海辺のカフカ/村上春樹

2013/08/24 (Sat)
(Summer Vacance ―読書の旅へご招待―⑦)
8月後半は、じっくり腰をすえて読書をしてみませんか?
心にひびく、言葉、文章、ストーリーに出会ってみてください。
あわただしい毎日の生活からちょっと離れて本の世界へ旅してみませんか…。

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「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」
――15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。
家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃない。古いライター、折り畳み式のナイフ、ポケット・ライト、濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。小さいころの姉と僕が二人並んでうつった写真……。

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誰かが何処からか呼びかける声がする。
そして、身の回りを整理し、家を出る準備を始めているひとりの少年の姿から物語は始まる。
少年の周辺から、父のと母の存在や家庭という暖かなよりどころはすでに遠い存在で描かれている。
児童期に遭遇した奇妙な出来事は、少年からある時期の記憶をも奪っていた。
自分探しの旅に出かける少年。
その旅の模様が、どこか現実ばなれをした出来事が、人や風景との出会いの中で続く。
まるで、SFの世界を旅しているような奇妙な場面も多い。
少年期から青年期への心や肉体の変化や反応も切なく愛おしい。
読者はある時は戸惑い、ある場面では共感を深めたりしながら、書名の『海辺のカフカ』の意味を探し、少年とともに旅を続けることになる。
「読書」好きな人には、少年がたどり着いた「図書館」という場で暮らす日々に、何故か安堵するはずだ。
過去から未来までの多く出来事が書き込まれた書物が並ぶ場に、しばしの時間でも腰をおろした少年。
物知りな図書館員との出会いは、少年の明日という日への新しい出発を占う出来事のように思うだろう。
君は世界一タフな少年になる!
著者、村上春樹作品の世界を楽しんでほしい。

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