江(ごう) 姫たちの戦国/田渕 久美子(著)

2014/02/03 (Mon)
2月前半の特集!
戦国武将に憧れる女子が多いそうですが、
信念や凛々しさをみなぎらせた甲冑姿にきゅんとなるのもわかる気がします。
どう戦うかがまさに運命をわける戦国の世、
部下を思えば義理や人情が立たないこともあって、そんな苦悩も男をあげるのでしょうか。
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女の戦は生きること、本日只今を生きること。
戦国の世の運命に翻弄された、美しき浅井三姉妹の三女・江。
その波瀾の生涯。
大奥の潔い終焉を描き「篤姫ブーム」を巻き起こした田渕久美子が、大奥の始まりに至る道のりを、浅井三姉妹の三女・江を主人公に鮮やかに華やかに描く。

浅井長政と織田信長の妹・市の間に生まれた、茶々・初・江の3姉妹。
非情な戦国の世において、彼女たちは運命の波に翻弄されていくのだが・・・。
浅井家三姉妹の末娘、江(ごう)の生きざまを中心に戦国時代を描いた作品。
2011年に、主演・上野樹里×徳川秀忠役・向井理で、NHK大河ドラマ(第50作目)となった原作本(上・中・下巻)を読みました。
「おのれを信じ、おのれの思うまま存分に生きよ。」と、伯父・織田信長に太鼓判を押された江姫は、そのままに突っ走る、そして爽快さ。
この江姫に引っ張られて、時代小説にしては歴史的事件も政治がらみの軋轢(あつれき)も、あっさりすっきりと進んでいくのでとても読みやすく、信長、秀吉、家康の独自の切込みがまた面白い。
しかし、実際に戦国時代に女性がおのれの意志を貫くのは、不可能な時代であったと思う。
江も、政治の駆け引きの道具に使われ、そのたびに人生を大きく変えていく。
父や母の亡き後、力を合わせて乱世を乗り切ろうとしていた姉妹たち。
けれど、茶々(のちの淀ども)と江はやがて敵として向かい合うことになる・・・。
長女・淀はいつまでも「天下人の一族」の夢を見続けてしまい、権力の虜になってしまう。
次女・初は、姉妹の間に立って努力しますが・・ 結果は、皆さんのご存じの通り。
豊臣と徳川。そして、このふたつにはさまれることになる初もまた苦悩するという三姉妹の皮肉な運命とその生涯。
これは男たちの戦いとは違う、女たちの戦いの姿がそこにはある。
作者はそういう女性に視点を当て、女性の立場からの戦国時代を描き出したという点で面白いと思いました。
お市の方も淀どのも千姫も、聞いたことがあるだけだった名前が、ぐっと身近なものとなる。
『あら、みんなこんなふうに繋がっていたのね』、と歴史が自分のものになる。

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