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(マンガで読み解く「女の一生」2⃣)「にこたま」「ボーダー」渡辺ペコ

kage

2016/06/27 (Mon)

マンガ読むとく「女の人生」


女の一生にとっての大きな要素を4キーワード設定。

それらの様相を巧みに描き出す、いま注目のマンガ家をご紹介。


アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


2⃣、この厄介な快楽
少女マンガを卒業した先にあったのは性の諸問題だった。

好むと好まざるとに関わらず、性は常にそこにある。



「女とは何か」を問う身体論…渡辺ペコ

そもそも性とは何か。

膨らんだ乳房があり、子宮と卵巣があり、女性器があれば、それは女なのか。

渡辺先生は真正面からその問いに挑む。

女という性の本質を、男という他者との関係性で問い直す作品群。



 にこたま(全5巻)/渡辺ペコ (著)

にこたま(1) (モーニングコミックス)/講談社

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にこたま(2) (モーニングコミックス)/講談社

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にこたま(3) (モーニングコミックス)/講談社

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にこたま(4) (モーニングコミックス)/講談社

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にこたま(5) (モーニングコミックス)/講談社

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Arikaアイコン(小)1三十路直前に訪れた最後の思春期、ゆらぐゆらめく第三次性徴白書!
交際9年・同棲5年の浅尾温子(あっちゃん)と岩城晃平(コーヘー)。いい年齢(トシ)だけど大人じゃなくて、仲良しだけど踏み切れなくて……29歳で最後の思春期を描くアラサーマンガの名作。交際9年同棲5年のいわば事実婚状態?のカップルの話。元新聞記者で今はお弁当屋で働いてるあっちゃんと弁理士のコーヘーは温度が低いながらもウマの合うカップル。仲良しでいい感じのニ人………なのに………。 コーヘーは酔った勢いで一夜の過ちを女上司の高野さんと致してしまい妊娠!!Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)。たった1回の出来事心が取り返しのつかない事に…なんて言うか…まるで2chのような内容。コーヘーは正直にあっちゃんに告げるけど…。この後、あっちゃんどうするんだろう?…と思ったらあっちゃんは妙に冷静。「人間こさえちまったのか?」じゃないよ!シリアスなのにその台詞で笑ちゃったからね私!しかも、その高野さんは、「別にコーヘーの認知とかいらないけど、とにかく産むんだと!」と言い張るし、とにかく”どうすりゃいいの?”な問題から目を逸らさない作品なのですっごく面白い!

主人公のコーヘーが好きになれねぇタイプだわ。過ちを彼女に しゃべっちゃう時点でアウト!  全然彼に共感できないし言葉選ばずに言うなら、展開がドロドロなんだけど、淡白に表現されてるからむしろ帰って気色悪くなってる。淡々とこなしてるのが事務的に写って1巻の後読感かなりよろしくない。 墓場まで持っててほしかった。 まぁ9年も付き合ってりゃ浮気のひとつやふたつもあるでしょう(よくないけど)。問題は、浮気相手の女上司・高野さんが妊娠、そして産むと言っていること。三人それぞれの立場になって読んでみると、結局どの形がベストなのか、答えがこの段階では見えてこない。「女ならこう生きるのが当然」と言わんばかりのステレオタイプにハマれないあっちゃんにも共感。発覚後の二人の重~い感じ、わかるなぁ。あっちゃんの溜め込んでるのもツライ。面白いけど、私なら耐えられない。「だいっっっきらいになれたらいいのに」、だよなあ…(´・ω・`)…。

ふたり暮らしがすっかり日常になった二人に生じた思わぬ、そしてあまりにも大きな変化。…出だしが、平凡なりに淡々と生きている日常であっただけに。あっちゃんの仮に同じ状況、立場になったら絶対に冷静ではいられない自信がある。コーへーが全部悪い。あと浮気相手が一割くらい悪い。あんな仕事できる女性上司で冷静沈着な人が、何で浮気して子供まで作っちゃうんだ。望んでたのかな・・・・なんかあっちゃんも体調悪くなって、妊娠してるか子宮の病気かだと思われる。 仕事、結婚、出産、離職、手術、アレコレ……アラサーのライフイベントは性に関連するものばかり。タイトルの「にこたま」は男の睾丸、あるいは女性の卵巣のメタファーだ。妙齢男女の、仿徨と希望の物語。この話、着地点はどうなるんだろう?って思いながら全5巻読んだけど取り敢えず三人とも気持ちが固まって前に進んでコレはこれで良し。これが良かったか悪かったか本人たちにも分からないだろうけど、それを含めて決めたのだものね。どういう結末になってもきっと私は納得しないんだろうけど、漫画は完結しても日常は続いていくので、そういうものだろう。 色々な意味でお腹が痛くなる漫画だった。






 ボーダー(全2巻)/渡辺ペコ (著)

ボーダー 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)/渡辺ペコ

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ボーダー 2 (ヤングジャンプコミックス)/渡辺 ペコ

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Arikaアイコン(小)1林檎から始まるボーダーレス・ストーリー!
ジェンダー、性同一性障害について、性別のボーダーを越えた恋愛漫画。

主人公の大学生・清田はいい感じの駄目男。ひったくりを林檎ヒットで撃退した綺麗でかっこいいお姉さんに恋をした。友人桜井のピンチを救ってくれた“きれいなお姉さん”が気になって仕方がない。少しずつ親しくなりながらも微妙な距離を保とうとする種田さんにはある過去があり……それは恋した相手・種田さんは3年前に性転換した元・男。しかもバツイチの一児の父親だった。戸惑いながらも清田は、その想いを止めることができない。秘密を知っても清田は彼女を知りたいと思っている。 種田さんはまさにタイトルにある「ボーダー」を越えたひとなのですが、年齢の差、立場の差、セクシュアリティの差を、果たして二人は超えていくことができるのだろうか? 

『にこたま』がセックスとしての性を描いたものだとしたら、こちらはジェンダーとしての性がテーマ。お話の軸は恋愛がメインで進んでいくけど、根っこのテーマが重い。そしてタイトル『ボーダー』が言いえて妙というか。性の境界、社会人と未社会人の境界、オフィシャルな自分とプライベートな自分の境界、友人・桜井の恋人かセフレかの境界etc…。男女を区別しているのは、見た目なのか、思考なのか、行動なのか。周りから見ると、わざわざボーダーレスな種田さんへ飛び込んでいく事に首を傾げてしまいたくなるでしょうが、当の本人・清田はとても真っ直ぐで、秘密を知っても女性的魅力爆裂な種田さんに惹かれてしまう。「林檎」がモチーフとして使われているところは上手。 これ、青年誌連載なんですけど、この世で性を受けて生きてる人間全てに、おすすめの作品。人間関係が複雑だけどどの人もとっても興味引くし、1巻ではそれぞれがボーダーとどう戦っていくのか先が楽しみであり、2巻ではどう話を料理させるのかワクワクさせる。セクシュアリティが〝趣味〟と元妻に言われることはなんとも言い難い気持ちになるが、自分の性差に気づき、人生をやり直した種田さんの人生の第2ステージは有りだと思う。1巻の3話から4話の流れは好きです。

渡辺ペコ先生が描くちょっとかっこ悪い感じの男子はとても愛おしい。 静かに流れる時間と、丁寧に描かれる心の機微、ストーリーの根の深さは相変わらず。「フツウ」って実はけっこう曖昧なものなのかもな、ってこの作品を読んで思う。多数決で多いほうが「フツウ」。産まれた時の性別のままで生きるのがフツウ。異性に恋をするのがフツウ。好きになったらその先に進みたくなるのもフツウ。でもそうじゃない側と比率が逆転したら、フツウの定義なんかなくなるよね。性同一性障害を扱ったものはやっぱり興味深い。というかこの作品が面白い。種田さんがいつから自分の中の性に気付いたのか、気付いてもなお結婚・父親になるのに至ったのか、そして清田は桜井の言う「イバラの道」を進んでいくまでの葛藤や決意の過程を現実味静かに時間が流れていく作品。いまのこの時代で、ギリギリあり得るんじゃないかと思える理想を提示して終わる。それが私には心地よく、読んでよかったと思える。多様なあり方、生き方が尊重される世の中になるといいな。





渡辺 ペコ(わたなべ ぺこ)

1977年 生まれ。北海道札幌市出身。

2004年、『透明少女』でヤングユー新人まんが大賞ゴールド大賞を受賞し、『ヤングユーカラーズ』(集英社)に掲載されデビュー。以後、『ヤングユー』や『コーラス』(いずれも集英社)、『Eleganceイブ』(秋田書店)、『マンガ・エロティクス・エフ』(太田出版)、『月刊モーニングtwo』(講談社)、『FEEL YOUNG』(祥伝社)などで活躍。

☑作品リスト
蛇にピアス(2004年、ヤングユー、集英社、原作:金原ひとみ) - 原作者金原ひとみとの対談を併録。
東京膜(2005年、ヤングユー、集英社)
変身ものがたり(2006年 - 2008年、Eleganceイブ、秋田書店) - 川上弘美との対談を併録。
ラウンダバウト(2007年 - 2008年、コーラス、集英社、全3巻)
キナコタイフーン(2007年 - 2012年、マンガ・エロティクス・エフ、太田出版、既刊1巻)
にこたま(2009年 - 2012年、月刊モーニングtwo、講談社、全5巻)
ペコセトラ(2010年、祥伝社、新装版:2014年、幻冬舎) - 短編集
ボーダー(2011年 - 連載中、ジャンプ改、集英社、全2巻)
昨夜のカレー、明日のパン(2014年 - 連載中、comicスピカ、幻冬舎コミックス、原作:木皿泉)

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