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私が愛する手塚治虫ワールド[4]・・・ブラック・ジャック

kage

2013/04/09 (Tue)

Arika手塚治虫

アイコンりす手塚治虫漫画感想担当…Arika

ブラック・ジャック大全集 1ブラック・ジャック大全集 1
(2012/09/25)
手塚治虫

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他者の生命と向かい合うこと。

その態度こそ、ブラック・ジャックが生きてる証である。

非常な生き方を通して、真のヒューマニズムを描く。

今回は『ブラック・ジャック』をpick up!



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  医 学 の 世 界
Arika報告書1bb

生命を扱う現実の世界から見た”正義”とは……


代の頃に手塚治虫作品を読みあさった私にとって手塚治虫先生の漫画は、文学であり演劇であり、ここからヒューマ二ズムや理想や、そしていつくしみながら愛を育んでいくということの大切さを学んだ。ですから本当に、手塚先生の作品が私の精神世界を育てていったと言ってもいいでしょう。

特に私が衝撃的にうなってしまったのは初期のSF3部作のひとつ、『ロストワールド』でした。

これはママンゴ星から地球に飛んできた流石が発端で、化学者と同僚の女性(植物人間)と新聞記者らがママゴン星に向かう。その途中で食糧不足になって、飢えた新聞記者が植物人間を食べてしまう。これは殺人ですね。この話は、少年漫画のジャンルを借りて、少年たちが読むとおそろしい大人の話を描いたのではないかと思うのです。

そこに、手塚先生の子どもたちへのメッセージを感じますね。

手塚先生は子どもを純粋な存在として考えてるからこそ、大人の男と女の関わり方、人間の在り方を誠実に描き、伝えようとしたのです。だから、人間の心の奥底に潜むドロドロとしたものを描いても、テーマはヒューマニズムへ行きついてしまう。そして、どんどん人間を探究していって、とうとう宇宙の生命とは何だろう、というところまで行ってしまったのですね。

そんな先生のヒューマニズムのテーマの、成熟した作品が『ブラック・ジャック』です。

この作品は200以上の連作から成り、どの作品もストーリーが素晴らしいんですね。そして何よりも凄いと思うのは、医者が主人公ですが、描かれてるのは患者たちなのです。彼らが悩み、苦しんでいく姿を通して、生命とは何かを問い続けています。

つまり、これは患者の物語なんですね。

この中でブラック・ジャックが「私は命医ではない。だから尊敬に値しない人間だ」と語るところがありますが、光と影に例えると、このセリフは影の部分です。光という患者たちを描くために、ブラック・ジャックをアウトローに描写している。言い換えれると、絵画が患者で、ブラック・ジャックはその額縁なんですよ。

この額縁であるブラック・ジャックの助手であり、ただ一人の友人であるピノコという女の子が登場します。

彼女は手塚先生の『妹像』を反映していますね。

それがこの作品の中でどう描かれているかというと、ピノコはブラック・ジャックの手術によって生まれた合成の人間なんです。おそらく女性としての機能は無いでしょう。彼女に、ブラック・ジャックは妹の様な愛情を抱きます。まるでプラトニック・ラブのような愛といってもいいかもしれません。

手塚治虫先生がブラック・ジャックで何を一番伝え、描きたかったのか???

彼の作品の中で”尊厳死”というテーマがしばしば取り上げられるが多いが、私がブラック・ジャック全話を読んだ中で一番、印象に残り、一番心に響いたワンカットがある。

神の手と評されるブラック・ジャックが自分の命をかつて助けてくれた恩師を自分は助けられず、一人で落ち込む。

そんなブラック・ジャックに亡くなった恩師は、肩に手をやり、諭すように問いかける。

「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わんかね………」

Arika(ブラックジャック)3a

私は、人の死は偶然ではなく、必ず生きている人に何らかの恩恵をあたえているのだと信じている。



医者っていうのはいったい何の役に立っているのか、

いったい何のためにあるのか……



ぼくが描きたかったのは

医学上の知識や手術の方法なんかじゃなくて、

医者というのは何も人間の命をひきのばすのが仕事じゃない。



その患者にあと残された命、限られた時間を

どう有効に使ってもらうかってことが大事なんじゃないか、ということです。




(1980年大阪大学医学部講演記録より)

Arika(ブラックジャック)b


手塚漫画のツボ
★漫画に隠された手塚先生独特のヒューマニズムのツボを紹介★

ブラック・ジャックの報酬額とは?


Arika(ブラックジャック)3bブラック・ジャックの手術代は、法外に高い。

そのことで逆に名声やプライドなどいろいろな思惑から自分を解放する。

第79話「ふたりの黒い医者」の中で、去っていくもう一人の黒い医者の背に叫ぶ

「それでも わたしは人を治すんだっ 自分が生きるために!!」

人のためではなく自分のために人命を救うブラック・ジャックは偽善ではない真のヒューマニズムを描く。

命を救う事は、神聖な行為だ。

医師は神ではない。しかし強い信念を持って手術に臨む時、神の加護があり、医者は助けを求めている患者に全力を尽くすのみ。

彼の前で苦しんでいる患者が、例え罪深い悪人だろうが聖者だろうが、彼はただ手術(オペ)をするだけである。

そうすることが、彼の生きることだから…。

第69話「魔王大尉」で、

「わたしはね 頭の傷はちゃんと治したんだ だが心の傷までは治すとはいわなかったぜ 

この人の心の傷は………」


医学で解決できるのは、人間の苦悩のほんのわずかな部分であると冷徹に見通してもいる。

Arika(ブラックジャック)3c


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