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≪文学世界、絢欄たる痴㈡≫金色の死 谷崎潤一郎 大正期短編集/谷崎潤一郎(著)

kage

2016/12/05 (Mon)

谷崎潤一郎の世界a

谷崎潤一郎の没後51年目の2016年。

明治・大正・昭和の長きにわたる作家生活で、

数多くの傑作を生み出した文豪の魅力をひもとく21冊をご紹介。

耽美にして繊細、それが私が谷崎潤一郎に抱くイメージです。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika

文学世界、絢欄たる

 金色の死 谷崎潤一郎 大正期短編集/谷崎潤一郎(著)

金色の死 (講談社文芸文庫)/講談社

¥1,404
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Arikaアイコン(小)1谷崎の大正期は、独自の思想を希求し、試行錯誤を繰り返した時代
江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えた表題作、「人面疽」「小さな王国」「母を恋うる記」「富美子の足」「途上」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群7篇を収録。題名となった「金色の死」は作者がその存在を後に隠そうとした作品として有名。この大正期は自身にしてみたら、処女作ふくめ執筆活動の極めて初期に、早くも到達してしまった文学的着地点から、何とかして次の段階に抜け出そうと、もがいていた時代だけど、逆にいえば、この時期は純文学の枠内に収まらずに、作家としていろいろな物語の形式を試していた実験と彷徨の日々。快楽追及の時代といえます。筋の面白さはもちろんだが、変態性と芸術性の危いバランスが絶妙。特に「富美子の足」は、どんだけ足フェチなんだよ!と突っ込みたくなるくらい足への執着に対する冷静な解析と執拗な筆致にしている。変態と天才は「紙一重」どころかもう「同等」でいいんじゃなかと思う。「『金色の死』を自ら否定したときから、谷崎氏は自殺を否定したやうに思はれる」とは三島由紀夫の言葉だが、両者の文学性の違いを比較する材料としても実に興味深い。
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