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大人本セレクト(192)...今、読んでほしい注目の恋愛小説三冊[アイネクライネナハトムジーク /ゴースト /律子慕情 ]

kage

2019/03/20 (Wed)

■大人だから楽しんで読める、
大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!
Arikaおとな本1
VOL・192

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、

今、読んでほしい注目の恋愛小説三冊

 アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫) /伊坂幸太郎 (著)



Arika報告書v1アイコンモーツァルトが作曲した『アイネクライネナハトムジーク』は、ドイツ語で「ある小さな夜の曲」という意味のセレナーデだが、本著にとって恋愛ものが苦手だと語る伊坂幸太郎にとって貴重な、淡い恋心が煌めく連作短編集。妻に出て行かれたサラリーマン、美容院の常連の弟、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。登場人物が世代を超えて繋がり、軽妙な会話が繰り広げられる。そこここに思い通りにいかない悩みが描かれているにもかかわらず、ふとした出会いや出来事が思わぬところで交差し好転していく爽快感に、ニヤニヤがとまらない。気づいていないだけで自分の人生にもそんな面白みが隠れているのかもしれないと、前向きな気持ちにさせてくれる一冊。


 ゴースト (朝日文庫) /中島京子 (著)



Arika報告書v1アイコン多数の文学賞に輝いた中島京子の最新作は、戦争につながる記憶と想いがよみがえる、7つの幽霊連作集。本著で描かれる幽霊譚は、現代を生きる私たちのすぐ傍に存在し、ときにユーモラスで温かみを帯びている。古い洋館に住む女と青年との奇妙で刹那的な恋を追体験する「原宿の家」、戦時下の女性たちを自立させたミシンの運命を辿る「ミシンの履歴」、旅先での女性との出会いから台湾人留学生寮にたどり着く「廃嘘」など、それぞれに異なる語りでありながら、すべて72年前に終結した戦争を背景にしている。これらの物語を通して、近年の世界全体の空気から見えてくる過去、戦後、現代についての著者の考えが伝わってくる。




  律子慕情 (集英社文庫)/小池 真理子 (著)



Arika報告書v1アイコン律子がみた恋愛の世界。話の冒頭。少女・律子は小学6年生の時に大好きだった叔父を亡くします。そしてその霊は律子の前に現れ……ここまで書くとホラーっぽいのですが、これはれっきとした恋愛小説です。恋と、愛。その違いを浮き彫りにし、恋というものを愛おしく感じさせてくれる作品でした。律子のもつ愛に対する客観的で少し大人びた考え方に、嫉妬すら感じました。どんな話でもあたたかいトーンで進んでいく小池 真理子の世界に没入すると、まるでその時間が自分の大切な思い出のように色褪せることなく胸に刻まれていく感覚に陥ります。登場する人々の言葉、仕草、一つ一つが、熱を発しているように感じるのです。『無伴奏 (集英社文庫) 』の時もそうでした。言葉の核が見える。不思議な感覚ですが、そんな気がするのです。




学園紛争、デモ、フォーク反戦集会。1960年代、杜の都・仙台。荘厳なバロック音楽の流れる喫茶店で出会い、恋に落ちた野間響子・17歳と堂本渉・21歳。多感で不良っぽい女子高生と男からも女からも愛されるような不思議な雰囲気の大学生の危険で美しい恋。激しい恋をひっそりと見守る渉の特別な友人、関祐之介。三人の微妙な関係が引き起こす忌まわしい事件は、やがて20年後の愛も引き裂いていく。



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