらも、えいえいとして書き続けた記念碑的大作。


少将滋幹の母 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 268,057


時の左大臣に奪われた、帥の大納言の北の方は絶世の美女。残された子供滋幹の母に対する追慕に焦点をあててくり広げられる絵巻物。


卍(まんじ) (新潮文庫)
卍(まんじ) (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 42,065


夫に不満のある若い妻・園子は、技芸学校で出会った光子と禁断の関係に落ちる。しかし奔放で妖艶な光子は、一方で異性の愛人・綿貫との逢瀬を続ける。光子への狂おしいまでの情欲と独占欲に苦しむ園子は、死を思いつめるが――。おたがいを虜にしあった二人の女が織りなす、淫靡で濃密な愛憎と悲劇的な結末を、生々しい告白体で綴り、恋愛小説家谷崎の名を不動のものとした傑作。


蓼喰う虫 (新潮文庫)
蓼喰う虫 (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 107,303


全てにおいて完璧だと思って結婚した女なのに、なぜ妻という立場になると、欲情しなくなるのだろう……。セックスレスが原因で不和に陥った一組の夫婦。夫は勝手気儘に娼婦を漁り、片や妻は夫公認の間男の元へと足繁く通う日々を送る。関係はもはや破綻しているのに、子供のことを考えると離婚に踏み切れない。夫婦を夫婦たらしめるものは一体何か。著者の私生活を反映した問題作。


猫と庄造と二人のおんな (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 75,456


一匹の猫を中心に、猫を溺愛している愚昧な男、猫に嫉妬し、追い出そうとする女、男への未練から猫を引取って男の心をつなぎとめようとする女の、三者三様の痴態を描く。人間の心に宿る“隷属”への希求を反時代的なヴィジョンとして語り続けた著者が、この作品では、その“隷属”が拒否され、人間が猫のために破滅してゆく姿をのびのびと捉え、ほとんど諷刺画に仕立て上げている。


吉野葛・盲目物語 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 210,476


大和の吉野を旅する男の言葉に、失われた古きものへの愛惜と、永遠の女性たる母への思慕を謳う「吉野葛」など、中期の代表作2編。


痴人の愛 (新潮文庫)
痴人の愛 (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
売り上げランキング: 12,967


きまじめなサラリーマンの河合譲治は、カフェでみそめて育てあげた美少女ナオミを妻にした。河合が独占していたナオミの周辺に、いつしか不良学生たちが群がる。成熟するにつれて妖艶さを増すナオミの肉体に河合は悩まされ、ついには愛欲地獄の底へと落ちていく。性の倫理も恥じらいもない大胆な小悪魔が、生きるために身につけた超ショッキングなエロチシズムの世界。






 📚あなたはそのたった一人になれますか。(P97)
 こころ/夏目漱石(著)

友情と恋の、どちらかを選ばなくてはならなくなったら、どうしますか……。 

こころ

こころ (新潮文庫)

限定プレミアムカバー

鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生”と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン親友を裏切って恋人を得た。しかし、親友は自殺した。増殖する罪悪感、そして焦燥……。知識人の孤独な内面を快る近代文学を代表する名作。“私”が先生と出逢った鎌倉の海。何度も通った先生と妻の家。病気で余命幾ばくもない父がいる実家。明治天皇の崩御で時代が移り変わって行く中で“私”が求めたもの。後半の“先生”が語る告白文は、人の『こころ』を生々しく表しているように思える。 「恋は罪悪です」の言葉が人間の姿を表現している。 先生が体験した心臓に刺さるような恋心と嫉妬とエゴと友情と。 “私”を通して‘私’の血肉となっていく。

十代の頃に初めて読んで、何度目かの再読。純文学って読んでいると自分が高尚な人間になった気がしてしまう魔力がある。明治の世の恋愛は重いなと思った。シチュエーションとしては少女漫画でありそう。同じ屋根の下で暮らしてたら、そりゃ好きになるよね。 先生の「K」への罪を許されたくないという心は少し理解できる。先生を殺したのは時代だと思った。それに先生が新しい時代を望まなかったのもまた明治の世に生まれたからなのかなと思った。 再読ごとに感じ方が変わっていく。年齢と共に「先生」の言わんとするところが理解しやすくなっていた。でも「K」に対しては、えっそれで死ぬ⁉と思ったり、親の死に目を放った「私」にもこの先、先生のような運命が待ち受けているんじゃないかと勘ぐったり、先生の「妻」にはいきなり東京に帰ってきた理由をどう説明するのさ…と心配したり、なんだか私も少し大人になったなーと(笑)。先生の苦しみが分かる所もあれば、分かろうとしても分からない部分もある。前半に焦らされて焦らされて「先生早く答えを・・・!」となりつつ、後半は遺書の膨大な量に圧倒されました。非常に考えさせられる一冊!

夏目漱石
┣1867年2月9日(慶応3年1月5日) - 1916年(大正5年)12月9日(50歳没)
┣江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)に生れる。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学した。留学中は極度の神経症に悩まされたという。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表し大評判となる。翌年には『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、東大を辞し、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。


虞美人草 (新潮文庫)
虞美人草 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 127,958


大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才小野。彼の心は、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾と、古風でもの静かな恩師の娘小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさからぬけ出すために、いったんは小夜子との縁談を断わるが……。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。東京帝大講師をやめて朝日新聞に入社し、職業的作家になる道を選んだ夏目漱石の最初の作品。


硝子戸の中 (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 162,987


硝子戸の中から外を見渡しても、霜除けをした芭蕉だの、直立した電信柱だののほか、これといって数えたてるほどのものはほとんど視野に入ってこない――。宿痾の胃潰瘍に悩みつつ次々と名作を世に送りだしていた漱石が、終日書斎の硝子戸の中に坐し、頭の動くまま気分の変るまま、静かに人生と社会を語った随想集。著者の哲学と人格が深く織りこまれている。


門 (新潮文庫)
門 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 16,734


親友の安井を裏切り、その妻であった御米と結ばれた宗助は、その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても積極的解決に乗り出すこともなく、社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。『三四郎』『それから』に続く三部作。


草枕 (新潮文庫)
草枕 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 69,786


智に働けば角が立つ――思索にかられつつ山路を登りつめた青年画家の前に現われる謎の美女。絢爛たる文章で綴る漱石初期の名作。


行人 (新潮文庫)
行人 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 94,574


学問だけを生きがいとしている一郎は、妻に理解されないばかりでなく、両親や親族からも敬遠されている。孤独に苦しみながらも、我を棄てることができない彼は、妻を愛しながらも、妻を信じることができず、弟・二郎に対する妻の愛情を疑い、弟に自分の妻とひと晩よそで泊まってくれとまで頼む……。「他の心」をつかめなくなった人間の寂寞とした姿を追究して『こころ』につながる作品。


道草 (新潮文庫)
道草 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 62,400


海外留学から帰って大学の教師になった健三は、長い時間をかけて完成する目的で一大著作に取りかかっている。その彼の前に、十五、六年前に縁が切れたはずの養父島田が現われ、金をせびる。養父ばかりか、姉や兄、事業に失敗した妻お住の父までが、健三にまつわりつき、金銭問題で悩ませる。その上、夫婦はお互いを理解できずに暮している毎日。近代知識人の苦悩を描く漱石の自伝的小説。


坑夫 (新潮文庫)
坑夫 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 72,586


恋愛事件のために家を出奔した主人公は、周旋屋に誘われるまま坑夫になる決心をし、赤毛布や小僧の飛び入りする奇妙な道中を続けた末銅山に辿り着く。飯場にひとり放り出された彼は異様な風体の坑夫たちに嚇かされたり嘲弄されたりしながらも、地獄の坑内深く降りて行く……漱石の許を訪れた未知の青年の告白をもとに、小説らしい構成を意識的に排して描いたルポルタージュ的異色作。


明暗 (新潮文庫)
明暗 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 55,416


勤め先の社長夫人の仲立ちで現在の妻お延と結婚し、平凡な毎日を送る津田には、お延と知り合う前に将来を誓い合った清子という女性がいた。ある日突然津田を捨て、自分の友人に嫁いでいった清子が、一人温泉場に滞在していることを知った津田は、秘かに彼女の元へと向かった……。濃密な人間ドラマの中にエゴイズムのゆくすえを描いて、日本近代小説の最高峰となった漱石未完の絶筆。


虞美人草 (新潮文庫)
虞美人草 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 127,958


大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才小野。彼の心は、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾と、古風でもの静かな恩師の娘小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさからぬけ出すために、いったんは小夜子との縁談を断わるが……。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。東京帝大講師をやめて朝日新聞に入社し、職業的作家になる道を選んだ夏目漱石の最初の作品。


吾輩は猫である (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 20,079


中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。


坊っちゃん (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 3,968


松山中学在任当時の体験を背景とした初期の代表作。物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情径行の青年“坊っちゃん”が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。近代小説に勧善懲悪の主題を復活させた快作である。


それから (新潮文庫)
それから (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 10,984


長井代助は三十にもなって定職も持たず、父からの援助で毎日をぶらぶらと暮している。実生活に根を持たない思索家の代助は、かつて愛しながらも義侠心から友人平岡に譲った平岡の妻三千代との再会により、妙な運命に巻き込まれていく……。破局を予想しながらもそれにむかわなければいられない愛を通して明治知識人の悲劇を描く、『三四郎』に続く三部作の第二作。


彼岸過迄 (新潮文庫)
彼岸過迄 (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 86,276


誠実だが行動力のない内向的性格の須永と、純粋な感情を持ち恐れるところなく行動する彼の従妹の千代子。愛しながらも彼女を恐れている須永と、彼の煮えきらなさにいらだち、時には嘲笑しながらも心の底では惹かれている千代子との恋愛問題を主軸に、自意識をもてあます内向的な近代知識人の苦悩を描く。須永に自分自身を重ねた漱石の自己との血みどろの闘いはこれから始まる。


二百十日・野分 (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 227,440


俗な世相を痛烈に批判し、非人情の世界から人情の世界への転機を示す「二百十日」、その思想をさらに深く発展させた「野分」を収録。


文鳥・夢十夜 (新潮文庫)
夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 13,847


人に勧められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤独な心持をにじませた名作『文鳥』、意識の内部に深くわだかまる恐怖・不安・虚無などの感情を正面から凝視し、〈裏切られた期待〉〈人間的意志の無力感〉を無気味な雰囲気を漂わせつつ描き出した『夢十夜』ほか、『思い出す事など』『永日小品』等全7編。


こころ (新潮文庫)
こころ (新潮文庫)
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夏目 漱石
新潮社
売り上げランキング: 131


熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎は、見る物聞く物の総てが目新しい世界の中で、自由気儘な都会の女性里見美禰子に出会い、彼女に強く惹かれてゆく……。青春の一時期において誰もが経験する、学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、三四郎の恋愛から失恋に至る過程の中に描いて『それから』『門』に続く三部作の序曲をなす作品である。





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