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2005年の『本屋大賞』作品をプレイバック!

kage

2013/07/02 (Tue)

Arika本屋大賞
2005

賞をとって話題になった本や漫画には、人を惹きつける魅力がある。

2004年に開始した『本屋大賞』に注目!

大賞作品はもちろん、ノミネート作品もみんなが知っている作品も多い!

…では第2回目にプレイバック!



Arika本屋大賞掲示板

「本屋大賞」の選考方法や選考委員などを分かりやすくイラスト付きで説明。
        
本屋大賞作品をプレイバック!・・・『本屋大賞』ってなに?




↑プチって押して頂けると励みになります。




 大賞

夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
(2006/09/07)
恩田 陸

商品詳細を見る



全校生徒が夜を徹して歩き通す「歩行祭」。

孝行生活の最後を飾る伝統行事を舞台にした青春小説。

2006年に映画化され、著者の母校を舞台に撮影された。


『大賞』受賞作品を読んでみました。
Arika感想


春小説の定石であるクラスや学園などは登場せず、ひたすら歩く…歩く…歩く。

その極限状態だからこそ、普段出来ない話をしてしまうそこから、登場人物の普段の生活や思いが鮮やかに浮かび上がってきます。
 
必死で歩く彼らが、苦痛を紛らわせるために話すおもしろいこと、楽しいこと、恋の打ち明け話、将来のこと…。

気の合う大事な友人としてお互いに選び合って、最後の行事をともに過ごすことの意味…。

お互いが理解しあうためのぎこちないとも言える会話が、アラフォーの今の私には眩しく思えました。

友情だけは、差し替えがきかないものだと、つくづく思うからです。

思い切ってやってみることで、つかむことができるものは、恋や勉強だけじゃない。

貴子は、融との関係を、自分の人生に深く関わるものと捉えたからこそ、自分の賭けを行動に移せたのです。

もちろん、後押ししてくれた友人たちの気持ちもちゃんと理解しながら…。

貴子と融における関係は、確か『まひるの月を追いかけて』で使われていたモチーフだったと思うのですが(※違っていたらごめんなさい)、それがこのような学園ものの青春小説でどう展開するのか、興味津々でしたが、実に鮮やかに恩田さんは、味付けを変えて差し出してくれました。

「ノスタルジーの魔術師」の手腕に、見事に嵌められました。

話的にはちょいと出来過ぎていて悔しい気もしますが、「歩き続けるのは辛いけれども、歩行祭は終って欲しくない」という登場人物とページをめくる度に気持ちを共有出来るのでその点でも、良質の青春小説でした。



Arika注目1h
人に本をお勧め紹介する限り、なるべく私もうろこさんも全書は読むようには心がけています。

つぶやき程度の文章から行段をとるものまでありますが2位から10位まで感想を書いてみました。

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明日の記憶 (光文社文庫)明日の記憶 (光文社文庫)
(2007/11/08)
荻原 浩

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50歳にして若年性アルツハイマー病と判断されたやり手営業マンが、病気と向き合う姿を描いた感動長編。

2006年に渡辺謙の初主演で映画化された。


Arika注目1h小説の醍醐味が味わえる物語であると共に一人称の小説であることが、本書の最大の特徴です。

「痴呆になるというのは、その人にとってどういうことなのか」

この問いの解答のひとつがここにあります。

どこにでもいる人物である主人公ゆえに、その記憶の落ちてゆく悲しみを読者は自分のものとして、そして自分の愛する人のものとして読み進めてしまいます。

徐々に漢字が抜け落ちてゆく文に悲哀がにじみ、記憶を失うということの恐ろしさを、強烈に思い知らせてくれる本です。




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家守綺譚家守綺譚
(2004/01)
梨木 香歩

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四季折々の花・草など天地自然の「気」たちと心を通わせていく「私」の交歓の記憶を綴った不思議な物語。


Arika注目1hひとつの章が短く、読みやすく、読み始めてすぐに「これはヤバイ」と思った程、思わぬところで掘り出し物のいい本に出会った観がありました。

『カミ』と『ヒト』、そして『生者』と『死者』との交観の日々。

このところ絵本づいていた梨木香歩の久々の小説なので少し期待はしていたのですが、定職を持たずにのんびりと季節の中で時間を送る主人公と彼岸から訪れる行方不明になった親友のさりげないやりとりが秀逸です。





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袋小路の男 (講談社文庫)袋小路の男 (講談社文庫)
(2007/11/15)
絲山 秋子

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指一本触れないまま「あなた」をひたすら思い続けた主人公の12年間を描き、現代の純愛小説と絶賛された表題作などを含む傑作短編集。

Arika注目1h私が読んでいて一人称視点で世界を描ききっているのが面白いと思いました。

感情の過剰も事実の欠落も含めて、「わたし」から見た世界を余すところなく描いています。

「わたし」という不思議な女と小田切という不思議な男との摩訶不思議な関係に、納得してしまった。

約束事・タブー・距離を守って正しく続ける一風変わった男女関係は、そこらにはない関係だからこそ、大切なものなのだろうし、よくある男女関係になだれ込むには惜しい関係なのだ!!

どちらも多分、それがわかっているからこそ、どちらかが一歩踏み込むと、どちらかが一歩引く。

書評の純愛に関しては、これがまさに純愛だと思う人もいれば、こんなのは純愛では無いと思う人もいるだろうし、各人のとらえ方によって異なってくるので、この作品=現代の純愛とは、私は断言できない様に思うけど、しかし、この作中の男女には、まさに絶妙の距離感が有り、二人の不即不離の関係がたまらない感を与えているように思う。

互いの存在が互いの心の片隅で、常に消えることの無いものとして色濃く描かれていて、作中脈々と流れている。
前作「海の仙人」でも感じたが、この作家さんは、人と人の距離感を実に上手く描く人だと、改めて感心させられた。




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チルドレンチルドレン
(2004/05/21)
伊坂 幸太郎

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収録された全作品に「陣内」という男が登場する連作短編集。


Arika注目1h短編ごとに語り手がそれぞれ異なり、陣内を中心に不思議な事件が次々と起こる。

5つの物語がつながったときに見える真実がそこにある!

信じること、優しいこと、怒ること。愚直までの想いが報いられた瞬間に見られる、ばかばかしくも、恰好よい「五つの奇跡」の物語がそこにある各章が絶妙に連なる長編小説であります。





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6位

対岸の彼女対岸の彼女
(2004/11/09)
角田 光代

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結婚して会社を退職、一人子供がいる小夜子と独身、自らの会社を興した葵という2人の女がいる。

人生という川のまさに岸辺にいる2人は小夜子が働きに出る事で出会う。

第132回(平成16年度下半期) 直木賞受賞。

WOWOWのドラマWで2006年1月15日にテレビドラマ化された。主演は夏川結衣、財前直見。


Arika注目1hアラフォー独身女の私には友人と呼べる人がいない。

過去に友達と呼べた人がまったくいなかったわけではないが年を重ねる度に遠い存在、連絡すらとれないものが多くなっていきました。

家庭という殻の中で、ママ友という名の仮想友人(?)に囲まれた小夜子みたいな主婦はたくさんいると思う。

そしてまた葵のような人もきっといると私は思いたい。

「なんのために年を重ねるのか」と小夜子や葵のように自問しながら、もしかしたら逢えないかも知れない、そんな稀有な、存在を求めて、生きていくのかなあと切なくなった。

恋人を見つけるよりも、夫を見つけるのよりも、ずっとずっと、友達を見つけることのほうが難しいと感じるこの頃の思いに、この本はすこしでも支えになってくれた。

重く深い過去の殻、そして様々なしがらみの中で人間関係に思い悩み、絶望に苦しむ。

私たちは何のために年を重ねるのか?  人は何のために誰かと交流し、何のために生きるのか?

そして、若き日の”あの夏”の友だちみたいに、ただ一緒に居るだけが大切な友達だろうか?

だいたい友達って何だろう・・・?




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7位

犯人に告ぐ犯人に告ぐ
(2004/07)
雫井 脩介

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神奈川県警の警視,巻島史彦は県警本部捜査一課の特殊犯係の管理官である。赴任2年目の7月幼児誘拐事件が発生した。警視庁との合同捜査の中犯人に引き回された挙げ句,目の前で犯人を見逃したばかりか,被害者の幼児も殺害される・・・。

物語は,上記の事件を責任から左遷された巻島が,その5年後に発生した連続幼児殺害事件の特別捜査官として県警本部でマスコミを使った劇場型捜査の陣頭指揮をとる。

許せざる幼児殺人事件、刑事は史上初の劇場型捜査に踏み切る。

憎しみを糧に生きる男の姿に、熱き思いがこみあげる。


第7回(2005年)大藪春彦賞受賞
第2回(2005年)本屋大賞7位
2004年度週刊文春(ミステリーベストテン)第1位
2004年度週刊現代(最高に面白い本)第1位
2005年度「このミステリーがすごい!」第8位

2007年に豊川悦司主演で映画化。


Arika注目1h最近読んだ本の中では群を抜いて面白い話でした。

始めの誘拐事件の場面では昔読んだ小説を彷彿させる場面もあり既視感をもったが,その6年後に県警に再登場する巻島の描写の印象的な場面から,物語は急展開!?

マスコミを利用した捜査から,獅子身中の虫そして,6年前の誘拐事件との絡みと様々な要素を取り込み物語が進んでいく。途中、やや中だるみする場面も感じられたが、読み終われば、それも後半の物語の一気の終末へ向けてのものであったと気付く。

それぞれの登場人物も印象的であり、登場場面は少ないが津田長などは渋いキャラで特に印象的でありました。

それにしても、一気に読まずにはいられないくらい、読む時間を楽しませてくれる物語でした。




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8位

黄金旅風黄金旅風
(2004/03)
飯嶋 和一

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あの『始祖鳥記』から三年。数々の賞を辞退し、文壇で知る人ぞ知る歴史小説の巨人と称される飯嶋作品中最大の長編、原稿枚数一千枚超の大作。

寛永年間、内外の脅威から海外貿易都市・長崎を守った史上最強の朱印船貿易家・末次平左衛門の迫力の生涯!
  
Arika注目1hなんで飯嶋作品の主人公たちはこうカッコいいのか?

金や名誉よりも自分の愛するもの、守らなければならないものに誠実に生きようとし、それゆえ時に近視眼に陥り、私欲の肥大した権力者と衝突せざるを得なくなる主人公たち。  

ストーリーの面白さもさることながら、こうした主人公達の生き様が格好良すぎる。

すでに社会体制が確立し、ある程度のゆとりすら見せていた「始祖鳥記」の時代と違い、まだ権力基盤が磐石ではなかったがゆえに、社会の締め付けを強めていった秀忠~家光の時代。

主人公達は権力闘争に否応なく巻き込まれ、傷つき、倒れていく。 

「何とかして生き残り、より生きやすい社会を作ってくれ」

手に汗握りながら応援したくなること請け合いのストーリー展開である。

私としてもかなりお勧めで、「3年待たせた分、期待は裏切らない飯嶋ワールドをどうぞご堪能ください!」



 

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9位

私が語りはじめた彼は (新潮文庫)私が語りはじめた彼は (新潮文庫)
(2007/07/30)
三浦 しをん

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私は、彼の何を知っているというのか?

彼は私に何を求めていたのだろう?

大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。

だが、それは愛というようなものだったのか……。

「私」は、彼の中に何を見ていたのか?

迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。

Arika注目1h
”この男 つまり私が語りはじめた彼は若年にして父を殺した 

その秋 母は美しく発狂した”


上記の詩からインスピレーションを受けた著者が綴る連作短編小説であります。

村川教授によって微妙に人生を狂わされた人々。

妻、愛人の夫、教え子、息子……

彼らが自分の人生を、そして村上教授の人物をそっと語っていく。

まず文体は、かなり繊細な雰囲気をかもし出しているのに芯はかなり強く、静かで強い表現力に驚いた。

ここまで実力者だったとは…!! 三浦しをん恐るべし。

登場人物たちは皆どこか歪んでいるが、でも最後にはみんな自分なりの選択をし、先へ進んでいく。

村川教授の影を振り切るように、影なんか最初からなかったかのように、あるいは影を全部受け入れるかのように読んでいて、なんともいえない妙な連帯感を感じた。

ああ、そうそう嫉妬ってそういう風にするんだよねとか、その歪みが魅力に感じたりするんだよね、とか。

明暗を併せ持った雰囲気のある小説なので、長く長く続いた雲間から曙光が差す寸前のような純文学が好きな人には絶対はまりそうな作品ですね!!

建物が爆発したり猟奇殺人が起こったりはしないけど、心がゆっくり動くのが感じられる本でした。

この本を一言で述べれば「愛のあるべき場所を問いかける作品」だと思う。




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10位

そのときは彼によろしくそのときは彼によろしく
(2004/03/31)
市川 拓司

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小さなアクアショップを営む「ぼく」のもとに、一人の美しい女性がアルバイトにやってくる。

やがて二人の間にあった不思議な縁が、ぼくの人生を動かし始める。

人気急上昇中の市川拓司テイストたっぷりのファンタジックな青春小説。

また、2007年に、長澤まさみと山田孝之W主演で映画化された。


Arika注目1h人気急上昇中の市川拓司の作品だけに、この本は新たな恋愛の金字塔になるのではないだろか!?

私たちがあこがれるもの、忘れているもの、否定してしまうものがたくさん詰め込まれていた。

無駄な形容や説明は一切なく、多くを書かずして感情の一番深い部分まで表現されているのは実に素晴らしい。

個性的な人間ばかりで不自然なはずなのに、違和感は何もなく、背景も恋愛写真の主人公が写す写真のように、ゴミ捨て場、主人公の店が繊細に形作られている。

青臭いとか、現実味がないと鼻で笑ってしまえばそれだけのことかもしれないが、しかし、どこかでこんな青臭い生き方してみたいと思うのではないだろうか。

わたしが特に印象深かったのは、主人公の父のコトバ。

「この世界には物理学の教科書にも載っていない強い力がある」

子どもへの愛、恋人への愛、友人への愛、あたたかい気持ちに溢れる一冊です。







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Playback 2005
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269人の書店員が一次投票に参加。

この一次投票の上位10作品をノミネート作品として2005年1月14日に発表。

その後、2月28日まで187人が二次投票を行いました。

その結果、恩田陸さんの『夜のピクニック』が第1位となり、「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本 2005年本屋大賞」に選ばれました。

大賞の恩田陸さんは、本屋大賞が初めての文学賞受賞に。




【恩田陸さんの受賞コメント】

皆さんどうもありがとうございました。

小説家として初めていただく賞が「本屋大賞」で本当にうれしいです。

今回初めて賞というものをいただいて、改めて賞というものは恐いなと思ったんですけれども、選ぶ方も選ばれる方もいろんな意味で責任が生じるし、この結果がずっと残っていくというのもやっぱり恐いことだなと思いました。

しかしこれから10年、20年と経ってやっぱり「本屋大賞」の本は信頼できるよね、今もスタンダードになって残っているよね、と言われるような賞になってもらいたいですし、私も選んでいただいた皆さんを後悔させないよう良い作品を書いていきたいです。
ありがとうございました。






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