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(4.5月特集)『古典』古くて良いもの〈古典芸能〉お能編

kage

2017/04/30 (Sun)

2017年4月‐5月《前半》特集本
古典1a

堅苦しくて難しいという印象でも、

奥が深くて知れば知るほど面白くなってくるのが「古典の魅力」です。

現代向けに編集された本を案内役に、歴史をさかのぼってみませんか?


アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika


〈古典芸能〉お能編

日本の古典芸能。

今に伝える技を楽しむべく、に注目した本を紹介。

日本の伝統芸能である能楽の一分野。

江戸時代までは猿楽と呼ばれ、狂言とともに能楽と総称されるようになったのは明治維新後のこと。

室町時代に大成したふたつの古典芸能のひとつを知る。

現存する世界最古の舞台演劇……それが、日本伝統芸能のです。



能は知識ではない。ただ、美に浸ればよい。
 お能の見方 /白洲正子・吉越立雄(著)

お能の見方 (とんぼの本)/新潮社

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アイコンりすお能の見方 /白洲正子・吉越立雄(著) 【2017/04/05】





わずかな動きに、深い精神性が宿ります。
 能の見える風景/多田富雄(著)

能の見える風景/藤原書店

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アイコンりす能の見える風景/多田富雄(著) 【2017/04/06】




日本の古典芸能「能」が絵本になりました。
 舎利―韋駄天と足疾鬼/文:片山清司 絵:小田切 恵子

舎利―韋駄天と足疾鬼 (能の絵本)/片山 清司

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アイコンりす舎利―韋駄天と足疾鬼/文:片山清司 絵:小田切 恵子 【2017/04/07】



能楽師の視点で、能の世界をわかりやすく描く。
 花よりも花の如く(1~16巻)/成田美名子(著)

花よりも花の如く 1 【電子限定特別編集版】 (花とゆめコミックス)/白泉社

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アイコンりす花よりも花の如く(1~16巻)/成田美名子(著) 【2017/04/11】



古典や民俗学に通じた著者ならではの「読みかた」
初めて能を観に行く際は、ぱっと3ページ読んでからお出かけてください。

 能の読みかた/林望(著)

能の読みかた (角川ソフィア文庫)/KADOKAWA/角川学芸出版

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アイコンりす能の読みかた/林望(著) 【2017/04/26】




美しく幻想的な「能」の世界へようこそ!!
演目を「男」「女」「鬼」にジャンル分けて能の魅力をわかりやすく解説

 新版 あらすじで読む名作能50選  
   /多田 富雄 (監修)  森田拾史郎(写真)


新版 あらすじで読む名作能50選 (日本の古典芸能)/世界文化社

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アイコンりす新版 あらすじで読む名作能50選/多田 富雄 (監修)  森田拾史郎(写真)【2017/04/27】




観世流家元と稽古歴17年の思想家が語りあう“目からウロコ”の入門書
 能はこんなに面白い!/内田樹・観世清和(著)

能はこんなに面白い!/小学館

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アイコンりす能はこんなに面白い!/内田樹・観世清和(著) 【2017/04/28】




見開き12コマで能の物語の筋が漫画でわかる入門書的能事典
 まんが能百番/作画:渡辺 睦子 解説:増田 正造

まんが能百番/平凡社

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アイコンりすまんが能百番/作画:渡辺 睦子 解説:増田 正造 【2017/04/29】


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■能楽事典の解説■
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■日本の伝統芸能としての能

【いつ頃?】…室町時代初期(約600年ほど前)に、神に奉納する一般の人々の間で流行していた『申楽(さるがく)』や『田楽(でんがく)』 をベースに作られた、いわば日本オリジナルのミュージカルです。

【誰が?】…美男子として有名だった世阿弥(ぜあみ)さん、その父親の観阿弥(かんあみ)さん が、当時の権力者に気に入られ、国の重要な宴会で舞台を催すことが多くなり、権力階級の間で流行 していきました。

【その後】…芸術作品として価値を認められつつ、戦乱の時代に衰退することがありながらも、絶えることな く現代まで受け継がれ、伝統的な芸能となりました。そして、世界にその存在を認められ、2001年に世界無形遺産 の第一号として認定されました。


■能の演目は、5つ(神・男・女・狂・鬼)のジャンルに分類されます。

神のジャンルは、脇能とも呼ばれます。
ここには、神を主人公とし、めでたい内容のものが多く含まれます。

男のジャンルは、修羅能とも呼ばれます。
これは、修羅道へ堕ちた武将の亡霊などが主人公として登場するものです。

女のジャンルは、鬘能とも呼ばれます。
これは、死してなお恋心に苦しむ女の亡霊などが主人公として登場するものです。

狂のジャンルは、雑能とも呼ばれます。
ここには、他のジャンルに含まれない雑多な内容が分類されます。
代表的なものとして、物狂いが主人公となったものや、現在進行形で物語が展開する「現行能」などが分類されます。

鬼のジャンルは、切能とも呼ばれます。
ここには、鬼や天狗などが登場し、音楽的にも早いテンポで派手な展開をするものが多く分類されます。

このように、内容に応じてそれぞれのジャンルに分類される能の演目ですが、観る側にとって共通するポイントがあります。
それが、終演後の余韻ではないでしょうか。


■主人公であるシテの役柄によって大きく五つに分類されています。
┣初番目物(脇物能)・・・神様がシテです。
┣二番目物(修羅物)・・・戦で修羅道におちた武将の亡霊がシテです。
┣三番目物(鬘 物)・・・・源氏物語などのヒロインや、草木の精などの女がシテです。
┣四番目物(雑 能)・・・・他の分類に属さない能で、狂女や唐人などがシテとなります。
┣五番目物(切 能)・・・・主に人間以外の鬼や天狗、妖精などがシテです。見た目の派手な曲が多くあります。


■作品の分類
(1)初番目物(脇能物) 
┣『高砂』『老松』『賀茂(かも)』『白髭(しらひげ)』『西王母(せいおうぼ)』など38番。
神霊の祝福の能である。

(2)二番目物(修羅物) 
┣『清経』『敦盛(あつもり)』『八島(やしま)』『頼政(よりまさ)』『巴(ともえ)』など16番。
修羅道に落ちた武人の霊が救いを求めて現れる能で、そのほとんどが敗戦の苦を扱い、またロマン的な色彩が濃い。

(3)三番目物(鬘物) 
┣『井筒』『野宮』『定家』『松風』『杜若(かきつばた)』『熊野(ゆや)』『大原御幸(おはらごこう)』など39番。
女性をシテとし、能の理想とする幽玄味のもっとも濃いもので、能のなかで最高に位置する。

┣『関寺小町』『檜垣』『姨捨(おばすて)』の老女物は、至高の能とされる。

(4)四番目物(雑能物) 
┣他の曲籍に含まれぬすべての能を一括する。
┣鬘物としても扱われる『西行(さいぎょう)桜』『雲林院』など4番。
┣『雨月』『三輪』など脇能に近い曲柄8番。『班女』『三井寺(みいでら)』『隅田川』『弱法師』などの物狂い能25番。
┣『花月(かげつ)』『東岸居士』『自然居士』の美少年の能。
┣『邯鄲(かんたん)』『枕慈童(まくらじどう)』などの中国種の能7番。
┣『通小町』『善知鳥(うとう)』などの地獄の能8番。
┣『葵上』『道成寺』『綾鼓(あやのつづみ)』など怨霊(おんりょう)の能8番。
┣人情味の濃い『俊寛』『鳥追舟(とりおいぶね)』など9番。
┣『安宅』『夜討曽我』など直面の武士の能20番。
ドラマチックで人気のある曲柄である。

(5)五番目物(切能(きりのう)) 
┣フィナーレ用の豪快あるいは爽快(そうかい)な能の一群。
┣『野守』『鵺』『船弁慶』『黒塚』『鞍馬天狗』『融』『当麻(たえま)』『石橋(しゃっきょう)』『猩々』など51番。
 
この能の曲目の籍には流動性もあり、略脇能、略三番目物という扱いで番組編成の融通がつけられている。
現在では五番立ての演能形態はほとんどまれで、1日1~3番が常態となっている


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■伝統的な音楽
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能舞台には、役者の他に、音楽を奏でる役割の人々が登場します。囃子方(はやしかた)と 呼ばれる楽器担当者と、地謡(じうたい)と呼ばれるコーラスです。囃子方(能の音楽)には、小鼓大鼓太鼓の4人がいます。そして地謡(じうたい)の声によって構成された8人から10人のグループです。

笛(フエ)…能楽師の中で、唯一、声を出さないパートであり、それでいて、最も大きな音が出る楽器♪
リコーダーやフルートなどの笛は、先端に近い方から指を離していくことで、ドレミファソラシドという音階に沿って音を出すことができますが、能管は、そのように指だけで音階を表現することができない作りになっています。 その代わり、能管は「ひしぎ」という大音量の音を出す為に、他の笛とは全く異なった内部構造を持っています。 幽かさに通ずる音階のゆらぎと激しさを生み出すひしぎ。こうした工夫によって、能の笛の音が奏でられるのです。 囃子方(はやしかた)のひとつ。

小鼓(コツヅミ)…ポン、ポポン! という柔らかな音が響く楽器♪
桜の胴に、調緒(しらべお)という麻紐で、馬皮を張って組み立てます。演奏中に、皮を舐めたり、息を吹きかけるなどして湿らせつつ叩きます。叩くときに、皮を張っている調緒を握り締めたり、緩めたりすることで、音に変化をつけることができます。囃子方(はやしかた)のひとつ。

大鼓(オオツヅミ)…カーン! という乾いた高い音が響く楽器♪
桜の胴に、調緒(しらべお)という麻紐で、馬皮を張って組み立てます。また、組み立てる前に、炭の火などで皮を十分に乾燥させます。これによって、乾いた音が出るようになるのです。通常は、指にカバーをはめて打ちますが、無形文化財総合認定保持者である大倉正之助氏は、素手で叩いています。オオツヅミという呼び名のほかに、オオカワとも呼ばれます。囃子方(はやしかた)のひとつ。

太鼓(タイコ)…タン、タン! という通りの良い伸びやかな音が響く楽器♪
欅(けやき)の胴に、調緒(しらべお)という麻紐で、牛皮を張って組み立てます。ばちで叩く中央部分には、鹿皮が小さく貼られています。太鼓が加わらない演目も多いのですが、基本的には後半のクライマックスで音楽の主導権を握る役割を担っています。 囃子方(はやしかた)のひとつ。太鼓。毎回分解して片付け、使うたびに組み立てるそうです。

地謡(ジウタイ)…8人から10人のコーラスグループ♪
地謡とは「コーラスグループ」です。8人から10人で構成され、2列に並んで座ります。 能は、すべてのセリフが「謡(うたい)」となっています。そのため、地謡は、主人公と共に謡ったり、主人公の心の中を謡ったりします。 地謡は、シテ方が務めます。地謡には、地頭(じがしら)という、コーラスリーダーがいます。 地頭は、座る位置が決まっています。観世(かんぜ)、金剛(こんごう)、喜多(きた)流では、後列の左から2番目。宝生(ほうしょう)、金春(こんぱる)流では、後列の右から2番目となります。

指揮者の存在しない状態で、互いの間の取り方を探りながら、響かせあって奏でられていきます。そして、物語のクライマックスに合わせ、次第に力強さを増していきます。 FMラジオで番組制作をしておられる放送作家の加藤明子さんが、次のように語っておられました。

「能の音楽って、ミニマル・ミュージックに似ている」と。

能楽の音楽でくり返される、基本となるフレーズ。そのアレンジ。速度を上げながらくり返されるフレーズに包まれるうち、心地よいトランス状態となり半ば眠るような恍惚感が得られます。このフレーズのくり返しと速さや強さの変化には、ミニマル・ミュージックというジャンルの音楽と通ずるものがあるそうです。

🎶ミニマル・ミュージックとは?(ウィキペディアより)
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┣ミニマル・ミュージック(Minimal Music)は、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽。
┣1960年代から盛んになった。ミニマルテクノ、単にミニマルと呼ばれることもある。 テクノは電子音を使用した音楽という意味と、たくさんのジャンルの中の一つという意味を持っている。
┣ミニマル・ミュージックは、この大きなジャンルとしての「テクノ」の一ジャンルである。
┣ 特徴としては、様々な電子楽器を使用するものの、あくまで単純な反復のリズムがメインであり、曲として成り立つ最低限度に近いほど、展開も少ない。
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i-hina009.gif五人囃子と『能』i-hina008.gif
ひな祭りに飾る雛人形に、五人囃子というものがあります。実は、この五人囃子が、能の『囃子方』と『地謡』なのです。五人囃子の人形をよく見ると、笛、小鼓、大鼓、太鼓を持っています。そして、最後 の一人は、扇子を持っています。この扇子を持っている人形が地謡なのです。こうした音楽担当者をバックに、役者たちのセリフは全て唄となっています。楽器とコーラスに合わせて、唄いながら舞う。『能』が日本オリジナルのミュージカルと考えられる由縁です。

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■仮面劇としての能
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能は、幽霊や精霊、天女や物狂いなどが登場する仮面劇です。

主役を演ずるシテ方は、面(おもて)を身に付けることで、それらの役になりきります。
まるで、そうした人ならぬ存在が、面を通して憑依するように。

そこで語られるものは、執念や妄念に彩られた心残りの物語。死してなお続く苦しみ、死してなお忘れることのできない恋心、運命に翻弄されさまよう辛さ。亡者や鬼が登場する、おどろおどろしく、悲しい物語です。また、一方で、世の太平を愛でるものや、天狗や精霊や龍神などが活躍するスペクタクルな物語もあります。

これらの物語が、ふたつの形式で語られます。
┣ 【現行能】と呼ばれる、現在進行形で語られるもの。
┣【夢幻能】と呼ばれる、夢と現実が混ざり合う幻想的なもの。

「能」と言えば、「女面」をつけた姿をイメージすることでしょう。
しかし、能面には250種類もの数があると言われています。
演目も、地味なものから派手なものまで、たくさんの種類があります。


【能】をまとめるとこんなカンジ!?
┣01:日本の『古典芸能』。
┣02:橋懸りという独特な構造の舞台で、地謡の合唱と囃子方の伴奏で舞う歌舞劇。
┣03:平安時代に発生した猿楽が鎌倉時代に猿楽の能と呼ばれるようになり、室町時代に足利義満の庇護のもとに『観阿弥』・『世阿弥』父子によって大成された。
┣04:主演者を『シテ』、助演者を『ワキ』といい、曲目によっては数人の出演者(シテヅレ、ワキヅレ)が登場する。
┣05:シテは面(→能面)をつけることが多い。
┣06:『夢幻能』と『現在物』に大別される。また「神」「男」「女」「狂」「鬼」の五つに分類され、上演順位が定められている。
┣07:江戸時代以来、このような五番立の番組を正式とし、能と能との間には狂言を上演したが、今日では狂言 1番、能 1番でも上演される。
┣08:現行曲は約 240曲。
┣09:1957年国の重要無形文化財に指定。2008年狂言とともに世界無形遺産に登録された。
┣10:現代でもその基本の形をほとんど変えずに、また時代時代に対応しながら伝承されている、世界で一番古い舞台芸術。
┣11:能の物語はおよそ250話。

出典|社団法人能楽協会/能楽事典について…他

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■能が語源とされる言葉
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リハーサルを「申し合わせ」と言うように、能の言葉には、現代の日常の言葉として使われるものがいく つかあります。

Arikaあいうえお1
打ち合わせ(うちあわせ)
【意味】①事前の相談。下相談」こと。

【能楽用語】雅楽では合奏することを打楽器が定める拍節に合わせることから「打合せる」と言っていました。これが転じて『物事がうまく運ぶ(ぴったり合う)ように事前に相談すること』を言うようになったと言われます。

楽器担当の囃子方やコーラスの地謡が、セッション形式で練習することを言います。
能楽の楽器は、笛以外は、鼓や太鼓など、打楽器が中心です。
打楽器は打って響くもの。互いの音を響かせ合うことが、打ち合わせです。

そう考えると、ただの連絡会議は打ち合わせではなく、意見が響き合わない沈滞した会議も打ち合わ せとは言えないものかもしれません。

音頭
【能楽用語】雅楽に使用される管楽器は複数で構成されますが、その主奏者を「音頭(おんどう)」と呼びます。 雅楽のほとんどの楽が笛の音頭より始められます。これが転じて『何人かで事を行おうとする時、先頭に立って導くこと』を言うようになったと言われます。

Arikaあいうえお2
楽屋(がくや)
雅楽では演奏する曲のことを「楽(がく)」と言います。そして舞楽の時、楽人が楽を演奏する場所を「楽屋(がくや)」と言いました。この場所では舞人が装束を整えることも行われていました。これが転じて『役者などが衣裳や化粧などの準備をする場所』を言うようになったと言われます。


見所 (けんじょ/けんしょ)
【意味】芸の見るべきところ。みどころ。それと同時に「能楽堂などの見物席。また、そこで見る人。能は、そのすべてが「みどころ」なのかもしれません。

桧舞台(ひのきぶたい)
【意味】①晴れがましい立場にあるとき、またそうした場面に立つとき。
例)「桧舞台に立つ」というような使い方をしま す。

・能舞台が、まさに、桧で作られた舞台でした。
・能舞台に上がるような場面を表している言葉なのでしょう。

Arikaあいうえお3
出勤(しゅっきん)
【意味】「勤めに出ること」こと。

【能楽用語】舞台に立つことは勤めであり、会社と同様に出勤と言われます。そして、ギャランティー(報酬)のことを、「出勤料」と言います。会社に勤めに出ることを出勤と呼ぶのは、もしかしたら能楽用語から生まれた言葉なのかもしれませんね。


千秋楽(せんしゅうらく)
雅楽の楽の中に≪千秋楽(せんしゅうらく)≫という曲があります。我が国で作られた楽で仏教の法要の最後によく用いられていました。これが転じて『物事の終わり、最終日』を言うようになったと言われます。

Arikaあいうえお4
調子
雅楽には≪調子(ちょうし)≫と呼ばれる楽があります。古くはこの楽を奏している間に絃楽器は管楽器の音に合わせて絃を調絃しました。これが転じて『相手と話を合わせてさからわないこと』を言うようになったと言われます。また物事が上手く行かないことを『調子が悪い』などとも言います。

Arikaあいうえお5
二の句
雅楽の歌曲、「朗詠(ろうえい)」は漢詩を三段に分けてそれぞれ「一の句」「二の句」「三の句」と言います。二の句より急に音域が高くなりうまく引き継いで歌うことが難しいことが転じて『次に言い出す言葉が出てこないこと』。さらに転じて『あきれて開いた口がふさがらないこと』を言うようになったと言われます。


二の舞
雅楽の舞楽の中に≪二舞にのまい≫という舞があります。これは≪安摩あま≫という舞に続いて舞われるもので、「咲面(えみめん)」をつけた老爺と「腫面(はれめん)」をつけた老婆が安摩の舞をまねますが上手く舞えないという滑稽なものです。これが転じて『人のまねをすること。特に、前の人と同じ失敗をすること』を言うようになったと言われます。


ノリ
「ノリがいい」「ノリが悪い」という言葉は、日常でも耳にします。

【能楽用語】リズムの取り方を、ノリと言います。
そして、リズムがうまく取れれば「ノリがいい」となり、うまく取れなければ「ノリが悪い」となります。

・大辞林にも掲載されていないスラングのような言葉ですが、実は能楽用語なのです。

Arikaあいうえお6
番組(ばんぐみ)
【意味】放送・演劇・勝負事などを構成する、一つ一つの出し物、およびその順番。また、そ れを記した表。プログラム。

【能楽用語】上記と同様に、演目や出演する能楽師たちの名前などが記されたものを「番組表」と呼びます。

Arikaあいうえお7
申し合わせ(もうしあわせ)
【意味】「話し合いによって決めること。また、決めた約束」とあります。

【能楽用語】リハーサルのことを言います。
リハーサルは、予行演習を行い、出来の良し悪しを論ずる場です。予行演習の目的は、話し合いによって舞台を良いものとする方法を確認し、それを本番で行なう約束を することなのですから、これを「申し合わせ」と呼ぶのは、実に正しいことなのかもしれません。


八多良拍子(やたらびょうし)
雅楽の拍子の中に「八多良拍子やたらびょうし」というものがあります。 2拍と3拍が交互に続く混合拍子で、初めはなかなか上手く奏することができなかったと言います。これが転じて『むちゃくちゃになってしまうことや秩序や節度のないさま』を言うようになったと言われます。

Arikaあいうえお9
呂律

【能楽用語】
雅楽には「呂旋(りょせん)」と「律旋(りっせん)」の二つの旋法があり、合わせて「呂律りょりつ」と言います。これが転じて『言葉の調子(旋律)が上手くいかないこと』を言うようになったと言われます。

Arikaあいうえお8
野暮(やぼ)
【能楽用語】
雅楽に使用される「笙(しょう)」という楽器は17本の竹管でできています。そのうちの15本は音が鳴りますが、2本は鳴りません。しかし、現在でも取り除かれることなく楽器の一部分として残っています。この鳴らない2本の竹管名を「也(や)」「毛(もう)」と言います。これが転じて『無駄なことや、世情に疎く人情の機微を解さないこと』を言うようになったと言われます。「や・もう」が伝訛して「やぼ」になり、「野暮」の当て字が用いられます。

Arikaあいうえお10
脇役(わきやく)
【意味】①映画・ドラマ・演劇などで主役を引き立て、物語の展開に必要な役割を努める役。②物事の補佐的な役割。
【語源・由来】能楽から生まれた言葉。能では主役のことを「シテ(仕手)」と呼び、「シテ」の特性を引き出す相手を演じる役を「わき(脇)」と読んだことから、脇役と呼ばれるようになった。能楽では、普通「ワキ」と片仮名表記する。

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能の言葉を知りたい!能楽用語集
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能〈Wikipedia〉
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the能ドットコム:「能」入門・解説・資料など能楽の総合...

the能ドットコムは、日本の代表的な古典芸能「能」の幽玄な世界へと皆様を誘う、能楽情報のポータルサイトです。
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