大人本セレクト（64）…私的おすすめフィクション３選（探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて/ニルヤの島/マクベス (シェイクスピア名作劇場4)）

2015/11/12 (Thu)

■大人だから楽しんで読める、大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー！

VOL・064

大人だからこそ読んでほしい、私的おすすめフィクション３選



名探偵は小学生! ?
天才探偵少女とヘタレ三十男の迷コンビが難事件に挑む!
　探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて／東川 篤哉(著)

探偵少女アリサの事件簿 溝ノ口より愛をこめて/幻冬舎

￥1,512
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失業した橘良太（31歳独身、趣味ナシ、特技は寝ること）は、溝ノ口で「なんでも屋」稼業に転身。ある日、依頼人の指示で有名画家の家に行き、殺人事件に巻き込まれてしまう。そんな中、名探偵一家・綾羅木家に訪れると、豪邸で待ちかまえていたのは、ロリータ服のわずか10歳にして自らを探偵と信じる無垢で無謀な少女、綾羅木有紗だった――。「ねぇ、おじさん、あたしのこと、ナメてんじゃないの?」。なんでも屋の良太の前に現れた、探偵を名乗る生意気な10歳の美少女•有紗。有紗に殺人鬼の濡れ衣を着せられた良太は、疑いを晴らすため、しぶしぶ二人で事件を調べはじめるが…。溝ノ口で事件のあるところに、天才美少女探偵あり!爆笑必至のユーモア・ミステリー。





第２回「ハヤカワSFコンテスト」大賞受賞のSF長編小説。
　ニルヤの島／柴田勝家

ニルヤの島 (ハヤカワSFシリーズJコレクション)/早川書房

￥1,728
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死後の世界がないことが証明された時代。ミクロネシアを訪れた文化人類学者ノヴァクは、死出の船を造り続ける日系の老人と出会う。民俗学を学ぶ大学院生である著者が、その知識を活かした文化人類学SFです。じっくり考えながら、ゆっくり読むのがよいのかも。読みはじめは、状況や設定がよく解らなかったが、読み進めるうちにストーリーが絡み合い、設定なども明かされていく。死後の世界がなぜ生まれたか、そしてそれを否定することは進化なのか？また死後の世界がなかったとしたら死んでしまった人は、自分はどこに行ってしまうのか…など普段あまり積極的に考えることのない「死」というものを真っ正面から描いたSFだと思いました。 用語や設定などは、深読みして楽しめるので秋の夜長によいかもしれません。




シェクスピア生誕450年を記念して誕生した新シリーズの第４弾！
　マクベス (シェイクスピア名作劇場4)／
　ウィリアム・シェイクスピア（原作）、安藤洋（文）、佐竹美保（絵）

4マクベス (シェイクスピア名作劇場)/あすなろ書房

￥1,404
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シェイクスピア四大悲劇の中でも、最高傑作と評価も高い『マクベス』。フォレスへの道すがらマクベスは３人の魔女から謎めいた予言をうけた。最初はその予言を信じていませんでしたが、そのうちの一つの予言が当たり・・。３人の魔女の予言は、予言というよりはそう仕向けられと言ってもいいくらい、それを聞いた踊らされたマクベスが可哀想ですらある。そして最後にバンフォーの息子フリーアンスにする忠告は過去の自分に言ってやりたい言葉でもあるのだろう。バンフォーの幻を見るシーンは迫力がありました！ このシリーズはだいぶ斉藤さんのアレンジも多々あるが、一冊の本としてとても楽しく読むことができます。 不気味な魔女の予言ン委翻弄され、狂気の世界に堕ちていく男の恐ろしくも哀しい物語は、シェイクスピア入門編としても最適です。