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新潮社文庫の100冊2020|考える本⑦|文芸[黒い雨(井伏鱒二)/海と毒薬(遠藤周作)]

kage

2020/10/13 (Tue)

夏の文庫フェア2020

新潮文庫の100冊2020
文庫フェア


潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2020年のテーマ「この感情は何だろう。」

毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


■アイコンの説明


=受賞作
=映像化
📚=新潮文庫の一行


 
大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。
  考える本
 文芸

🎬1989年公開|監督:今村昌平/出演:田中好子、北村和夫、市原悦子、小沢昭一ほか
 📚 一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。(P125)
 黒い雨/井伏鱒二(著)

あの20世紀最大の悲劇を、坦々と、静かな語り口で後世に伝える――小説の力だ。 

黒い雨 (新潮文庫)
黒い雨 (新潮文庫)
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井伏 鱒二
新潮社
売り上げランキング: 16,650


一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨の中を人々は彷徨い歩く……。罪なき広島市民が負った原爆の悲劇。その実相を精繊に描く名作。原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを語る物語はたくさんあるけれど、この小説はそれらとは明らかな違いがある。登場人物たちは身体に不調を感じながらもまず普段どおりの生活を第一に考え世を嘆いたりしない。事件が起こったから「終わり」、ではなく、そこから「始まる」。容赦なく残酷な時間は止まってくれないし、体だって時間を刻んでいく。感情なんかを置き去りにして・・・・。だからこそ逆に恐さが伝わってくる、そんな小説のように思えた。印象深い一文。「いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」。これからの私たちが出来ることは、同じ惨禍を二度と繰り返させないこと。声にならない叫びに耳を澄まし、黒い雨が二度と降らないよう、過去を忘れてはいけない。それが平和への強い祈りになるのだと改めて思った。

井伏鱒二
(1898-1993)広島県生れ。本名、満寿二。中学時代は画家を志したが、長兄のすすめで志望を文学に変え、1917(大正6)年早大予科に進む。1929(昭和4)年「山椒魚」等で文壇に登場。1938年「ジョン万次郎漂流記」で直木賞を、1950年「本日休診」他により読売文学賞を、1966年には「黒い雨」で野間文芸賞を受けるなど、受賞多数。1966年、文化勲章受賞。


Arikaシネマ2014b1
 📚新潮社>井伏鱒二《最初1…最後》

  孤独は味方だ。ユーモアという武器で世界の絶望と闘った作家の大傑作。
 山椒魚 (新潮文庫)

山椒魚 (新潮文庫)
山椒魚 (新潮文庫)
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井伏 鱒二
新潮社
売り上げランキング: 53,780


老成と若さの不思議な混淆、これを貫くのは豊かな詩精神。飄々として明るく踉々として暗い。本書は初期の短編より代表作を収める短編集である。岩屋の中に棲んでいるうちに体が大きくなり、外へ出られなくなった山椒魚の狼狽、かなしみのさまをユーモラスに描く処女作「山椒魚」、大空への旅の誘いを抒情的に描いた「屋根の上のサワン」ほか、「朽助のいる谷間」など12編。



 日本映画史上に輝く人情喜劇「駅前シリーズ」第1作原作! 抱腹絶倒傑作ユーモア小説。
 駅前旅館 (新潮文庫)

駅前旅館 (新潮文庫)
駅前旅館 (新潮文庫)
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井伏 鱒二
新潮社
売り上げランキング: 127,500


昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管……。美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。


 都を落ちた平家一門、逃亡の記録。
 戦陣の中で生きる少年たちの数奇な運命が深く胸を打つ、著者会心の傑作歴史小説。

 さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫)



都を落ちのびて瀬戸内海を転戦する平家一門の衰亡を、戦陣にあって心身ともに成長して行くなま若い公達の日記形式で描出した「さざなみ軍記」。土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。他にSFタイムスリップ小説の先駆とも言うべき「二つの話」を収める著者会心の歴史名作集。


 荻窪風土記(新潮文庫)

荻窪風土記 (新潮文庫)
井伏 鱒二
新潮社
売り上げランキング: 31,832


関東大震災前には、品川の岸壁を離れる汽船の汽笛がはっきり聞えたと言われ、近年までクヌギ林や麦畑が残っていた、武蔵野は荻窪の地に移り住んで五十有余年。満州事変、二・二六事件、太平洋戦争……時世の大きなうねりの中に、荻窪の風土と市井の変遷を捉え、親交を結んだ土地っ子や隣人、文学青年窶(やつ)れした知友たちの人生を軽妙な筆で描き出す。名匠が半生の思いをこめた自伝的長編。


 井伏鱒二 (新潮日本文学アルバム)
 松本 武夫、安岡 章太郎 (著)

井伏鱒二 (新潮日本文学アルバム)
松本 武夫 安岡 章太郎
新潮社
売り上げランキング: 793,934


少年時代は画家を志し、青春の孤独を通して得たユーモアとエスプリ、清新な感覚で開花した市井人の文学……。原爆の悲劇を世界に訴えた『黒い雨』の巨匠の生涯。


 南国の海辺の村に起った喧嘩、醜聞、泥棒、騒擾などを
 甲田巡査の駐在日記の形をとって温かく軽妙に描く、著者の代表的長編小説。

 多甚古村 (新潮文庫)

多甚古村 (新潮文庫)
多甚古村 (新潮文庫)
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井伏 鱒二
新潮社
売り上げランキング: 673,611


甲田巡査の駐在日記の形で、南国の海辺の村、多甚古村に起った喧嘩、醜聞、泥棒、騒擾など、庶民の実生活が軽妙に描かれ、これに対するに、苦労人で平和を愛する甲田巡査の思いやりある暖かい心情を配置して、井伏文学独特の、山あり川ありといった人生縮図を展開させる。平俗の言葉を使って文体の気品、格調は高く、庶民を描きつつ庶民に溺れぬきびしさを持つ、代表的長編小説。


外部リンク
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新潮社から生まれた名作映画たち―新潮社創業120周年・週刊新潮創刊60周年記念―







 📚生きた人間を生きたまま殺す。(P146)
 海と毒薬/遠藤周作(著)

アメリカと闘った戦争が、医学も、日本人のこころも汚してしまった。  



戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。
…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン九大で実際に行われた人体実験をモチーフにした作品。何が彼らをこのような残虐行為に駆りたてたのか? 終戦時の大学病院における生体解剖事件を小説化し、日本人の罪悪感を追求した問題作。戦中の人体実験は七三一部隊なども有名だが,それとはまた違った側面を垣間見た気がした。導入部の何某の視点があるからこそ、、この物語を身近に、『私たちの持つべき倫理観とは何か』という視点で読むことができるのだと思う。勝呂にとっての『おばはん』のように、戸田や看護婦や浅井にとっての神様とは誰(何)だったのか考えながら読んだ。

事件に携わったキャラクターたちの物語も、人生、そんなこともあるよね…という同情のような気持ちがある。個々人ではどうしようもない集団の空気、時代の空気?みたいな背後に蠢く巨大なものを感じた。なんだか山崎豊んの「白い巨頭」を思いだす。 医学進歩の為とはいえ、死刑囚人による生体人体解剖はゾッとします。 上層部の圧力と思われるこの行為、どの世界でも圧力と自分の仕事を奪われる事を考えると何とも難しいものだなと感じました。 無給の医者問題もある状況で「どうせ死ぬんだから」と裏で判断させられて、死に至る事が起きてる感じがする、人手不足は間違いを犯すか、手抜きするか、自分も治療が難しい時、医療費が滞っている時「長生きしそうにない」で捨てられたら嫌だわ。戦時下の人間の尊厳、医者の倫理観、個人の内面での葛藤、感想を書くにはテーマが豊富だし反面、どれも非常に難しい。同じ作者の『沈黙』も、難しかったなあ。戦後の勝呂医師はどんな心情で診療を行っていたのか興味があるところだ。個人的に、戸田は勝呂よりも早死にしてそうだと思った……。全体的に灰色のようなイメージの作品。でも、死を題材にしてはいるものの、暗いというよりは冷静なタッチ。細かな描写がお見事。


遠藤周作
(1923-1996)東京生れ。幼年期を旧満州大連で過ごし、神戸に帰国後、11歳でカトリックの洗礼を受ける。慶応大学仏文科卒。フランス留学を経て、1955(昭和30)年「白い人」で芥川賞を受賞。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア作品、歴史小説も多数ある。主な作品は『海と毒薬』『沈黙』『イエスの生涯』『侍』『スキャンダル』等。1995(平成7)年、文化勲章受章。1996年、病没。

Arikaシネマ2014b1
 📚新潮社>遠藤周作《最初1…最後》 

 📚 お前たちに踏まれるために、私は存在しているのだ。(P274)
 沈黙/遠藤周作(著)

神様って、いないんじゃない? という疑問を、ここまで考えぬいた人達がいる。



島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン殉教を遂げるキリシタン信徒と棄教を迫られるポルトガル司祭。神の存在、背教の心理、東洋と西洋の思想的断絶等を追求し、映画化された話題作。信仰を命を賭してまで守ろうとする司祭と隠れキリシタン。それを様々な手法を用いて転ぶように仕向ける役人。祈れども祈れども黙秘し続ける神。その描写が痛々しい。ロドリゴの葛藤が重く響いてくる。当時の西洋ならキチジロウはクリスチャンてして穏やかに死ねた。迫害の時代に生まれた苦悩を叫ぶキチジロウの慟哭が痛い。それでも信仰を捨てられないキチジロウの弱さ中にキリストが息づいている証なんだろう。それはロドリゴも同じ。ロドリゴが棄教の中で見いだした物。たぶん、それはねじ曲げられた隠れキリシタンの教えも同じかも知れない。恐らく人類が長く持ち続けている思いが題材であろうから目新しいわけではないけれど、言葉を尽くせばこんなにも良い本になるのだなぁと巨匠の偉大さを知る。 この熱意のまま映画を観るべきか否か迷うところ。試される信仰、葛藤。なかなか理解しきれるものではないが映画と合わせて少しは理解を深めることが出来る小説である。


第33回 芥川龍之介賞
  ユダは誰だ。人間の心に巣食う「悪」と「赦し」を描いた。
白い人・黄色い人 (新潮文庫)

白い人・黄色い人 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 70,451


フランス人でありながらナチのゲシュタポの手先となった主人公は、ある日、旧友が同僚から拷問を受けているのを目にする。神のため、苦痛に耐える友。その姿を見て主人公は悪魔的、嗜虐的な行動を取り、己の醜態に酔いしれる(「白い人」)。神父を官憲に売り「キリスト」を試す若きクリスチャン(「黄色い人」)。人間の悪魔性とは何か。神は誰を、何を救いたもうのか。芥川賞受賞。



 彼の生きかた (新潮文庫)

吃るため人とうまく接することが出来ず、

人間よりも動物を愛し、
 
日本猿の餌づけに一身を捧げる男の純朴でひたむきな生き方を描く。


彼の生きかた (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 159,789


〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。


 憧れは裏切られ、理想は傷つけられる。それでも人は生きてゆく。
 砂の城(新潮文庫)

砂の城 (新潮文庫)
砂の城 (新潮文庫)
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遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 399,961


青春の浜辺で若者が砂の城を築こうとする。押し寄せる波がそれを砕き、流してゆく……。西は過激派グループに入って射殺され、トシは詐欺漢に身を捧げて刑務所に送られた。しかしふたりとも美しいものを求めて懸命に生きたのだ――スチュワーデスになった泰子は三人いっしょだった島原の碧い海と白い浜を思い浮べる。幸福を夢み、愛を願ってひたむきに生きた若者たちの青春の軌跡。


 聖書が伝えている事実と、それだけではない真実──。キリスト教の本質を知るための一冊。
 イエスの生涯 (新潮文庫)

イエスの生涯 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 21,719


英雄的でもなく、美しくもなく、人々の誤解と嘲りのなかで死んでいったイエス。裏切られ、見棄てられ、犬の死よりもさらにみじめに斃れたイエス。彼はなぜ十字架の上で殺されなければならなかったのか?――幼くしてカトリックの洗礼を受け、神なき国の信徒として長年苦しんできた著者が、過去に書かれたあらゆる「イエス伝」をふまえて甦らせた、イエスの〈生〉の真実。


第30回 読売文学賞 評論・伝記賞
 キリストの誕生 (新潮文庫)

「神の沈黙」の意味を深く問う名著。
 
犬のように無力だった男は、
 
いかにしてキリストと呼ばれるようになり、人間の永遠の同伴者となったのか。


キリストの誕生 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 10,655


愛だけを語り、愛だけに生き、十字架上でみじめに死んでいったイエス。だが彼は、死後、弱き弟子たちを信念の使徒に変え、人々から“神の子”“救い主(キリスト)”と呼ばれ始める。何故か?――無力に死んだイエスが“キリスト”として生き始める足跡を追いかけ、残された人々の心の痕跡をさぐり、人間の魂の深奥のドラマを明らかにする。名作『イエスの生涯』に続く遠藤文学の根幹をなす作品。



 死海のほとり (新潮文庫)

打ちのめされた魂を真に救うものは何か。
 
混迷と不安の時代にあらためて「神」の意味を問う名作。


死海のほとり (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 128,172


戦時下の弾圧の中で信仰につまずき、キリストを棄てようとした小説家の「私」。エルサレムを訪れた「私」は大学時代の友人戸田に会う。聖書学者の戸田は妻と別れ、イスラエルに渡り、いまは国連の仕事で食いつないでいる。戸田に案内された「私」は、真実のイエスを求め、死海のほとりにその足跡を追う。そこで「私」が見出し得たイエスの姿は? 愛と信仰の原点を探る長編。



 真昼の悪魔 (新潮文庫)

大病院を舞台に続発する奇怪な事件。
 
背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女医。
 
現代人の心の渇きと精神の深い闇を描く医療ミステリー。


真昼の悪魔 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 216,588


患者の謎の失踪、寝たきり老人への劇薬入り点滴……大学生・難波が入院した関東女子医大附属病院では、奇怪な事件が続発した。背後には、無邪気な微笑の裏で陰湿な悪を求める女医の黒い影があった。めだたぬ埃のように忍び込んだ“悪魔”に憑かれ、どんな罪を犯しても痛みを覚えぬ虚ろな心を持ち、背徳的な恋愛に身を委ねる美貌の女――現代人の内面の深い闇を描く医療ミステリー。


「マリー・アントワネット (ミュージカル)」(2006年11月1日開演)
映画「マリー・アントワネット」(2007年1月公開)
ミュージカル「マリー・アントワネット」(2018年9月公演)
 王妃マリーアントワネット(上・下) (新潮文庫)

 

上|美貌、富、権力。全てを手に入れた女。
ヴェルサイユ宮殿を舞台に繰り広げられる、壮大な歴史ロマン。

美しいブロンドの髪とあどけない瞳を持つ14歳の少女が、オーストリアからフランス皇太子妃として迎えられた。少女はやがて、ヴェルサイユに咲いた華麗な花と呼ばれ、フランス最後の王妃として断頭台に消える運命にある……。フランス革命を背景に、悲劇の王妃の数奇な生涯を、貧しい少女マルグリット、サド侯爵、フェルセン、ミラボーなど多彩な人物を配して綴る、壮大な歴史ロマン。

下|憎悪、侮蔑、殺意。断頭台に立つ女。
フランス革命に翻弄された生涯を描き出す、華麗な歴史ロマン。

フランス革命によってヴェルサイユ宮殿の栄華は過去のものとなった。貴族たちは財産を奪われ、特権を剥奪され、次々と裁判にかけられる。王と王妃の処刑を要求する民衆の声は、日増しに高くなって行く。激しい愛を胸に秘め、フェルセンは王妃救出を必死に画策するのだが――。苛酷な運命の中、愛と優雅さとを失うまいとする悲劇の王妃の生涯を、円熟の筆に描き出す華麗な歴史絵巻。



 女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)

幕末から明治の長崎を舞台に、

切支丹大弾圧にも屈しない信者たちと、

流刑の若者に想いを寄せるキクの短くも清らかな一生を描く。


女の一生〈1部〉キクの場合 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 85,609


長崎の商家へ奉公に出てきた浦上の農家の娘キク。活発で切れながの眼の美しい少女が想いを寄せた清吉は、信仰を禁じられていた基督教の信者だった……。激動の嵐が吹きあれる幕末から明治の長崎を舞台に、切支丹弾圧の史実にそいながら、信仰のために流刑になった若者にひたむきな想いを寄せる女の短くも清らかな一生を描き、キリスト教と日本の風土とのかかわりを鋭く追求する。



 女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)

戦時、子供で、女で。
 
私にできるのは、祈ることだけだった――。
 
身体が痛くなるほどに感涙誘う大恋愛長編。


女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)
遠藤 周作
新潮社
売り上げランキング: 205,686


第二次世界大戦下の長崎で、互いに好意を抱きあうサチ子と修平。しかし、戦争の荒波は二人の愛を無残にも引き裂いていく。修平は聖書の教えと武器をとって人を殺さなくてはならないことへの矛盾に苦しみつつ、特攻隊員として出撃する。そして、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。激動の時代に、信仰をまもり、本当の恋をし、本当の人生を生きた女の一生を鮮やかに描き出す。


第33回 野間文芸賞
  何ものにも屈しない。たとえ、この命が潰えたとしても。感涙必至、歴史小説の白眉。
 侍(新潮文庫)

侍(新潮文庫)
侍(新潮文庫)
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新潮社 (2013-03-01)
売り上げランキング: 39,805


藩主の命によりローマ法王への親書を携えて、「侍」は海を渡った。野心的な宣教師ベラスコを案内人に、メキシコ、スペインと苦難の旅は続き、ローマでは、お役目達成のために受洗を迫られる。七年に及ぶ旅の果て、キリシタン禁制、鎖国となった故国へもどった「侍」を待っていたものは――。政治の渦に巻きこまれ、歴史の闇に消えていった男の“生”を通して、人生と信仰の意味を問う。



  21世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産、全15巻。
  遠藤周作文学全集

    

 遠藤周作文学全集〈1〉長篇小説(1) |青い小さな葡萄/海と毒薬 ほか
 米国人捕虜生体解剖事件を描いて罪の意識を問うた初期長篇ほか3篇を収録。
生涯をかけて日本人にとってのキリスト教を追究した遠藤周作のすべてを全十五巻に集大成。第一巻は米国人捕虜生体解剖事件を描いた傑作「海と毒薬」ほか二篇。

 遠藤周作文学全集〈2〉長篇小説(2) |留学/沈黙
 切支丹弾圧時代を舞台に永遠のテーマ「神の沈黙」に挑んだ名作ほか。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。切支丹弾圧の時代を舞台に、永遠のテーマ“神の沈黙”に挑んだ谷崎賞受賞の名作「沈黙」と、三人の留学生のヨーロッパ文明との相克を追究する「留学」。

 遠藤周作文学全集〈3〉長篇小説(3)|死海のほとり/侍
 イエスの足跡をたどる「死海のほとり」、支倉常長に材を取った「侍」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。第三巻は、イエスの足跡をたどる現代の男と、同時代人の見たイエスの姿とを対比させた「死海のほとり」、遣欧使節支倉常長の悲劇に材を取った「侍」。

 遠藤周作文学全集〈4〉長篇小説(4) |スキャンダル/深い河
 「悪」を追求する問題作『スキャンダル』と畢生の長篇『深い河(ディープ・リバー)』
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。第四巻は、キリスト教作家の醜聞を通して「悪」を追究する問題作「スキャンダル」、母なるガンジスの流れに人生の意味を問う畢生の長篇「深い河」。

 遠藤周作文学全集〈5〉長篇小説(5)|おバカさん/わたしが・棄てた・女
 ユーモア小説の傑作「おバカさん」、無垢な娘の悲劇「わたしが・棄てた・女」。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。ダメ男ガストンの生き方に現代の愛を浮かび上がらせるユーモア小説「おバカさん」と、無垢な娘の悲劇が感動を呼ぶ人気作「わたしが・棄てた・女」。


  

 遠藤周作文学全集〈6〉 短篇小説(1)| アデンまで/白い人/黄色い人 他
 処女小説「アデンまで」、芥川賞受賞作「白い人」、「最後の殉教者」ほか16篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。フランス留学体験を素材にした処女小説「アデンまで」、芥川賞受賞作「白い人」、切支丹文学の先駆「最後の殉教者」、「あまりに碧い空」ほか十五篇。

 遠藤周作文学全集〈7〉短篇小説(2)|雲仙/影法師/ユリアとよぶ女 他
 結核再発による入院生活から「沈黙」執筆を経て1960年代に発表された短篇小説25篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。両親の不和の板ばさみになる子供の悲しみを描く「船を見に行こう」、結婚して聖職を棄てた神父を追う「影法師」、そして「ユリアとよぶ女」ほか二十二篇。

 遠藤周作文学全集〈8〉短篇小説(3)| 母なるもの/夫婦の一日 他
 哀しみの聖母のイメージ「母なるもの」から晩年の「無鹿」まで後期の短篇小説26篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。哀しみの聖母のイメージを追った「母なるもの」、細川ガラシャを描く「日本の聖女」、しみじみとした夫婦の情愛がにじむ「夫婦の一日」ほか二十三篇。




 遠藤周作文学全集〈9〉 戯曲| 黄金の国/薔薇の館 他
 「沈黙」の姉妹篇として好評を得た傑作「黄金の国」、「薔薇の館」など全6戯曲。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。「沈黙」の姉妹篇として好評を得た傑作「黄金の国」、第二次世界大戦の状況下でのキリスト者のドラマ「薔薇の館」、「メナム河の日本人」ほか三戯曲。

 

 遠藤周作文学全集〈10〉評伝1| 鉄の首枷/銃と十字架 他
 長篇評論「堀辰雄覚書」及び日本史上の人物を取り上げた長篇評伝2作を発表順に収めた。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。二十五歳で発表した長篇評論「堀辰雄覚書」、悲劇のキリシタン大名小西行長の生涯を描く「鉄の首枷」、そしてペドロ岐部を取り上げた「銃と十字架」。

 遠藤周作文学全集〈11〉 評伝(2)|イエスの生涯/キリストの誕生 他
 異端の文学者の評伝と、愛の人イエスが救い主となるまでをたどる2篇。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。異端の文学者を追究した「サド伝」に、「イエスの生涯」と「キリストの誕生」。


  

 遠藤周作文学全集〈12〉評論・エッセイ(1)|神々と神と/文学と想像力/原民喜 ほか
 前期の評論・エッセイ六十五編。
二十一世紀に贈る遠藤文学の貴重な遺産。批評家として出発した最初の著作「神々と神と」から、「テレーズの影をおって」、先輩作家を論じた「原民喜」など、前期の評論・エッセイ六十五編。

 遠藤周作文学全集〈13〉評論・エッセイ(2)|一枚の踏絵から 異邦人の苦悩 他
 1968年から絶筆の「佐藤朔先生の思い出」へ至る後期の評論・エッセイ93篇。
二十一世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。「永井荷風」から、「弱者の救い」「一枚の踏絵から」「異邦人の苦悩」を経て、晩年の「老いて、思うこと」まで。後期の評論・エッセイ九十三篇。

 遠藤周作文学全集〈14〉評論・エッセイ(3) | サウロ 私の愛した小説 他
 没後発見された処女戯曲「サウロ」、未刊行長篇「満潮の時刻」など7篇。
21世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。没後発見された処女戯曲「サウロ」、「沈黙」と同時期に執筆された未刊行長篇「満潮の時刻」、長篇評論「私の愛した小説」、その小説の翻訳であるモーリヤックの「テレーズ・デスケルー」、自伝的エッセイ「私の履歴書」、18歳で執筆した評論「形而上的神、宗教的神」。




 ヤバイ本遠藤周作文学全集〈15〉日記 年譜・著作目録|(全巻完結)
 作家の日記/『深い河』創作日記/年譜ほか、
 フランス留学時代の「作家の日記」から最晩年の「創作日記」まで。

二十一世紀に贈る国民作家遠藤周作の貴重な遺産。フランス留学時代の「作家の日記」から、若き日の恋を綴った「滞仏日記」、最晩年の「『深い河』創作日記」まで。年譜と著作目録を併録。

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外部リンク
遠藤周作文学館ホームページ





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