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新潮社文庫の100冊2020|泣ける本⑧|海外文学[ある奴隷少女に起こった出来事 (ハリエット・アン・ジェイコブズ:著 堀越ゆき:訳)/小公子(フランシス・ホジソン・バーネット:著 、川端康成:訳)]

kage

2020/10/30 (Fri)

夏の文庫フェア2020

新潮文庫の100冊2020
文庫フェア


潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2020年のテーマ「この感情は何だろう。」

毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本


■アイコンの説明


=受賞作
=映像化
📚=新潮文庫の一行


 
大丈夫。きみの悩みは、もう本になっている。この夏を、何冊生きよう。
  泣ける本
 海外文学英米文学

 📚読書よ、わたしの物語は自由で終わる。(P317)
 ある奴隷少女に起こった出来事
 /ハリエット・アン・ジェイコブズ(著) 堀越ゆき(訳)


自由を求め勝ち取った少女の魂の記録。

人間の残虐性と不屈の勇気を描く、奇跡の実話! 


ある奴隷少女に起こった出来事 (新潮文庫)
ハリエット・アン ジェイコブズ
新潮社 (2017-06-28)
売り上げランキング: 7,471


好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身篭ることを―。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遙かに凌ぐ“格差”の闇を打ち破った究極の魂の物語。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン絶対に屈しない。自由を勝ち取るまでは――残酷な運命に立ち向かった少女の魂の記録。人間の残虐性と不屈の勇気を描く奇跡の実話!「人が人をモノとして扱う」という地獄をたっぷり描きつつも、心に残るのは、それでも多くの人が彼女を助けたということ。法律や当時の社会規範よりも、自分の良心や情に従って行動した人びとの姿は、まさに地獄の中にさす光のようです。とくにお祖母さんが競売にかけられた時のエピソードがまるで映画のワンシーンみたいにドラマチック!主人の性虐待や逃亡生活など凄絶な環境に身も心もズタズタになりながらも、逆に彼女の知性が研ぎ澄まされていくのがすごい!そして七年間の潜伏、嘘の手紙、執拗な追跡…知力も死力も尽くした逃亡劇が凄まじい!不屈の闘志!子ども達がけなげ!「人間として扱われたければ、人間として行動しなければならない」という言葉を思い出しました。たとえそれがどんなに辛くて過酷な道だとしても、人間として生きるため闘った少女の実話。これが人間同士で公然と行われてきた事実なのかと思うと、その愚かさに言葉を失います。


著:ハリエット・アン・ジェイコブズ[Jacobs,Harriet Ann]
┣(1813-1897)アメリカ合衆国ノースカロライナ州出身。幼くして両親と死に別れ、12歳で35歳年上の白人医師の家の奴隷となり性的虐待を受ける。苦難に満ちた自身の半生を記述した本書が、刊行から約130年後のアメリカでベストセラーに。

訳:堀越ゆき(ホリコシ・ユキ)
┣東京外国語大学、ジョージ・ワシントン大学大学院卒。2017年6月現在、世界最大手のコンサルティング会社に勤務。





 📚ぼく、伯爵になったら、おじい様みたいに、よい人になるつもりです(P303)
 小公子/フランシス・ホジソン・バーネット:著 、川端康成:訳

頑迷な老伯爵の心を少年の純真さが解きほぐす。

川端康成の名訳で蘇る児童文学の傑作。  




アメリカに生まれた少年・セドリックは、大好きな母や周囲の人々の細やかな愛情に包まれ幸せに暮らしていたが、名も知らぬ貴族の祖父の跡継ぎになるためイギリスへ渡ることとなった。祖父は意地悪で傲慢で、アメリカという国を嫌っていたが、セドリックの純真さに心動かされ、次第に変化していく。だがそこへ真の跡取りを名乗る者が現れて――。川端康成の名訳でよみがえる児童文学の傑作。

…‥‥‥…
Arika報告書v1アイコン親切とか他者にに向ける暖かい心が社会を変えていくという話。人は接し方によってまったく異なる関係性になると言うことを深く認識させられます。これぞ名作。訳者が川端康成さんということで、文章が綺麗に流れて読みやすかった。バーネット女史は貧しい中で小説を書いて生活を楽にしようと思っていたらしいので、ということは社会の厳しさとか不条理も十分に理解した上でそれでもこうあって欲しいと思ったのだろうか。また川端康成も子供向きの教育的な小説なんて書いていないのにこれから社会に出ていく少年少女達に贈る名作としてこれを選んだのは面白い。途中偽物の詐欺師女が出てきて正統性が疑われるが最後嘘がバレてめでたしめでたしとなる。アメリカ時代の食料品店店主と靴磨きが決定的な役割を果たす。最高でした。なんて心が綺麗な男の子なんだろう。その純粋さに周りの人も救われていく。いい子どもすぎてだんだん飽きてくるかと思っていましたが全くそんなことはなく。あらためて大人にも読んで欲しい作品。セドリックって『十二国記』の泰麒みたい、と思いながら読んでいたら、あとがきに、小野不由美さんの愛読書だったと書かれていて、なんだか嬉しかった。愛くるしいセドリックや、心優しいエロル夫人の言動を見ていると心が洗われる。また、読み返したいな。

フランシス・ホジソン・バーネット[Burnett,Hodgson Frances]
(1849-1924)英国マンチェスターの富裕な商人の家に生れるが、幼くして父を失い、家族とともに米国に移住。家計を助けるために作家活動を始める。次男をモデルにした『小公子』(1886)、続く『小公女』(1905)で成功をおさめ、『秘密の花園』(1911)で名声を不動のものにする。明治期の日本にも紹介され、現代に至るまで長く読まれている児童文学作家である。

川端康成:訳
(1899-1972)1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。


フランシス・ホジソン・バーネット/著 、畔柳和代/訳
  父親の死をきっかけに裕福な暮らしから一転、召使いにされた少女を描く、永遠の名作。



暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが……。苦境に負けない少女を描く永遠の名作、待望の新訳!


畔柳和代/訳
1967年生れ。東京医科歯科大学教授。訳書にキャロル・エムシュウィラー『すべての終わりの始まり』、マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』、ジョン・クロウリー『古代の遺物』(共訳)、バーネット『小公女』『秘密の花園』などがある。




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