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【おすすめBOOKフェア】ほんのまくらフェア97~102

kage

2014/08/02 (Sat)

Arika(フェア)1

紀伊国屋「ほんのまくらフェア」97~102

ほんのまくら2a

本の出だしの文章=「まくら」と呼びます。

有名なものならたくさんある。

「国境のトンネルを抜けると~」…by『雪国』川端康成

「ゆく河の流れは絶えずして~」…by『方丈記 』鴨長明

「メロスは激怒した」by『走れメロス』太宰治

「桜の樹の下には~」by『桜の樹の下には』 梶井 基次郎

「スプリットタンって~」・・・by『蛇とピアス』金原ひとみ


このフェアは、単行本に、冒頭の一文の『まくら』のみ印刷したカバーをつけてビニールで封印。

オリジナルカバーに載っているそれぞれの「まくら」に何を感じ取ったのでしょうか?

それはもう本当に研ぎ澄まされた感覚のみで、きっと不思議な本との出会いが待っていたはずです。

題名も作者も中身もわからない斬新な試みが大反響を呼び、1ヶ月半の期間中、売り上げは目標の約30倍に!


Book紹介案内担当:Arika



★ほんのまくら…97
★私たちは再々にわたる協議の末、このたび、めでたく、離婚いたしました。


離婚 (文春文庫)離婚 (文春文庫)
(2011/11/10)
色川 武大

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内容説明
「ことさら深刻ぶるのはよそうぜ」などとカッコいいせりふを吐いてぼくたち二人はおたがい納得して「離婚」したのです。ところがどこでどうなったのでしょうか、ぼくはいつのまにか、もと女房のアパートに住みついてしまって…。男と女のふしぎな愛と倦怠の形を、味わい深い独特の筆致で描き出す直木賞受賞作品。

著者紹介
色川武大[イロカワタケヒロ]
昭和4(1929)年、東京に生れる。東京市立第三中学校中退。36年に「黒い布」で中央公論新人賞、52年に「怪しい来客簿」で泉鏡花文学賞、53年に「離婚」で直木賞、57年に「百」で川端康成文学賞を、平成元年に「狂人日記」で読売文学賞をそれぞれ受賞。また阿佐田哲也の筆名で「麻雀放浪記」など著書多数。平成元年4月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報
「納得ずくで離婚したのに、なぜか女房のところに住み着いているのです」。男と女の世界を、ほろ苦いユーモアで描く、直木賞受賞作。
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Arikaアイコン(小)1 「離婚後も付かず離れずの奇妙な関係」
結婚式をせず、離婚もなにげなく。現代人を象徴するような物語。離婚した相手と同棲する。時代の最先端を行っていたのかもしれない。本人の経験と想像がないまぜになっているのだろうか。非現実的な物語のようで、現実味がある展開が出色。主人公が物書きだというところが、著者の像と重なり、分かり易いのかも。 互いに依存し合わない生活を望む二人であり、そして二人とも頭でそれを明確に理解している。それでも半ば本能的に惹かれあっていくのは、人間の不合理さをありありと描き出している。どんなに科学技術が進歩しようと、この「愛」という概念は解明されないであろう、また解明されないことを強く願う。 天真爛漫というか天衣無縫というか、子供のまま大人になったような、すみ子と先生のかけあいが、漫才のようにユーモラスで微笑ましくもあり、こういう関係もあるのだなと思った。鬼才の人というのは、このような人生を送るものなのだなと思った。腐れ縁って厄介そうだし、端から見れば滑稽そのもの。でも、やってみたら意外と楽しいのかも。「ねえ、あたし、お妾にしてくんない」と言ったすみ子がとても魅力的。





Arika報告書y0001おすすめ
★ほんのまくら…98

 私の恋人が逆進化している。


燃えるスカートの少女 (角川文庫)燃えるスカートの少女 (角川文庫)
(2007/12)
エイミー ベンダー

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内容説明
人間から逆進化してゆく恋人、戦争で唇を失いキスができない夫、父親が死んだ日に客たちとセックスする図書館員、火の手と氷の手をもつふたりの少女…想像と言葉の魔法を駆使して紡がれる、かつてない物語。不可解なのに現実的、暗く明るく、哀しくて愛おしい。そこから放たれる奇跡的な煌めきに、私たちはいつしか呑み込まれ、圧倒され、胸をつかまれる―。各国で絶賛された傑作短編集、待望の文庫化。

著者紹介
ベンダー,エイミー[ベンダー,エイミー][Bender,Aimee]
1969年、生まれる。カリフォルニア大学アーヴァイン校創作科出身。小学校教諭をつとめた後、「Granta」「GQ」「The American Review」などの雑誌にショート・ストーリーを発表。最初の短篇集である本書は刊行後ただちに書評家たちの絶賛を受け、98年のニューヨーク・タイムズ紙の注目の一冊に選ばれる。2000年に初の長篇『私自身の見えない徴』(角川書店)を発表。ロス・アンジェルス・タイムズ紙の注目の一冊に選ばれるとともに、ベストセラーリストにも登場、確実にファンを広げる。現在は南カリフォルニア大学で教えながら精力的に執筆を続けている。ロス・アンジェルス在住

管啓次郎[スガケイジロウ]
1958年生まれ。明治大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Arikaアイコン(小)1 「せつなさと残酷さとやさしさが同居し合うよう… 」
童話を思わせる話の詰まった短編集。 「指輪」は別だけれど、読後感はどれもさみしい。 悲しい現実に直面して、そのまま世界が続いて行く。それを拒絶せずに、出来ずに受け入れて、蹲る。 訳し方の問題なのか、度々違和感を感じつつもそれを上回る印象的な表現の数々。 特に「マジパン」の苦しさが忘れられない。 エイミー・ベンダーはその出だしで一気に読者を不思議な物語世界へと誘う。あまりにも唐突に、少し乱暴に幻想に染まっているはずの物語世界がこんなにもリアルに感じられるのが不思議。どこか冷たく、どこかノスタルジックな語りは、あらゆる異質を受け入れる人物たちの特徴をよく示している。様々な短編の中でも、炎の手をもった少女と氷の手を持った少女について語る「癒す人」は、強烈で鋭い読後感をもたらしてくれる。あと「思い出す人」は詩趣に富んだ文章が美しく、衝撃的なほどすばらしかった。




★ほんのまくら…99

 「わたしは数知れない書物を読んできた」。


キャンディ (角川文庫)キャンディ (角川文庫)
(2007/02)
テリー サザーン、メイソン ホッフェンバーグ 他

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内容説明
人と平和をこよなく愛する、純粋無垢な女子大生キャンディ・クリスチャン。天から授かった美貌で、行く先々どこでも男が寄ってくる。教授も医者も叔父さんも偉大な教祖も、みんな一目で彼女の虜。誰もがキャンディとやりたいと奮闘し、あと一息のところでむざむざ敗退。いつの日かキャンディに平穏で幸せな愛の日は訪れるのか―?ポルノ小説か文学か、発禁騒動も巻き起こしたカリスマ脚本家テリー・サザーンの幻の傑作。

著者紹介
サザーン,テリー[サザーン,テリー][Southern,Terry]
1924年テキサスで、薬局の息子として生まれる。43年軍隊に入り、戦後シカゴ大学、ノースウェスタン大学を経てパリ・ソルボンヌ大学へ。処女短篇を「パリ・レヴュー」に発表後、「プレイボーイ」「エスクァイア」などで書評・ルポなども執筆。処女長篇は『閃光と銀細工』(58)。映画『博士の異常な愛情』『イージー・ライダー』などの脚本家としてもカルト的な人気を得た。1995年没

ホッフェンバーグ,メイソン[ホッフェンバーグ,メイソン][Hoffenberg,Mason]
1922‐1964。アメリカの詩人。オリンピア・プレスの寄稿家の一人で、1940年代後半にサザーンと知り合う。『キャンディ』以後は目立った活動をしていない(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Arikaアイコン(小)1 「なんなんだこのB級ポルノ感は。
何の意味もないエッチなくだらなさではピカイチ!」

アメリカで発禁になりかけたとかいう卑猥な小説。ポルノ小説かのように謳われているが、実際読んでみるとそれほどでもない。というより全然たいしたことないすらすら読めます。ただ主人公がやるか、やらないか、みたいなお話しなんで、いろんな展開を求めちゃう人にはお勧めできませんが深く考えないで、さらっと読むのにはいいカンジのエロです。でも主人公の容姿もそうなんですが、あの純粋さや、行動力は憧れちゃいますね。 全く持って、悪意のないエロさと誘惑です。キャンディは美しく魅力的だが、本人は純粋無垢な子。しかし彼女を中心に様々な出来事が起き、あと少し!ってところでなにかハプニングが起こり、てんやわんやになって勝手に終わってしまう無垢なる美しさは罪?、もしくは勝手に欲情して勝手に自滅する男に罪? 主人公のキャンデイがとても魅力的で理想の人物なのが救いです。





★ほんのまくら…100

 私はたいそう孤独な生い立ちだった。
 おまけに物心ついて以来、性的な事柄に悩まされつづけてきた。


眼球譚(初稿) (河出文庫)眼球譚(初稿) (河出文庫)
(2003/05)
ジョルジュ バタイユ

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内容説明
一九二八年にオーシュ卿という匿名で地下出版されたバタイユの最初の小説。本書は、著者が後に新版として改稿したものと比べて全篇にわたって夥しい異同がある。サド以来の傑作と言われるエロティシズム文学として、「球体幻想」を主軸に描き上げた衝撃作であり、二十世紀の文学史上、最も重要な異端文学のひとつとして評価され続けている。

著者紹介
バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ][Bataille,Georges]
1897‐1962年。フランスの作家、思想家。古文書学校を卒業後、国立図書館などに務める。「ドキュマン」誌や「クリティーク」誌で思想運動を展開しながら、『無神学大全』三部作や『呪われた部分』『エロチシズム』など多くの著書によって西欧思想を根本的に問い直し、二十世紀の最重要思想家の一人と評される

生田耕作[イクタコウサク]
1924‐94年。京大文学部卒。京大名誉教授、フランス文学者。ブルトンやバタイユ、セリーヌやマンディアルグなど「異端」の文学を精力的に翻訳・紹介する
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Arikaアイコン(小)1 「尿と精液、玉子と眼球の、
エロエグくて不潔で吐き気をもよおす情景」

正直こんなに吐き気を催す本は初めてである。1ページから驚愕の卑猥で淫乱で 不潔感たっぷりの変態的にエロスのオンパレード。少なくとも食事の片手に読む本ではないです。エログロってかスカトロだしなぁ…うーむ。 しかしなんだろう。途中から登場人物達に一片も色気も狂気も感じなくなった。逆に苦痛に満ちて苦行を強いられているかのように思えた。 個人的には性行為は歓喜と興奮が伴う物だと思っている。 宗教上の違いか単に陽射しの違いかは解らないが私は読み終わるまで 性的興奮を覚える事は一度も無かった。しかし解説いわく、『サド以来の傑作といわれるエロティシズム文学』とのこと。確かに性描写は結構ブッ飛んでるし、エグいこといっぱい書いてある・・・書いてあることはわかりますが、何を書きたかったのかはほとんどわかりませんでした。分かったことがあるとすれば、この世の多様性と、書いてはいけないことなどないということかもしれない。 まぁ実際、人殺し以外でおおっぴらにこんな事やってる人たちが居たらドン引きですよ!




★ほんのまくら…101

 わたしは他人の夫と寝るのが好きだ。


いつかわたしに会いにきて (ハヤカワepi文庫)いつかわたしに会いにきて (ハヤカワepi文庫)
(2002/02)
エリカ クラウス

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内容説明
わたしが魅かれる男はいつも他人のもの。妹の夫も寝取った。妹はそれも気づかず、真面目に生きたらどうかとうるさい。奔放な姉が目覚める真実が胸に迫る「他人の夫」。派遣先でわたしは変わった女性と同僚になった。毎日一緒にいるうちに仲良くなったある日、彼女は衝撃の告白を…親密さが生む不可思議な心理を描く「女装する者」。恋や人生に戸惑い孤独に揺れる女性たちを可笑しみと哀しみをこめて綴る瑞々しい短篇集。

著者紹介
クラウス,エリカ[クラウス,エリカ][Krouse,Erika]
1969年生まれ。コロラド大学で英米文学と創作を学ぶ。テネシー・ウィリアムズ奨学金をはじめ、数々の奨学金を受け、『アトランティック・マンスリー』など一流文芸誌で短篇を発表してきた
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Arikaアイコン(小)1 「ヒリヒリと赤剥けの皮膚が痛むような作品ばかり」
女の孤独をひしひしと感じる短編集。女も若くて人生に選択肢があるうちは、本当に苦しくて難しい。ヒリヒリと赤剥けの皮膚が痛むような作品ばかりの話は多いが、ユーモアもあってとても好み。でも落ちている時に読んだら本当にとことん落ち込んじゃうかも…。恋愛の先にあるもの、叶わなかった夢の先にあるもの。生きていくって大変だ。だから読んでいてなかなかしんどい一冊でした。「情け」「よそのお母さん」「他人の夫」が特に好き。



★ほんのまくら…102

 私は頬を打たれた。。


野火 (新潮文庫)野火 (新潮文庫)
(1954/05/12)
大岡 昇平

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内容説明
敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
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Arikaアイコン(小)1 「戦争を知らない人間は、半分は子供である」(165頁)
完全に油断した。パンチのある題材を扱った戦争モノ、程度の認識で、『薄いし、ちょっと読んでみようかな』程度の認識で読み始めた。とんでもない。こいつは一分の隙のもない骨太な文体だった。"極限"を軽く踏み越えて"深淵"に迫るヘビーな文学だった。薄い文庫本なのに、何日も何日もかかった。人倫の世界と人外の世界を行き来する苦痛が重くて途中で何度も本を閉じた。湿った空気がねっとりと体に纏わりつき、腐臭が鼻を刺し胃液が逆流し、自分の四肢も腐って溶けていってしまうような、読んでいるだけでそういう感覚が襲ってくる。美化も誇張もない、戦争の紛れもない事実を叩きつけられた。大衆が安い涙を流すような、センチメンタリズムに訴えかける戦争作品とは一線を画する。ただその壮絶さに圧倒され、悲しいとか切ないとかそういう感情が湧く余地も無かった。文体はレポートのようなものではなく、しっかりと文学。難解な部分もあるが、それ故に考えさせられることも多いです。



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