新潮社文庫の100冊2019|ヤバイ本⑤|日本文学(檸檬/蜘蛛の糸・杜子春/仮面の告白/人間失格)

2019/09/25 (Wed)

新潮文庫の100冊2019
新潮文庫フェア
新
潮文庫『新潮文庫の100冊』。
2019年のテーマ「この感情は何だろう。」
毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。
これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。
2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。
#キュンタ大作戦。
新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。
今年の「新潮文庫の100冊」には、「#キュンタ」で盛り上げて、「純金キュンタしおり」をゲットしよう!
応募方法

「キュンタうちわしおり」
※「キュンタうちわしおり」は「新潮文庫100冊」フェアを開催している全国主要書店でもらえます。
※「新潮文庫の100冊」購入者が対象です。
※「キュンタうちわしおり」は無くなりしたい終了します。
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抽選100名様に「キュンタうちわしおり」が当たる!
※当選された方はDMが届きます。
*24K(表面加工)です。
応募締切
2019年9月5日(金)正午まで

詳しいことは
「新潮文庫の100冊2019」ページで応募規約を含めて確認!
恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


📚=新潮文庫の一行
大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。
こんな世の中、こんな自分、みんな爆破してしまいたい。
31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。
…‥‥‥…★

梶井基次郎
┣(1901-1932)大阪生れ。少年時代は三重、東京などに転居を繰り返す。1919年、エンジニアを目指して三高理科に入学するが次第に文学に惹かれ、1924年、東京帝大英文科に入学。同人誌「青空」で積極的に活動するが、少年時代からの肺結核が悪化し卒業は叶わなかった。療養のため訪れた伊豆の湯ケ島温泉で川端康成、広津和郎に親近し創作を続けた。しかし病は次第に重くなり、初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、郷里大阪にて逝去。享年31。
〈救い〉とは何だろう?
文学が最後にたどりつく永遠のテーマ〈救済〉を静かな筆致でとらえた傑作。
地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。
…‥‥‥…★

芥川龍之介
┣(1892-1927)東京生れ。東京帝大英文科卒。在学中から創作を始め、短編「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。その後今昔物語などから材を取った王朝もの「羅生門」「芋粥」「藪の中」、中国の説話によった童話「杜子春」などを次々と発表、大正文壇の寵児となる。西欧の短編小説の手法・様式を完全に身に付け、東西の文献資料に材を仰ぎながら、自身の主題を見事に小説化した傑作を多数発表。1925(大正14)年頃より体調がすぐれず、「唯ぼんやりした不安」のなか、薬物自殺。「歯車」「或阿呆の一生」などの遺稿が遺された。
苦しい。彼の姿から目が離せない僕。
そんな男の子の気持わかりますか?

仮面の告白 (新潮文庫)

「私は無益で精巧な一個の逆説だ。この小説はその生理学的証明である」と作者・三島由紀夫は言っている。女性に対して不能であることを発見した青年は、幼年時代からの自分の姿を丹念に追求し、“否定に呪われたナルシシズム”を読者の前にさらけだす。三島由紀夫の文学的出発をなすばかりでなく、その後の生涯と、作家活動のすべてを予見し包含した、戦後日本文学の代表的名作。
…‥‥‥…★

早くから自らの同性愛的傾向を自覚した主人公は、自らの性向と友人の妹の園子の間で苦しみながら戦中と戦後を過ごす。肉欲の伴わない愛を尊び、肉欲(肉感)に惹かれる己を卑下するのはピューリタニズム的に過ぎていてイマイチ響かない。自分がアブノーマルだという自覚があるからこそ、理性的愛情と愛欲の交点を見出すことを諦めざるを得なかったであろう彼の心情を思うと辛い。彼は愛への理想が高過ぎるばかりに、ありふれた好感を蔑ろにしてしまう人だとも思う(そんな人に心当たりがある)。 衒学的な引用や唐突なラテン語などは見栄っ張りで、くどいほどの内省は気難しいが、一方で風景や仕草の描写は繊細。このアンバランスな文体が話によく合っていた。この作品はフィクションでありながら、自らの倒錯と仮面に覆われた嘘の自分を描いた私小説のようにとれたが私の読解力の及ばないとこは確実にあるはずだ。数ページめくってみただけで、たちまち吸い込まれるように読み耽った。一つ一つの言葉の輝き、躍動感のある文体、緻密な構成。どれをとっても昔受けた衝撃が甦るのに大した時間はかからなかった。人は誰しも告白すべき何かを隠しているのかもしれない。 まして作家であれば、ひとつの作品を産み出すような告白があるのだろう。 「青春」と恥ずかしげもなく呼んでみる。 そんな、自らの人となり、自らの運命を、ロマンチックに考え勝ちな時間。 「告白」と大それた思いで書き記したくなるのではないか。ずっと三島を警戒していたが、繊細な描写を楽しみながら静かに読む読み方もあったのだ。 しかし、迸る想いを書き連ねているだけではなく、冷静に読者の目を意識しているように思える。それにしても人間はここまで自分をさらけ出す必要があるのだろうか。
三島 由紀夫
┣(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
この主人公は自分だ、と思う人とそうでない人に、日本人は二分される。

「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う、太宰治、捨て身の問題作。
…‥‥‥…★

太宰 治
┣(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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