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怪談本通信2014夏(怖い百冊物語17-19)見て怖い、読んで怖い 絵本3冊

kage

2014/08/10 (Sun)

Arika報告書怪談2014

怪談本通信2014夏(怖い百冊物語17-19)

見て怖い、読んで怖い絵本3冊


Arika報告書1g

怖とひとくちにいっても、幽霊などの超自然的な事象を描いた怪談から、人為的なホラーまで様々な形がある。

また怖さのとらえ方は人によって様々で、読み手の心胆を寒からしめることを主眼として、あるいはその部分が強烈な印象を持つ小説を幅広い視点で選んでみました。

多彩な、恐怖に接することで、異世界への扉を開き、覗き込む密かな愉悦を存分に感じていただける作品ばかりです。

私は「見て怖い、読んで怖い」はテーマに紹介しましょう。

視覚を刺激する本といえば、絵本である。

子供の頃に読んだ怖い絵本がトラウマになっている向きも少なくないことでしょう。とはいえ、たいていは大人になってから読み返すと、「なんだ、こんなものか!」という程度だったりする。だが、この3冊は違う。

これらは大人が読んでこそ、より怖い

作者が直接は描かなかったところに「恐怖」の源が潜んでる気がする・・・・・・。






(怪談百冊物語17冊目)
 なおみ/谷川 俊太郎(作)、 沢渡 朔 (写真)

なおみ (日本傑作絵本シリーズ)なおみ (日本傑作絵本シリーズ)
(2007/10/10)
谷川 俊太郎

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6歳の私と、“私のうまれるずっとまえから私のそばにいた”人形の「なおみ」。

この「ふたり」の交流と別れを通して、子どもの「時間」を美しく描き出した写真絵本です。

月刊絵本「こどものとも」の1冊として出版され話題を呼んだ作品が、25年の時を経てよみがえります。
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ArikaかぜちゃんPC3「少女と人形の日常を淡々と撮り、
語っているだけなのに、何故か不穏な気配が漂うなまめかしさ…。」

6歳の少女と日本人形もなおみがともに送る日常を、谷山俊太郎の文章と沢渡朔の写真で綴った写真絵本。微笑む人形の表情に落ちる陰影が、ときには優しく、ときには底知れぬ不気味さを醸し出す。ずっと一緒だったふたりに訪れる別れの時、そしてその行く末は…。谷川俊太郎さんの優しい語り口とは裏腹に写真が怖いです。1度読んだら絶対に忘れることはできないほどインパクトがあります。 お人形独特のなまめかしさや色気、ある種怪談世界的な、恐いけど美しいみたいな日本独特の湿った美意識も強烈に感じたのだと思いますが、何より本を開くとこの世界に吸い込まれる不思議体験ですね。他のどの絵本にも似ていない個性際立つ1冊です。



(怖い百冊物語18冊目)
 怪談えほん (4) ゆうれいのまち /恒川光太郎(作)、大畑いくの(絵)

怪談えほん (4) ゆうれいのまち (怪談えほん4)怪談えほん (4) ゆうれいのまち (怪談えほん4)
(2012/02/16)
恒川 光太郎

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ホラー小説界と絵本界の新鋭が贈る怪奇絵本。

真夜中に、友だちからあそびに行こうと誘われた。

家を出ると、丘の向こうに「ゆうれいのまち」がひろがっていた。のぞいていたら、ゆうれいたちが追ってきて…。

たすけて!
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ArikaかぜちゃんPC3「掴みどころのない悪夢がそのまま物語になったような…」
真夜中、森の向こう側に現れるという『ゆうれいのまち』。そこに行った子供は、もう二度と戻れない…。日本ホラー小説大賞作家・恒川光太郎が「ひとりぼっち」をテーマに書いた物語と大畑いくののザラザラと心を逆憮でするような絵のコラボが、本気で不気味。真夜中友達に連れられてたどり着いたのはゆうれいの町。そこで「ぼく」を待ち受けるものは? 恐怖感を感じるかどうかは人次第だろうけど、今までの生活を忘れてしまう怖さを描いたものなので、ゆうれいのまちでの暮らしが楽しそうなのが怖いです。 子供向けに薄めた二番煎じではなくて、大人が読んでも十分、怖いお話だと思います。



(怖い百冊物語19冊目)
 ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで/エドワード ゴーリー(著)、柴田元幸(訳)

ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとでギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで
(2000/10)
エドワード ゴーリー

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AからZまでが名前の頭文字についた子どもたち。登場と同時に次々と怪我や死に遭う。ただそれだけの、あっけなくも悲惨な話が、マザーグース風の2行ずつ脚韻を踏んだ軽快なテンポのうたに乗って進む、エドワード・ゴーリーの代表作。左ページに英語の原文、右ページに白黒のペン画、画の下にキャプションのような邦訳がついた、怖い絵本だ。

階段から落ちる、びょうを飲む、火だるまになる、線路で圧死、沼でおぼれる、オノでグサッ、ケンカのまきぞえ…。26人の子どもたちは、実に26通りの事故や犯罪に遭って、死んでいく。ここまで正面から当然のように子どもの死を陳列されると、いったいこれは何?と考え込んでしまう。

不幸の箱のような絵本なのに、繰り返し見たくなる。その魅力は、これら26人の子どもたちが、私たちの身代わりの人形(ひとがた)として悪魔払いをしてくれる、と思わせるからかもしれない。

危険に満ちた遠出の後でも、ふつう多くの子どもは戻ってくるのだが、一見平穏な日常が、紙一重で死と隣り合わせていることを、きゃしゃな手足、無防備で無垢な表情の、ゴーリー描く人形(にんぎょう)めいたこのちびっ子たちが、気づかせてくれる。(中村えつこ)
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ArikaかぜちゃんPC3「どうしてこんなまったく容赦ない陰鬱で陰惨な物語を
書こうと思ったのかを ゴーリー氏に問いただしたくなる…」

線画とシュールな世界が好きな方にはたまらない絵本。まさに「大人のシュール絵本」です。堕落死、病死、圧死、溺死・・・・・・・ありとあらゆる原因でひとりひとり死んでいく子供たち。AからZまで、アルファベット順に26人の26通りの死を、モノクロームの線画で描いたゴーリーの代表作。「階段から落ちたエイミー」から始まり、「ジンを飲んだジラー」まで、アルファベットの頭文字の子どもたちが、左にセンテンス、右にゴーリーの絵というように見開き1ページごとに天へ召されます。 まったく容赦ない、人ひとりの命が、たったの一行で叩き切られてしまうこのあっけなさがあまりに潔いので、逆に笑えてしまう。笑ってしまうその自分にドキッとしてハッと手が止まり、実は私もこの中の一人かも、と思うと、ゾワゾワッとする怖さ…。この残酷な描写と緻密な線画の組み合わせが生み出す不安感は、例えようもなく心に黒く広がります。本作を好きか嫌いかは、感覚によるところが大きいかもしれませんが、彼の他の作品にも、同様の雰囲気が漂います。表紙は、沢山の子供達の後ろに死神が立っている絵ですが、裏表紙はその子供達の墓石が描かれているなんて、よくできている作品です。その不穏な感覚をあしらいつつシュールさを楽しめる人、そんな方にふさわしい一冊。絵本ならではの残酷さ、容赦のなさが、存分に味わえる。 淡々とした筆致で描かれる死の直前の光景は、見れば見るほど身震いする”嫌怖”の極地です。



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