【BL小説】猫の遊ぶ庭―気まぐれ者達の楽園 /かわい有美子

2014/04/24 (Thu)


言葉の一つ一つが宝物
何度読み返しても新しい発見がある
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京都のK大学に大正時代から残る吉田寮。強烈な個性を持つ学生達が住まうその寮で院生の織田和祐はまるで蒸留水を飲んで育ったように涼やかな容貌の杜司篁嗣と出会い、浮世離れした杜司の佇まいに惹かれていく。
先輩たちのお節介もあって両思いの関係になる二人だが恋に初心な杜司と年下の織田の距離は微妙で…!?
書き下ろしを収録して文庫化。
BL感想&おすすめポイント★

『猫の遊ぶ庭』に続いて文庫化された中・短編集。
ノスタルジックな雰囲気は前作と同じで、「その後」です。
前作が好みの話だったので、続編らしきこちらも購入しましたが、前作のみでも完結した内容なので、好みと合わなかった方は無理に読まなくても大丈夫だと思います。
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京都の個性的な大学生たちが暮らす”吉田寮”での日常が、四季折々の情景とともに販やかに描かれます。
前作の最後でようやく結ばれた織田と杜司ですが、同じ寮で暮らすクセモノたちが2人の関係に茶々を入れたり、騒ぎを起こしたりする中、ゆっくりお互いを深く知り精神的ラブ度は深まりますが、身体的ラブ度を深める機会がなかなか無い訳です(笑)。
2人の2度目のエッチの顛末や、普段おっとりしている杜司が激怒っぷり、実は本当に怖~い杜司さんの怪談話……などなど、さり気ない内容の中で描かれる織田&杜司の恋と2人を取り巻く面々の日々は穏やかでくすりと笑えて、どこか自分たちのすぐ側にもありそうに感じられます。
壮大な事件に巻き込まれたりするわけではありませんが、美人な杜司と彼を甲斐甲斐しく世話する織田のやりとりはいつも微笑ましく、気持ちはほっこりさせます。
個性的なキャラクターばかりだったので、前作で彼らとお別れするのは寂しかった方には嬉しい内容だと思います。
杜司さんは、本当に織田君が大好きなんだなと分かるので、きっと2人はずっと一緒なんだろうと信じることが出来るお話でした。
日頃の疲れをさらりと拭く去ってくれる、初夏の夜風のような一冊です。
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