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大人本セレクト(105)…とっておき国内幻想文庫3冊 [幻坂/たけこのぞう/はかぼんさん―空蝉風土記]

kage

2016/11/18 (Fri)

■大人だから楽しんで読める、大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!
Arikaおとな本1
VOL・105

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、とっておき国内幻想文学3冊

 幻坂/有栖川有栖(著)

坂の側に咲き乱れる山茶花の花に、幼い頃死んだ友達を偲ぶ「清水坂」。

自らの嫉妬のために、恋人を死に追いやってしまった男の苦 悩が哀しい「愛染坂」。

大阪で頓死した芭蕉の最期を描く「枯野」など粒ぞろいの9編


幻坂 (幽BOOKS)/メディアファクトリー

¥1,728
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Arika報告書v1アイコン今年は割と日本の古層やノスタルジア・エイジを怪奇幻想の視座から掘り起こしたり、見つめ直そうとする小説を相次いで読んだ。その中でも断然、筆頭に挙げるべきが本書です。大阪の地震の「糸より細い声」に耳かたむけて成ったジェントル・ゴーストストーリー集。怪談における慰霊鎮魂とは何かを、雄弁に示した書でもある。




 たけこのぞう/大濱 普美子(著)

絵が現れ出た瞬間、時の船は過去へと遡行して、

耳奥に残った紙のざわめきが、舳先の切り進む波の音に聞こえた。

日常のなかに仄めく幽かな異界との交感。

夢と現、幻視と写実が交錯する、無気味で不思議な味わいの幻想譚6篇を収録。


たけこのぞう/国書刊行会

¥2,376
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・目次
猫の木のある庭
フラオ・ローゼンバウムの靴
盂蘭盆会
浴室稀譚
水面
たけこのぞう

Arika報告書v1アイコン人の世の秘奥に迫るジャンルゆえか、怪談や幻想文学畑では人生の半場を過ぎてデビューする方が少なくない。2013年の最優秀新人たる本書の著者も、その典型。落ち着いた筆の運びで、作中人物と怪異や幻視との関わりが稠密に描き出され、夢中になって読み進めるうちに突き抜けた感興が到来する。特に「浴室稀譚」と「盂蘭盆会」は絶品。




  はかぼんさん―空蝉風土記/さだまさし(著)

良え子にしとかんと、はかぼんさんが来るえ……

“吟遊詩人”さだまさし、初の幻想小説!


はかぼんさん―空蝉風土記/新潮社

¥1,728
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Arika報告書v1アイコン国民的歌手と称すべき著者が小説の技称にも優れていることはかねて承知していたものの、まさかホラー・ジャパネスクもしくは「ふるさと怪談」ど真ん中の連作集を手がけるとは予期せぬ欣快事であった。日本各地の不可思議な伝承をモチーフに、ときに哀切、ときに幻妖、巧緻な「譚」を織りあげる虚実皮膜の手腕に酔わされた。





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