《新解釈のキャラで読む古典文学文庫3》見直され続ける古典キャラたち [平安] 時代

2016/11/26 (Sat)
新解釈のキャラで読む古典文学文庫
時代が変われば、キャラも変わる!?
数百年、数千年もの間、読み継がれている古典文学の名作。
「教科書で習ったけど面白くなかった」
「タイトルは知っているけど、読むには敷居が高い」という人も多いのでは?
でも、ちょっと視点を変われば、悪人キャラが英雄に変貌したり、
高貴なイメージの女性作家が実は女子校ノリだったり。
古典キャラクターは”時代が共感”できる姿に変貌する。
独自の解釈で魅力を増大をさせている古典文学文庫で、素敵な古典との出逢いや、古典の新しい楽しみ方を見つけましょう!

平清盛だけじゃない!

時代や流行の変化に合わせて、権限自在にイメージチェンジを続ける古典キャラクター。
新解釈が原作をさらに輝かせている名作古典を、時代別にご紹介。
謎深き時代が新解釈を生む!?.......[平安]時代
源氏物語 千年の謎<源氏物語 千年の謎> (角川文庫)/高山 由紀子

¥価格不明
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読みはじめたら止まらない、全く新しい「源氏物語」の誕生!!
類い稀な美貌を持つ、日本文学史上最強のプレイボーイ光源氏。藤壺、六条御息所、夕顔、そして正妻・葵の上らとの絢爛豪華な愛憎絵巻に、作者・紫式部の住む”現実”世界がクロスオーバーする。おまけに、魑魅魍魎を退治するため、陰陽師・安倍晴明も時空を超えて参戦。「光」の謎が、今、明かされる―――。本作では、源氏物語を現代向けにアレンジしたストーリーに仕立てて光源氏の少年から青年になりかかるくらいの時期を描き、咲き乱れる花のように趣の違う女たちが登場するのだが、そこに作者の紫式部と藤原道長の交差する運命を絡ませて交互に話が進んでいく。加えて、安倍晴明も登場して百鬼夜行も出てくるあたりが謎深き平安ロマンに浸れる。そのバランスと、雅やかな宮中の様子や賑やかな宴の様子が目に浮かぶかのように書かれた著者の表現の緻密さが良かった。式部の『源氏物語』が千年以上経って今の時代に続いているのも、作中の人物や当時の生活を細かく書き上げながら美しいものを追う心の様や儚さが物語の中に流れているからかもしれない。もう一度、原作である『源氏物語』を読んでみたいと思った。
恋する伊勢物語 (ちくま文庫)/筑摩書房

¥583
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これって、「恋の見本市」?――『伊勢物語』を現代語訳した恋愛歌人による、恋愛エッセイ。自作の歌も織り交ぜながら、当時の恋の必修科目=短歌を通じて平安の男女間の機微をひもとく。物語のモデルといわれる色男・在原業平が交わしたであろう甘~い言葉の応酬は、現代の恋の駆け引きのヒントにも。平安貴族のプレイボーイは、ウルトラ不倫あり、結婚モラトリアムあり、ナンパあり、有名なゴシップあり、告白できなかった恋あり、妻公認の浮気あり、自然消滅あり(もう何でもあり)。恋愛のパターンは今も昔も変わらない。古典の勉強はちょっと若手、という人にもこれならきっと好きになる、恋する受験生の必読書。
平成9年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
今昔物語(上)―マンガ日本の古典 (8) 中公文庫/中央公論新社

¥637
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今昔物語(下)―マンガ日本の古典 (9) 中公文庫/中央公論新社

¥637
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マンガ界の異能が一千余話から選りすぐった説話は、異形のものが蠢く物語の数々。今も昔も変わらない人間の欲望を活写し、芥川龍之介の小説『薮の中』『鼻』をはじめ、映画、劇画にも多く取り上げられた、面白うて、やがて恐しき物語の数々。死神、妖怪・産女、色狂い、寸白(サナダムシ)男と出るわ出るわの面妖づくし。しかし、げに恐ろしきは、現世の女!? いにしえの世界と交信することで、水木ワールド特有のエロスとユーモアがさらに弾ける至芸の一作。今日に通じるテーマは古さを感じず古典と思えないし、さすが古典として残る作品とも言える。上巻・下巻ともに読み応え充分。エッチさも大きな差は無い。でも「安倍晴明」が出てくる下巻がより水木マンガの真骨頂を味わえるように思える。 これは間違いなく水木先生と原作『今昔物語』の幸福な出会いの賜物であります。
枕草子REMIX (新潮文庫)/新潮社

¥562
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種(ゲス)、ブス、田舎者が大嫌い。嫉妬深くて、意地悪で、自分より身分低い奴とかには一切容赦なし!専業主婦的な女性に対して「エセ幸い(ざいわい)」と言い放つ!いっそ潔いほどの悪口、ミーハーで無邪気なモテ自慢、、もう誰も止められない男非難…そしてぽろりと見せる女心。 明るいことばかり書いてあるにも関わらず、清少納言がドン底の時に作られたというのも印象的。「春は、あけぼの~」という美辞に続くのは、歯に衣着せぬ清少納言の本音の嵐だった……。上品で高貴な印象が強い随筆集の裏を、「負け犬」ブームの火付け人が暴露。枕草子に関する愛&棘のあるエッセイや、原文の解説、さらに著者と清少納言との「対談」がREMIX状態! 働く女で、子どもはいるけど、たぶん離婚状態。そんな清少納言は、2004年の著者のベストセラー『負け犬ぼ遠吠え』で書いた愛すべき負け犬みたいでもある。男に伍するところがあって「女受けがいい」というのも負け犬と共通している部分です。頭がいいので、周囲の笑いも取れる。そして、意地悪で(笑)。人気者として活き活きと生きる清少納言は、読んでいて小気味よいです。
ズバズバ厳しい清少納言でありますが、実は上司である定子様にはかなりデレッデレだったらしいんですよ。そのギャップがなんか萌える!! 2人の相思相愛ぶりはすさまじく、ほとんど百合姉妹✨ 「2次創作せい!」と思ってたら既にされてた(姫のためなら死ねるってマンガw)。古典嫌いでオタ気味の人はまず『枕草子』から読んでみてはw( *´艸`) 萌えるかも?
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