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マクロス生誕30周年特別企画・「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」(初代マクロス劇場版)を語る! 

kage

2012/08/11 (Sat)

ピッコロのらじお

*FC2ブログ『ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人』特集トラバ企画!
Arika愛5s

歌の力が星間戦争の鍵を握る『マクロス』シリーズ。

その30周年となる今年(2012)到来!

同シリーズ劇場版第1作『超時空要塞マクロス・愛・おぼえていますか』

マクロス世界すべてがリスペクトする存在、それが『愛・おぼ』のヒロインのひとりであるリン・ミンメイである。

歌と連動した攻撃は『ミンメイ・アタック』と呼ばれた。

バルキリーの超絶アクションも三角関係も、すべてはココから始まった、いわば『愛・おぼ』は、マクロス世界の原点というべき作品である。







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Arika愛1j
報告書・No1


歌の力と異文化コミュニケ―ション

歌と攻撃を連動させる「ミンメイ・アタック」は、『愛・おぼ』と、その前身であるTV『超時空要塞マクロス」で初めて発動!

文化を持たない地球外生命体ゼントラーディ人は歌という文化に衝撃を受け

「ヤック! デ・カルチャー(なんと恐ろしい)」と叫ぶ!

輝やミンメイたちが住む宇宙戦艦マクロスを襲った巨人族がいるんだけど、彼らのゼントラーディ語は字幕スーパー付きでオモシロかった。



Arika報告書y
報告書・No2


戦闘機乗りの二股愛にドキ…❤

『マクロスF』では、ふたりのアイドル、シェリルとランカの間で、元歌舞伎役者は大いに迷ったことも…。

決定的宣言をしないまま、雲の彼方へ消えていったことも…。

でも、『愛・おぼ』の主人公・一条輝(いちじょうひかる)は違う!

二股に、きっぱり結論を出してくれたスッキリ感がある。

しかも、恋愛シーンの「間」が実に上手い。

SF、しかもアニメの恋愛シーンで、間を意識したものって少ない。

間っていうのは感情や言葉を露にするまでの「間」です。

愛おぼえていますかh主人公、一条輝(18歳)。

恋愛に関しては天然というか、特に恋愛に関しては、リン・ミンメイ、早瀬未沙という二人の女性の間でしばしば鈍感な面や、優柔不断な面を見せる。

劇場版『愛・おぼ』では、終盤にて自らヒロインに告白したり、単機で機動要塞中枢に突入して敵を打倒するなど、ヒーロー性が強調されており、それは物事を省みない元々の性格によるものかもしれません。

良くいえば0恋愛の空気や周りの反応に動じないかっこよさ、悪くいえば自己中の男である。

■さて、輝を巡って修羅場になる2人の女性がいる。

ひとりはアイドル、リン・ミンメイ(15歳)。

リン・ミンメイは無邪気な小悪魔的な部分があるというか抜け目のない可愛い女の子って印象です。

前半は子供っぽいんですが、後半から急に女っぽくなってくるんだよね…。

輝にとってもリン・ミンメイは憧れの存在だもの、そりゃドキドキしないわけがないよね!

もうひとりは、早瀬未沙

マクロス艦の航空官制官で、一条輝にビシッと指示する厳しい上官。

真面目で固くて何事にも一途な性格で、それゆえにフットワークが重い。

見た目25~30手前くらいかな?・・・と思ったら、TV版では19歳、劇場版では21歳で驚きでした 

輝より年上なのは変わりありませんが、あの大人の色気みたいなのはなんなのでしょうか?

真面目で固いそんな鬼教官が弱気になったりすると、男というものは守ってやりたいと急に思うものなのでしょうか…!?

劇中で描かれるのは主人公・軍パイロットの「一条輝」とアイドル「リン・ミンメイ」と上官「早瀬未沙」の三角関係は後のマクロスシリーズの定番であり必見です。




Arika報告書y
報告書・No3


修羅場シーンの前ふりが抜群!

話としては、ミンメイと輝が最初に付き合ってて、未沙が後から割り込んでお互いに相手のよさに気づいていくという展開。

「ミンメイは死んでしまった」と覚悟していた輝は、傷心のまま漂流先で未沙といい関係になり、最後まで行ってしまった(※ミンメイとはそこまで行ってない)。

しかし、ミンメイは生きていて、再会し、そこで修羅場のゴングとなるわけである。

輝は自室で休養中。

部屋に飾ってあるミンメイのポスターを剥がそうとする。

そこへ、インターホンが鳴る。

「はい」

ドアの前に立っていたのはミンメイだった。

輝はふいをつかれて、ミンメイを部屋に入れてしまう。

いつかは切り出さなきゃいけないんだけど、まだきっかけが掴めないでいる輝はコーヒーを入れる。

「今、けっこう忙しいんだろう? そう言えばあの歌の歌詞は・・・・・・!?」

いきなりミンメイが輝の背中に抱きつく。

「好きよ・・・・・・。あの人との間に何があったか知らないわ。でもね、それでもね、私はあなたが好き」

その頃、未沙は地球で見つけたプレートを手にとり、古代言語で記された文字を解読していた。

口にしてみると、偶然にもミンメイが歌っていたメロディとぴったり。

遺跡に残されていたのは、大昔の先祖が愛した歌詞だったのだ。

未沙は歌詞をメモに書き写し、輝の部屋へ向かう。

エレベータで移動中、階の表示を眺めつつ、早く輝に会いたい、という気持ちは高鳴る。




文章に起こすとこんな感じのシーンなんだけど…

本当に細かい部分まで気を使い。これら繰り広げられる「修羅場の前ふり」としてうまいと感心させられるシーンです。





Arika報告書y
報告書・No4


修羅場の場合の2人の女の行動の違い!

■いよいよ、修羅場シーンです。


入れっぱなしで溢れたコーヒー。

抱きつかれたまま、輝はミンメイに別れを告げようとする。

「ミンメイ・・・・・・僕は!」

そこへドアノブが回る音。

ギッと扉が開き、未沙が登場し、2人を見た瞬間、アッ、と一瞬驚き、後ろ手ですばやく扉を閉める。

ミンメイは輝の背中に抱きついたまま。未沙に気づいた2人の表情。

目がぐっと見開く。「少佐・・・・・・!」と輝がつぶやく。

未沙の表情が印象的でやや目を潤ませじっと2人を見つめ、目を伏せる。

それから落ち着いた声で「どういうこと?」という声優・土井美加さんの演技がツボにはまる。


■感情を殺した演技部分が実に素晴らしかった!


「どうって・・・・・・」(輝)

「これが何だか覚えている?」

「あっ、ああ・・・・・・」(輝)

「遺跡の街で見つけたプレートよ。これを解読してたらあの曲の歌詞みたいだって分かったから・・・・・・」

「あなたに最初に確かめてもらおうと思ったのに・・・・・・!」

顔を伏せ、手をつく。

輝の顔がこわばる。

何かに気づいたように、ぐっと目を見開き、リン・ミンメイに別れを言わなければ、と決心する。

「ちょっと待って! 違うんだよ! それは、君の、誤解・・・」

ミンメイショック! ガ━━Σ(゚Д゚|||)━━ン!!

「違う、だなんて・・・。誤解だなんて・・・」

「あんまりだわ・・・・・・あんまりよ!」と走って部屋を飛び出してしまう。


■この時、かすかにですが、未沙はちらっと横目でミンメイを見るその目線が超シビアで震えさせた…。


Arika注目1分析ずっーと思ってたんですけど、三角関係の修羅場で「違う」「間違い」「誤解」そういう言葉が出た時に、その場で「誤解ってどういうことよ!」ってキリキリ怒り出すのはどこかズレてる気がする。

実際、怒るかなあ? 口に出して怒れない人の方が大半だと思うし、アタシなら冷める? ああそう、みたいな感じでどんどん冷めていく…。

エッチさせてくれる年上の魅力的な彼女が出来たから、リンメイ「お前いらん」って言われてるようなもんじゃん?

ここまでガチ煮詰まってる状態でも、現場にいる相手を「信じてる」もしくは「信じたい」気持ちは分かるよ。でもねミンメイの「ショック」→「泣き怒り」→「飛び出す」の行動は輝と未沙の関係は私がいない間の一時的なもので、今でも私を選んで追いかけてくれるはずと信じてたうえの計算のように思えてくる。

リン・ミンメイのこの行動は、若くて可愛いから成り立つ計算であることだけは忠告しておこう。



■では、話の続きを…。

そして輝は思わず「ミンメイ!」と叫んでドアノブに手をかけ……ないで、止まります。

未沙は下を向いたまま…なのですが、ここの修羅場のカメラワークが凄くいいのです!!

ミンメイを追いかけようとして、輝が振り返ってドアに向かう。


■やや下から捉えて、ミンメイと輝の動きを心持ちスローで見せてる演出はさすがである!

運命の分かれ道のシーンが静かに始まる。

その後はドアの前からの視点で、輝の表情のアップ、後ろで手をついて下を向いている未沙を映す。

アニメに限らず修羅場の演出は一挙手一刀足、或意味、武術のような緊張感が大切である。



立ち止まる輝に未沙が追い討ち。

「・・・・どうしたの? せっかくまた会えたのよ! 遠慮しなくていいわよ! 追いかければいいじゃない!?同情なんて・・・、された方がみじめよ・・・!」


■最後は涙声の未沙なのだが、この演技がうまい…。


Arika注目1分析怖い鬼教官が最後は涙声。ニュアンス的に行ってほしくないのバレバレだけど、プライドが邪魔して「行かないで」とは言えない気持ちの押し殺しのシーンは不器用やわww、と同時にめんどくさいなw、とちょっと思ったシーンでもあります。

お固い軍人の父親の影響を受けつつ戦争で育った人物の造詣として未沙は確かに一途であるとは思うと同時に、男を取られる!と思った時は強い攻撃本能が働く人かもと確信したシーンでもあります。

経験上、未沙は修羅場で取り合いしたら絶対に土俵に上がってくるタイプだと思う。

元々ミンメイと輝が正式に付き合ってて、隙間に割り込んで奪ったのは自分も充分に分かってるけれど、でもいざ勝負になったら易々と絶対引かないタイプだ!!

平和条約締結の場でミンメイと再会した時もじっと見据えて引かないし、そもそもさっさと引くような性格なら輝とミンメイとのあんなシーン見せられて面と向かって「どういうこと?」とか絶対に言えないだろうと観ていて苦笑いした。

あらゆる意味で未沙は怒らせると怖いタイプで私は恋敵にはしたくない相手です!




Arika報告書y
報告書・No5


三角関係の終止符の打ち方


■アニメにおいて三角関係の修羅場のよさって「3人のこれから」が同時に動き出し、はっきりと明暗が分かれるところにある!

もちろんごまかすって選択肢も出てくるだろうけど、そういうのも含めて、そのキャラの本質を見せるのに良いシーンだと思うし、創作における修羅場の効用だと思う。

ただこれは創作だから言えるんであって、現実はなるだけ遭遇はしたくないし、いや、修羅場は若い頃に散々したのでもうお腹いっぱいである!

結論としては輝は結局、ミンメイを追いかけないという選択肢を選んだわけです!!




「そんなんじゃない! そんな気持ちじゃない・・・!」ときっぱり否定して、未沙に自分の思いを伝える輝。

ここまでずっーと優柔不断だったんだけど、男として決める時はビシッと決めるのです!!

「誰もいない地球を2人でさまよい歩いて・・・、なんとかマクロスに戻って来れて・・・、街の中でミンメイの歌を聴いた時・・・スクリーンの中の彼女を見た時・・・、わかったんだ。 いつまでも側にいて欲しいのは、『君』だって、こと・・・今でもそのつもりだ」

■かなりくさいが二枚目的モテる男のセリフであるが…

「いつまでも側にいて欲しいのは、『君』だってこと」を1度は言われてみたいものだ!!



未沙はまだ下を向いたまま。

信じたいがまだ完全に信じられない、という表情。

考え込んで、目を伏せたまま、やや低めの冷たい声で尋ねる。

「・・・・・・本気なの」

輝は即座に答える。

迷いがない。打って変わって落ち着いた声。

「いつ死んじまうかも分からないけど、こんな僕で、よければ」

未沙の目から涙が溢れる。うっ・・・うっ・・・と声が漏れる。

「どうしたんだろう・・・、おかしいね・・・。涙が止まりませんよ・・・」

「輝」「未沙」と呼び合って抱き合う。

そして三角関係に終止符。


■・・・そうか結局は憧れのアイドルよりも、結婚するなら母性を感じる女性を選んだってことですね…

ベタ足インファイトを挑んだ未沙のゴリ押し勝ちの結末でございました(._.〃)ゝ




Arika報告書y
報告書・No6


恋に破れながらも

仕事をまっとうするミンメイのカッコよさ!



輝と未沙が2人が抱き合う中、非常召集がかかり、平和条約は早々に破られてしまった。

これまでにない大規模な戦争がはじまる。

人間の切り札はミンメイに歌を歌わせること。

異星人はミンメイの歌に忘れていた何かを感じていた。

ゼントラディー人に古くから伝わるメロディ、人間とゼルトランディー人共通の祖先が残した歌詞、ミンメイの歌声。

3つが組み合わさった時、戦争を終わらせることができるかもしれない。

「今のミンメイさんに歌を歌わせることができるのは、あなたしかいないわ」

未沙の忠告で輝はミンメイは探しに行く。

たぶんここにいるだろう、見当がついてたのか、展望台に登る。

そしてミンメイ居た。 

ベンチに腰掛けて、下向いてる。

近づく足音に振り向いて輝に気づいたミンメイは「私のために来てくれたのね」と敗者復活をこの時点では期待してる。

しかし、輝はその期待を裏切って「君に・・・この歌を、歌ってもらいたい」と伝える。

ミンメイ切れる

■当たり前だ!! 私でも一瞬切れるぞww(怒`・ω・´)ムキッ


「なによそれ! なんで私があの人の見つけてきた歌を歌わなきゃならないの!」


■本当にミンメイは正直な女の子である・・・

これまでの経緯と修羅場すぐの状態で追いかけて行ったらミンメイでなくても誰でもそう思うだろうと思う。



「そんなもの歌ったって、勝てる見込みなんか、ないじゃない!それより一緒にいて、輝。どうせ死ぬなら私と一緒にいて」

「僕らだけの問題じゃない。マクロスに乗っているみんなのために・・・」


■立場的に「お前が言うな」ってセリフですけど…

非常事態だからそんなこと言ってられないのだろう。



「そんなの関係ないじゃない!どうして世の中にあなたと私だけじゃないの?あなたと私・・・みんな死んじゃえばいいのに!」

その瞬間、輝がビンタ!

軍人で身近な人間の死を見て来た輝からすれば、許せない一言だった。

殴られたミンメイは、きっ、と鋭い視線で輝を睨む。

勝手なことばかり言って、という気持ちだろうか。

しかし輝の表情と拳を握り締め震えていた姿を見てミンメイの怒りが消える。

「先輩(フォッカー)だって、柿崎だって、みんな・・・死んじまったんだ…。やりたいことだっていっぱいあったろうに」

「君はまだ、歌が歌えるじゃないか!」

輝の一言でミンメイがハッと気づき、少し考え込む。

もう一度、輝の顔をちらっと見る。

輝は明らかに歌ってくれ、と期待感を込めた表情でミンメイを見てる。

ミンメイは何か言おうと言葉が出かかるが、でも何も言葉が出てこない…

言葉をグっ飲み込んで、左下に目を流して、哀しそうな顔をして、ふう、と一息ついて

「ごめんね、輝。 私どうかしてた。 自分から好きで、この道選んだんだもんね」

「ここで歌わないと、死んじゃったお父さんやお母さん浮かばれないわ」

「私歌うわ、思いっきり!」



Arika注目1分析この「私歌うわ、思いっきり!」のシーン!!!

私が最も印象的でほんの一瞬に濃密な心情の流れを感じたシーンでもある。

その瞬間、輝が未沙に伝えた言葉、その匂いをミンメイは輝の表情で直接的に感じたであろうシーン。

輝はまるごと自分ではなく、自分の歌を期待してる。

そこで初めて「もうこの人が自分を本気で好きになることはない」と悟って、諦めるのだ。

その諦めが輝への気持ちをつなげるための言葉を飲み込ませた。

大衆に表現することによって生まれるイメージのギャップはミンメイ自身が1番よく分かってる。(前半の出会いでそれが描かれてた)その上で、アイドルであることの辛さを受け入れて、プロ意識を取り戻して、自分の意志で歌を選ぶ決意をする。

会話も秀逸。このシーンは発せられる言葉通りに必ずしも心情は流れてない。

「ごめんね」「好きでこの道」のセリフは、口調も考慮するとたぶん半分は心は別の場所にあるのだろうと思われる。

でも輝はミンメイの心情に全然気づいてない。

そこに自分への思いを吹っ切る「さようなら」の意が含まれている事に全然気づいていない。

このシーンがすげー切なすきる。と同時にこの時のミンメイは強いしかっこいいと思ったシーンでもある。

これがなければ、この映画、恋愛部分は私は好きじゃなかったろーなと思う!?

恋愛の「間」と別れの不条理、大衆に表現することを選んだ人間の切なさと強さ、それらがきちんと最終章に向けての前ふりとして描けられている。

元々ミンメイからしてみれば、勝手に死んだと思われていて、自分がいない間に違う女とくっついて、それで「恋敵の訳した歌を歌ってくれ」は怒るのは当然なんだけど、だからと言ってその人を心底嫌いになれるものでもないのだろう。

そこに用いられてるセリフ回しはアニメ的な、ディフォルメされたセリフではあるけれど、でも細かい演出やドラマ的カメラワークにより感情の機微をうまく表現されており、どこか現実感もあるセリフのチョイスもうまいなと思いました。





Arika報告書
報告書・No6・・・まとめ★

Arika、サブカルチャーの隅で「愛・おぼ」を語る!

時を振り返ると80年代初から半ばにかけては、広く認知された「アニメファン」向けの作品が激増した時期でもあり、『太陽の牙ダグラス』や『装甲騎兵ボトムズ』といったリアル、国際映画社の『銀河旋風ブライガー』などロボットアニメは花盛りでした。

その中でもポスト・ガンダムとなったのがこの『超時空要塞マクロス』で、変形するロボット、歌うアイドル、そして三角関係。

アニメで育った若者が”自分たちの観たいアニメ”を作るようになった分水嶺といえる作品でもあり、同じ時期の『魔法の天使 クリィミーマミ』も70年代の魔女っ子の流れを汲みながら、「アイドル好きが作ったアイドルアニメ」の色が濃く、ともに新世代のアニメ業界の到来を告げるものでした。

本作82年~83年にTVで放送されていた初代マクロスの劇場版。

TV版とは少し違い(ミンメイが最初からアイドル)、パラレルワールドを感じさせる本作でもありました。

84年と言えば、『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』や『風の谷のナウシカ』といった作品がある。そのなかで、それに負けじと『愛・おぼ』はかなり奮闘していた作品でした。

しかも、劇場版は単なるTV版のアナザーストーリーとは思えないくらいの完成度があり、細部までにこだわったメカニックデザインや美樹本晴彦氏の手による秀麗なキャラクター描写、迫力感のある戦闘シーンは「板野サーカス」と呼ばれる無数のミサイルが飛び交うシーンは勿論ですが、特にラストのゼントラーディ・メルトランディ・マクロス入り乱れての大艦隊戦は凄いとしかいいようがなく、あれはもう何百万隻レベルでしょうか?

そして、この『愛・おぼ』を語るうえで、やはり飯島真理さん演じるリン・ミンメイが歌う「愛・おぼえていますか」の歌力の魅力は外せない要素でもあります。

個人的には「星界の紋章・戦旗シリーズ」に登場する“アーヴ語”のような「ゼントラーディ語」という独自の言語にもインパクトを覚え、しかも字幕表記されていて外国映画を観ているかのようでした。

ロボットアニメとはいえ、「可変戦闘機」は人型、鳥型、航空機型と変形するのにも心をくすぐられ、マクロス一番の目玉といえる「三角関係」にはかなりドキドキさせられました。

しかも、SFアニメにアイドルと歌をかぶせてくるという今でいうバーチャルアイドルの奔りで、同じ時期の『魔法の天使 クリィミーマミ』の要素も汲む「アイドル好きが作ったアイドルアニメ」の色も加わえられ当時のアイドル黄金期だった時代性ともマッチしていました。

薄々気づいているとは思いますが、『愛・おぼ』はリアルタイムで観に行った世代なので、その後のDVD化などでこれまで散々繰り返しに観てきたので台詞のほとんどをほぼ覚えている状態であります。



「愛・おぼ」の一番の見せ場はラストの5分間である。

「私歌うわ、思いっきり!」といい、ついにミンメイはマクロスの真中で、ステージ衣装を身にまとい歌う。

音声発信、宇宙ライブ! ラスト5分は壮絶。

ステージで歌うミンメイを背にして最終決戦が始まるシーンは何度見ても圧巻であり泣けてくる。

ちっぽけな一隻のマクロスが数万隻という敵と戦う、愛する人たちを守るために…。

そんな時、ブリタイから通信が入るわけです。

「これより貴艦を援護する!」

あのシーンは何度観ても胸をアツくさせてくれる。涙ぐむミンメイの気持ちがすーっと入ってきて、観てるこっちまでも一緒になってマクロスを背に戦っているミンメイの気持ちにもなれるにくい演出でありました。

SFアニメではあるけれどマクロスは戦争をリアルに描こうとした作品じゃない。

寧ろ演出の比重は恋愛寄りというかほとんど7、8割は恋愛のイチャイチャといっても過言でないかもしれないけど、でも劇中では仮にも戦争なわけで・・・

フォッカー、柿崎と主人公につながりのある人物の戦死もちゃんと描いている。

戦闘シーンではややスプラッタな描写で死を意識させているし、緊張感を保っている。

そうやって戦争の匂いを積み上げて来た中で、歌謡曲と戦争を一緒くたにして、戦況を決定付ける表現まで持っていくのは、かなりアニメの成功法としてはギリギリの賭けだっただろうなと思う。

前半のアイドル描写とだらだらデートシーンがキツイかもしれないが、全ては最後の5分間のクライマックスのシーンの前ふりだと思えば、このだらだらさもかなりの割合で許せるレベルの範囲内で治まるであろう。

マクロスまで大規模にはいかなくても、”カルチャー”はその国を語るうえで大事な要素である。歌だけじゃなく映画でも小説でも芸術においても、その時代に反映し何か心を動かされるものがあるとすれば、それは「サブカルチャー」であり、これまでその世界に触れた事がない者にとってのファーストコンタクトは「デ、デカルチャー」でしかないのだろう。

ちょっとアニメ業界の話をひとつします。TVでの放映本数は83年前後にピークに達し、第1次アニメブームにも徐々に陰りが見えてきて、オリジナルというよりは「聖闘士星矢」「北斗の拳」といった有名漫画原作ものがゴールデンタイムを占めており、「アニメファン向けのTVアニメ」は数を減らしつつありました。そんな不振の印象をかき消すように、OVAが急に勢いづいてきました。この時期、ビデオデッキが一般家庭にも速やかに普及し、歩調を合わせてレンタルビデオ店も林立していくと、ハードの普及はソフトを呼び起こす。アニメで成長した人々はお金に余裕のある社会人になり、収入のない学生でもレンタルビデオなら利用できる。

80年代の金余りバブル経済を追い風に、TVでは成立しにくいアニメファン向けのOVAが繰り出されていった。アニメ界を変える!までは行かないけど、若き宮崎駿を始めとしたア二メを作る製作側は実写では表現しきれないであろうアニメ自体の可能性、TVではこれからは成立しにくいオリジナルアニメへの情熱を信じていたのは間違いないのだろう。83年前後をピークにTVでオリジナル枠を失いつつあるクリエーターとしては、やはり自分がこれまで懸命に磨いてきた腕でアニメ界に挑戦状を叩き付けて誇りを持って風穴を空けたかったのかもしえません。

『愛・おぼ』の場合は元々は企画ありきで始まったそうですが、その中で製作者といての誇りや姿勢だけじゃなく、技術的手法や演出も含めて、84年のアニメーションとは思えない描き込みと戦闘シーン、アイドルソングと映画音楽を両立させることによって、サブカルチャーとしてのアニメの可能性の実現に近づけようとしました。

しっかりした演出に裏打ちされた自信があって、自信に裏打ちされた演出がある。

その両者は決して切り離せないヒット作の要素だろうと思います。

前半だけ観るとイチャイチャ繰り広げられるナンパアニメのようではあるけれど、根底には硬派な要素も溢れています。そんなわけで「マクロス~愛・おぼえていますか~」は多少は人を選ぶでしょうが、少なくてもラスト5分は誰もが納得出来るであろう名場面でしょう。

Arikaマクロス5

連動企画のお問い合わせは下記の「ピッコロのらじお」まで

ピッコロのらじお
<トラバ企画とは>
■現在毎週水曜日の夜11時からアニメについて語るらじお「ピッコロのらじお♪」とFC2「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」との連動企画コーナーとは別にブログとねとらじのトラバ企画が金曜日枠で新しく立ち上がりました。

愛おぼえていますかb6
マクロス特集ってどんな企画なの?>
ロボットアニメ「超時空要塞マクロス」が今年で生誕30周年を迎えます。今回はそれを記念しまして、「マクロス生誕30周年特別企画・「超時空要塞マクロス・・おぼえていますか」(初代マクロス劇場版)特集!」を開催することにしました。

今回取り上げる作品は初代マクロス劇場版「超時空要塞マクロス・・おぼえていますか」でございます。不朽の名作と名高いこの作品の魅力について大いに語っていこうという企画でございます。

<どのように参加すればいいの?>
※詳しい事は下記をクリック(↓)してお問い合わせください!
トラックバックテーマ企画 
「マクロス生誕30周年特別企画・「超時空要塞マクロス・愛・おぼえていますか」(初代マクロス劇場版)特集!」・・・ブロガーさんもそうでない方も是非参加を!

※ブログに飛びますと、4人のレビュアーがこの作品の魅力や感想を記事にて作成しております(一部準備中)。ただしネタバレも含みますので未見の方はご注意ください。
☆今回の企画は8月17日(金)夜11時より放送のねとらじにて放送予定の「ピッコロのらじお♪」にて「マクロス特集」を開催しリスナーさんと共に様々な角度から「超時空要塞マクロス・愛・おぼえていますか」について語っていく予定です。多くの方の参加をラジオの聞き方等はこちらをご覧下さい

ピッコロのらじお1

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