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【BL小説】あめの帰るところ /朝丘戻

kage

2015/10/13 (Tue)

アイコンりす不定期レビュー!
Arika(BL)
■BL好き案内人が初心者用にCD、コミック、小説のお勧め萌えポイント押えたレビュー★



こんな別れの為にキミと、恋をした訳じゃないのに――




あめの帰るところ (ダリア文庫)
朝丘 戻。
フロンティアワークス
売り上げランキング: 99,273


イラスト:テクノサマタ

「離れたくないって想ったら、寂しくなったよ」
そう告げたのは、飄々として不躾で、どこか寂しげな予備校講師の能登先生だった。高校生の千歳は、優しすぎる彼の恋心に翻弄されながらも、幸福な時間を積み重ねた。ふたりきりの教室、一緒に見た花火、朝焼け・・・。けれど、それは一瞬にして千歳の中から消失した――…。恋を初めて知った能登と、恋を忘れた千歳の抗えない想いは・・・。
(出版社より)



BL感想&おすすめポイント★
Arika(BL)

予備校教師、能登先生はコミュ障というかドキュンというか、とにかく人と交わろうとしない人。そんな先生が、30歳も超えて生徒の椎本千歳君(あめちゃん)に恋をする。

理由は、初めて自分を叱ってくれたから。うわあ・・。

先生が千歳と出会って人として足りないものに気が付いたり指摘されて改めていくごとに、ぼんやりとした輪郭しかなかった先生が徐々に明確になってくるのが良くわかります。

最初の方の先生は30年生きてきて心から欲しかったり強く求める人にも物にも出会ったことがなくて、いつも一歩引いたところにいて生きることもどうでもいいような印象でした。

育児放棄されたわけではないし大事にされてなかったわけでもないのでしょうが、放任主義というにはあまりにも手をかけてもらえなかっただろう幼少期と、頭が良すぎたせいもあって、考えが及ばない子供に恐れをなして逃げ出した教師に苛められていたという子供時代が良くも悪くもその後の先生を作り上げたのかなって気がします。

自分のことを思って叱ってくれる人に出会って新鮮だったのでしょうね。

でも、そんなふうに叱ってくれた人の思いをまっすぐに受け入れて喜べるような心を持っていた先生もいいなと思います。

年下のセクに生意気とか自分は間違っていないと突っぱねることなく。

物語は大きく3つ(後日談を含む)に分けられているのですが、飴ちゃんが記憶をなくしてしまう2つ目のお話が、辛いのです。

1つ目のお話で、あんなにイチャイャして、幸せそうだったのに、2つ目のお話を読み始めると、私はまるで地獄へ突き落とされたかのような衝撃を受けました。飴ちゃんの、「この人誰?思い出せない。」っていう焦燥感だったり、先生の辛さだったりが読み進めるたびに、私の心をずたずたに引き裂いて...。

大好きな人の思い出の中に自分がいないという、思い出での死の残酷さ。

飴ちゃんは永遠に死なない、永遠に生きてる、先生の記憶の中で…。

どっちかと言うと先生の方が飴ちゃんの記憶から消えているので、先生が半分死んでいる状態かもしれません。

途中、読み進めるのがすごく辛かったくらい感情移入して読める作品です。

1つ目のお話と2つ目のお話のギャップがとにかくすごくて、BLで、こんなに読むのが辛い小説って初めてです。

身体が生きていたら思い出は増えていく、又何度でも生まれ変われる。

そして、二人は一緒に生きて行く事を決める。

忘れてしまった過去は思い出せなくても、恋人同士だったときを心に住まわせながらまた同じ人と恋をする。

いつか記憶が戻っても戻らなくても二人が出会って恋をするのが必然なんだと思えました。

最後の「あめちゃんへ」のお話は笑顔で飴ちゃんを看取る先生のようでした。

飴ちゃんが悲しまないように飴ちゃんが死んだのを見送る約束を果たしたんでしょうね。

そしてちいさんと新たな恋をして、ハッピーエンドとなる・・・けど、どこかモヤモヤが残る作品でした。

飴ちゃんの面影が残りつつも、ちいさんとして再び先生を愛して愛されて、ハッピーエンドに思われますが、バットエンドな感じ。

言葉で言い表すことのできない感情が胸の中を満たしてくれます。

「ストーリー構成」とか「心理描写」とか「ドラマ性」とかそういう観点からではこの作者は、心のあつかいかた、みせ方が特質で稀有だと思います。

興味がある方はぜひお手にとってみて読んでみてください。



■ドラマCD
あめの帰るところ

2012年1月27日発売 
原作:朝丘戻。 
イラスト:テクノサマタ
出演 梶裕貴 日野聡 東篠加那子 他


「離れたくないって想ったら、寂しくなったよ」そう告げたのは、飄々として不躾で、どこか寂しげな予備校講師の能登先生だった。

高校生の千歳は、優しすぎる彼の恋心に翻弄されながらも、幸福な時間を積み重ねた。

ふたりきりの教室、一緒に見た花火、朝焼け……。

けれど、それは一瞬にして千歳の中から消失した──…。

恋を初めて知った能登と、恋を忘れた千歳の抗えない想いは……。


【受】椎本千歳(CV.梶裕貴)
高校3年の春から、能登が講師を務める予備校に通い始める。
受験に対する不安を抱えていたが、能登と接しているうちに救われていく。

【攻】能登匡志(CV.日野聡)
人付き合いが苦手で、生徒の名前も覚えない浮世離れした人間だったが、千歳と出会って恋を自覚したことで、成長していく。






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