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≪谷崎に多大なる影響を与えた師②≫サロメ/オスカー・ワイルド(著) 平野 啓一郎(訳)

kage

2016/12/11 (Sun)

谷崎潤一郎の世界a

谷崎潤一郎の没後51年目の2016年。

明治・大正・昭和の長きにわたる作家生活で、

数多くの傑作を生み出した文豪の魅力をひもとく21冊をご紹介。

耽美にして繊細、それが私が谷崎潤一郎に抱くイメージです。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


谷崎に多大なる影響を与えた

 サロメ/オスカー・ワイルド(著) 平野 啓一郎(訳)

サロメ (光文社古典新訳文庫)/オスカー ワイルド

¥782
Amazon.co.jp



Arikaアイコン(小)1月光が照らすは妖しき王女の姿、
血とくちづけ、無邪気と残酷が同居する背徳の美

宮本亜門演出の舞台のため平野啓一郎が新訳を担当。「さ、欲しいものは何だ、サロメ?」「ヨカナーンの首」。継父であるヘロデ王を利用して、自らの欲望を叶える妖艶な処女を描く戯曲。従来の妖艶で狂気を孕んだイメージより、もっとピュアな少女としてのサロメ像が浮かぶ。サロメは俗に言うヤンデレなのかと思った。純真な美しい姫サロメが、美しい預言者ヨカナーンに対する純粋な欲望が軸にあり、それをとりまく王、王妃などの心の動きが、とても美しく生々しく描写される。「お母様なんて関係ない。ただ、私だけの悦びのために欲しいの、銀の大皿に載せたヨカナーンの首が」――己の愛を拒絶した預言者・ヨカナーンを処刑するよう、義父王へおねだりする妖艶なサロメ。王女サロメが預言者ヨカナーンの生首にキスする。直後、ヘロデ王はサロメの殺害を命じる。サロメの最初で最後の恋は、ある意味絶頂で悲劇の幕を下ろした。

短い話だけど、その中で登場人物一人ひとりは別の相手を見て、想いはかなわない。対象を見すぎる者と、見すぎることは災いを招くと非難する者。王はサロメを見て、サロメはヨカナーンを見て、ヨカナーンは神を見て、ヘロディアはなにも見ていない、空には月が浮かんでいる。視線の不一致が物語るように、登場人物は決してお互いを理解することがない。ここに登場する全ての人間は心をみな何かに囚われている。神であり、肉欲であり、権力であり。「見ること」によって、彼らの欲は刺激され、肥大してゆく。

耽美主義的な作風で谷崎はもちろん、三島由紀夫にも大きな影響を与えた世紀末の文豪オスカー・ワイドの代表作。解説によると三島由紀夫が初めて自分のお金で買って読んだのがワイルドの『サロメ』だそうで、『金閣寺』にも影響する節があるとのこと。そういえば三島の小説の登場人物もサロメのようなクールな快人物が多いよね、納得!!平野啓一郎氏の新訳は読みやすく、分かり易く、入門としては良いのではと思う。読み応えもあるし可愛いサロメが読みたい人向け!





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