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新潮社文庫の100冊2019|ヤバイ本④|海外文学(スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編―/罪と罰〔上・下〕/異邦人/変身×カフカ)

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2019/09/24 (Tue)

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新潮文庫の100冊2019
文庫フェア


潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2019年のテーマ「この感情は何だろう。」

毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■今年の特典


#キュンタ大作戦

新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。

 今年の「新潮文庫の100冊」には、「#キュンタ」で盛り上げて、「純金キュンタしおり」をゲットしよう!

応募方法

一冊買えばもらえる!

「キュンタうちわしおり」

※「キュンタうちわしおり」は「新潮文庫100冊」フェアを開催している全国主要書店でもらえます。
※「新潮文庫の100冊」購入者が対象です。
※「キュンタうちわしおり」は無くなりしたい終了します。

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当たる!
抽選100名様に「キュンタうちわしおり」が当たる!
※当選された方はDMが届きます。
*24K(表面加工)です。

応募締切
2019年9月5日(金)正午まで

締め切り以降の投稿は応募対象外となりますので、ご注意ください。

詳しいことは
「新潮文庫の100冊2019」ページで応募規約を含めて確認!


■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


■アイコンの説明


=受賞作
=映像化
📚=新潮文庫の一行

大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。
  ヤバイ本
 海外文学 英米文学×ロシア文学×フランス文学×ドイツ文学

英米文学
 📚おまえたち、死体を見に行きたかないか?(P40)
 スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編―
 /スティーヴン・キング(著) 、山田 順子(訳)


少年たちは線路をたどる。

冒険の、あの夏。

あの名曲が甦る。

名画を生んだ名篇を収録した絶品の中篇集。

99万部! 


スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)
スティーヴン・キング
新潮社
売り上げランキング: 90,594


森の奥に子供の死体がある──噂を聞いた4人は死体探しの旅に出た。もう子供ではない、でもまだ大人にも成りきれない少年たちの冒険が終ったとき、彼らの無邪気な時代も終ったのだった……。誰もが経験する少年期特有の純粋な友情と涙を描く表題作は、作家になった仲間の一人が書くという形をとった著者の半自伝的作品である。他に英国奇譚クラブの雰囲気をよく写した1編を収録。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン名作映画の原作。あの曲を脳内再生しつつ読む。でもだんだん辛くなる。線路をずっと歩くとか、焚火で焼いたハンバーガーにかじりつくとか、年上の不良とやり合うとか・・・やってることは「夏の終わり、4人の少年の2日間の冒険」で、この年頃らしく、おバカで無意味でちょっとかっこ良かったり。でも何だろう、この陰惨な感じ。少年達の複雑な家庭環境、人体の執拗な描写。そもそも冒険の目的は死体探しだったし。やはり原題通り、“The Body”なんだ。ままならない身体を持て余しつつあがく濃密な時間の共有は、少年期のかけがえのない記憶となる。多分。若い頃に映画を観た時よりもノスタルジックな想いも強いのだろう、今の方が響く。夏が終わり新学期が始まるとあれほどの体験を共有した彼らが呆気なく離れて、環境に順応するように落ちていくテディとバーンのふたりにやるせなさを感じる。クリスは自分の将来を切り開く意思も賢さもあったのにトラブルに巻き込まれたことが哀しい。大人になるということ、少年達のそれぞれの性質、抜け出しづらい環境、いつまでも一緒にいることが叶わない現実などに思いを馳せる。また映画を観たら泣いてしまいそうな気がする。映画と合わせて読むと、また面白そう。 死、成長、別れ。 小学校から中学校に移るくらいの年代を、活き活きと描いている。 アメリカではきっとこうなのだろう、と感じられる。 キングですがホラー作品ではなく、多くの人におすすめ。 他の作家の作品に影響を与えていることにも気づきます。

スティーヴン・キング
┣1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、1974年に『キャリー』でデビュー。好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』『ダーク・タワー』シリーズなどがある。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。


Arikaシネマ2014b1
 新潮社|書籍一覧まとめ

 キャリー/永井淳(訳)
 巨匠キング不朽のデビュー長篇、映画化。
 プロムの夜に何かが起こる。スクールカーストも一変させる何かが。


キャリー (新潮文庫)
キャリー (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 47,504


美しく愛らしかったキャリーは変貌してしまった。宗教に取り憑かれた母のためか。ずっと続くイジメのせいか。スクールカーストの最下層に置かれた彼女の未来は、だが、ハイスクール最大のイベント、プロムで一変するかに見えた……。なぜ彼女の「能力」は発動してしまったのか。どうして平和な小さな街は凄絶な運命に襲われたのか。巨匠キングの鮮烈なるデビュー作にして永遠の名作。


 ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 /浅倉久志(訳)
 その夏、少年は変わってゆく。
 絶望的に。名画「ショーシャンクの空に」の原作、「刑務所のリタ・ヘイワース」を併録。


ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫)
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 34,812


明るい性格、成績良好。何不自由なく暮らす13歳の少年トッドは夏休みのある日、誰も知らぬ秘密を胸に近所に住む老人の家へと足を踏み入れる。老人は、ナチの戦犯だったのでは? 少年と老人の奇怪な交流を描いた「ゴールデンボーイ」、無実を主張しながらも刑務所入りした男の運命が胸を打つ、名画「ショーシャンクの空に」原作「刑務所のリタ・ヘイワース」の傑作中篇2篇を収録。


 第四解剖室 /白石朗(訳)
 これが、全米100万部の心意気だ! 
 キングのすべてを大放出。O・ヘンリ賞受賞作収録。


第四解剖室 (新潮文庫)
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 115,414


私はまだ死んでいない、死んでいないはずだ。ゴルフをしていて倒れた、ただそれだけだ。それだけなのに。だが、目の前にある解剖用の大鋏は腹へと迫ってくる……切り刻まれる恐怖を描いた標題作のほか、ホラーからサスペンス、ファンタジー、O・ヘンリ賞を受賞した文芸作品まで、幅広いジャンルにわたって天才ぶりを発揮してきた巨人キングの十年を総決算する全米百万部の傑作短篇集。



1408号室(2008年11月公開)
 幸運の25セント硬貨/浅倉久志(訳)
 ホラーだけだと思ったら大間違い! 天才キング10年の総決算。
 これが最後の短篇集かも。


幸運の25セント硬貨 (新潮文庫)
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 131,310


ベッドの枕に置かれた封筒。中には祝福の手紙(「きみはついてるな!」)と25セント硬貨。チップとも呼べない少額すぎるそのコインが、ホテルのメイドにもたらした幸運とは……市井の普通の人間に訪れた特別な瞬間を、名人芸の手業で描いた標題作ほか、天才キングが十年をかけて、瞬間瞬間の全精力を傾注して彫琢した傑作揃い、意外な結末ばかりの全七篇。全篇キング自身の解説つき。



セル(2017年2月公開)
 セル(上・下)/白石朗(訳)
 その着信を取ってはならない、愛する人に会いたければ――携帯(セル)使えば怪物に。
 未曾有の絶望が人類を襲う!


セル(上) (新潮文庫)
セル(上) (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 435,978


穏やかな陽射しが落ちる秋の一日、ボストン午後3時3分。世界は地獄へと姿を変えた。《パルス》。そのとき携帯電話(セル)を使用していたすべての人々が、一瞬にして怪物へと変貌したのだ。残虐極まる行為もいとわず、犠牲を求め続ける凶悪な存在に――。目前で突然繰り広げられる惨劇、街中に溢れる恐怖。クレイは茫然としていた。いったい何が? 別居中の妻と息子は? 巨匠の会心作、開幕!


 その着信を取ってはならない、愛する人に会いたければ――最愛の家族の安否は。
 旅の果てに出会う衝撃とは。


セル 下巻 (新潮文庫 キ 3-57)
スティーヴン キング
新潮社
売り上げランキング: 316,113


口ひげの小男トム、十五歳の少女アリスが仲間に加わった。クレイは彼らとともに最愛の息子の無事を祈りながら「我が家」のあるメイン州を目指す。だがその一方で携帯狂人は群れを形成するようになり、振る舞いも進化していく。そして、リーダーらしき人物の登場……。絶望的なまでに人無き荒野をゆく三人の旅のゆくえと、彼らを襲う悲劇とは。人類の未来をも問う、心揺さぶる結末。





ロシア文学
 📚一つの死と百の生命(いのち)の交代――(上巻・P138)
 罪と罰〔上・下〕/ドストエフスキー(著)、工藤精一郎(訳)

世のため人のためにぼくは老婆を殺した。

これほどの恐怖がついてくるとは……。 


罪と罰(上)(新潮文庫)
新潮社 (2016-07-29)
売り上げランキング: 17,558


鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン独自の犯罪哲学によって高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコラ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る歴史傑作。神はあるか、ないか。 極端な経済的貧しさが、善良だった人格を歪ませてしまう恐怖。庶民のささやかな幸福のためには悪を殺しても良いと考え殺してしまう。それから葛藤が始まる。ストーリーはとても単純なのにとても難解。誰も他人のことなんてわからない。だからみんな非凡なのだと思うのだけど。自分の腹の中で「俺はこんなもんじゃない」と誰もが叫んでるんだろうけど、それを満たすために命を奪っていいわけがない。傲慢。 そんなラスコーリニコフの語る言葉。「良心のある者は過ちを自覚したら苦悩する」「犠牲をあわれに思ったら苦悩したらいい」世の中の大きな悲しみを見つめる彼は孤独だ。しでかしたことの重大さより見つかることへの恐怖ばかりのラスコーリニコフの行く末を思いながら。他で味わったことない心情の表現に引き込まれた。何度も挫折してきたこの物語。ゆっくりと読みすすめる。さあ、下巻。


罪と罰〈下〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 21,964


不安と恐怖に駆られ、良心の呵責に耐えきれぬラスコーリニコフは、偶然知り合った娼婦ソーニャの自己犠牲に徹した生き方に打たれ、ついに自らを法の手にゆだねる。――ロシヤ思想史にインテリゲンチャの出現が特筆された1860年代、急激な価値転換が行われる中での青年層の思想の昏迷を予言し、強烈な人間回復への願望を訴えたヒューマニズムの書として不滅の価値に輝く作品である。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン己の才を信じ野心も希望も携えて傲慢に舞い上がる若さの特権。そこから社会とのすり合わせがはじまる。罪は誰も犯してはいけない領域に踏み込んだこと。他者の血を流した後に苦悩「できた」ラスコーリニコフは誠実であったなと思う。罰は自分が一番わかってる。人は脆く過ちを犯す。罪は償わないといけないし誠実に向き合うほど罰は心から消えない。人類はすべて凡人と非凡人とに分けられ、大勢を成すのが凡人、現代風に言うならタックスペイヤー。そして一握りの非凡人、現代風に言うならタックスイーターか。非凡人は「秩序維持のためなら反社会行動も是」とする思想。それは一世紀以上経った現代でも社会の縮図のよう。主人公の苦悩や葛藤、登場人物との人間関係の描写が見事。なるほど名作だと思った。「ナポレオンになろうと思った」この一言に尽きる。さて自分は自分の弱さを自分で裁けるか?他者の血に気づけるか?赦せるか?助け合う社会の一員でいられるか?そんな問いがずっと渦巻いている。印象的だったのは、主人公と母親の母子関係の描写。リアリティが垣間見られ、切なくもなりました。


ドストエフスキー
┣(1821-1881)19世紀ロシア文学を代表する世界的巨匠。父はモスクワの慈善病院の医師。1846年の処女作『貧しき人びと』が絶賛を受けるが、1849年、空想的社会主義に関係して逮捕され、シベリアに流刑。この時持病の癲癇が悪化した。出獄すると『死の家の記録』等で復帰。1861年の農奴解放前後の過渡的矛盾の只中にあって、鋭い直観で時代状況の本質を捉え、『地下室の手記』を皮切りに『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』等、「現代の予言書」とまでよばれた文学を創造した。


Arikaシネマ2014b1
 新潮社|書籍一覧まとめ

 未成年(上・下) /工藤精一郎(訳)
 いまこそドストエフスキーを読め! 佐藤優氏絶賛。
 『カラマーゾフの兄弟』に先立つ円熟期の名作。


未成年(上) (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 173,938


知識人の貴族ヴェルシーロフは、一家の主でありながら、「宿命の女性」アフマーコワへの情熱に駆られ破滅への道をひた走る。いっぽう彼と使用人の間に生れた私生児アルカージイは、日陰の生立ちのため世を憤り、富と権力を得ることを求めながら、父の愛を渇望する。ロシア社会の混乱を背景に、信仰と不信、地上的恋と天上的愛に引き裂かれる人間像を描くドストエフスキー円熟期の名作。


 圧倒的緊迫感! 怒濤のような疾走感!! 佐藤優氏激賞。
 「父と子」の葛藤、未成年の魂の遍歴を描く五大長編の一作。


未成年(下) (新潮文庫)
未成年(下) (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 177,965


酒、賭博の泥沼にのめり込み、腐敗した醜い人間関係に傷ついたアルカージイは、戸籍上の父である巡礼マカール老人の美しい心に打たれ、更生の道を見いだす。が、敬愛する実父ヴェルシーロフの「運命の女性」アフマーコワへ恋心を抱き、事態は悲劇的結末に向けて加速する。「父と子」の葛藤、未成年の魂の遍歴を描きながらロシア民族の理想を追求するドストエフスキー五大長編の一作。



 貧しき人びと/木村浩(訳)
 [処女作が大傑作]愛は貧しさに勝てるのか。
 往復書簡を交わす乙女と中年男の愛の行方は――。


貧しき人びと (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 117,478


世間から侮蔑の目で見られている小心で善良な小役人マカール・ジェーヴシキンと薄幸の乙女ワーレンカの不幸な恋の物語。往復書簡という体裁をとったこの小説は、ドストエフスキーの処女作であり、都会の吹きだまりに住む人々の孤独と屈辱を訴え、彼らの人間的自負と社会的卑屈さの心理的葛藤を描いて、「写実的ヒューマニズム」の傑作と絶賛され、文豪の名を一時に高めた作品である。



 地下室の手記/江川卓(訳)
 誰にも愛されたことがない。人を愛したこともない。
 社会から隔離された暗闇の部屋で綴られる、どす黒き魂の軌跡。


地下室の手記 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 12,131


極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。


 白痴(上・下) /木村浩(訳)
 誰からも愛されたムイシュキン公爵。誰もが彼を白痴(ばか)と呼んだ。


白痴(上) (新潮文庫)
白痴(上) (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 32,559


スイスの精神療養所で成人したムイシュキン公爵は、ロシアの現実についで何の知識も持たずに故郷に帰ってくる。純真で無垢な心を持った公爵は、すべての人から愛され、彼らの魂をゆさぶるが、ロシア的因習のなかにある人々は、そのためにかえって混乱し騒動の渦をまき起す。この騒動は、汚辱のなかにあっても誇りを失わない美貌の女性ナスターシャをめぐってさらに深まっていく。


白痴(下) (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 25,834


エゴイズムと粗暴さの権化である商人ロゴージン、誇り高い将軍家令嬢アグラーヤ。彼らは、ムイシュキン公爵とナスターシャのとの仲に翻弄され、ついにロゴージンは、二人の結婚式の当日、ナスターシャを奪い去り刺し殺してしまう。著者によって〈白痴(ばか)〉と呼ばれるムイシュキン公爵は、「無条件に美しい人間」を現代において創造しようとするドストエフスキーの悲願の結晶でもあった。


 悪霊(上・下)/江川卓(訳)

悪霊(上) (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 64,795


1861年の農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、動揺と混乱を深める過渡期ロシア。青年たちは、無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織してロシア社会の転覆を企てる。――聖書に、悪霊に憑かれた豚の群れが湖に飛び込んで溺死するという記述があるが、本書は、無神論的革命思想を悪霊に見たて、それに憑かれた人々とその破滅を、実在の事件をもとに描いたものである。

悪霊(下) (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 65,869


ドストエフスキーは、組織の結束を図るため転向者を殺害した“ネチャーエフ事件”を素材に、組織を背後で動かす悪魔的超人スタヴローギンを創造した。悪徳と虚無の中にしか生きられずついには自ら命を絶つスタヴローギンは、世界文学が生んだ最も深刻な人間像であり“ロシア的”なものの悲劇性を結晶させた本書は、ドストエフスキーの思想的文学的探求の頂点に位置する大作である。



 死の家の記録/工藤精一郎(訳)

死の家の記録 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 140,400


思想犯として逮捕され、死刑を宣告されながら、刑の執行直前に恩赦によりシベリア流刑に処せられた著者の、四年間にわたる貴重な獄中の体験と見聞の記録。地獄さながらの獄内の生活、悽惨目を覆う笞刑、野獣的な状態に陥った犯罪者の心理などを、深く鋭い観察と正確な描写によって芸術的に再現、苦悩をテーマとする芸術家の成熟を示し、ドストエフスキーの名を世界的にした作品。



 虐げられた人びと/小笠原豊樹(訳)

虐げられた人びと (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 153,076


民主主義的理想を掲げたえず軽薄な言動をとっては弁明し、結果として残酷な事態を招来しながら、誰にも憎まれない青年アリョーシャと、傷つきやすい清純な娘ナターシャの悲恋を中心に、農奴解放を迎え本格的なブルジョア社会へ移行しようとしていたロシアの混乱の時代における虐げられた人びとの姿を描く。人道主義を基調とし、文豪の限りなく優しい心情を吐露した抒情溢れる傑作。



📺カラマーゾフの兄弟(2013年1月放映)
 カラマーゾフの兄弟〔上・中・下〕/原卓也(訳)

カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 3,373


物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。


カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 6,404


19世紀中期、価値観の変動が激しく、無神論が横行する混乱期のロシア社会の中で、アリョーシャの精神的支柱となっていたゾシマ長老が死去する。その直後、遺産相続と、共通の愛人グルーシェニカをめぐる父フョードルと長兄ドミートリイとの醜悪な争いのうちに、謎のフョードル殺害事件が発生し、ドミートリイは、父親殺しの嫌疑で尋問され、容疑者として連行される。


カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 6,434


父親殺しの嫌疑をかけられたドミートリイの裁判がはじまる。公判の進展をつうじて、ロシア社会の現実が明らかにされてゆくとともに、イワンの暗躍と、私生児スメルジャコフの登場によって、事件は意外な方向に発展し、緊迫のうちに結末を迎える。ドストエフスキーの没する直前まで書き続けられた本書は、有名な「大審問官」の章をはじめ、著者の世界観を集大成した巨編である。



 賭博者/原卓也(訳)

賭博者 (新潮文庫)
賭博者 (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 104,160


ドイツのある観光地に滞在する将軍家の家庭教師をしながら、ルーレットの魅力にとりつかれ身を滅ぼしてゆく青年を通して、ロシア人に特有な病的性格を浮彫りにする。ドストエフスキーは、本書に描かれたのとほぼ同一の体験をしており、己れ自身の体験に裏打ちされた叙述は、人間の深層心理を鋭く照射し、ドストエフスキーの全著作の中でも特異な位置を占める作品である。



 永遠の夫/千種堅(訳)
 妻の浮気も黙認し、守ったものは「夫の座」。
 亭主であるほかに何の能もない男の悲哀を描く大文豪の異色作。


永遠の夫 (新潮文庫)
永遠の夫 (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
ドストエフスキー
新潮社
売り上げランキング: 158,548


生涯ただただ“夫”であるにすぎない男、妻はつぎつぎに愛人を替えていくのに、その妻にしがみついているしか能のない“永遠の夫”の物語。ある深夜、ヴェリチャーニノフは、帽子に喪章をつけたトルソーツキーの訪問を受け、かつて関係のあった彼の妻の死を告げられる。……屈辱に甘んじながら演じられる男の不可解な言動、卑屈さと根強い復讐心に揺れ動く深層心理を照射した名編。





フランス文学
 📚私ははじめて、世界の優しい無関心に、心をひらいた。(P156)
 異邦人/カミュ(著)、窪田啓作(訳)

人間らしくホンネで生きていくことって本当は、非常識なことかもしれないな。 

異邦人 (新潮文庫)
異邦人 (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
カミュ
新潮社
売り上げランキング: 3,058


母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン太陽の眩しさを理由にアラビア人を殺し、死刑判決を受けたのちも幸福であると確信する主人公ムルソー。不条理をテーマにした、著者の代表作。アルジェで暮らす男ムルソーは母の死に涙を流すこともなく、翌日には旧知の女性マリイと情事に耽ったり映画を見たりと普段通りに過ごす。そんな彼が後日、不運にも殺人を犯してしまい、裁判で死刑判決が下される。ただ、その理由が事件によることではなく、母の死を悲しまない冷酷さによるものであった。そんな不条理な社会を描いた作品。主人公の殺害の動機に道理はなかった。大抵はおかしいやつだなってことで非難される。私もこんな人いたらやだなって思った。でも、最後の方で、キリスト教かなんかの偉い人が、そんな考え方おかしい、間違ってるって言うのはどうかと思ったな。そりゃそっちの方がより行きやすいのかもしれないけど。主人公にはその押し付けが不条理だったんじゃないかな。立場によって道理って変わることを知った。合わない相手にはどうすればいいんだろう。自分の人生の中で選択され必要とされる生き方は限られている。そこにある感情や想いや考えも人それぞれに違い、人間関係のそういったものを寄せ集めた「社会」は複雑に歪んで不条理で理不尽に他者を責め立ててしまう。 読んでいてそういった大きなものを主人公の視点から感じたが、どうも私には些か難しかった。彼は悪人だったのだろうか。理解できない者を悪者にする社会とそこで異邦人とならざるを得ない存在。重々しく、しかし面白く読んだ。


カミュ
┣(1913-1960)アルジェリア生れ。フランス人入植者の父が幼時に戦死、不自由な子供時代を送る。高等中学(リセ)の師の影響で文学に目覚める。アルジェ大学卒業後、新聞記者となり、第2次大戦時は反戦記事を書き活躍。またアマチュア劇団の活動に情熱を注ぐ。1942年『異邦人』が絶賛され、『ペスト』『カリギュラ』等で地位を固めるが、1951年『反抗的人間』を巡りサルトルと論争し、次第に孤立。以後、持病の肺病と闘いつつ、『転落』等を発表。1957年ノーベル文学賞受賞。1960年1月パリ近郊において交通事故で死亡。


Arikaシネマ2014b1
 新潮社|書籍一覧まとめ

 シーシュポスの神話/清水徹(訳)
 わずか8頁の評論に全世界が感動した。天才カミュの神髄。


シーシュポスの神話 (新潮文庫)
カミュ
新潮社
売り上げランキング: 16,119


神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう。――本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。


 ペスト/宮崎嶺雄(訳)

ペスト (新潮文庫)
ペスト (新潮文庫)
posted with amazlet at 19.09.14
カミュ
新潮社
売り上げランキング: 9,974


アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。



 幸福な死/高畠正明(訳)

幸福な死 (新潮文庫)
幸福な死 (新潮文庫)
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カミュ
新潮社
売り上げランキング: 110,795


平凡な青年メルソーは、富裕な身体障害者の“時間は金で購われる”という主張に従い、彼を殺し金を奪う。『異邦人』誕生の秘密を解く作品。



涙するまで、生きる(2015年5月公開)
  転落・追放と王国/大久保敏彦 、窪田啓作(訳)
 「裁き」を回避せよ! 『異邦人』『ペスト』に続く第三の小説『転落』が、待望の新訳で登場。


転落・追放と王国 (新潮文庫)
カミュ
新潮社
売り上げランキング: 66,948


パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説『転落』。不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集『追放と王国』。なおも鋭利な現代性を孕む、カミュ晩年の二作を併録。



最初の人間(2012年12月公開)
 最初の人間/大久保敏彦(訳)
 《2013年》カミュ生誕100年記念刊行。ノーベル賞作家の自伝的遺作。映画化。


最初の人間 (新潮文庫)
カミュ
新潮社 (2012-10-29)
売り上げランキング: 44,800


戦後最年少でノーベル文学賞を受賞したカミュは1960年、突然の交通事故により46歳で世を去った。友人の運転していた車が引き起こした不可解な事故の現場には愛用の革鞄が残されていた。中からは筆跡も生々しい大学ノート。そこに記されていたのは50年代半ばから構想され、ついに未完に終わった自伝的小説だった──。綿密な原稿の精査によって甦った天才の遺作。補遺、注を付す。





ドイツ文学
 📚 ”これ”はお父さんとお母さんを殺しちゃうわ、そうですとも。(P99)
 変身×カフカ/フランツ・カフカ(著) 高橋義孝(訳)

世界文学史上最高の問題作。 

変身 (新潮文庫)
変身 (新潮文庫)
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フランツ・カフカ
新潮社
売り上げランキング: 83,891


ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン朝、目をさますと巨大な虫に変わっている自分を発見した男―― グレーゴル・ザムザ。第一次大戦後のドイツの精神的危機を投影した世紀の傑作。この人は一度本当に虫になったことがあるんじゃ…とさえ思える程のリアルな描写に衝撃を受けました。グレーゴルが甲虫に変身したところから始まる話だけど、最後は優秀な兄に抑圧された妹の精神的な解放と自立のストーリーに読めた。毒虫になっても、家族への愛情と思慮深さを失わず、静かに家族の成り行きと自分の死を見つめる主人公。グレーゴルとその家族にとって一番不幸なのは、意思疎通が全くできないことにある。妹の献身に感謝の言葉をかけれないことが、グレーゴルをより孤独にしてしまっている。家族のことを想い、積極的に生きることを止め、死を受け入れたラストが悲しすぎる。「変身」という題がついていますが、変化したのは主人公よりもむしろ家族のほうだったのではないかと感じました。当時の時代感覚はわからないが本書を読んでいる最中は現代の過重労働からの鬱や不登校を想像した。コメディというか、ブラックユーモア的な意図も感じられました。カフカが感じた孤独感、疎外感、絶望感。カフカの前にカフカ無し。カフカの後にカフカ無し。カフカ以上の絶望はないのかも。

フランツ・カフカ
┣(1883-1924)オーストリア=ハンガリー帝国領当時のプラハで、ユダヤ人の商家に生る。プラハ大学で法学を修めた後、肺結核で夭折するまで実直に勤めた労働災害保険協会での日々は、官僚機構の冷酷奇怪な幻像を生む土壌となる。生前発表された『変身』、死後注目を集めることになる『審判』『城』等、人間存在の不条理を主題とするシュルレアリスム風の作品群を残している。現代実存主義文学の先駆者。

Arikaシネマ2014b1
 新潮社|書籍一覧まとめ

 城/前田敬作(訳)

城 (新潮文庫)
城 (新潮文庫)
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フランツ・カフカ
新潮社
売り上げランキング: 74,929


測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城”は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない……。職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。



 絶望名人カフカの人生論/頭木弘樹(編訳)

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)
フランツ カフカ
新潮社 (2014-10-28)
売り上げランキング: 74,913


「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。彼のネガティブな、本音の言葉を集めたのがこの本です。悲惨な言葉ばかりですが、思わず笑ってしまったり、逆に勇気付けられたり、なぜか元気をもらえます。誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはいた、巨人カフカの元気がでる名言集。


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