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映画「重力ピエロ 」(2009)

kage

2009/05/23 (Sat)


Arikaシネマ2014b5

ジャンル:ミステリー、ヒューマンドラマ
 重力ピエロ (2009) 2009年5月23日公開

重力ピエロ
重力ピエロ
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■映画ストーリー
遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ春(岡田将生)は、一見すると仲の良さそうな普通の兄弟だ。そんな二人の住む街では、謎の連続放火事件が発生していた。泉水と春は事件に深く踏み込み、家族を巻き込みながら次第に家族の過去にも近づいていくのだが……。

★映画チェック★
作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説である、傑作ミステリーの映画化作品。数々の伏線を基に、一つに絡み合ったすべての謎が解けたとき、過去から今へとつながる家族の真実が明らかにされる。物語の核となる兄弟役に挑むのは、『それでもボクはやってない』の加瀬亮と『天然コケッコー』の岡田将生。主人公の両親にふんするのは、小日向文世と鈴木京香。監督デビュー作『Laundry ランドリー』で高い評価を得た、森淳一の演出手腕にも注目したい。

■スタッフ
監督:森淳一
プロデューサー:荒木美也子/守屋圭一郎
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎
原作:伊坂幸太郎
企画・脚本:相沢友子
音楽:渡辺善太郎
撮影:林淳一郎
主題歌:S.R.S

☑映画詳細データ
製作国:日本
配給:アスミック・エース
技術:カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD
(ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか)
上映時間:119分

■キャスト(役名)
奥野泉水:加瀬亮(幼少期:大野日南太、少年時代:熊谷知博)
奥野春:岡田将生(少年時代:北村匠海)
奥野正志(ただし):小日向文世
奥野梨江子:鈴木京香
夏子: 吉高由里子(高校時代:大谷英里)
山内: 岡田義徳
葛城由紀夫:渡部篤郎(高校時代:尾関伸嗣)




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Arika感想(映画)a独特のスピードで進むミステリー
父親に疑問があるが、兄弟愛は良かった

最初と最後の台詞が全く同じなのにもかかわらず、捕らえ方や印象が180度変わって見える作品。勉強が得意だが冴えない兄・泉水と、哲学的な考え方をしてガンジーやピカソを愛するイケメンの弟・春のデコボコ兄弟が、グラフティアートにメッセージを残す放火犯の謎を解くストーリー・・・と思わせておきながら途中からは、レイプ犯の子供という事実に悩む春と、大学院の設備を使って春と犯人の葛城の親子関係を実証してしまった泉水が、葛藤の末に犯人殺害・・・と想像させるが、実は遺伝子上の父親だが身勝手すぎる犯罪者であり大切な家族を壊そうとする葛城に復讐する春が、放火犯でありグラフティアートを書いたその人だったという、大きな展開とどんでん返しを見せるストーリーである。最後にあっと言わせるようなスピード感あふれる展開ではなく、徐々に選択肢を無くして「なるほど」と思わせる展開から「そう来たか」という犯人に持っていく。だが遺伝子情報を元にした暗号解読などは、本来なら難しすぎてついていけない。専門的な勉強をしていない春が、資料をそろえて準備したとはいえメッセージを残すのも説得力に乏しいというか違和感を感じる。

そして繰り返される「レイプ」という言葉や、被害者の女性に対する周囲の視線が“おそらくこうなるであろう”という悪意に似た感情に満ちており、セカンドレイプという言葉とそこから生まれてしまった罪の無い子供への偏見が生々しく感じられる作品にしている。感受性が過敏な女性は気分を害したり、嫌悪感を感じる可能性がある内容で、観る側を選ぶ作品ではある。また女性軽視の発言、小学生の子供とその親までもが、春たち家族を嘲る場面があったため、私個人としてはPG12指定(12歳未満の鑑賞には保護者の指導が必要という指定)が好ましいと感じた。

父親の葛藤や、妻を死に追いやった罪の意識がある部分は、何故描かれてないのかも謎?もちろん父親は辛い時に一番笑顔でいる人で、ピエロの様に笑いながら心では........の人なんだろうけど。小日向文世が演じたからか、漂う空佐感がほのぼの、どこかのんびりと進むストーリーだが、放火犯を探そうとする事から過去の別の問題が掘り起こされ、実は2つ繋がっていて、という絡み合った結末は印象的。全体的に重い設定であるにも関わらず、序盤の桜の花が舞い散る映像の美しさや、現実から近すぎず遠すぎない家の外観や内装、雰囲気などが春の木漏れ日のようなムードを出していて、やや重たいくらいにまで軽減されている。

鈴木京香演じる母親も過去の傷や世間の目はあっても、覚悟を持って産んだ息子を追いて、一人で死ぬなんてありえない…事故であって欲しい。運転中に葛城(渡部篤郎)を見かけて、動揺して事故ったとか…。母親が自殺なのかなど、自分で考えた結論を合わせたほうが面白い演出になっているが、クライマックスで火事になった家の中にいた葛城の生死くらいはハッキリさせないと、見終わってからスッキリしない。最初と最後の台詞が同じという設定にはこだわりが垣間見え、家族愛がしっかり描かれているのに感動できる作品である。

兄・泉水役の加瀬亮と、弟・春役の岡田将生のデコボコ兄弟のイメージがピッタリだし、暢気な父親役の小日向文世もこれ以上ないであろうキャスティング。整形してまで春に好かれようとした“夏子さん”役の吉高由里子が、性格まで明るくなって泉水と共に走り回るシーンには違和感がある。悪役である葛城役の渡部篤郎の台詞は、身の毛もよだつものだらけなのに、外見がどこにでもいそうな雰囲気で服役した過去があるようには見えない毒気が足りない悪役っぷり飄々さ。家族愛がしっかり描かれているのに感動できる作品なのだが、小日向文世のヅラが気になるなるのと、加瀬亮の少し斜め流しの前髪がなんだか気持ち悪い。

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重力ピエロ 評価…点数:85点/100点
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オススメ度:★★★★☆
物語:★★★★☆
配役:★★★★☆
映像:★★★☆☆
演出:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
設定:★★★☆☆

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