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【おすすめBOOKフェア】ほんのまくらフェア73~78

kage

2014/07/08 (Tue)

Arika(フェア)1

紀伊国屋「ほんのまくらフェア」73~78

ほんのまくら2a

本の出だしの文章=「まくら」と呼びます。

有名なものならたくさんある。

「国境のトンネルを抜けると~」…by『雪国』川端康成

「ゆく河の流れは絶えずして~」…by『方丈記 』鴨長明

「メロスは激怒した」by『走れメロス』太宰治

「桜の樹の下には~」by『桜の樹の下には』 梶井 基次郎

「スプリットタンって~」・・・by『蛇とピアス』金原ひとみ


このフェアは、単行本に、冒頭の一文の『まくら』のみ印刷したカバーをつけてビニールで封印。

オリジナルカバーに載っているそれぞれの「まくら」に何を感じ取ったのでしょうか?

それはもう本当に研ぎ澄まされた感覚のみで、きっと不思議な本との出会いが待っていたはずです。

題名も作者も中身もわからない斬新な試みが大反響を呼び、1ヶ月半の期間中、売り上げは目標の約30倍に!


Book紹介案内担当:Arika


★ほんのまくら…73

 人々は生きるためにこの都会へ集まって来るらしい。


マルテの手記 (新潮文庫)マルテの手記 (新潮文庫)
(1953/06/12)
リルケ

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青年作家マルテをパリの町の厳しい孤独と貧しさのどん底におき、生と死の不安に苦しむその精神体験を綴る詩人リルケの魂の告白。
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Arikaアイコン(小)1 「自分がいま孤独であることの意味」
137年前の1875年12月4日にオーストリアのプラハに生まれた詩人で小説家のライナー・マリア・リルケ、スイスに移り住み薔薇の棘の傷がもとで白血病によって51歳で死去。これは、孤独な生活を送りながらパリの街で出会った人々や芸術や自分自身の思い出などについて、デンマーク生まれの青年詩人マルテが思いついたことを断片的に書き綴っていくというスタイルで書かれた彼のたったひとつの長編小説です。核家族がさらに解体されて個人世帯が増え、グローバル化で雇用が不安定になった今日、マルテのように都会で孤独な生活を送っている人はかえって増えているでしょう。死に向かって進んでいると自覚し、しっかりとその道を見定めることで、実は、もっとも生きていると自覚する。いま孤独な人はこの本を読んでみてください。自分がいま孤独であることの意味は必ず見つかります。








Arika報告書y0001おすすめ
★ほんのまくら…74

 百万長者はすたれた。


雪の中の三人男 (創元推理文庫 508-2)雪の中の三人男 (創元推理文庫 508-2)
(1971/11/26)
エーリヒ・ケストナー

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貧乏人に変装しておしのび旅行を始めた百万長者の枢密顧問官。ところがとんでもない誤解が生じてドンチャン騒ぎが続発。貧乏人に変装した百万長者と百万長者に間違われた失業青年をめぐって、グランドホテルの従業員とお客の織りなす人生模様。ケストナーの魔法の鏡に映った、赤ん坊のような雪の中の三人男を描く会心の諷刺ユーモア編。
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Arikaアイコン(小)1 「貧乏人がホテルに泊まるとどうなるか、という話です。」
大富豪が自分の会社の主宰する懸賞に偽名で応募し当選、賞品であるアルプス旅行を獲得する。これを機会にと偽名のまま、貧乏人のふりをして人間観察にでかけることにしたが・・・。実際のホテルではこんな扱いを受けることは無いと思いますが、物語なので、すんなり入れて面白かったです。タイトルの通り、重要な人物は三人で、「貧乏人に間違われた大富豪」「金持ちと周囲から勘違いされた貧乏人」「大富豪に命じられて金持ちのふりをいやいやさせられている下男」です。三人男のやりとりが愉快。徐々に種明かしをしていく場面は爽快です。




★ほんのまくら…75

 腹上死であった、と記載されている。


後宮小説 (新潮文庫)後宮小説 (新潮文庫)
(1993/04/25)
酒見 賢一

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時は槐暦元年、腹上死した先帝の後を継いで素乾国の帝王となった槐宗の後宮に田舎娘の銀河が入宮することにあいなった。物おじしないこの銀河、女大学での奇抜な講義を修めるや、みごと正妃の座を射止めた。ところが折り悪しく、反乱軍の蜂起が勃発し、銀河は後宮軍隊を組織して反乱軍に立ち向かうはめに…。さて、銀河の運命やいかに。第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
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Arikaアイコン(小)1 「ライトノベルとは一味違う本気のファンタジー」
中国の歴史というか思想を下敷きにした面白すぎるホラ-ファンタジーです。大真面目かつ哲学的に語られる下ネタ、彼女を取り囲む登場人物の魅力、そして、自分で作ったホラ話を作品の中で解説する作者。格調高いが、どこかとぼけた文体で描かれているおかしさ。落語の「下げ」みたいなラストもいい。そして、著者の下手なエッセイより面白いあとがき。今はライトノベルなどで軽いファンタジーが量産されてますが、それとは一味違う本気のファンタジーなのです。アニメ「雲のように風のように」の原作なんだそうですが、ただアニメとはまったく違うそうですから、念のため…。





★ほんのまくら…76

 「不思議な、あるいは超自然的な事件は、さほどまれなものではない。」


狐になった奥様 (岩波文庫)狐になった奥様 (岩波文庫)
(2007/06/15)
ガーネット

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テブリック氏の夫人シルヴィアはまだ23歳、立ち居ふるまいは上品で人並みすぐれた美形。いつものように二人は散歩にでかけるが、突然、夫人が狐に変身してしまう。次第に内面も野性化してゆく妻をあくまでも愛しぬこうとする夫…。「一切の批判をよせつけない佳篇」とウエルズに絶賛された、イギリスの作家ガーネットの代表作。

著者紹介・・・ガーネット[ガーネット][Garnett,David]
1892‐1981。イギリスの作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Arikaアイコン(小)1 「夫の、滑稽なまでに深い愛情。
狐になった奥様の自由な生活が、切ないコントラスト」

良家の育ちの仲のよい若夫婦。ある日の散歩中、とつぜん奥様が狐に変わってしまうというお話です。はじめは姿だけ狐だった奥様が、だんだん中身まで狐となっていく、その様を夫は、彼女への愛情で見守っていきますが、奥様が狐としての生活になじめばなじむほど、夫の苦悩も深くなっていくのですが、愛情もまた、深く続いていくのです。夫の滑稽なまでに深い愛情と、狐になった奥様の自由な生活が、切ないコントラストで描いています。 ”もし、あなたの配偶者が、突然、狐になってしまったらどうしますか?” 読みながら、何とも言えない感覚に襲われるが、愛情とは何か、夫婦とは何か、嫉妬とは何か、幸福とは何か――を考えさせられる作品です。






★ほんのまくら…77

 ブルース・リーが武道家として示した態度は、「武道」への批判であった。


アメリカの夜 (講談社文庫)アメリカの夜 (講談社文庫)
(2001/01/17)
阿部 和重

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映画学校を卒業し、アルバイト生活を続ける中山唯生。芸術を志す多くの若者と同じく、彼も自分がより「特別な存在」でありたいと願っていた。そのために唯生はひたすら体を鍛え、思索にふける。閉塞感を強めるこの社会の中で本当に目指すべき存在とは何か?新時代の文学を切り拓く群像新人文学賞受賞作。

著者紹介・・・阿部和重[アベカズシゲ]
1968年山形県生まれ。日本映画学校卒業。演出助手などを経て、1994年本作品で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1999年『無情の世界』で野間文芸新人賞受賞。他の著書に『ABC戦争』『公爵夫人邸の午後のパーティー』『インディヴィジュアル・プロジェクション』、エッセイ集『アブストラクトなゆーわく』がある
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Arikaアイコン(小)1 「青さ、だけでは片づけられない一冊。 」
映画学校を卒業し、美術催事場のアルバイトをしている「屈折した哀しい男」の物語。展開としては、主人公が、奇妙奇天烈な格好で映画制作現場に乱入するぐらいで、大きな起伏があるわけではないけれども、読んでいて飽きることがないから、不思議。 読み手に考える余地を与えないというか、全てが自己完結しているような閉じた世界が広がっていた。もちろん悪い意味じゃなくて、それは主人公の葛藤をよく表していると思う。 特別でありたいと願えば願うほど、”きちがいになりたいひと”になるジレンマ…。著者の処女作なのだが、当時、出版関係よりむしろ映画関係の人間に注目されたらしい。とても、青さ、だけでは片づけられない一冊であることは間違いだろう。その後の著者の作品に影響を与える基となる作品になっていると思う。




★ほんのまくら…78

 減るもんじゃねーだろとか言われたので
 とりあえずやってみたらちゃんと減った。
 私の自尊心。


阿修羅ガール (新潮文庫)阿修羅ガール (新潮文庫)
(2005/04/24)
舞城 王太郎

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アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう?東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―。三島由紀夫賞受賞作。受賞記念として発表された短篇「川を泳いで渡る蛇」を併録。

著者紹介・・・舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973(昭和48)年、福井県生れ。2001(平成13)年、『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー。新たな才能の出現は、ひとつの事件となる。’03年、『阿修羅ガール』で三島由紀夫賞を受賞
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Arikaアイコン(小)1 「思考があっちゃこっちゃ飛びまくり、世界観がメチャクチャ…
残念ながら共感は出来ないが、なんとなく理解は出来た !」

「アイコ」という女子高生が、モノの弾みで好きでもない男と寝てしまい、その後その男が行方不明となり、更には調布で騒乱が起こって…というお話。ところどころ下品だけど緻密でスピード感のある語り口がとにかく素晴しくて笑える。読み進めていくにつれ、現実と非現実が交わる不可思議なその世界に、主人公のアイコ同様に読んでる側も、あれよあれよという間に巻き込まれ、翻弄されていく。善、悪、救済、慈悲、狂気、云々…。粗野な言葉の中に、理屈を超えた無垢さ、強靭さ、感性で読める爽快な文学であるが、ただストーリーは一本道ではなく、思考があっちゃこっちゃ飛びまくり、世界観がメチャクチャで、現実世界や夢の世界、そして、精神的な世界など様々な世界に話がいきなり飛んでいく…残念ながらストーリーにはついていけなかったが著者がおそらく伝えたかったであろうことは何となく理解できたし、全体的にすごく面白かった。


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