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(チョコ気分が高まる本)貧乏サヴァラン/森 茉莉(著) 早川暢子(編)

kage

2017/02/04 (Sat)

2017年2月のテーマ特集本
チョコ1b

バレンタイン目前でチョコが食べたくなる2月前半、

チョコ気分がさらに高まる本をご紹介。

チョコレート本で気分を盛り上げ、いざショップへ!!

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


 貧乏サヴァラン/森 茉莉(著) 早川暢子(編)

貧乏サヴァラン (ちくま文庫)/筑摩書房

¥価格不明
Amazon.co.jp





Arika報告書v1アイコン食いしん坊で料理上手な「贅沢貧乏」なお嬢様。
貧乏ながらも一流を知り本物志向であった茉莉の食の感性が光るエッセイ

森鷗外の実娘でもある随筆家・森 茉莉によるエレガントな文体の食エッセイ。。「苦しさも暗さも後になって振り返れば切ない歓びだ。美味いものには辛さもある。苦みもある。生きている歓びや空気の香い、歓びの味、それがわからなくてなんの享楽だ。」食いしん坊で料理上手な「贅沢貧乏」森茉莉の姿が伝わってくる。

森茉莉は、ほんとうに食に限らずすべてに好き嫌いが激しくて、時々本人が反省してしまうほどの「食いしん坊」。しかし例えば、好きな「卵」の『形』からの賛辞に始まる一文は、「卵」への恋文かのように愛情に溢れている。本当に気に入ったもの、美味しいと思えるものを深く愛しみ、それらに囲まれて日々過ごすことを善しとした彼女は、貧乏も味わったが、誰よりも間違いなく贅沢でもあった。永遠のお嬢さま・お姫さまであるにもかかわらず、それほどイヤミな文体にならないのは、やはり育ちがものを言うのか登場する食べ物にただただうっとりしてしまう。

チョコレエト、クリイム、ウィスキイ ・・・こんな単語が、古風で耽美的な文の中に溶けていて、ノスタルジックな気分に浸れる。古典的な(?)漢字の使い方も、素敵。自らを「いいお年の、平たく言えば婆さん」と言い、チョコレエトを「コカイン的な嗜好品」と比喩する。そんなストレートな物言いが気持ちいい。チョコレートに関する思い出や、大人の嗜好品としてのチョコレートへの思い入れがつづられる。ホットチョコレート飲みたい。父・鴎外と家族、結婚生活のことなど、食以外のことも興味深い。食い意地とか、(料理以外の)家事の出来なさとか、いや鴎外子育てを完全に誤ってますよね・・と思うものの、何があろうと卑屈になることがない軽やかさはこの社会に適応しづらそうな茉莉の唯一無二の武器で、何だかいいな…。好きなものだけに囲まれ、好きなものを作って食べて、それをなにより大切にして楽しむ生活。ひとりの寂しさや人と比べることなんて全く意味ない、我が道を突き進むような生き方はある種、理想的でもある。貧乏でも本当の贅沢を知っていた茉莉お嬢様の感性が光る1冊。

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