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(小説で読み解く「女の一生」2⃣)「男ともだち」「森の家」千早 茜 (著)

kage

2016/06/08 (Wed)

女の一生1

女の生き方を題材にした注目作が、女性作家により近年多数刊行されている。

4つの側面に分けて、いま読むべき作家をご紹介。


アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


2⃣自分だけの価値観を探す
現代社会に生きる女性が、自分だけの生き方を模索した先にあるものは・・・


いびつな真実を追求・・・千早 茜

幻想的なデビュー作『魚神』でいきなり泉鏡花文学賞を受賞したが、

ファンタスティックな作風にとどまらず、

現代に生きる男女の不器用でいびつな真の姿を抉り出す小説を発表している。




 男ともだち/千早 茜 (著)

男ともだち/文藝春秋

¥1,674
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確かな何かを遺せなくても、魂の欠片を私たちは共有している。

そして、それは永遠なのだ。


Arikaアイコン(小)129歳、そして30歳。
仕事と男と友情の、熱くてほろ苦い日常を描いた傑作長編小説──。

京都在住、29歳のイラストレーター神名は仕事に追われる日々を送っている。同棲している恋人がいるが、妻のいる医師とも交際中。そこへ大学生の頃からの友人ハセオが久々に連絡をよこす。男女の関係になったことはない2人だが、そこには不思議な絆があった。男女の関係にならず異性の友達を描く物語。軽い友達であれば多かれ少なかれ存在するものの、どっぷりと異性の友達というもののを作品を通じて感じさせられた一冊。学生の頃から一緒に時を過ごし、同じ物を食べ同じ思いをし一緒に青春を謳歌してきた神奈とハセオ。共に泣き共に笑い、一番気持ちを理解してくれ困った時は、飛んで助けに来てくれる大切な男友達。神名は同棲している彼氏も妻子持ちの愛人もいるのに、何故かハセオの存在が一番気になる。一番好きなら愛し合えるのではと神奈はハセオと向き合う覚悟もするかそれも又しっくりこない。男女として向かい合い抱きしめあえないが、いつも隣にいて同じ空気を吸って支えてくれるのが男友達なのかなと思った。でもひょっとすると、男ともだちは女にとって、恋人よりずっとずっと大切な相手なのではないか。所々私のなかで非常に胸に刺さる言葉があってそのたびにチクチク考えさせられたりした。




 森の家/千早 茜 (著)

森の家 (講談社文庫)/講談社

¥648
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Arikaアイコン(小)1 「家族という概念は放浪の旅に似ている。人はまるで終わりのない旅のように、いつまでも本当に安らげる自分の居場所を探していく」――千早茜
森のなかの古い家。そこには40代の男・佐藤と、彼と血のつながりがあるかどうか不確かな大学生の息子・まりもが住んでいる。彼らと同居することになったのは、佐藤の恋人で30代の美里。寄せ集めの家族の暮らしは、それでも居心地のよいものだったのだが…。 自分の気持ち、感情をうまく出せず人との一定の距離感を保ちながら同じ家で暮らす血縁関係のない3人。3人の視点でそれぞれの物語が動く。まりも君は佐藤さんにもっと自分を見て欲しかったんだろう。かまってほしいのを我慢してたんじゃないか? さみしい気持ち、似た者同士であるから3人で寄り添って暮らしたい。血の繋がりを憎むのに、それを諦めきれない3人。崩壊寸前の疑似家族は恢復するのか? 

色んな家族の形がある…当たり前って何なんだろう? 周り、社会があるゆえ、普通を求められる場合も多いのは現実。世の中には家族っていうのはこうなんだ。とか家族だから分かり合えるとかきれいごとばかり言う人がいるけれど家族だから嫌になる事もある。向き合うのは時には面倒だけど、がっつり、取っ組み合う事も必要だと思う。その人を大切に想うなら・・・・。

普通の家族って何だろうか? こんな風に思う自分も何かが欠落してる人間なんだろうなとは自覚してるけど、この人の文章の透明感やいい意味での浮世離れした空気感は凄いな、と思う。安直に分かりやすい説明的な心理描写もしないが、不健全さの肯定と、人の絆の肯定が「森の家」という理想郷につめこまれている。恋人といても寂しい。家族といても寂しい。でも、ひとりでいても寂しい。諦めることも出来ない。いつも何かを探しているピーンと張り詰めた感じ。そんな感覚と、深い森、あおい湖なんかの描写が透明感ある雰囲気で、すうっと世界に引き込まれてしまう。





千早 茜(ちはや あかね)

1979年8月2日生まれ。

日本の小説家。

北海道江別市出身。

京都府在住。立命館大学文学部人文総合インスティテュート卒業。

☑略歴
『魚神』(2009年 集英社 / 2012年 集英社文庫)
『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』(2010年 集英社 / 2013年 集英社文庫)
『からまる』(2011年 角川書店 / 2014年 角川文庫)
『あやかし草子 みやこのおはなし』(2011年 徳間書店 / 2014年 集英社文庫)
『森の家』(2012年 講談社)
『桜の首飾り』(2013年 実業之日本社 / 2015年 実業之日本社文庫)
『あとかた』(2013年 新潮社)
『眠りの庭』(2013年 角川書店)
『男ともだち』(2014年 文藝春秋)
『西洋菓子店プティ・フール』(2016年 文藝春秋)

☑文学賞
2008年、「魚」で第3回ポプラ社小説大賞で最終選考作品に残る[3]。同作で第21回小説すばる新人賞受賞。受賞後「魚神」と改題。
2009年、「魚神」で第37回泉鏡花文学賞受賞。
2013年、「あとかた」で第20回島清恋愛文学賞受賞、第150回直木賞候補。
2014年、「男ともだち」で第151回直木賞候補
2015年、「男ともだち」で第36回吉川英治文学新人賞候補。





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