2017 09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2017 11

大人本セレクト(123)…悲しいけれど究極の恋愛小説3冊[美幸/ナラタージュ/君の膵臓をたべたい ]

kage

2017/04/05 (Wed)

■大人だから楽しんで読める、
大人だから読んでほしい様々なジャンルの『大人本セレクト』をレビュー!
Arikaおとな本1
VOL・123

ほん運び大人だからこそ読んでほしい、悲しいけれど究極の恋愛小説3冊

あなたのために復讐してあげるから…。
 美幸/鈴木おさむ(著)

美幸 (単行本)/鈴木 おさむ

¥価格不明
Amazon.co.jp

美幸 (角川文庫)/鈴木 おさむ

¥価格不明
Amazon.co.jp

Arika報告書v1アイコン学校で執拗ないじめにあい、人格を歪められて育った少女・美幸。大人になり、会社で出会った男に自分と同じ境遇を感じて無償の愛を捧げることを誓う。やがてその愛はエスカレートし、彼を悲しませる人々(要因)に、彼に代わって復讐を企て排除していくが…。人気放送作家が挑んだ、究極の恋愛小説! いじめが元で考え方がねじ曲がり、人生が変わってしまった美幸が哀しい。が、その中で相手への嫌がらせのしかたが姑息で可笑しい。好きな男の上司にした嫌がらせはクスリと笑える程度のものだったけど、最終的には猟奇的なものへと変化し、共感とは遠いところへ行ってしまった美幸。哀れだとは思うけど、誰かのために人を裁くことはやっぱりおこがましいというか、自己中な感じがする…。でも、いじめが快感になっていく感じは、そうなのかもしれないなぁ…って思わされた。美幸は最悪だけど、最強の愛を捧げたのには間違いない。 あっという間に読んでしまったけれど、誰のための、誰に対する復讐だったのだろう? 特異だけど、ありえなくはない愛の物語だと思う。可哀想だから好きになる...こんな恋もあるなと思った。人を想い、愛することができる美幸さん・・・・名前の通り幸せになってほしい。罪を償って、これまでの経験を乗り越えて、どうかどうか幸せになってほしい。そして最後の最後で驚きの事実が発覚!!なるほど、あの人宛てに書いたお手紙だったのか・・・んーー、なかなか心に残るストーリーでした。


早熟の天才、少女時代の最後を傾けつくした、絶唱というべき恋愛文学
 ナラタージュ /島本理生(著)

ナラタージュ (角川文庫)/角川書店

¥価格不明
Amazon.co.jp

Arika報告書v1アイコン 読んだのはずっと前ですが、未だに島本理生作品で、この本の上をいく熱量の恋愛小説にはまだ出会えていない気がします。なんと言うべきか・・・葉山先生の決断は他の作家では書けないのではないか、と。それくらいそこら辺の恋愛小説とは違った感覚がありました。静かな日常に潜む情熱的な恋。そしてその日常を崩すとある事件ーー。読み終わった後、心にどんよりした感情とヒリヒリするような恋愛感覚と煮え切らない葉山先生にも苛立つ。「この人からはなにも欲しくない。ただ与えるだけ、それでおそろしいくらいに満足なのだ」。ここまで想える人に出会えたことは果たして幸せなのかどうか・・・・。葉山先生がずるすぎて悔しい。でも、ここまでどうしようもないくらいに誰かを好きになれる泉の情熱が羨ましくもありました。静かでありながら、登場人物ひとりひとりの熱量がすごいなぁと思いました。泉の小野くんに対する揺さぶられない恋と、葉山先生に対する衝動のような恋が文字で読むと全然違う表現で描かれている為、願っても得ることができない愛情がそこに存在しているようで余計に悲しくなってしまう。とにかく、一般的に恋愛というのは、辛くなる事も、ハッピーになる事も、時には命に関わってくる事も…。一種の病気と言えるかもしれませんね。闇が深ければ深いほど、秘密を共有した人には魅力的に映るのかも知れないけど。結末はあまりにも悲しくて胸が痛かった。忘れられないように仕向けたのは、間違いなく葉山先生。本当にずるい人だなあ。罪な男とは世の中に一定数存在するのかもしれない。




読後、きっとこのタイトルに涙する。
 君の膵臓をたべたい /住野よる(著)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)/双葉社

¥価格不明
Amazon.co.jp

Arika報告書v1アイコンクラスメイトの山内桜良が死んだ。「僕」は彼女に送信した最後のメールを読み返す。「君の膵臓を食べたい」。彼女はこのメールを見ただろうか? タイトルの込められた本当の意味とは・・・。お涙頂戴の闘病恋愛モノとは一味も二味も違う、軽妙な会話と爽やかな読後感で大反響のデビュー作。ホラーかと思うタイトルからは想像もつかないくらい爽やかでほんのり甘い小説。ぎょっとするタイトルと爽やかな読後感のギャップにあなたもきっと撃ち抜かれるはず。デビュー作でここまで素晴らしい作品を書いてしまったら、次はどんな物語を書くのだろう? 命って限りあるものだけど、その終わりを意識する人、しない人。でも、終わる理由なんて結局誰にもわからない衝撃的な結末。春樹の最後の気持ちが届いたことがわかった時と、懸命に、命が終わる恐怖と闘う桜良の日記には感動しました。明日が絶対あるわけではないから、大切な人にはきちんと伝えることが大事なんだなぁと思った。王道の恋愛ストーリーだけど、いっときの流行で終わらない、長く読み継がれるであろう普遍的なきらめきを放つ一級の青春・成長小説。


関連記事
スポンサーサイト

コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック