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(3・11を心に刻む「あの日」を思う本)やがて海へと届く/彩瀬 まる (著)

kage

2017/03/05 (Sun)

2017年3月のテーマ特集本
東日本大震災3・11

死者、行方不明、そして震災関連死を含めると2万1000人を超える犠牲者を出した(2016年2月警視庁発表)東日本大震災。

歳月を経た今だからこそ、語れる言葉思いがある。

「あの日」を思う。

もう一度、3・11を心に刻む。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


悼む、そして生きていく物語(1)

 やがて海へと届く/彩瀬 まる (著)

やがて海へと届く/講談社

¥価格不明
Amazon.co.jp

すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなった―親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるが―。死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語。



Arikaアイコン(小)1死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語
地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなった――。  友人を東日本大震災で失った主人公・湖谷さんのお話。重ねて、職場の上司も、違う理由だが、失ってしまう。友人の死を、友人の家族や恋人は、徐々に受け入れて前を向いていこうとしている。でも、自分は忘れたくないし、受け入れたくない。そのはざまにいる主人公はその事実を、両手で大切に抱え葛藤して岩のようにしてしまっている。痛みに寄り添うこと、その死から離れていくこと。死者に切実であるためにはどうすればいい? 震災で消息を絶った親友の不在をめぐって繰り広げられる、喪失と再生の物語。さよならを言えなかった経験を持つすべての人必読の長編小説。どこに共感するかは人それぞれだが、悼む形は違っても、根っこの切実な思いはきっと同じなのだろう。年齢を重ねれば、誰しも身近な人の死を経験するし、自らの死についても、考えずにはいられない。いつ死ぬのか、どういうふうに死ぬのか、そして自分はその死を受け入れられるだろうかと…。単純な喜怒哀楽では表現できない、グッと胸を突かれるような痺れる表現も多々あり、じっくり読書に費やす時間があるときに、主人公・湖谷さんを見守る気持ちで読むのがいいと思う。 とてもよい小説だった。

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