≪色が印象に残る映画5≫邦画:さくらん

2015/07/29 (Wed)
2015年7月のDVD特集!!
物語:1/配役:3/演出:3/映像:5/音楽:3・5
総合評価 :★★★☆ 5点満点評価=3・1点
2007年2月24日公開!
売り上げランキング: 12,955
★作品情報
製作国:日本
製作年:2007年
上映時間:111分
監督: 蜷川実花
配給:アスミック・エース
★出演
土屋アンナ
椎名桔平
成宮寛貴
木村佳乃
菅野美穂
他
★内容
人気漫画家・安野モヨコの同名コミックを、これが初監督となる写真家・蜷川実花が「下妻物語」の土屋アンナを主演に迎えて映画化したエンタテインメント青春時代劇。吉原遊郭を舞台に、自らの生き方を貫こうとする一人の型破りな遊女のエネルギッシュな生き様が極彩色にして繊細な映像美でヴィヴィッドに描かれてゆく。江戸の遊郭、吉原。女衒に連れられ大門をくぐった8歳の少女は、玉菊屋に買われ、きよ葉と名付けられた。気が強く、脱走を繰り返すきよ葉だったが、やがて、美貌も知性も兼ね備えた完璧な花魁・粧ひに導かれ、日本一の花魁になることを誓うのだった…。

江戸時代の残酷な美とエロス。
人の型破りな遊女のエネルギッシュな
生き様を極彩色にして繊細な映像美でヴィヴィッドに描き出す。
子
どもの頃から気が強い遊女の半生を描いた蜷川実花さんの初監督作。
原作が時代物にしてはポップな色調ですので、映画化するに当たって現代的な表現を取り入れるのはアリだとは思うし、初めてにしては一応ちゃんとした映画になってると思います。
絢爛豪華で、極彩色豊かな映像美は写真家でもある蜷川実花監督の動く写真集的な様相で物語を楽しむというより、映像美を見て楽しむ映画だと思う。
でも、不覚にもラストでグッときて泣けた! どうやって警戒厳重な吉原遊郭から脱走したのだろう?はあるが、「若者の逃避行」の様な、きよ葉と清次が菜の花畑を桜並木に向かって突っ走るシーンは、自力で自由を勝ち取った男女のカタルシスが壮絶な爽快感と悲哀を醸し出していた。
個人的に気になっているのは彼らのその後。どう考えてもあの時代、足抜けした男女が無事に逃げおおせられるとは思えないし、捕まれば二人とも死罪、または牛太郎に拷問虐殺されるのは目に見えているわけで…。
これが近松門左衛門だったら、相愛の若い男女が悲恋の逃避行劇、追われ続ける日々にやがて心身ともに追い詰められた二人、現世では叶わぬと来世でのかたい契りとして死の結末を迎えるという文学作品に昇華させていただろうね。
音楽を担当している椎名林檎さんの歌の独特な世界観の斬新さ、主役の土屋アンナさんの西洋人風の容貌の遊女の格好のギャップ、屋台骨を固める極彩色の女たち、木村佳乃さん、菅野美穂さん、美波さん、夏木マリさん、バッチリです。あと豊満な女優さんがいても良かったかなと思います。
桜、金魚、雪、調度品とにかく美しく幻想的で、まるでアートフィルム的遊郭物語。
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