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(3・11を心に刻む「あの日」を思う本)春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと /池澤 夏樹(著) 鷲尾和彦 (写真)

kage

2017/03/01 (Wed)

2017年3月のテーマ特集本
東日本大震災3・11

死者、行方不明、そして震災関連死を含めると2万1000人を超える犠牲者を出した(2016年2月警視庁発表)東日本大震災。

歳月を経た今だからこそ、語れる言葉思いがある。

「あの日」を思う。

もう一度、3・11を心に刻む。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


≪ノンフィクション≫
5年を経て。
悼む、そして生きていく(1)


 春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと
 /池澤 夏樹(著) 鷲尾和彦 (写真)


春を恨んだりはしない - 震災をめぐって考えたこと (中公文庫)/中央公論新社

¥価格不明
Amazon.co.jp

薄れさせてはいけない。あの時に感じたことが本物である―罹災者の肉声、災害と国民性、ボランティアの基本原理、エネルギーの未来図…。被災地を歩き、多面的に震災をとらえて大きな反響を呼んだ唯一無二のリポート。鷲尾和彦による写真十六点を収録。その後の東北をめぐるエッセイを新たに付す。


Arikaアイコン(小)1季節はめぐり、また春はやって来る。
悲しい思い出を連れて来ても、春を恨んだりはしない……。

3・11直後の東北を歩き、罹災者の声に耳に傾け、言葉を綴った池澤夏樹による震災ルポが文庫化。池澤氏が見た震災直後の被災地の様子、原発とエネルギーの問題、政治の問題など、100ページ余りの中に静かに深く力強く記されている。途切れない偽善と自己満足の自問自答。被災地という言葉の無神経さ。そんなに悩んでも、それを文章にしてしまうと、やっぱり嘘くささが紛れ込んでしまうけど、今では書けない心の動きを残してくれたことに意味が有ると思います。哲学的な記述も多いが、自然と人間の関係が論理的に説明されていて、納得できる。経済が~、政治が~、という人間中心の視点では気づかないであろうことを語ってくれているように思う。印象的な鷲尾和彦氏のモノクロ写真。鷲尾氏の写真は、被写体の語りかける思いが感じられて何度も繰り返して見た。

まえがきには、「これらすべてを忘れないこと。今も、これからも、我々の背後には死者たちがいる」とし、池澤氏が震災以来ずっと頭の中で響いていたというシンボルスカの『終わりと始まり』の詩を引用し、震災による何万という人の死に思いを馳せている。5年を経た今だからこそ書ける、この国の未来を憂える苦いあとがきも収録。教訓として割り切るには”あの日”はまだあまりに生々しい。時は流れ、春がくる。そして、これでもかというくらい桜の花も咲く。大いなる意志があるような気にすらなる。それはそれで、受け入れるしかない。ただ、そこで思い出さないといけないことは多い。忘れてはならないという、よく耳にするが、やはり、難しい部分があるのが現実でもある。「春を恨んだりはしない」いつか、福島にも、春がやってくるのを、待ち続ける。





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