【BL小説】「座布団」・「花扇」/剛 しいら

2014/03/06 (Thu)


この物語の中で息づく
古風で純粋な「愛」がすごい!
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師匠である落語家・山九亭初助の死を知った山九亭感謝。
その胸のうちに、厳しく誇り高い芸人だった師匠への想いが去来する…。
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何の未練もなく男を使い捨てた師匠・山九亭初助。
落語の道一筋に孤独な生涯を送ったかに見えたその裏には、真を貫いた驚きの愛情物語が・・・。
BL感想&おすすめポイント★

絶版になって長い間入手困難だった『座布団 』と『花扇』が、読者の復刊を希望する声を受けて白泉社から発売されたときは嬉しかったな。
まず、『座布団』『花扇』を二冊並べたときのバランスが美しい(装丁は名和田耕平デザイン事務所)のに驚いた。
表紙は要だが、裏表紙には初助師匠と寒也がいて、三人とも着物に羽織の晴れ姿にほんのり色気があるし、本の造りがすっきりとよそ行きになったことによって、剛さんの文章のうまさがいっそう際立つように感じた。
本作を一言で表わすならば、一番弟子が語り思い出す「とある落語家の生涯」。
師匠の死を知った山九亭感謝こそ森野要の回願から物語は始まります。
兄弟子・寒也との出会いと恋、刹那的な師匠・初助の教えなど、要の胸内で様々な去来します。
くすりと笑える日々の出来事の中に、切ない一瞬があり、燃えるような激情をぶつける合間に、ほんのりとした温かい時間があります。
そして、色々な愛の形。落語を諦めて、要を支えようと決めた寒也。
奔放な恋愛遍歴の陰でまことの愛を貫いた初助。
古風で純粋な大人の愛はこの物語ならでは!
落語家と彼等を取り巻く人々の生き様に、自然と涙が溢れてくる作品。
落語がテーマというのは、BLでは珍しいけれど、そこが剛しいらさんらしい名作です。
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