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鬼の橋/伊藤 遊

kage

2013/08/26 (Mon)

Arika夏の謎解き・・・01

ミステリー・サスペンス・ホラー・奇譚など、その謎にはまってしまったら寝る間も惜しんでしまう本をArikaが紹介。



Arika報告書v

■あの世とこの世を行ったり来たり…


鬼の橋 (福音館創作童話シリーズ)鬼の橋 (福音館創作童話シリーズ)
(1998/10/15)
伊藤 遊

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平安時代初期に実在し、数多くの不思議な伝説が語り伝えられる人物小野篁。

なかでも、夜な夜な井戸を通って冥府へと通い、閻魔大王のもとで働いていたという話が有名だが、その篁の少年時代を描いた、第三回児童文学ファンタジー大賞受賞作。

妹を亡くし失意の日々を送る少年篁は、ある日妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込む。

あの世へと続く橋の上で鬼たちに捕まった篁を助けたのは、すでに死んだはずの征夷大将軍坂上田村麻呂だった。

彼は、いまだ橋をわたれないまま、鬼から都を護っていたのだ。

一方、京の五条橋の下には、親を亡くした少女阿古那が住みついていた。

そこへ冥界から、坂上田村麻呂に片角を折られた鬼の非天丸がやってくる……。




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Arika注目1h平安初期に実在した小野篁(おのたかむら)が主人公。

小野篁には不思議な伝説が数多く残されている。

その中でも、夜な夜な冥府に通い、閣魔大王のもとで役人として働いたという篁の存在は、作者伊藤遊の創作意欲をかきたてるものだった。

役人の父を持つ篁、自らもその道を繋ぐべき教育を受けるのだが、揺れ動く少年の心は定まらない。

夜が暗く、鬼やら物の怪やらが一緒に生活していた時代を舞台にしたスケールの大きな歴史ファンタジー。

人を食う鬼と怖れつつも鬼を信じる少女が共に暮らす。非天丸と阿子那の関係が好きです。とても大切な人なのに食べ物として認識されてしまう。そして、それを隠しているつもりの非天丸と知っているのに気付かないふりをしている阿子那は見ているのが痛々しい。

でも相手を思うこと、お互いを思いやることとはどういうことか、心に深く訴えてくる。

これは少年の成長譚。異人としての阿子那と非天丸に出会うことで、成長する篁の物語。

あとがきによれば、昼は朝廷に仕えながら、夜になると冥府に通って閻魔大王のもとで役人として働いていたという伝説もある小野篁の、その辺りの伝説や、魑魅魍魎が徘徊していた平安時代という時代をもう少し書いて欲しかったというのは私の贅沢なのか!?

橋は渡るためのものであるが、簡単に渡っていけない橋もある。

地上の橋と、死者の世界へ繋がる橋、このふたつの橋が作品のなかで描くものは何か。

そして鬼とは何か。

いつしか読み手の読者はこの作品を通じ、それらの象徴するものを考えなければならない。

児童文学ですが児童だけじゃもったいない大人も充分楽しめる作品でした。




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