新潮社文庫の100冊2019|泣ける本⑤(夜のピクニック/沈黙/博士の愛した数式/さがしもの)

2019/09/30 (Mon)

新潮文庫の100冊2019
新潮文庫フェア
新
潮文庫『新潮文庫の100冊』。
2019年のテーマ「この感情は何だろう。」
毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。
これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。
2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。
#キュンタ大作戦。
新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。
今年の「新潮文庫の100冊」には、「#キュンタ」で盛り上げて、「純金キュンタしおり」をゲットしよう!
応募方法

「キュンタうちわしおり」
※「キュンタうちわしおり」は「新潮文庫100冊」フェアを開催している全国主要書店でもらえます。
※「新潮文庫の100冊」購入者が対象です。
※「キュンタうちわしおり」は無くなりしたい終了します。
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抽選100名様に「キュンタうちわしおり」が当たる!
※当選された方はDMが届きます。
*24K(表面加工)です。
応募締切
2019年9月5日(金)正午まで

詳しいことは
「新潮文庫の100冊2019」ページで応募規約を含めて確認!
恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


📚=新潮文庫の一行
大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。



(2006年9月30日公開、配給:ムービーアイ/松竹、監督:長澤雅彦、主演:多部未華子)
夜だから、いつものみんなも違って見える。
私も少し、勇気を出せる。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
…‥‥‥…★

恩田陸
┣1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を、2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞した。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『木曜組曲』『ネバーランド』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』などがある。年代
四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた……。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。
📺「六番目の小夜子」(2000年4月8日 - 6月24日、全12話、NHK教育、主演:鈴木杏)
津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ――。強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは……。犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。年代
いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って――。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。
あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。
・春よ、こい/茶色の小壜/イサオ・オサリヴァンを捜して/睡蓮/ある映画の記憶/ピクニックの準備/国境の南/オデュッセイア/図書室の海/ノスタルジア第20回 山本周五郎賞
瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。容疑は、パーティ会場で発表予定だった『告白』の主演女優候補三人に掛かる。警察は女優三人に脚本家の変死をめぐる一人芝居『告白』を演じさせようとする――という設定の戯曲『中庭の出来事』を執筆中の劇作家がいて……。虚と実、内と外がめまぐるしく反転する眩惑の迷宮。芝居とミステリが見事に融合した山本周五郎賞受賞作。
葬式帰りの中年男女四人が、居酒屋で何やら話し込んでいる。彼らは高校時代、文芸部のメンバーだった。同じ文芸部員が亡くなり、四人宛てに彼の小説原稿が遺されたからだ。しかしなぜ……(「楽園を追われて」)。ある共通イメージが連鎖して、意識の底に眠る謎めいた記憶を呼び覚ます奇妙な味わいの表題作など全14編。ジャンルを超越した色とりどりの物語世界を堪能できる秀逸な短編集。
・水晶の夜、翡翠の朝/ご案内/あなたと夜と音楽と/冷凍みかん/赤い毬/深夜の食欲/いいわけ/一千一秒殺人事件/おはなしのつづき/邂逅について/淋しいお城/楽園を追われて/卒業/朝日のようにさわやかに年
私と踊って (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16恩田 陸
新潮社 (2015-04-30)
売り上げランキング: 332,294
パーティ会場でぽつんとしていた私に、不思議な目をした少女が突然声をかける。いつのまにか彼女に手をひかれ、私は光の中で飛び跳ねていた。孤独だけれど、独りじゃないわ。たとえ世界が終わろうと、ずっと私を見ていてくれる? ――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフにした表題作ほか、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、彩り豊かに味わい異なる19編の万華鏡。
本好きが嵩じて作家となった著者は、これまでどのような作品を愛読してきたのか? ミステリー、ファンタジー、ホラー、SF、少女漫画、日本文学……あらゆるジャンルを越境する読書の秘密に迫る。さらに偏愛する料理、食べ物、映画、音楽にまつわる話、転校が多かった少女時代の思い出などデビューから14年間の全エッセイを収録。本に愛され、本を愛する作家の世界を一望する解体全書。
ビールを楽しんだプラハ、巡礼者が行き交うスペイン、高所恐怖症と闘った韓国……。それぞれの土地に広がる、見たことのなかった風景たちを写真に収め、心に刻みながら、作家は新しい小説の予感を探す──。稀有な感性で捉えた情景を描き出す旅エッセイは、もう一つの恩田陸ワールド。さらに、過去の小説作品のヒントを得た舞台を明かす「ゲニウス=ロキ覚書」を書き下ろし収録。
『チョコレートコスモス』『中庭の出来事』
そして……
演劇を愛する著者が初めて挑んだ密室心理サスペンス劇。
高校時代の友人が亡くなり、映画研究会の同窓生男女5人が葬式帰りに集まった。小宴がはじまり、四方山話に花が咲くが、どこかぎこちない面々。誰かが席を外すと、残りの仲間は、憶測をめぐらし不在の人物について語り合う。やがて話題は、高校時代の不可解な事件へと及んだ……。15年前の事件の真相とは? そしてこの宴の本当の目的は? 著者が初めて挑んだ密室心理サスペンス劇。X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16朝井 リョウ あさの あつこ 伊坂 幸太郎 恩田 陸 白河 三兎 三浦 しをん
新潮社
売り上げランキング: 61,727
もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。吾輩も猫である (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16赤川 次郎 新井 素子 石田 衣良 荻原 浩 恩田 陸 原田 マハ 村山 由佳 山内 マリコ
新潮社 (2016-11-28)
売り上げランキング: 210,184
「ねね、ちょっと、私だって猫なんですけどぉ~。名前はまだ無いんですけどぉ~」夏目漱石没後100年&生誕150年記念出版! 明治も現代も、猫の目から見た人の世はいつだって不可思議なもので……。猫好きの作家8名が漱石の「猫」に挑む! 気まぐれな猫、聡明な猫、自由を何より愛する猫、そして、秘密を抱えた猫――。読めば愛らしい魅力があふれ出す、究極の猫アンソロジー!だから見るなといったのに: 九つの奇妙な物語 (新潮文庫nex)posted with amazlet at 19.09.16恩田 陸 芦沢 央 海猫沢 めろん 織守 きょうや 小林 泰三 澤村 伊智 前川 知大 北村 薫 さやか
新潮社 (2018-07-28)
売り上げランキング: 57,914
あのとき、目をそらしていたら。でも、もはや手遅れ。あなたはもとの世界には二度と戻れない。恐怖へ誘うのは、親切な顔をした隣人、奇妙な思い出を語り出す友人、おぞましい秘密を隠した恋人、身の毛もよだつ告白を始める旅の道連れ、そして、自分自身……。背筋が凍りつく怪談から、不思議と魅惑に満ちた奇譚まで。作家たちそれぞれの個性が妖しく溶け合った、戦慄のアンソロジー。
赤川次郎 (アカガワ・ジロウ)
┣1948(昭和23)年、福岡生れ。桐朋高校卒。1976年、「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。「三毛猫ホームズ」シリーズなどユーモア・ミステリーの他、サスペンス小説、恋愛小説まで幅広く活躍。2016(平成28)年、『東京零年』で吉川英治文学賞を受賞。『セーラー服と機関銃』『ふたり』『一億円もらったら』『晩夏』『無言歌』『子子家庭は波乱万丈』『天国と地獄』など著書多数。
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朝井リョウ(アサイ・リョウ)
┣1989(平成元)年、岐阜県生れ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2011年『チア男子!!』で高校生が選ぶ天竜文学賞、2013年『何者』で直木賞、 2014年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞を受賞。ほかの著書に『もういちど生まれる』『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『死にがいを求めて生きているの』などがある。
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あさのあつこ
┣1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI〜VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『ありふれた風景画』『ランナー』『夜叉桜』『The MANZAI』『晩夏のプレイボール』『ぬばたま』『火群のごとく』『ミヤマ物語』『花や咲く咲く』『もう一枝あれかし』『花を呑む』『末ながく、お幸せに』など多数。
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芦沢央 (アシザワ・ヨウ)
┣1984(昭和59)年、東京生れ。千葉大学文学部卒業。2012(平成24)年、『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。ほかの著書に『悪いものが、来ませんように』『今だけのあの子』『いつかの人質』『貘の耳たぶ』『火のないところに煙は』などがある。
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新井素子(アライ・モトコ)
┣1960年東京都生れ。立教大学文学部ドイツ文学科卒業。1977年都立高校2年のとき、「あたしの中の……」で第一回奇想天外SF新人賞佳作に入選、星新一氏の強い推薦で作家デビュー。1981年「グリーン・レクイエム」、1982年「ネプチューン」で2年連続の星雲賞日本短篇部門受賞。1999年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞受賞。『星へ行く船』『ひとめあなたに…』『結婚物語』『新婚物語』『あなたにここにいて欲しい』『緑幻想』『ハッピー・バースディ』、星新一作品のアンソロジー&エッセイ『ほしのはじまり』、『未来へ……』『素子の碁』『ゆっくり十まで』、『星へ行く船』復刊新装版シリーズ全5巻など著書多数。小社からは『おしまいの日』『もいちどあなたにあいたいな』『イン・ザ・ヘブン』を刊行。
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石田衣良( イシダ・イラ)
┣1960(昭和35)年、東京生れ。成蹊大学経済学部卒業、広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。1997(平成9)年9月「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』でデビュー。2003年7月『4TEEN』で直木賞受賞。2006年、『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞受賞。2013年『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞した。著書に『6TEEN―シックスティーン―』『夜の桃』『水を抱く』『チッチと子』『娼年』『逝年』『sex』『余命1年のスタリオン』『マタニティ・グレイ』などがある。
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伊坂幸太郎(イサカ・コウタロウ)
┣1971年千葉県生まれ。東北大学法学部を卒業後、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で日本推理作家協会賞短編部門、2008年『ゴールデンスランバー』で山本周五郎賞と本屋大賞、2014年『マリアビートル』で大学読書人大賞を受賞。他の作品に『AX』『サブマリン』『陽気なギャングは三つ数えろ』『火星に住むつもりかい?』『ラッシュライフ』『重力ピエロ』『首折り男のための協奏曲』、阿部和重氏との合作『キャプテンサンダーボルト』などがある。
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海猫沢めろん(ウミネコザワ・メロン)
┣1975(昭和50)年大阪府生れ。2004(平成16)年『左巻キ式ラストリゾート』でデビュー。他の小説に『夏の方舟』『キッズファイヤー・ドットコム』など。エッセイやルポも手がける。
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織守きょうや(オリガミ・キョウヤ)
┣1980(昭和55)年ロンドン生れ。2013(平成25)年『霊感検定』でデビュー。2015年「記憶屋」で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。他の作品に『黒野葉月は鳥籠で眠らない』などがある。
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荻原浩(オギワラ・ヒロシ)
┣1956(昭和31)年、埼玉県生れ。成城大学経済学部卒。広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。1997(平成9)年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞を、2014年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞受賞を、2016年『海の見える理髪店』で直木三十五賞を受賞。著作に『ハードボイルド・エッグ』『神様からひと言』『僕たちの戦争』『さよならバースディ』『あの日にドライブ』『押入れのちよ』『四度目の氷河期』『愛しの座敷わらし』『ちょいな人々』『オイアウエ漂流記』『砂の王国』『月の上の観覧車』『誰にも書ける一冊の本』『幸せになる百通りの方法』『家族写真』『冷蔵庫を抱きしめて』『金魚姫』『ギブ・ミー・ア・チャンス』など多数。
北村薫(キタムラ・カオル)
┣1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、1989年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。小説に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『スキップ』『ターン』『リセット』『盤上の敵』『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『月の砂漠をさばさばと』『ひとがた流し』『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)『語り女たち』『1950年のバックトス』『いとま申して 「童話」の人びと』『慶應本科と折口信夫 いとま申して2』『飲めば都』『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』『遠い唇』などがある。読書家として知られ、『詩歌の待ち伏せ』『うた合わせ 北村薫の百人一首』『謎物語』『ミステリは万華鏡』『読まずにはいられない 北村薫のエッセイ』『書かずにはいられない 北村薫のエッセイ』『愛さずにいられない 北村薫のエッセイ』など評論やエッセイ、『名短篇、ここにあり』『名短篇、さらにあり』『とっておき名短篇』『名短篇ほりだしもの』『読まずにいられぬ名短篇』『教えたくなる名短篇』(宮部みゆきさんとともに選)などのアンソロジー、新潮選書『北村薫の創作表現講義』、新潮新書『自分だけの一冊 北村薫のアンソロジー教室』など創作や編集についての著書もある。
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小林泰三(コバヤシ・ヤスミ)
┣1962(昭和37)年京都府生れ。1995(平成7)年、「玩具修理者」で日本ホラー小説大賞短編賞を受賞しデビュー。同作は翌年単行本化され、ベストセラーに。2012年『天獄と地国』、2017年『ウルトラマンF』でそれぞれ星雲賞日本長編部門受賞。SF、ホラーやミステリに定評がある。『アリス殺し』『パラレルワールド』『因業探偵リターンズ 新藤礼都の冒険』『人外サーカス』など著書多数。
さやか
┣イラストレーター。2005(平成17)年よりギャラリーで個展を開催し、オリジナルイラストを発表。2006年より数々の装画や挿絵を手がける。2015年、初作品集『FIRE』を刊行。
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澤村伊智(サワムラ・イチ)
┣1979(昭和54)年、大阪府生れ。2015 (平成27)年、『ぼぎわんが、来る』で日本ホラー小説大賞〈大賞〉を受賞。他の著書に『ずうのめ人形』『ししりばの家』など。
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白河三兎 (シラカワ・ミト)
┣2009(平成21)年『プールの底に眠る』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2012年『私を知らないで』が『おすすめ文庫王国2013』のオリジナル文庫大賞ベスト1に選ばれ、ベストセラーに。他の著書に『ケシゴムは嘘を消せない』『君のために今は回る』『もしもし、還る。』『神様は勝たせない』『総理大臣暗殺クラブ』『ふたえ』『小人の巣』『無事に返してほしければ』などがある。
原田マハ (ハラダ・マハ)
┣1962年、東京都生まれ。作家。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森美術館設立準備室勤務中の2000年、半年間ニューヨーク近代美術館に在籍。その後フリーキュレーターとして独立。2005年に「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞受賞。2012年に『楽園のカンヴァス』(新潮社)で第25回山本周五郎賞受賞。『ジヴェルニーの食卓』(集英社文庫)、『暗幕のゲルニカ』(新潮文庫)、『モネのあしあと 私の印象派鑑賞術』(幻冬舎新書)、『常設展示室』(新潮社)、『美しき愚かものたちのタブロー』(文藝春秋)ほか著書多数。
前川知大(マエカワ・トモヒロ)
┣1974(昭和49)年新潟県生れ。劇作家、演出家。2003(平成15)年活動の拠点とする「イキウメ」を結成し、多数の演劇作品を手がける。『散歩する侵略者』『太陽』などの小説も執筆。
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三浦しをん(ミウラ・シヲン)
┣1976(昭和51)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒業。2000(平成12)年、書下ろし長篇小説『格闘する者に○(まる)』でデビュー。以後、『月魚』『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』などの小説を発表。『乙女なげやり』『あやつられ文楽鑑賞』『悶絶スパイラル』『本屋さんで待ちあわせ』『ぐるぐる♡博物館』など、エッセイ集も注目を集める。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞を受賞。他に小説『むかしのはなし』『風が強く吹いている』『きみはポラリス』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』『天国旅行』『木暮荘物語』『政と源』などがある。
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村山由佳 (ムラヤマ・ユカ)
┣1964(昭和39)年、東京都生れ。立教大学卒。1993(平成5)年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞を受賞した。他の著書に、『アダルト・エデュケーション』『放蕩記』『天翔る』『天使の柩』『ありふれた愛じゃない』『La Vie en Rose ラヴィアンローズ』『嘘 Love Lies』『ミルク・アンド・ハニー』『燃える波』など。
山内マリコ(ヤマウチ・マリコ)
┣1980年、富山県生れ。2008年「16歳はセックスの齢」で女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞。2012年、初の単行本『ここは退屈迎えに来て』を刊行。ほかの著書に『アズミ・ハルコは行方不明』『さみしくなったら名前を呼んで』『パリ行ったことないの』『東京23話』『買い物とわたし』などがある。
神様って、いないんじゃない? という疑問を、ここまで考えぬいた人達がいる。
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
…‥‥‥…★

遠藤周作
┣(1923-1996)東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没。第33回 芥川龍之介賞
フランス人でありながらナチのゲシュタポの手先となった主人公は、ある日、旧友が同僚から拷問を受けているのを目にする。神のため、苦痛に耐える友。その姿を見て主人公は悪魔的、嗜虐的な行動を取り、己の醜態に酔いしれる(「白い人」)。神父を官憲に売り「キリスト」を試す若きクリスチャン(「黄色い人」)。人間の悪魔性とは何か。神は誰を、何を救いたもうのか。芥川賞受賞。
戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。
時代を異にして留学した三人の学生が、ヨーロッパ文明の壁に挑みながらも精神的風土の絶対的相違によって挫折してゆく姿を描く。
複雑に屈折した生き方を強いられた隠れ切支丹の姿に、自己の内なる投影を見た作者の魂の表白である表題作など全8編。――裏切り者や背教者、弱者や罪人にも救いはあるか? というテーマを追求する作者が、裁き罰する父なる神に対して、優しく許す“母なるもの”を宗教の中に求める日本人の精神の志向を、自身の母性への憧憬、信仰の軌跡と重ねあわせて、見事に結晶させた作品集。
〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。
青春の浜辺で若者が砂の城を築こうとする。押し寄せる波がそれを砕き、流してゆく……。西は過激派グループに入って射殺され、トシは詐欺漢に身を捧げて刑務所に送られた。しかしふたりとも美しいものを求めて懸命に生きたのだ――スチュワーデスになった泰子は三人いっしょだった島原の碧い海と白い浜を思い浮べる。幸福を夢み、愛を願ってひたむきに生きた若者たちの青春の軌跡。
米兵捕虜の生体解剖事件で戦犯となった過去を持つ中年の開業医と、正義の旗印をかかげて彼を追いつめる若い新聞記者。表と裏のまったく違うエセ文化人や、無気力なぐうたら学生。そして、愛することしか知らない無類のお人好しガストン……華やかな大都会、東京新宿で人々は輪舞のようにからみ合う。――人間の弱さと悲しみを見つめ、荒涼とした現代に優しく生きるとは何かを問う。
英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。第30回 読売文学賞 評論・伝記賞
愛だけを語り、愛だけに生き、十字架上でみじめに死んでいったイエス。だが彼は、死後、弱き弟子たちを信念の使徒に変え、人々から“神の子”“救い主(キリスト)”と呼ばれ始める。何故か?――無力に死んだイエスが“キリスト”として生き始める足跡を追いかけ、残された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奥のドラマを明らかにする。名作『イエスの生涯』に続く遠藤文学の根幹をなす作品。
戦時下の弾圧の中で信仰につまずき、キリストを棄てようとした小説家の「私」。エルサレムを訪れた「私」は大学時代の友人戸田に会う。聖書学者の戸田は妻と別れ、イスラエルに渡り、いまは国連の仕事で食いつないでいる。戸田に案内された「私」は、真実のイエスを求め、死海のほとりにその足跡を追う。そこで「私」が見出し得たイエスの姿は? 愛と信仰の原点を探る長編。
シャム(タイ)の古都で暗躍した山田長政と、切支丹の冒険家・ペドロ岐部――二人の生き方を通して、日本人とは何かを探る長編。
患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴……大学生・難波が入院した関東女子医大附属病院では、奇怪な事件が続発した。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった。めだたぬ埃のように忍び込んだ“悪魔”に憑かれ、どんな罪を犯しても痛みを覚えぬ虚ろな心を持ち、背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女――現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。「マリー・アントワネット (ミュージカル)」(2006年11月1日開演)
映画「マリー・アントワネット」(2007年1月公開)
ミュージカル「マリー・アントワネット」(2018年9月公演)
美しいブロンドの髪とあどけない瞳を持つ14歳の少女が、オーストリアからフランス皇太子妃として迎えられた。少女はやがて、ヴェルサイユに咲いた華麗な花と呼ばれ、フランス最後の王妃として断頭台に消える運命にある……。フランス革命を背景に、悲劇の王妃の数奇な生涯を、貧しい少女マルグリット、サド侯爵、フェルセン、ミラボーなど多彩な人物を配して綴る、壮大な歴史ロマン。
フランス革命によってヴェルサイユ宮殿の栄華は過去のものとなった。貴族たちは財産を奪われ、特権を剥奪され、次々と裁判にかけられる。王と王妃の処刑を要求する民衆の声は、日増しに高くなって行く。激しい愛を胸に秘め、フェルセンは王妃救出を必死に画策するのだが――。苛酷な運命の中、愛と優雅さとを失うまいとする悲劇の王妃の生涯を、円熟の筆に描き出す華麗な歴史絵巻。
長崎の商家へ奉公に出てきた浦上の農家の娘キク。活発で切れながの眼の美しい少女が想いを寄せた清吉は、信仰を禁じられていた基督教の信者だった……。激動の嵐が吹きあれる幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹弾圧の史実にそいながら、信仰のために流刑になった若者にひたむきな想いを寄せる女の短くも清らかな一生を描き、キリスト教と日本の風土とのかかわりを鋭く追求する。
第二次世界大戦下の長崎で、互いに好意を抱きあうサチ子と修平。しかし、戦争の荒波は二人の愛を無残にも引き裂いていく。修平は聖書の教えと武器をとって人を殺さなくてはならないことへの矛盾に苦しみつつ、特攻隊員として出撃する。そして、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。激動の時代に、信仰をまもり、本当の恋をし、本当の人生を生きた女の一生を鮮やかに描き出す。第33回 野間文芸賞
藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。
21世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産、全15巻。
生涯をかけて日本人にとってのキリスト教を追究した遠藤周作のすべてを全十五巻に集大成。
第一巻は米国人捕虜生体解剖事件を描いた傑作「海と毒薬」ほか二篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。切支丹弾圧の時代を舞台に、永遠のテーマ“神の沈黙”に挑んだ谷崎賞受賞の名作「沈黙」と、三人の留学生のヨーロッパ文明との相克を追究する「留学」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。第三巻は、イエスの足跡をたどる現代の男と、同時代人の見たイエスの姿とを対比させた「死海のほとり」、遣欧使節支倉常長の悲劇に材を取った「侍」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。第四巻は、キリスト教作家の醜聞を通して「悪」を追究する問題作「スキャンダル」、母なるガンジスの流れに人生の意味を問う畢生の長篇「深い河」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。ダメ男ガストンの生き方に現代の愛を浮かび上がらせるユーモア小説「おバカさん」と、無垢な娘の悲劇が感動を呼ぶ人気作「わたしが・棄てた・女」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。フランス留学体験を素材にした処女小説「アデンまで」、芥川賞受賞作「白い人」、切支丹文学の先駆「最後の殉教者」、「あまりに碧い空」ほか十五篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。両親の不和の板ばさみになる子供の悲しみを描く「船を見に行こう」、結婚して聖職を棄てた神父を追う「影法師」、そして「ユリアとよぶ女」ほか二十二篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。哀しみの聖母のイメージを追った「母なるもの」、細川ガラシャを描く「日本の聖女」、しみじみとした夫婦の情愛がにじむ「夫婦の一日」ほか二十三篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。「沈黙」の姉妹篇として好評を得た傑作「黄金の国」、第二次世界大戦の状況下でのキリスト者のドラマ「薔薇の館」、「メナム河の日本人」ほか三戯曲。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。二十五歳で発表した長篇評論「堀辰雄覚書」、悲劇のキリシタン大名小西行長の生涯を描く「鉄の首枷」、そしてペドロ岐部を取り上げた「銃と十字架」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。異端の文学者を追究した「サド伝」に、「イエスの生涯」と「キリストの誕生」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。批評家として出発した最初の著作「神々と神と」から、「テレーズの影をおって」、先輩作家を論じた「原民喜」など、前期の評論・エッセイ六十五編。遠藤周作文学全集〈13〉評論・エッセイ(2)posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作
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二十一世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。「永井荷風」から、「弱者の救い」「一枚の踏絵から」「異邦人の苦悩」を経て、晩年の「老いて、思うこと」まで。後期の評論・エッセイ九十三篇。遠藤周作文学全集〈14〉評論・エッセイ(3)posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作
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21世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。没後発見された処女戯曲「サウロ」、「沈黙」と同時期に執筆された未刊行長篇「満潮の時刻」、長篇評論「私の愛した小説」、その小説の翻訳であるモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」、自伝的エッセイ「私の履歴書」、18歳で執筆した評論「形而上的神、宗教的神」。遠藤周作文学全集〈15〉日記 年譜・著作目録posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作
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二十一世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。フランス留学時代の「作家の日記」から、若き日の恋を綴った「滞仏日記」、最晩年の「『深い河』創作日記」まで。年譜と著作目録を併録。
不幸に襲われたとき、心のよりどころになるものは何か。老いて死を間近に感じたとき、不安から救ってくれるものは何か。生涯をかけて厳しく宗教を追求してきた著者は、実人生の中で、傍らにいる妻の苦悩と哀しみを受け入れるために、信仰とは相反する行動に出た……。生身の人間だけが持ちうる愛と赦しの感情を描いた表題作ほか、心の光と闇の間で逡巡する人間の姿を描いた短編集。
突然の喀血により結核に冒されていることを知った明石。四十代の働き盛りで療養生活を余儀なくされ消沈する明石が入院先で出会ったのは、自分よりもさらに死に近い病人たちと、その儚い命の終焉だった。結核がまだ致命的な病であった時代、死の淵を彷徨い絶望と虚無に陥った男の心はどこへ向かったのか。生と死、信仰と救済。遠藤文学を貫くすべてのテーマが凝縮された感動の長編。
「弱虫、卑怯者、駄目人間」の弟子たちが、
いかにして改心し、死をも恐れぬ神の使徒となったのか?―
遠藤周作が読み解いた師弟の魂のドラマでたどる、キリスト教誕生史。遠藤周作で読むイエスと十二人の弟子 (とんぼの本)posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作 遠藤 順子
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裏切り者はユダだけじゃなかった! ペトロやほかの弟子たちもイエスを裏切っていた。遠藤周作が名著『イエスの生涯』『キリストの誕生』で読み解いた、知ってるようで知らない師弟の魂のドラマ、弟子たちの壮絶な生き方が、ジオット、ミケランジェロ、レンブラントらの名画で甦る。
敗戦直後に出会ったモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」は、作家として進むべき方向を、私に教えてくれた作品だった。『沈黙』を書く時も『侍』の時も、必ずこの小説を読み直してから執筆を始めた……。四十年以上にわたり、読むたびにいつも新しい顔を見せる「テレーズ」を回想し、文学と宗教について語った長編エッセイ。巻末に遠藤周作訳「テレーズ・デスケルー」を収録する。
暗い波間から現われた全裸の金髪女性に頬を打たれ、自己のマゾヒストとしての運命を確認する画学生千曲の暗い欲望に迫る「月光のドミナ」。外国旅行中、結核が再発した夫に南仏見物を同意させる妻のわがままを描く「再発」。ほか「シラノ・ド・ベルジュラック」「あまりに碧い空」「パロディ」「寄港地」「宦官」「松葉杖の男」「地なり」「イヤな奴」「葡萄」を収録。作中人物の心に潜む暗い衝動やエゴイズムや恐怖を、そのまま描き出す誠実な筆致と明確な構成を持つ初期短編11作。
腑甲斐ない男どもの多い中に、塙剛太氏は男だ。家では〈風呂。メシ。寝る。〉の三語で万事を済ませる関白亭主。ところが娘の友達の軟弱な男子学生を鍛えようとした闇鍋会で、放射能を浴び性転換を起した鶏を食べてしまったから、さあ大変。言葉優しく胸は少女のようにふくらみ始め……。男性の女性化、女性上位、学園紛争など、現代の世相をアイロニカルに諷刺した痛快ユーモア小説。
平凡な結婚を嫌って長崎から上京、大学院で社会学を専攻する波多マキ子は、過激派学生の勝呂に恋をする。革命なんてピンとこないけれど愛する彼のためならと、一生懸命尽くすマキ子の真情は仲々分って貰えない。のみならず勝呂達は彼女をオトリに大使誘拐を企てる……。彼ら若きピエロ達の無軌道にも見える奔放な行動を通して、青春の気負いと挫折、美しさと哀しみを描く純愛長編。
戦争末期、空襲下の東京で、女学生の百合子と愛子は二人の大学生と出会う。その一人、渋谷と戦後再会した百合子は、もう一人の大学生、辻を慕いながらも渋谷の求婚を受け入れる。議員の家系に繋がる百合子との結婚によって、渋谷は政治家としての第一歩を踏み出した。一方、シベリア抑留から病んで帰った辻は、医者を目指す愛子と結ばれる。かくて二組の夫婦の戦後が始まった……。
初老の男たちの心に残されたつらい戦争の記憶。若き留学時代にふれあった異邦の人々の上に流れた歳月の跡。兄の死と母の遺体の再埋葬にたちあい心をよぎる人生の帰着の姿。歳月、老い、そして人生……。夕暮れの光を受け鮮やかな輝きを見せる色硝子のように、深々と心に刻まれる生の断片。生きることの重みを、人生のうしろ姿を、読む者の心にしみこませる十一話を収めた短編集。
奉行所跡でロドリゴの踏絵シーンに凜とし、大浦天主堂でキクの哀しい最期に泣き、浦上村でサチ子の被爆体験に祈る――。長崎を心の故郷と呼んだ作家は、その狭い路地で、雨に濡れる街角で、何を感じ、何を考え、何を見出したのか? キリシタンゆかりの地を名文と共に辿れば、遠藤文学の新しい読み方が見えてくる……。十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作
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好きと打ち明けたい。デートに誘いたい。病気の人を見舞いたい。身内を亡くした人にお悔やみを伝えたい。そんな時、どうしたら自分の気持ちを率直に伝えて、相手の心を動かす手紙を書くことができるのか――。大作家が、多くの例文を挙げて説き明かす「心に届く」手紙の秘訣は、メールを書く時にもきっと役立つ。執筆より半世紀を経て発見され世を瞠目させた幻の原稿、待望の文庫化。
聖職者でありながら、神の教えに背いて結婚し、教会を去っていくカトリック神父の内面の孤独と寂寥を抉る『影法師』、秀吉の朝鮮出兵で日本に伴われ、変転する運命に翻弄される朝鮮娘のキリスト教との出会いを描く『ユリアとよぶ女』、強固なキリスト教信者であった母の烈しい生き方を、幼い“私”の眼でとらえた『六日間の旅行』など、人間と信仰に対する深い洞察にみちた作品集。
世のため人のためには何一つなさず、人里離れた庵に隠れ住む謎の老人「狐狸庵山人」。風流な世捨人を自称しつつ、実態はひたすらグータラに徹する毎日。しかし持ち前のコドモのような好奇心が疼くや、万年床から脱兎の如くに飛び出し、行く先々で珍騒動を巻き起こしては、人々を呆れさせるのであった……。表題のエッセイ集に「古今百馬鹿」「現代の快人物」も併録して痛快度3倍!
肉親も家臣も、いや自分自身さえ信じられぬ……。豊後の名門守護・大友家の統領として、内紛に悩まされながらも、北の大内、毛利と戦い、北九州六国に領土を広げた大友宗麟。戦乱にあけくれた生涯は、また時分自身との闘いの日々であったが、わずか数日のザビエルとの出会いが宗麟の心の闇に一筋の光を投げかけていた。戦国の世にもう一つの王国を求めた切支丹大名を描く歴史長編。
大内に代わる北からの脅威・毛利の勢力を排除し、北九州六国を従えて九州探題となった大友宗麟。だが、南から新たに島津の手がのびる。内外の敵との戦いに疲れ、執拗に切支丹排斥をとなえる妻を離別した宗麟は、もう一つの心の王国を求め、洗礼を受けてフランシスコとなった。戦国の世に西洋と正面から向き合った九州豊後の王・大友宗麟を描いて、切支丹の時代に熱い挽歌を奏でる。
キリスト教作家の勝呂は自作の授賞式で、招待客の後ろに醜く卑しい顔をした、自分に酷似した男が立っているのに気が付いた。同じ頃、勝呂が歌舞伎町の覗き部屋や六本木のSMクラブに出入りしている、という醜聞(スキヤンダル)が流れる。この醜聞(スキヤンダル)を執拗に追うルポ・ライターに悩まされながら、もう一人の〈自分〉を探す勝呂が見たのは……。仮面(マスク)を外したキリスト教作家の心奥を鋭く抉った衝撃の長編。
青年時代にリヨンの広場で出会った老夫婦の、秋の果樹園にさす午後の陽のようなあたたかな微笑。齢をとったらそんな老人になりたいと思ってきたが、私もその年齢にたどりついたようだ……。優しさを、心のふれあいを、そして思いやりを求め、著者は真摯に人間を見つめてきた。青年時代から今日までの“私の歳月”と“人生の出会い”をふり返り、人間と愛と生と死を綴る愛のエッセイ集。
日本人として初めてエルサレムを訪れたペドロ岐部、贋の大使として渡欧し、ローマ法王に謁見した支倉常長、そして多くの名もない殉教者たち――日本にはキリスト教の伝統はないと信じられながら、実際は四百年にわたる栄光と苦難の歴史が秘められている。日本人でありながらイエスと関わり、劇的な運命をたどった人々を、そのゆかりの地に赴いて回想した異色のエッセー。
いかにもの好きと言われようと、いかに冷や水とけなされようと、生れつきの好奇心のムシはおさまらない――美人女優に面談を強要する、幽霊屋敷を探険に行く、上野の乞食氏と対談する、催眠術の道場を見物に行く、舞台熱が昂じて素人劇団を結成する、無謀にも運転免許に挑戦する、etc、etc。呆れるばかりのもの好き精神を発揮して狐狸庵先生東奔西走。珍妙無類のエッセー集。
1950年、27歳の著者は戦後初の留学生として、フランスに旅立った。街角にも人々の心にも戦争の暗い翳を残すヨーロッパで、信仰を、愛を、そして自らの生き方を真摯に模索する。この間に書かれた青春の苦渋と若さの香気溢れるエッセイを中心に、以後最近に至るまでの海外紀行エッセイを集める。〈日本と西洋〉というテーマを一貫して追求してきた著者の創作と表裏一体をなすエッセイ群。
人生の踏絵 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16遠藤 周作
新潮社 (2019-07-26)
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もっと、人生を強く抱きしめなさい――。私たち一人ひとりが、それぞれの〈踏絵〉を持って生きている。キリスト教禁教の時代に踏絵に足をかけ、誰に語られることもなく歴史の中へ葬り去られた弱き人々に声を与え、その存在を甦らせた不朽の名作『沈黙』の創作秘話をはじめ、海外小説から読み解く文学と宗教、愛と憐れみ、そして人生の機微と奥深さを縦横に語った、時代を超える名講演録。
ぼくの記憶は80分しかもたない――
あまりに悲しく暖かい奇跡の愛の物語。
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。
…‥‥‥…★

小川洋子
┣1962(昭和37)年、岡山県生れ。早稲田大学第一文学部卒。1988年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。1991(平成3)年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞を受賞。『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、2013年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『薬指の標本』『琥珀のまたたき」など多数の小説、エッセイがある。フランスなど海外での評価も高い。映画「薬指の標本」
(2006年9月23日日本公開、監督:ディアーヌ・ベルトラン、主演:オルガ・キュリレンコ)
楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは……。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。
15歳のわたしは、高級レストランの裏手で出会った中年男と、不釣合いな逢瀬を重ねている。男の部屋でいつも感じる奇妙な視線の持ち主は?──「まぶた」。母のお気に入りの弟は背泳ぎの強化選手だったが、ある日突然左腕が耳に沿って伸ばした格好で固まってしまった──「バックストローク」など、現実と悪夢の間を揺れ動く不思議なリアリティで、読者の心をつかんで離さない8編を収録。
恋人の家を訪ねた青年が、海からの風が吹いて初めて鳴る〈鳴鱗琴(メイリンキン)〉について、一晩彼女の弟と語り合う表題作、言葉を失った少女と孤独なドアマンの交流を綴る「ひよこトラック」、思い出に題名をつけるという老人と観光ガイドの少年の話「ガイド」など、静謐で妖しくちょっと奇妙な七編。「今は失われてしまった何か」をずっと見続ける小川洋子の真髄。著者インタビューを併録。
図書室で夢中になった『秘密の花園』『小公子』、でも本が無い家だったので愛読書はなんと『家庭の医学』だった。13歳で出会った『アンネの日記』に触発されて作家を志す。オースター、ブローティガン、内田百けん、村上春樹……本への愛情がひしひしと伝わるエッセイ集。思わぬ出会いをたくさんもたらしてくれた『博士の愛した数式』誕生秘話や、愛犬の尻尾にふと白毛を見つけた感慨なども。
人々の悩みに寄り添い、個人の物語に耳を澄まし続けた臨床心理学者と、静謐でひそやかな小説世界を紡ぎ続ける作家。二人が出会った時、『博士の愛した数式』の主人公たちのように、「魂のルート」が開かれた。子供の力、ホラ話の効能、箱庭のこと、偶然について、原罪と原悲、個人の物語の発見……。それぞれの「物語の魂」が温かく響き合う、奇跡のような河合隼雄の最後の対話。
河合隼雄
┣(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。日本におけるユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
新潮社文庫の100冊2019|考える本④|心理・脳・知力・哲学(こころの処方箋/受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法―/人間の建設/人生論ノート/孤独のチカラ/堕落論)いつも彼らはどこかに (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16小川 洋子
新潮社 (2015-12-23)
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たっぷりとたてがみをたたえ、じっとディープインパクトに寄り添う帯同馬のように。深い森の中、小さな歯で大木と格闘するビーバーのように。絶滅させられた今も、村のシンボルである兎のように。滑らかな背中を、いつまでも撫でさせてくれるブロンズ製の犬のように。――動物も、そして人も、自分の役割を全うし生きている。気がつけば傍に在る彼らの温もりに満ちた、8つの物語。
いざ、物語のジャングルへ……野生の眼を持つ霊長類学者とヒトの心の森に分け入る小説家。ある時は京都大学の研究室で、またある時は屋久島の自然の中で、現代に生きるヒトの本性をめぐって、いきいきとした対話が続けられた。野生のゴリラを知ることは、ヒトが何者か自らを知ること――。発見に満ちた知のフィールドワークが始まる。
山極寿一
┣1952(昭和27)年、東京都生れ。霊長類学者・人類学者。京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士課程修了。アフリカ・ルワンダのカリソケ研究センター研究員、日本モンキーセンター、京都大学霊長類研究所、同大学院理学研究科助教授を経て同研究科教授。2014(平成26)年10月より京都大学総長。『父という余分なもの―サルに探る文明の起源―』『おはよう ちびっこゴリラ』(絵本)『暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る―』『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』など著書多数。
本、それは運命を変え、世界につながる小さな魔法。
【全国学校図書館協議会篇・集団読書テキスト】
教室に大きな感動を呼んだ傑作短編集!
「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など九つの本の物語。無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法はあなたの人生も動かし始める。『この本が、世界に存在することに』改題。
…‥‥‥…★

角田光代
┣1967(昭和42)年神奈川県生れ。魚座。早稲田大学第一文学部卒業。1990(平成2)年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。著書に『キッドナップ・ツアー』『愛がなんだ』『さがしもの』『くまちゃん』『空の拳』『平凡』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』など多数。
小|説年代
📺夏休みドラマ「キッドナップ・ツアー」(2016年8月2日、NHK総合、主演:妻夫木聡)
五年生の夏休みの第一日目、私はユウカイ(=キッドナップ)された。犯人は二か月前から家にいなくなっていたおとうさん。だらしなくて、情けなくて、お金もない。そんなおとうさんに連れ出されて、私の夏休みは一体どうなっちゃうの? 海水浴に肝試し、キャンプに自転車泥棒。ちょっとクールな女の子ハルと、ろくでもない父親の、ひと夏のユウカイ旅行。私たちのための夏休み小説。年代
行方不明の兄を追うようにしてアジアの国へ来た私。闇両替で所持金のほとんどを失い、一日パン一個で食いつなぎ、安宿をシェアして、とうとう日本企業の前で物乞いを……。帰る気もなく、行くあてもなく、いったい今ここで何をしているのか。それでも、私はまだ帰らない、帰りたくない――。若いバックパッカーの癒しえない孤独を描く表題作他一篇を収録。『地上八階の海』改題。
・収録作品:真昼の花 / 地上八階の海
「あいつぜってえぶっころしてやる」――
誰もが抱くごく日常的な悪意を描く7つの物語。
これはあなた自身のことかもしれない……おやすみ、こわい夢を見ないように (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
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「あたしこれから殺人計画をたてる」。我慢をかさね、やっと受かった高校で待っていたのは、元カレ剛太の「抹殺」宣言と執拗な嫌がらせ。すべての友に去られた沙織は、不登校の弟をコーチに復讐の肉体改造を決意するが……。理不尽に壊された心のゆくえを鮮烈に描く表題作をはじめ、ひそかに芽ばえ、打ち消すほどに深く根を張る薄暗い感情のなかに、私たちの「いま」を刻む7つの風景。
・収録作品:このバスはどこへ / スイート・チリソース / おやすみ、こわい夢を見ないように / うつくしい娘 / 空をまわる観覧車 / 晴れた日に犬を乗せて / 私たちの逃亡
流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。著者描き下ろしイラスト多数収録。くまちゃん (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2011-10-28)
売り上げランキング: 132,421
風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子。ぱっとしない毎日が一変しそうな期待に、彼らはさっそく、身近な恋を整理しはじめるが……。ふる/ふられる、でつながる男女の輪に、学生以上・社会人未満の揺れる心を映した共感度抜群の「ふられ」小説。
・収録作品:くまちゃん / アイドル / 勝負恋愛 / こうもり / 浮き草 / 光の子 / 乙女相談室年代
第2回 河合隼雄物語賞
私のなかの彼女 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2016-04-28)
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「男と張り合おうとするな」醜女と呼ばれながら、物書きを志した祖母の言葉の意味は何だったのだろう。心に芽生えた書きたいという衝動を和歌が追い始めたとき、仙太郎の妻になり夫を支える穏やかな未来図は、いびつに形を変えた。母の呪詛、恋人の抑圧、仕事の壁。それでも切実に求めているのだ、大切な何かを。全てに抗いもがきながら、自分の道へ踏み出してゆく、新しい私の物語。笹の舟で海をわたる (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2017-06-28)
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朝鮮特需に国内が沸く日々、坂井左織は矢島風美子に出会った。陰湿ないじめに苦しむ自分を、疎開先で守ってくれたと話す彼女を、しかし左織はまるで思い出せない。その後、左織は大学教師の春日温彦に嫁ぐが、あとを追うように、風美子は温彦の弟潤司と結婚し、人気料理研究家として、一躍高度成長期の寵児となっていく……。平凡を望んだある主婦の半生に、壮大な戦後日本を映す感動の長篇。
📺女性作家ミステリーズ
美しき三つの嘘 第3話「平凡」(2016年1月4日、フジテレビ系、主演:鈴木京香)
つい想像してしまう。
もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって――。
妻に離婚を切り出され取り乱す夫と、その心に甦る幼い日の記憶(「月が笑う」)。人気料理研究家になったかつての親友・春花が、訪れた火災現場跡で主婦の紀美子にした意外な頼みごと(「平凡」)。飼い猫探しに親身に付き添うおばさんが、庭子に語った息子とおにぎりの話(「どこかべつのところで」)。人生のわかれ道をゆき過ぎてなお、選ばなかった「もし」に心揺れる人々を見つめる六つの物語。
最新の電子辞書にえいやと24000円を払ったら、品物と一緒にうたぐりぶかい自分がついてきた。アジアン定食8NZドルで寛容に触れた。人助けにと出した1000円には今も怒りが収まらない。生きていれば自然とお金は出ていって、使いすぎればサイフも気持ちもやせるけれど、その全部で私は何を買ったことになるんだろう。家計簿名人のカクタさんが、お金を通して人生の謎に迫る異色エッセイ。よなかの散歩 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2014-02-28)
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恋人にカレーが好きといわれるがっかり感。住んでわかった新しい「家族」のすごいところ。なぜ私は家計簿をかかさずつけるのか。そして、なぜ子供が写った年賀状が好きなのか?……食べ物、暮らし、旅のこと、人のこと。あせらずに、りきまずに。流れる毎日のあれこれをやわらかく綴る、小説家カクタさんの生活と(ちいさな)意見。共感保証付き、日常のおもしろさ味わいエッセイ。今日もごちそうさまでした (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2014-07-28)
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「食べられない」から「食べる」に移行するときには、ダイナミックな感動がある(あとがきより)。自他共に認める肉好きのカクタさんに、食革命が起こった。なんと苦手だった野菜、きのこ、青魚、珍味類が食べられる! 次々出会う未知の食材は、買って作って味わう毎日を楽しい発見で彩ります。三度の食事に思いをこめて。読むほどに、次のごはんが待ち遠しくなる絶品エッセイ。まひるの散歩 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16角田 光代
新潮社 (2015-03-28)
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ある日には他人のごはんブログに夢中になり、ハイレベルなお呼ばれ料理に驚いたりへこんだり。またある日には、果物大好きと言えない理由にはたと気付き、妻の料理自慢をする夫の心のうちに思いをはせる。つくって、食べて、考える。『よなかの散歩』に続き、小説家カクタさんが、毎日きちんとごはんの時間がやってくるうれしさをつづる、食の味わいエッセイ第2弾。写メも満載!
ずっと別々に行っていた居酒屋に今は二人で一緒に。旅先の味を求めてミャンマー料理を食べに。近所の古本酒場で常連たちと盛り上がり、芝居を観た後は朝まで話し合う。昼飲みの聖地ではしご酒、うまい魚を食べるためには電車に乗って。ご近所から海外まで、今夜も夫婦で一杯飲みに。読めばおかわり必至ごくごく読める楽しいエッセイ。
河野丈洋
┣1978年埼玉県生まれ。2001年GOING UNDER GROUNDのドラマーとしてデビュー、2015年1月同バンドを脱退。2009年よりソロ活動を開始、ドラムの他にギター、ピアノを演奏するマルチプレイヤー。他のアーティストへの楽曲提供や映画、ドラマのサウンドトラック、舞台音楽製作などの活動も行う。
盛り上げ上手な乙女座さんは、ひとりの時間がなにより大事。はちゃめちゃ印の魚座くんも金の魚ならクールが魅力の天才肌……。人気作家と人気占星術研究家の夢のコラボがついに実現! 12星座の女と男それぞれに星が与えた真のメッセージを、せつないラブストーリー&納得のホロスコープガイドで説く、初めての星座小説集。本当のあなたの姿と、気になる彼の秘めた心に迫ります。
蟹座は「ファミリーくん」と「おうちちゃん」――。人気作家と人気占星術研究家の夢のコラボがついに実現! 女と男それぞれに星が与えた真のメッセージを、せつないラブストーリー&納得のホロスコープガイドで説く、初めての星座小説集。本当のあなたの姿と、気になる彼の秘めた心に迫ります。ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジposted with amazlet at 19.09.16江國 香織 松浦 理英子 角田 光代 金原 ひとみ 桐野 夏生 小池 昌代 島田 雅彦 日和 聡子 町田 康
新潮社
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異国の男相手の店から幼い少女が抜け出そうとする角田光代流若紫。真実の愛を求める源氏がベニーちゃんにとまどう末摘花by町田康。尼となった女三の宮がみずからの生涯を昔語りする桐野夏生の柏木――ほかに松浦理英子の帚木、江國香織の夕顔、金原ひとみの葵、島田雅彦の須磨、日和聡子の蛍、小池昌代の浮舟、の九篇。
・収録作品リスト
┣松浦理英子「帚木」
┣江國香織「夕顔」
┣角田光代「若紫」
┣町田康「末摘花」
┣金原ひとみ「葵」
┣島田雅彦「須磨」
┣日和聡子「蛍」
┣桐野夏生「柏木」
┣小池昌代「浮舟」最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16阿川 佐和子 沢村 凜 三浦 しをん 柴田 よしき 乃南 アサ 谷村 志穂 角田 光代 松尾 由美
新潮社
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もはや、少年少女が出会うような、初々しい恋じゃない。変わらない恋心なんてない、そんなのとっくに知っている。だけど……。大人になっても「こんなの初めて」ってあったんだ。すれ違いや別れをくり返してきた彼らだけが知る、「最初で最後」のかけがえのない瞬間たち。8人の作家が描き出す、経験してきたすべての恋を肯定したくなる珠玉のアンソロジー。最後の恋、それはつまり、自分史上最高の恋。
・収録作品リスト
┣三浦しをん「春太の毎日」
┣谷村志穂「ヒトリシズカ」
┣阿川佐和子「海辺食堂の姉妹」
┣沢村凜「スケジュール」
┣柴田よしき「LAST LOVE」
┣松尾由美「わたしは鏡」
┣乃南アサ「キープ」
┣角田光代「おかえりなさい」源氏物語九つの変奏 (新潮文庫)posted with amazlet at 19.09.16江國 香織 金原 ひとみ 町田 康 松浦 理英子 桐野 夏生 島田 雅彦 小池 昌代 角田 光代 日和 聡子
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時を超えて読み継がれ、日本人の美意識に深く浸透した『源氏物語』。紫式部が綴って以来千年を経た「源氏物語千年紀」に際し、当代の人気作家九人が鍾愛の章を現代語に訳す。谷崎潤一郎、円地文子らの現代語訳により、幾たびも命を吹き込まれてきた永遠の古典。その新たな魅力を、九人九様の斬新な解釈と流麗な文体で捉えたアンソロジー。『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』改題。
・収録作品リスト
┣松浦理英子「帚木」
┣江國香織「夕顔」
┣角田光代「若紫」
┣町田康「末摘花」
┣金原ひとみ「葵」
┣島田雅彦「須磨」
┣日和聡子「蛍」
┣桐野夏生「柏木」
┣小池昌代「浮舟」
阿川佐和子(アガワ・サワコ)
┣1953年東京生まれ。報道番組のキャスターを務めた後に渡米。帰国後、エッセイスト、小説家として活躍。『ああ言えばこう食う』(檀ふみとの共著)で講談社エッセイ賞、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。他に『うからはらから』『正義のセ』『聞く力』など。
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江國香織(エクニ・カオリ)
┣1964年東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、1989年「409ラドクリフ」でフェミナ賞、1992年『こうばしい日々』で坪田譲治文学賞、『きらきらひかる』で紫式部文学賞、1999年『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2007年『がらくた』で島清恋愛文学賞、2010年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞。他の著書に『ちょうちんそで』『はだかんぼうたち』『なかなか暮れない夏の夕暮れ』など多数。小説以外に、詩作や海外絵本の翻訳も手掛ける。
金原ひとみ(カネハラ・ヒトミ)
┣1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マザーズ』でドゥマゴ文学賞を受賞。著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『オートフィクション』『ハイドラ』『星へ落ちる』『憂鬱たち』『持たざる者』『マリアージュ・マリアージュ』『クラウドガール』などがある。
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桐野夏生(キリノ・ナツオ)
┣1951(昭和26)年、金沢市生れ。成蹊大学卒。1993(平成5)年、『顔に降りかかる雨』で、江戸川乱歩賞を受賞する。1997年に発表した『OUT』は社会現象を巻き起こし、同年、日本推理作家協会賞を受賞。1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞を受賞した。2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010〜2011年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞・読売文学賞を受賞。また、英訳版『OUT』は、2004年にアメリカで権威のあるエドガー賞に、日本人で初めてノミネートされた。他の著書に『夜の谷を行く』『路上のX』『ロンリネス』などがある。
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小池昌代(コイケ・マサヨ)
┣1959年、東京都江東区出身。津田塾大学国際関係学科卒業。第一詩集『水の町から歩きだして』刊行以後、詩と小説を書き続ける。主な詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『地上を渡る声』、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)など。その他、短篇集『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『自虐蒲団』、『弦と響』など。
沢村凜(サワムラ・リン)
┣1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。1991年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。1998年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。その他の著書に『リフレイン』『瞳の中の大河』『カタブツ』『さざなみ』『黄金の王 白銀の王』『笑うヤシュ・クック・モ』などがある。
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柴田よしき (シバタ・ヨシキ)
┣東京生まれ。1995年、『RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠―』で横溝正史賞を受賞。受賞作の主人公である村上緑子は、従来の女性刑事のイメージを一新したキャラクターとして人気を獲得した。以後、村上緑子シリーズの他、京都を舞台に壮大なスケールで展開する伝奇小説「炎都」シリーズ、猫を主人公にした猫好き必読の本格推理小説「猫探偵正太郎」シリーズ、保育園の園長が実は探偵という「花咲慎一郎」シリーズなど、ジャンルを超えて、意欲的なエンタテインメント小説を発表し続けている。近著に、『愛より優しい旅の空』『あおぞら町 春子さんの冒険と推理』『青光の街(ブルーライト・タウン)』『猫は毒殺に関与しない』など、他に『ワーキングガール・ウォーズ』『やってられない月曜日』『激流』『クロス・ファイヤー』など精力的な著書が多数。
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島田雅彦(シマダ・マサヒコ)
┣1961年、東京生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。在学中の1983年「優しいサヨクのための嬉遊曲」を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、2008年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞、2016年『虚人の星』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『おことば』『徒然王子』『悪貨』『ニッチを探して』等多数。
谷村志穂(タニムラ・シホ)
┣1962年、札幌に生まれる。北海道大学農学部で動物生態学を専攻。1990年、ノンフィクション『結婚しないかもしれない症候群』で、女性たちの支持をあつめる。1991年、処女小説『アクアリウムの鯨』を発表。2003年、『海猫』で島清恋愛文学賞を受賞。ほかに、『十四歳のエンゲージ』『レッスンズ』『アイ・アム・ア・ウーマン』『余命』『黒髪』『雪になる』『尋ね人』『いそぶえ』『ボルケイノ・ホテル』『大沼ワルツ』など多数の作品がある。
乃南アサ(ノナミ・アサ)
┣1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。1988年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。1996(平成8)年『凍える牙』で直木賞を、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞を、2016年『水曜日の凱歌』で芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。他に『ボクの町』『団欒』『風紋』『晩鐘』『鎖』『嗤う闇』『しゃぼん玉』『ウツボカズラの夢』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ニサッタ、ニサッタ』『犯意』(共著)『六月の雪』、エッセイ集『いのちの王国』『ミャンマー』『地球の穴場』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『犬棒日記』など著書多数。巧みな人物造形、心理描写が高く評価されている。
日和聡子(ヒワ・サトコ))
┣1974年島根県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。2002年、『びるま』で中原中也賞受賞。以後、詩作にくわえて、小説を発表するようになる。2012年、『螺法四千年記』で野間文芸新人賞受賞。2016年、『砂文』で萩原朔太郎賞受賞。
松尾由美(マツオ・ユミ)
┣1960(昭和35)年、金沢市生まれ。お茶の水女子大学卒。OLを経て作家になる。1989(平成元)年に『異次元カフェテラス』を刊行。1991年「バルーン・タウンの殺人」でハヤカワSFコンテストに入選する。日常と非現実、現実と仮想が交じり合う作品世界を創り続けている。他に「安楽椅子探偵アーチー」シリーズ、『おせっかい』『ピピネラ』『銀杏坂』『スパイク』『雨恋』『ハートブレイク・レストラン』『九月の恋と出会うまで』『人くい鬼モーリス』などの作品がある。
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町田康(マチダ・コウ)
┣1962年大阪府生まれ。1996年に初小説「くっすん大黒」を発表、翌年ドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞を受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、2001年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、2002年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、2005年『告白』で谷崎潤一郎賞、2008年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。他の著書に『夫婦茶碗』『パンク侍、斬られて候』『人間小唄』『ゴランノスポン』『ギケイキ 千年の流転』『ホサナ』『生の肯定』『猫にかまけて』シリーズ、『スピンク日記』シリーズなど多数。
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松浦理英子(マツウラ・リエコ)
┣1958(昭和33)年、愛媛県生れ。1978年「葬儀の日」で文學界新人賞、1994(平成6)年『親指Pの修業時代』で女流文学賞、2008年『犬身』で読売文学賞を受賞。他の作品に、『セバスチャン』『ナチュラル・ウーマン』『裏ヴァージョン』、エッセイに、『ポケット・フェティッシュ』『優しい去勢のために』などがある。
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三浦しをん( ミウラ・シヲン)
┣1976(昭和51)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒業。2000(平成12)年、書下ろし長篇小説『格闘する者に○(まる)』でデビュー。以後、『月魚』『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』などの小説を発表。『乙女なげやり』『あやつられ文楽鑑賞』『悶絶スパイラル』『本屋さんで待ちあわせ』『ぐるぐる♡博物館』など、エッセイ集も注目を集める。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞を受賞。他に小説『むかしのはなし』『風が強く吹いている』『きみはポラリス』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』『天国旅行』『木暮荘物語』『政と源』などがある。
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