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BOOK OF THE いちばん星 2015≪小説編≫

kage

2015/12/28 (Mon)

BOOK OF THE いちばん星 ウサギ釣り 2015


≪小説編≫

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 花火/又吉直樹(著)

夢と現実の間でもがく二人の濃密な関係を描いた第153回芥川賞受賞作。

芥川賞80年の歴史に、お笑い芸人が名を刻んだのは史上初。



火花/文藝春秋

¥1,296
Amazon.co.jp

新しい笑いのために、僕らは何を考えて生きるのか!?
Arikaアイコン(小)1花火大会で出会った神谷さんに主人公徳永は弟子入りし、神谷さんに伝記を書くように言われます。その後の二人の漫才師の日常と葛藤・・・・と書こうとすると、何かが違う。神谷さんが「共感って確かに心地いいねんけど、(略)創作に携わる人間はどこかで卒業せばあかんやろ」と言うように、きっと共感できる物語よりも、井の頭公演の太鼓のお兄さん、上石神井の真樹さんのアパート、ベージュのコーデュロイパンツ、蠅川柳といった、徳永が書き溜めるげき神谷さんとの日々の、繊細な驚きや固有の輝きこそが、この小説の髄だからです。徳永は敵わないと思いつつも、自分の人生のために神谷を否定します。「ほな、自分がテレビ出てやったらよろしいやん」。「面白い」ことをストイックに突き詰めようとする芸人の神谷。そんな彼に惹かれながらも、何者にもなれない自分に焦る後輩の徳永。表現者として生きる人間が、理想と現実の間で何を選ばざるを得ないのか、その心の中身が、賢さと阿保さが、ユーモアの中に生きていく必死さが胸に迫った。

BOOK OF THE いちばん星2015に選んだ理由
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本を愛する読書芸人から、芥川賞作家・又吉直樹へ。売れない芸人の葛藤と悲哀を描いた話題の芥川賞受賞作は、239万部突破(2015年8月時点)のベストセラーだけでなく、純文学の世界に抵抗なく連れて行ってくれた台風の目になった作品でもある。文学としてだけでなく、人として大切にしたい言葉の意味を教えてくれた。「共感できるものしか認めない」という風潮がめっちゃあるなと思うんですよ、共感してなくても面白いものってあると思うんです。あったらあかん小説はないし、あったらあかん音楽もない。「花火」で伝えたかった思いは、いろんな人がいて、常識からはじかれている人もいてそういう人もいていいし、「無駄じゃない」という思い。どんな人が、どんな形でも「生きていていい」という心を開きや人生観がたっぷり詰まってて深い。「悩みながら生きるぞ」と思わせてくれる。もちろん賛否両論な感想はあって当然だが、『花火』を読まずして2015年の文芸は語れないだろう。



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 君の膵臓をたべたい/住野よる(著)

小説投稿サイトに公開したデビュー作。

とにかくタイトルのインパクトと爽やかな読後感がすごい!?

一時の流行で終わらない、

長く読み継がれるであろう普遍的なきらめきを放つ一級品の青春・成長小説。


君の膵臓をたべたい/双葉社

¥1,512
Amazon.co.jp

王道でありながらも、そこに一滴の毒を垂らしたような物語!?
Arikaアイコン(小)1偶然、僕が拾った1冊の文庫本。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。名前のない「僕」と日常のない「彼女」が紡ぐ、終わりから始まる物語。強く印象に残ったのはクラスメイトの山内桜良が死んだ後、「僕」は彼女に送信した最後のメールを読み返す。「君の膵臓をたべたい」。彼女はこのメールを見ただろうか? タイトルに込められた本当の意味とは…。

ぎょっとする不思議なタイトルからまさか高校生が主人公と思っていなかった。物語としては王道でありながらも、そこに一滴の毒を垂らしたような物語です。その毒はいわゆる”難病モノ”によくある「命を大切に」といった安易なメッセージへの、言わばアンチというイメージ性が含まれている。”限りのある命を尊重する”というのは、本当はどういうことなのか。それを考えながらラストまで描いてるんだろうなという著者の思いは余命宣告をされて確実な死を控えてるにも関わらず、どこまでも明るく奔放なヒロイン・桜良のキャラクターと地味な主人公「僕」との、過酷な運命を思わせない軽妙な会話にも表れている。桜良と「僕」のやり取りを通じて、周りからは理解されることのない、二人の間にしかない特別な価値観ときらめきは、お涙頂戴の闘病恋愛モノとはひと味もふた味も違う、軽妙な会話と爽やかな読後感のギャップに撃ち抜かれる。読後に帯をしみじみ読み返しながら、映画の宣伝同様、当てにしてはいけないものだとつくづく感じた。デビュー作でここまで素晴らしい作品を書いてしまったら、次はどんな物語を書くのだろうか?

BOOK OF THE いちばん星2015に選んだ理由
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友達のいない「僕」(志賀春樹っていうんだよね)が桜良と会って変わっていく姿が良かった。お互いを正反対といいながら憧れ、そして自分を見つけていく。 私は自分と正反対の人間を認め、受け入れ、愛することができるだろうか。私こそ勇気のない人間なのでは?と読みながら考えさせられた。 やっぱり一番記憶に残っている言葉は、「生きるってのはね」「きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」です。二人の会話が面白く、ドキッとするタイトルも素敵なキーワードになっていて、これがデビュー作と聞いて驚いた。草舟と思っていたが、自分が選択した人生だということ。周りと関わることが「生きる」ということ。などなど前向きになれる素敵な小説でした。初めてタイトルだけを見た時、ホラー小説か?なんて思ってしまったが、帯の言葉通りタイトルに大いに目が潤ってしまった。特に主人公「仲良し君」の号泣は心打たれます。 すべての行動を自分が選択してきたことをひとつひとつ挙げていく場面がぐっとくる。私も全部選んで生きてきた。だから生きたくて生きている。自分の余命を知って、その不自由さから、自由に生きることを見いだすのが、人間ならではだと思う。 きっと人生とか運命ってそういうことなのだろうなと思いました。本来、人の死ぬ話は好きではない。悲しいに決まっているから…。だが、素敵だと素直に思えた。相思相愛ってこういうことなんだろう。いずれセカチュウ的な感じで素敵な映画になるかもって予感がした。




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 有頂天家族 二代目の帰朝/森見登美彦(著)

阿呆の道よりほかに、我を生かす道なし。

――待ちに待った「毛玉物語」再び!



有頂天家族 二代目の帰朝/幻冬舎

¥1,836
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森見史上、最も壮大で、最も愛の溢れる"あの物語"の第二幕、ついに開幕!
Arikaアイコン(小)1TVアニメ化され、累計32万部突破した大ベストセラー『有頂天家族』。森見史上、最も壮大で、最も愛の溢れる"あの物語"の第二幕。天狗や人間にちょっかいを出しては狸界で顰蹙を買っている、京都下鴨家の三男狸・矢三郎は、まあまあ愉快に暮らしている。ところが、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎである“二代目"が英国より帰朝すると、平和な街の気配が一変。天狗親子は大喧嘩、狸たちは覇権争い、狸を喰う人間たちは悪巧み、あちこちで多発する片思い……と、京都の街は混迷を極める。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ! 一族の誇りをかけて、尊敬する師、愛する者たち、そして毛深き命を守れ! 愛おしさと切なさで落涙必至の感動巨編。前作同様、相変わらずの馬鹿騒ぎっぷりが実に面白かったです。新キャラもたくさん出てきましたが、中でも玉瀾さんがとにかくお気に入り!長兄と玉瀾さんはもう読んでて口元が緩みっぱなしでした。


BOOK OF THE いちばん星2015に選んだ理由
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京都の街で狸と天狗たちが織りなす奇想天外なドラマの続編が7年ぶりに刊行。前作のキャラクター、世界観が活きていてすんなりと読み込めた。次作への伏線と感じる箇所もあり嬉しいばかり。みんなまとめてもふもふの毛玉にして、掌の上でコロコロ転がしたい!森見さんの書かれる恋愛話は本当に私のドツボです。前作からのキャラも新キャラも、みんな持ち味を遺憾無く発揮しておりファンなら必読の1冊です。燃えてしまうけど、二代目が弁天を抱き寄せて髪に接吻した時綺麗すぎて涙出そうになりました。
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