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(小説で読み解く「女の一生」2⃣)「ふくわらい」「漁港の肉子ちゃん」西 加奈子(著)

kage

2016/06/07 (Tue)

女の一生1

女の生き方を題材にした注目作が、女性作家により近年多数刊行されている。

4つの側面に分けて、いま読むべき作家をご紹介。


アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


2⃣自分だけの価値観を探す
現代社会に生きる女性が、自分だけの生き方を模索した先にあるものは・・・


自己肯定の過程を描く・・・西 加奈子

世の中の価値基準や自意識についてとことん考え抜き、”自分を認められる自分”になる行程を検索する作家。

近年ではその集大成的な力作長編『サラバ』を上梓した。






 ふくわらい/西 加奈子 (著)

ふくわらい (朝日文庫)/朝日新聞出版

¥626
Amazon.co.jp

「目や鼻や口や眉毛が、

どこにどうやって配置されて顔が出来るのか、

その瞬間に立ち会いたいんです。」


Arikaアイコン(小)1第1回河合隼雄物語賞受賞作。
暗闇での福笑いを唯一の趣味とする編集者の鳴木戸定――。

暗闇での福笑いを唯一の趣味とする25歳の編集者の鳴木戸定は、感情の起伏に乏しく、恋愛も友情も理解できずに変人扱いされているが、偏見のない目で物事を見ることのできる女性でもある。担当となった作家や一人の青年との出会いを経て、自問自答を繰り返し、彼女はやがてある境地に至る。小暮さんと出会い、関わっていくなかで徐々に定ちゃんが変わっていくのが分かる。それがすごく自然で必然的に感じるすごさ。登場人物がひたむきというかまっすぐで、でも守口は弱い部分があったり(それを打ち明ける強さがある)読んでて心が浄化されるような感覚。ほぼ無だった定ちゃんが様々な感情を知っていってラストに行き着くんだけど、そこまでの過程が緻密で全く違和感がない。「目が見える人には、言葉を交わすことが難しいと感じることがある。」と言う武智次郎の言葉にも共感。生きるもので言葉で意思疎通出来るのは人だけ。数百年前の人の言葉さえ私たちは読むことができる。けれど、言葉って難しいと思う。この独特な世界観を持つ愛すべき人々は皆、嘘のない正直な生き方をして、その中で苦しんで否定して肯定して……定ちゃん風に言うとキラキラと輝いておりました。そして清かった!定が笑えるようになったことが嬉しい♪ 幸せそうで素敵だった!色んな事を積み重ねた先っちょに立っている自分。長生きしようと思いました。定ちゃんとしずくちゃんの友情にも乾杯🍻




 漁港の肉子ちゃん /西 加奈子(著)

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫)/幻冬舎

¥648
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Arikaアイコン(小)1港町に生きる肉子ちゃん
母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作!

若い頃に家を出て大阪のスナックで働き、今は北陸の漁港の焼肉屋で働く肉子ちゃんは脂肪をまとった38歳、陽気でちょっぴりダサい女性。家族は小学校5年生の喜久子だけ。2人と街の人々の日常が描かれるなか、やがて心優しい肉子ちゃんの秘密が明らかに。肉子ちゃんは、人として素直に馬鹿正直に本当に真っ直ぐな、疑う事も知らない無自覚で一生懸命生きてる人、キクリンを愛情いっぱいに育てている。肉子ちゃんのおおらかさとキクりんの繊細さ。対照的に見える母と娘ではあるが、肉子ちゃんの愛情をいっぱい受けて育ったからこそ、キクりんがこんんなにステキな女の子に育っているのでしょう。クラスの女の子同士の力関係など、昔からこんなことってあったなあ。子ども時代ってとっても不器用で、結構残酷。それを少しずつ乗り越えて大人になっていくのでしょう。「喜びに久しい子と書いて…」というセリフでは何だか泣けてしまった。血は繋がっていないし正反対な2人だけれど本当に親子なのだと思った瞬間だった。 決して幸せとはいえない人生を、パワフルに突き進んで行く肉子ちゃんに力をもらいました。良くできた子供のキクりんもきっと幸せになれるでしょう。 読むなら文庫版を。そして、文庫版のあとがきを最後に読んでください。本編で一度ホロリ泣いて、あとがきでまさか二度目泣かされるとは思わなかった。



西 加奈子(にし かなこ)

日本の女性小説家。

☑略歴
1977年年5月7日誕生。

イラン ・テヘラン生まれ。

エジプト・大阪府和泉市光明台育ち。

大阪府立泉陽高等学校、関西大学法学部卒業 既婚。

『ぴあ』のライターを経て、出版社への持ち込み原稿であった『あおい』で2004年にデビュー。

2005年『さくら』が20万部を超えるベストセラー。

2012年5月、『きいろいゾウ』が、宮崎あおいと向井理出演で映画化され、2013年に公開された。

☑文学賞
2007年、『通天閣』で織田作之助賞大賞受賞。
2011年、咲くやこの花賞受賞。
2013年、『ふくわらい』で第148回直木三十五賞候補、第10回本屋大賞5位、第1回河合隼雄物語賞受賞。
2015年、『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞、第12回本屋大賞2位[6]。
2015年、VOGUE JAPAN Women of the Year 2015 受賞。
2016年、Granta Best of Young Japanese Novelists 2016。





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