FC2ブログ
2021 01 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28. »  2021 03

大人本セレクト(193)...アートからデザインの歴史をざっと学べる三冊[塑する思考/日本のデザイン/絵ときデザイン史]

kage

2019/03/22 (Fri)

■大人だから楽しんで読める、
大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!
Arikaおとな本1
VOL・193

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、

アートからデザインの歴史をざっと学べる三冊

 塑する思考(新潮社)/佐藤卓(著)



Arika報告書v1アイコンデザインという行為は、付加価値をつけるものでも自我を見せるものでもない。「想い」や「本質」を大衆に向けて端的にわかりやすく置き換えることなのだということ。「明治おいしい牛乳」「ニッカピュアモルト」「ロッテ・キシリトールガム」などの商品デザインなどを幅広く手掛けてきた、グラフィックデザイナーの佐藤卓が本著で語るのは、社会的な関係性の中で思考することの大切さ。併せて、デザインという言葉に対する誤解を解くべく、手掛けた製品でわかりやすい例を挙げながら意図や展開を示し、奇抜で際立つ特別なものこそが”わかりやすさ”を求める愚かさと、”わからないこと”の魅力とは?一度考えてみよう。そして考えることをやめて、自然のリズムに合わせて生活することの楽しさも欠かせない。読み応えたころには、身近にあるものの見方が変わっているはず。デザインの概念をおしゃれ、カッコいい、だけではなくどこにでもあるもの、見ただけではわからない物の本質を(時には戦略的に)人に届けるものとして捉え伝えようとしている。また、行きすぎた便利さに疑問を投げかけ、ちょうどいい便利さを考察する。そのような思いに至るまでの人との出会いやサーフィン、漢方などから得たデザインへの知見も興味深かった。


 日本のデザイン-美意識がつくる未来 (岩波新書) /原研哉 (著)



Arika報告書v1アイコン著者は無印良品や蔦屋書店のデザインを作成した原研哉です。私の一番好きなデザイナーです。本では、仕事の例を通じてデザインについて、また今後日本はどのような国を目指すかと話を展開します。本で紹介した好きな考え方を1つ紹介します。「デザインではコトに焦点を置く」なぜならコトにより人の価値観に働きかけて、イメージを形成できるからです。無印がいい例です。様々な商品を展開していますが、無印に対するイメージは「シンプルなスタイル」や「ナチュラル志向」といったコトによるイメージです。掃除をする人も、工事をする人も、料理をする人も、灯りを管理する人も、すべて丁寧に篤実に仕事をしている。あえて言葉にするなら「繊細」「丁寧」「緻密」「簡潔」。そんな価値観が根底にある。日本とはそういう国である。これは海外では簡単に手に入らない価値観である。特別な職人の領域だけに高邁な意識を持ち込むのではなく、ありふれた日常空間の始末をきちんとすることや、それをひとつの常識として社会全体で暗黙裡に共有すること。美意識とはそうのような文化のありようではないか。シンプルとエンプティ。阿弥衆(室町期)とデザイン。美の意識や感覚は、抽象的で実用性がないように感じていたが、そんなことはない。社会を築く上での大きな推進力となっていることを強く感じた。日本の技術デザインの過去を踏まえつつ、未来の展望を記した一冊。




 絵ときデザイン史/石川マサル、フレア (共著)



Arika報告書v1アイコン時代とともに歩んできたデザインの変遷をさくっと知ることができる一冊。バロックやゴシック、モダニズム、ユニバーサルデザインなど、中世〜最新のデザインの系統・流行を表す用語を解説。この本著自体もデザインが意識してされており、余計な情報を与えるより簡潔な文章と最低限の作品例でより頭に入りやすくしている。たしかに絵本のように読めて印象にも残りやすいが、実例が1系統につき1〜2つで、場合によっては写真から起こしたシンプルなイラストだけのこともあるので、ピンとこない箇所もいくつかあった。新しめで局所的な用語はなかなか覚えきれないが、ルネサンスやロココくらいは説明できるようにしたいものだ。 この本著だけで全部理解するのは難しいけど、キーワードがたくさん載ってるのでここからググって知識を増やせるのでよい。体系的な本はなかなかないから助かる。







関連記事
スポンサーサイト



コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック