FC2ブログ
2020 06 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2020 08

(第153回直木賞受賞作品特集!④) ナイルパーチの女子会/柚木麻子(著)

kage

2015/07/29 (Wed)

直木賞153


直木三十五の名を記念して、芥川賞と同時に昭和10年に制定された。

直木賞…”大衆文芸”を対象とした作品。

各新聞・雑誌(同人雑誌を含む)あるいは単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品中最も優秀なるものに呈する賞(応募方式ではない)。

大衆文芸とは?…「娯楽性」「商業性」を重視!
大衆小説(たいしゅうしょうせつ)、大衆文学(-ぶんがく)とは、純文学に対して、芸術性よりも娯楽性・商業性を重んじる小説の総称である。「娯楽小説」「娯楽文学」も同義語。「通俗小説」「通俗文学」とも呼ばれた。


■直木賞選考委員
浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき



第153回直木賞候補作
  ナイルパーチの女子会(文藝春秋)/柚木麻子(著)

ナイルパーチの女子会/文藝春秋

¥1,620
Amazon.co.jp

----------------------------------------------------------------------------------------
●内容紹介
----------------------------------------------------------------------------------------

ブログがきっかけで偶然出会った大手商社につとめる栄利子と専業主婦の翔子。 互いによい友達になれそうと思ったふたりだったが、あることが原因でその関係は思いもよらぬ方向に―。

女同士の関係の極北を描く、傑作長編小説。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■□■

女性が読むのが辛くなる、女たちの心理描写!

男性が読むとさらにキツくなる女たちのドロドロした関係!

「友達とは?」と言う問いを再考してみる一冊。



Arikaアイコン(小)1友達のいない栄利子と翔子の二人の女性が出会って、友達になろうとして、破綻していくお話。

現代社会の世相を見事に描き、コンプレックス、心の闇を抱えた女性ニ人の関係を描き、特に物語のテーマも相俟って二人の内面を深くえぐっていく様な表現力とそのストーリーの構成力も素晴らしく、さすが山本周五郎賞を受賞した作品と得心します。

友達少ない人間として、「友達少ないあるある」がふんだんに盛り込まれていて、ふむふむと頷きながら読み進めていった。友達っているようで、いないのかもしれない。自分と違う考えを持った人を認めるのは、私も苦手な方。相手も私を受け止めてくれないと思うから、他者の気持ちに配慮するって難しい。とは言っても意思疎通をはかりコミュニケーションなければ何もスタートしない。コミュニケーション力とは、他者を思いやるチカラなんだなぁと改めて思う。

凄く速いジェットコースターに乗っているようだった。カタカタと音を立てながらゆっくりと彼女たちの小さな幸せをみて、ぐわっと物凄い速さで彼女たちの崩壊をみた。特に真織のブチギレから一気にドロドロが加速、速い速いちょっと待って止まってストップストップ、彼女たちは聞こうとしない。うわあ、それは駄目だよ、なんて思ってもストーリーはどんどん進む、前半は栄利子の狂気が怖かったけど、話が進むにつれ、栄利子にも、翔子にも、少しずつ自分を見出して怖くなった。殺人事件までは至らなかったが、犯罪は無くてこんなにキツイとは…。

 「同性の群れに入れない女を見ると男は欲情する」、この表現力鋭いが、後々この言葉も意味を重くします。

男には見えない男には書けない女の生態系深層心理描写。女の私が読むのが辛くなる、女たちの心理描写! 男性が読むとさらにキツくなる女たちのドロドロした関係! 文字数が多いのに不思議とぐいぐい読める。栄利子のように距離の取り方を間違えたこと、あんなに極端でなくとも私にも思い当たる節がある。だからこそ、共感はできなくても栄利子から目が離せない私がいる。 女の子、女子、女友達・・・どれに値するのか、主観と客観のズレに苦しむアラサーをうまく描いていると思う。複雑なマウンティングの波間にもまれながら泳ぐナイルパーチ女子のしたたかさで締めくくられていて良かった。 同世代として、心に突き刺さる。 栄利子は異常だけど、ふと間違えば私も 栄利子のようにに人間関係の距離の取り方を誤るかもしれない要素が多々ある。 最初は、細い針でプツプツ刺されるように 最後は大きなフォークでえぐられるように胸が痛くなった。

よく「友達100人できるかなぁ」の唄を実践して、人との繋がりが大切だと訴える人もいるが、量より質の人間関係を大切にする人もいる。けれど、ここに登場する人物は、そのスタートラインすら立てていない痛い人で、如何にその準備をして行くのか…。「友達とは?」と言う問いを再考してみる一冊。「コミュニケーション能力」について、深く考えさせられる一冊だった。

変なタイトルと読む前は思っていたが、読後はこれしかないだろうなと納得! 言葉が違う人、生態系が違う世界との交わり、生態系を壊す存在・・・人間関係は難しい。




柚木麻子(ゆずき あさこ)

1981年東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。受賞作を含めた単行本『終点のあの子』でデビュー。

〈作品〉
『終点のあの子』2010年文藝春秋刊。
『あまからカルテット』11年文藝春秋刊。
『嘆きの美女』11年朝日新聞出版刊。
『ランチのアッコちゃん』13年双葉社刊。
『伊藤くんAtoE』13年幻冬舎刊=第150回直木賞候補。
『本屋さんのダイアナ』14年新潮社刊=第151回直木賞候補、他。




ちょっと珈琲ブレイク
…‥‥…‥‥‥‥‥…★

栄利子の壊れかたがすさまじく、怖かった!

Arika注目1hこんにちは、UAU編集長のArikaです。 

柚木麻子氏は『フォーゲットミー、ノットブル』で第88回オール讀物新人賞受賞。

『伊藤くん A to E』で第150回直木三十五賞候補ノミネート。

『本屋さんのダイアナ』で第151回直木賞候補。

前述の通り、今作『ナイルパーチの女子会』では第28回山本周五郎賞を受賞。

続けて同作品で今回の直木賞連続ノミネートとなりました。

前半は笑える部分もあったんだけど、中盤あたりでドロドロの極地に達し、「もう読むのやめよかなぁ」と挫折しそうになった。

最終的には希望が持てる結末だったけど、実際はこんなにあっさり前を向けるようにはならないだろう。

栄利子は翔子のブログを真似てみせ、翔子はカリスマ主婦ブロガーNORIに倣ってオシャレ飯なんぞを作ってみせる。

理性的になりたくても、なかなかなれないのが生身の人間だからね。

友だちとは何か、人との距離はどう保つべきか、ネットでつながる関係とは何かなど、いろいろ考えさせられました。



関連記事
スポンサーサイト



コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック