(大人の心を揺さぶる絵本)悪いことをして罰があたった子どもたちの話/エドワード・ゴーリー (絵) ヒレア・ベロック(文) 柴田 元幸(訳)

2016/10/11 (Tue)

子どもだけのものにしておくなんてもったいない!
時に心の癒し、時にイマジネーションを刺激する、大人のためのとっておき絵本をご紹介。
ギフトにもお薦め!

≪その2≫心をリフレッシュさせたいときに、
感性と好奇心を刺激する絵本
悪いことをして罰があたった子どもたちの話/河出書房新社

¥1,080
Amazon.co.jp

ゴーリー風味で味つけした素晴らしくも哀しいものがたり。
母乳から逃げてライオンに食べられた男の子、嘘をついたせいで焼き死んだ女の子・・・など欧米の教訓絵本。物憂げでブラックな独特の世界観からクリエイターの間でもファンが多いゴーリーが、似非教訓物語に挿絵をつけた絵本。短いものは扉絵を含めて3ページ、本編はいち見開きのみというものもある。しかし、奥行きのある世界が広がっている。ベースとなる物語は1907年に刊行され、ゴーリーの挿し絵となったこの絵本が刊行されたのは、2000年のゴーリーの死後の2002年のこと。ヒレア・ベロック(1870-1953)による「子どもたちのための訓誡物語」(1907)には12篇の物語が納められ、そのうちの7篇にゴーリーが絵をつけている。全編に絵がつけられなかったのはゴーリーが亡くなったため、と翻訳者は推理している。これは特に柴田元幸さんの遊び心ある訳が素晴らしい。アルジャーノンのオチで「なんたる不届きアルジャーノン 銃で遊んじゃ 駄目じゃNON!」 ダジャレみたいなこれ、好き。クセになりそうな一冊ケロ♪
- 関連記事
-
- 〈ぬくもり⑤〉花になった子どもたち (世界傑作童話シリーズ) /ジャネット・テーラー ライル(作) 市川里美 (画) 多賀京子 (訳) (2019/02/14)
- 〈ぬくもり①〉そのぬくもりはきえない/岩瀬 成子(著) (2019/02/10)
- (12月の特集本)The Snow Queen 雪の女王 /ハンス・クリスチャン アンデルセン(著) サンナ アンヌッカ(絵) 小宮由 (訳) (2018/12/15)
- (12月の特集本)ホワイトクリスマス 「雪」 /カロリーナ・ラベイ(絵) ウォルター・デ・ラ・メア(詩) 海後礼子(訳) (2018/12/13)
- (12月の特集本)アナと雪の女王 オラフのはじめてのクリスマス /ジェシカ・ジュリアス(著) オルガ.T・モスケーダ(絵) さいとうたえこ(訳) (2018/12/12)
- (12月の特集本)思いがけない贈り物 /エヴァ ヘラー(著) ミヒャエル ゾーヴァ (絵) 平野 卿子 (訳) (2018/12/11)
- (12月の特集本)サンタが空から落ちてきた/コルネーリア・フンケ(著) 浅見昇吾(訳) (2018/12/10)
- (8月の特集本)あいたかったよ/エルズビエタ(作) こやま峰子(訳) (2018/08/12)
- (8月の特集本)アリマス国とアリマセン国―アリ王国物語/鬼頭 隆 (作) タツトミ・カオ(絵) (2018/08/11)
- (8月の特集本)戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ―作者レイ夫妻の長い旅/ルイーズ・ボーデン(文) アラン・ドラモンド (絵) 福本友美子(訳) (2018/08/10)
2016年秋、火曜ドラマ『彼岸島 Love is over』≪ | HOME | ≫(大人の心を揺さぶる絵本)いのちあふれる海へ/クレア A・ニヴォラ(作) おびかゆうこ(訳)
コメントフォーム

この記事へのトラックバック

この記事のトラックバックURL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
2016年秋、火曜ドラマ『彼岸島 Love is over』≪ | HOME | ≫(大人の心を揺さぶる絵本)いのちあふれる海へ/クレア A・ニヴォラ(作) おびかゆうこ(訳)