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今すぐ書店へGO!”夏の文庫フェア”2017…新潮社文庫フェア『考える本×15』

kage

2017/08/21 (Mon)

夏イチ

新潮文庫の100冊

★9月末までの期間限定配信!
文庫フェア



潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2017年のテーマ「この感情は何だろう。」


毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■今年の特典


#キュンタ大作戦

新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。

 今年の「新潮文庫の100冊」には、宮部みゆき『荒神』や湊かなえ『豆の上で眠る』、朝井リョウ『何者』、河野裕『いなくなれ、群青』などがラインナップされ、フェア対象本を1冊買うと新潮文庫のキャラクター「キュンタ」のしおり(4種類)がその場でもらえる。

 ほかに、アイドルグループ「嵐」の大野智主演で映画化された「忍びの国」やマーティン・スコセッシ監督による映画「沈黙―サイレンス―」の原作、2016年に岩手県盛岡市にある「さわや書店フェザン店」が《文庫X》として表紙を隠す売り方をして話題を呼んだノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる』なども対象となっている。

期間中はInstagramやTwitterにハッシュタグ「#キュンタ」を付けて投稿すれば、抽選で100名様に「純金キュンタしおり」が当たるキャンペーンを実施する。また、夏目漱石『こころ』や星新一『未来イソップ』、トルーマン・カポーティ・著、村上春樹・訳『ティファニーで朝食を』など計8冊の限定プレミアムカバーも発売される。

【応募締切】2017年9月6日正午まで

■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本






考える本×15


あの静かな子供の日の遊びを心からなつかしくおもう。(P70)
 銀の匙/中勘助(著)

抽匣(ひきだし)から見つかった銀の匙。

それを手がかりに幼年期からの日々を回想する自伝的作品。


銀の匙1

限定プレミアムカバー

古い茶箪笥の抽匣(ひきだし)から見つかった銀の匙。忘れられていたこの小さな匙は、病弱だった私の口に薬を入れるため、伯母さんがどこからか探してきたものだった……。その愛情に包まれた幼少期、初めての友達・お国さんとの平和な日々、腕白坊主達が待つ小学校への入学、隣に引っ越してきたおけいちゃんに対する淡い恋心、そして、少年から青年に成長するまでを細やかに回想する自伝的作品。

Arika報告書v1アイコン古い茶箪笥の抽匣(ひきだし)からみつけた銀の匙。それを手がかりに、伯母さんの無限の愛情に包まれて過ごした日々から青年期までを回想する自伝風に綴ったこの作品。幼年の記憶を大人目線から回想して解釈することなく、視界が狭く不鮮明な子供の感覚まま美しい文章が彩る。漱石が推挙し、灘高が三年間授業で使った意味がよくわかる。110年前に自分が生きて既に他界したかのように、鮮やかな明治が映し出され自己投影に酔う。日本語がきれい。声に出して読む価値あり。漱石が未曾有の秀作として絶賛した名作.改版。




たった七節八行。(P9)
 コーランを知っていますか/阿刀田高(著)

今だからこそ読みたい本『コーラン』が、すらすら頭に入る。

コーランを知っていますか (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コーラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。

Arika報告書v1アイコン遺産相続から女性の扱いまで、驚くほど具体的にイスラム社会を規定するコーランも、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。何かと話題のイスラームの聖書、コーラン。それをとっつきやすく、分かりやすく解説している1冊。コーランというと、男尊女卑とか豚肉食べないとか事細かに書かれているのではないかという印象が強いが、それも多少ありつつ、基本的にはユダヤ教、キリスト教の聖書と同じよう(人物も)に書かれているということを初めて知った。コーランって、イスラム教ってこんな感じなんだな〜っていう雰囲気はわかったような気がする。これを読んで本来、イスラームは穏健で寛容な思想であると改めて感じた。





この極秘文書を読めば手にとるようにわかる。(P8)
 殿様の通信簿/磯田道史(著)

水戸黄門は、名君ではない! 

史学界の俊秀が、新潮新書『武士の家計簿』につづいて世に問う新たな歴史像。

幕府の秘密文書による生々しすぎる大名の素顔。


殿様の通信簿 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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史料「土芥寇讎記」──それは、元禄時代に大名の行状を秘かに探索した報告書だったのか。名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていた。各種の史料も併用しながら、従来の評価を一変させる大名たちの生々しすぎる姿を史学界の俊秀が活写する歴史エッセイの傑作。

Arika報告書v1アイコン水戸の黄門様は酒色に溺れていた? 江戸時代の極秘文書「土芥寇讎記」に描かれた大名たちの生々しい姿を史学界の俊秀が読み解く。史上名高い大名から無名の武将までの人物像が丹念に言及されている。中でも前田利常は、かなりの器量人であることが伺える。豊臣から徳川へと天下が移り変わってゆく難しい時代を、したたかに生き抜いた姿には学ぶべきところがあります。それぞれの殿様の姿がありありと浮かんでくる記述です。筆者の他の作品も読みたくなりました。こういう歴史文学も面白い。






寝ることは、覚えたことを しっかりと保つための大切な行為なのです。(P114)
 受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法―/池谷裕二(著)

徹夜は無駄! 好奇心こそ記憶力の鍵。

裏ワザ満載、最強の勉強法。

脳をダマして、受験に克つ!


受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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「海馬」は記憶を司る部位。だが、脳は蓄えるよりも忘れていくほうが多いのだ。試験前に徹夜で詰め込んだ記憶は、呆気なく消えていく。しかし、興味があるものはすぐに覚えられるし、バイオリズムのタイミングをつかめば記憶効率は上がる。――海馬、扁桃体、LTP等々、脳の働きを正しく理解して、恐れず受験に挑む! 気鋭の脳研究者が考える学習法。『高校生の勉強法』改題。

Arika報告書v1アイコン脳は、じつは記憶を忘れるようにできている! そのしくみを正しく理解すれば、受験なんて恐くない――気鋭の脳研究者が解説する最強学習法。元々、高校生向けに書かれた書籍の加筆改訂版とのことで、ひとつの章が3ページと短く読みやすく工夫されている。一番ほほうと思ったのは、子どもは知識記憶(丸暗記)が幅を効かせているが、中学生後半ともなると、理解して理屈を覚える経験記憶という能力でないと覚えられなくなるというものだ。「数学は知識記憶(覚える)じゃなくて方法記憶(理解する)で覚えてね」と塾でもよく言うけど、数学以外でもこの方法記憶が重要なんだと理解できた。入学試験の受験勉強に限らず、各種資格試験や日々の細かい仕事等を効率よくインプットするのにも活かせるような内容だった。脳が暗記や思考する仕組みをふまえた根拠のある知識が詰め込まれている。というわけで、もちろん大人にもお勧め。




うそは常備薬 真実は劇薬(P134)
 こころの処方箋/河合隼雄(著)

うそは常備薬、真実は劇薬

こころの処方箋 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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「耐える」だけが精神力ではない。心の支えは、時にたましいの重荷になる。――あなたが世の理不尽に拳を振りあげたくなったとき、人間関係のしがらみに泣きたくなったとき、本書に綴られた55章が、真剣に悩むこころの声の微かな震えを聴き取り、トラブルに立ち向かう秘策を与えてくれるだろう。この、短い一章一章に込められた偉大な「常識」の力が、かならず助けになってくれるだろう。

Arika報告書v1アイコン「耐える」だけが精神力ではない、「理解ある親」を持つ子はたまらないなど、疲弊した心に本当の勇気を与える〈こころの専門家〉による55章。多忙で余裕のない生活に揉まれて忘れがちな「あたりまえなこと」ばかり。わかっちゃいるがどうにもならんことも多々あれど、わかってるだけ気持ちは楽になる、そんな内容。寄り添うような諭すような文章には深い常識が綴られていた。『処方箋』という題名だけあって心が楽になる良いタイトル。症状にあった項目を選べるのもいい。本当に処方箋になりうる読んで面白いエッセイ集。ただ初版は20年以上も前なので、若干古い印象はあったかも?




息子は、私のことをさくらももこかもしれないと疑いつつ、一方では違うとも思っている。(P24)
 さくらえび/さくらももこ(著)

ももこのすっとこどっこいな日常のオールスターが勢ぞろい! 

奇跡の爆笑雑誌「富士山」全5号からの粒よりエッセイ。


さくらえび (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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家族や日常のことだったら、その爆笑度並ぶものなし! ももこが編集長として、取材・文章・漫画すべてを一人でやっちゃった、2000年記念の奇跡の面白雑誌『富士山』(全4号)からの選りすぐりに、2002年発行の5号から「植田さんの深まるくだらない願望」「必見!! おならレポート」(笑い死にご注意!)の2本、『富士山』未収録分7本も加えた、大満足のエッセイ集。父ヒロシも息子も全開だよ!

Arika報告書v1アイコン父ヒロシに幼い息子、ももこのすっとこどっこいな日常のオールスターが勢揃い! 『ちびまる子ちゃん』で描かれているおじいちゃん、友蔵は実際にはクソジジイであんなに優しくなかったと作者はよく言っていましたが、父ヒロシは漫画のままなんだなと、このエッセイを読むと分かります(笑)。ごく短い短編集で笑える話満載でしたが、奈良のエピソードでは泣いてしまいました。父絡みのエッセイ、特にインタビューが面白かった!気楽に手に取れる本で、旅行のおともに良い感じです。奇跡の爆笑雑誌「富士山」からの粒よりエッセイ。




講義の間だけ戦争を生きてもらいました。(P11)
 それでも、日本人は「戦争」を選んだ/加藤陽子(著)

犠牲と反省を重ねてなお、誰もが「戦争やむなし」と考えたのか。

画期的近現代史講義!


それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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膨大な犠牲と反省を重ねながら、明治以来、四つの対外戦争を戦った日本。指導者、軍人、官僚、そして一般市民はそ れぞれに国家の未来を思い、なお参戦やむなしの判断を下した。その論理を支えたものは何だったのか。鋭い質疑応答と縦横無尽に繰り出す史料が行き交う中高 生への5日間の集中講義を通して、過去の戦争を現実の緊張感のなかで生き、考える日本近現代史。小林秀雄賞受賞。

Arika報告書v1アイコン明治以降、四つの対外戦争を戦った日本。膨大な犠牲を払い、なお誰もが戦争やむなしと考えたその論理とは?分析的な視点から、偏らず、わかりやすくということを第一にまとめた好著。当時の政府が、そして陸軍が何を考えていたのか、日本がなぜ戦争を行っていったのか、極めて具体的に、だからと言って正当化するのではなく、また愚かな行為と糾弾するのでもなく、ひとつひとつ詳らかにしていく。情報を選別し周りの動きを見て行動の選択をする。歴史から学ぶのがどういうことか、わかった気がする。小林秀雄賞受賞の名著。高校時代にこういう風に歴史を学びたかった。





もちろん、最後まで為すべき義務は、果たす所存です。(P371)
 約束の海/山崎豊子(著)

自衛隊とは何か。

戦争を終生のテーマとした昭和を代表する作家による、最後の長編小説。


約束の海 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
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海上自衛隊の潜水艦「くにしお」と釣り船が衝突、多数の犠牲者が出る惨事に。マスコミの批判、遺族対応、海難審判……若き乗組員・花巻朔太郎二尉は苛酷な試練に直面する。真珠湾攻撃時に米軍の捕虜第一号となった旧帝国海軍少尉を父に持つ花巻。時代に翻弄され、抗う父子百年の物語が幕を開ける。自衛隊とは、平和とは、戦争とは。構想三十年、国民作家が遺した最後の傑作長篇小説。

Arika報告書v1アイコン海自の潜水艦と釣り船が衝突、民間人が多数犠牲となり批判にさらされる自衛隊……。壮大なスケールで描く国民作家最後の傑作長編。山崎豊子さん未完の遺作。海上自衛隊や潜水艦のリアリティに感嘆した。未完なのが残念だ。北朝鮮が日本を横断する大陸間弾道ミサイルを撃ち込む時代を迎え、国民を守る抑止力としての強い軍事力について、あらためて考えさせられる。今この時期に読んでみる価値あり。




いかにも精気にあふれ、いかにも明朗な、人間的な書物。(P10)
 葉隠入門/三島由紀夫(著)

上役にけむたがられるようであれ。

徹底して落伍者になること。

つまらない仕事のときこそ、はげむこと。

三島が説く、男の嗜み。


葉隠入門

「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」の一句で名高い「葉隠」は、死を中核に据えた、自由と情熱の書である。三島は“わたしのただ一冊の本”と呼んで心酔した。「葉隠」の濶達な武士道精神を今日に甦らせ、乱世に生きる〈現代の武士〉たちの常住坐臥の心構えを説いたこの『葉隠入門』は、人生論であり、道徳書であり、三島自身の文学的思想的自伝でもある。「葉隠」の現代語訳を付す。

Arika報告書v1アイコン”わたしのただ一冊の本”として心酔した「葉隠」の濶達な武士道精神を現代に甦らせ、乱世に生きる〈現代の武士〉たちの心構えを説く。三島由紀夫の、いわば"緊張の美学"に直に触れられる文章である。とりわけ面白いのは、「葉隠」には一見矛盾と思われる個所が散見されるのだが、実はこれこそがこの古典の魅力であると言い切っているところです。生きた文章にとっては、表面的な論理の矛盾などとるに足らないものなのかも知れない。今も昔も人として大切なことは変わらないんだなぁ、と今苦労してるからこそしみじみ思う。





人間というものに、愛想がつきたのです。(P64)
 蜘蛛の糸・杜子春/芥川龍之介(著)

〈救い〉とは何だろう? 

文学が最後にたどりつく永遠のテーマ〈救済〉を静かな筆致でとらえた傑作。


蜘蛛の糸・杜子春

限定プレミアムカバー

地獄に落ちた男が、やっとのことでつかんだ一条の救いの糸。ところが自分だけが助かりたいというエゴイズムのために、またもや地獄に落ちる「蜘蛛の糸」。大金持ちになることに愛想がつき、平凡な人間として自然のなかで生きる幸福をみつけた「杜子春」。魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」。少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。

Arika報告書v1アイコン地獄におちた男がやっとつかんだ一条の救いの糸をエゴイズムのために失ってしまう「蜘蛛の糸」、平凡な幸福を讃えた「杜子春」、魔法使いが神の裁きを受ける神秘的な「アグニの神」等10編。とにかく目からウロコだった。中国の伝承などをもとに小説化したものだが、短いなかにギュッと人間味が詰まっている。それは奢りだったり、悲しみだったり、愛だったりとそれぞれなのだが深い。これほど短い文章で人の心を描写しつくしている。さすが芥川龍之介。個人的には『犬と笛』『魔術』『杜子春』が好きだった。 いつの時代でも犬が話せたり飛んだり魔術が出来たり、現実離れしたことを考える人はいるものだなぁとしみじみ感じた一冊。





世界の知力が低下しているという気がします(P23)
 人間の建設/小林秀雄、岡潔(著)

世界的天才数学者とあの小林秀雄による史上最強の雑談。

酒の味から、アインシュタインまで。


人間の建設 (新潮文庫)/新潮社

¥432
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有り体にいえば雑談である。しかし並の雑談ではない。文系的頭脳の歴史的天才と理系的頭脳の歴史的天才による雑談である。学問、芸術、酒、現代数学、アインシュタイン、俳句、素読、本居宣長、ドストエフスキー、ゴッホ、非ユークリッド幾何学、三角関数、プラトン、理性……主題は激しく転回する。そして、その全ての言葉は示唆と普遍性に富む。日本史上最も知的な雑談といえるだろう。

Arika報告書v1アイコン酒の味から、本居官長、アインシュタイン、数学、ドストエフスキーまで。文系・理系を代表する天才二人が縦横無尽に語り合った奇跡の対話。全体的に非常に教養レベルの高い対談。解説も半端なく難しいし。私にはハードルが高すぎる内容で理解出来ない事だらけで脳みそ汗まみれだったが、数学者の岡氏の言う「数学が成立するためには知性だけを説得することだけでなく、感情の満足がそれと別個にいる」という言葉が印象深かった。人間というものは感情が納得しなければ本当には納得しない存在らしいが、数学にもその考えが当てはまるのが目からウロコだった。注釈とにらめっこしながらの読書になったが、たまにはこういうジャンルの本で勉強するのも良いものだと思った。でも大学生なら文理関わらず一読の価値あり。




遊び友達にもつなら江戸人がサイコーです。(P217)
 一日江戸人/杉浦日向子(著)

これ一冊で「江戸人免許皆伝」! 

もう、いつ江戸に行っても大丈夫。


一日江戸人 (新潮文庫)/新潮社

¥529
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現代の江戸人・杉浦日向子による、実用的かつ、まことに奥の深い江戸案内書。江戸美人の基準、三大モテ男の職業、衣食住など、江戸の人々の暮らしや趣味趣向がこれ一冊でわかる。さらには「殿さま暮らし」は楽かの考察(「将軍の一日」)、大奥の仕組み(「ザ・大奥」)、春画の味わい方(「春画考」)まで。著者の自筆イラストもふんだんに盛り込まれ、居ながらにして気分はもう江戸人だ。

Arika報告書v1アイコン遊び友達にもつなら江戸人がサイコー。試しに「一日江戸人」になってみようとヒナコ流江戸指南。著者自筆イラストも満載。文字だけだと想像しづらい江戸時代をたくさんのイラストとともに紹介している。分かりやすい、そして読みやすい。庶民の私生活から殿様やなにかと舞台にあがる多くの役職ごとの一日なんかを紹介している。俗っぽいことからしきたりまで紹介の幅が広い。個人的には、江戸見物の章が面白く、明日にでもこのガイド通りに東京の街を歩きたいという気分に♪軽妙な東京弁とマンガで江戸時代を紹介している楽しい一冊。杉浦日向子のらぶらぶ感かほっとする。




恋は大袈裟なものだが、誰もそれを笑うことはできない。(P24)
 ひとり暮らし/谷川俊太郎(著)

結婚式よりも葬式のほうが好きだ――。

日常に湧きいづる歓びを愛でる詩人の暮らし方。

現代最高の詩人による名エッセイ。


ひとり暮らし (新潮文庫)/谷川 俊太郎

¥562
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結婚式より葬式が好きだ。葬式には未来がなくて過去しかないから気楽である――。毎日の生活のなかで、ふと思いを馳せる父と母、恋の味わい、詩と作者の関係、そして老いの面白味。悲しみも苦しみもあっていいから、歓びを失わずに死ぬまで生きたい。日常に湧きいづる歓びを愛でながら、絶えず人間という矛盾に満ちた存在に目をこらす、詩人の暮らし方。ユーモラスな名エッセイ。

Arika報告書v1アイコンどうせなら陽気に老いたい――。暮らしのなかでふと思いを馳せる父と母、恋の味わい。詩人のありのままの日常を綴った名エッセイ。谷川俊太郎は現存してる詩人で一番好きな人です。この人の軽妙さが好きで今回のエッセイもひとり暮らしの悲喜交々が面白かった。特に「私の死生観」と「単純なこと複雑なこと」が良かった。老いのいいところは少しずつ自分が社会から免責されていくような気分になれるところだ、という一節が印象に残った。




言葉にしようのない、美しい瞬間でした。(P415)
 フェルマーの最終定理/サイモン・シン、青木薫(訳)

大数学者フェルマーが遺した謎――

そのたった一行を巡る天才たちの3世紀に及ぶ苦闘が、これほどまでにドラマチックだったとは! 

徹夜必至の傑作数学ノンフィクション。


フェルマーの最終定理 (新潮文庫)/新潮社

¥853
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17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが――。天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション!

Arika報告書v1アイコン数学界最大の超難問はどうやって解かれたのか? 3世紀にわたって苦闘を続けてた天才数学者たちの挫折と栄光、証明に至る感動の人間ドラマ。「フェルマーの最終定理」を巡るストーリー。数学界最大の超難問を取り上げながら、とても分かりやすく面白い。「(谷山=志村予想について)この予想は確かに美しかったが、実際に証明するのは非常に難しそうに見えた。そしてわれわれ数学者は、そういうものにこそ興味を持つ」の部分で数学者ってかっこいいと思ってしまった。印象的だったのは、フランスの女性数学者の活躍と、日本人の谷山-志村予想。アンドリュー・ワイルズの謙虚な人柄も好ましかった。人生をかけてものすごい難問に立ち向かった人。私の小さな悩みなんて、どうでもいいものに感じて元気が出た。学生の時に読んでいれば、人生が変わったかもしれない。いや、読んでみて、自分の中の考え方の何かが変わった。これから、何度も読み返してみたい。




一つの死と百の生命(いのち)の交代――(上巻・P138)
 罪と罰〔上〕/ドストエフスキー/著、工藤精一郎/訳

世のため人のためにぼくは老婆を殺した。

これほどの恐怖がついてくるとは……。


罪と罰〈上〉 (新潮文庫)/新潮社

¥810
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鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

Arika報告書v1アイコン独自の犯罪哲学によって高利貸の老婆を殺し財産を奪った貧しい学生ラスコーリニコラ。良心の呵責に苦しむ彼の魂の遍歴を辿る歴史傑作。神はあるか、ないか。 極端な経済的貧しさが、善良だった人格を歪ませてしまう恐怖。庶民のささやかな幸福のためには悪を殺しても良いと考え殺してしまう。それから葛藤が始まる。ストーリーはとても単純なのにとても難解。誰も他人のことなんてわからない。だからみんな非凡なのだと思うのだけど。自分の腹の中で「俺はこんなもんじゃない」と誰もが叫んでるんだろうけど、それを満たすために命を奪っていいわけがない。傲慢。 そんなラスコーリニコフの語る言葉。「良心のある者は過ちを自覚したら苦悩する」「犠牲をあわれに思ったら苦悩したらいい」世の中の大きな悲しみを見つめる彼は孤独だ。しでかしたことの重大さより見つかることへの恐怖ばかりのラスコーリニコフの行く末を思いながら。他で味わったことない心情の表現に引き込まれた。何度も挫折してきたこの物語。ゆっくりと読みすすめる。さあ、下巻。



 罪と罰〔下〕/ドストエフスキー/著、工藤精一郎/訳

世のため人のためにぼくは老婆を殺した。

これほどの恐怖がついてくるとは……。


罪と罰〈下〉 (新潮文庫)/新潮社

¥853
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不安と恐怖に駆られ、良心の呵責に耐えきれぬラスコーリニコフは、偶然知り合った娼婦ソーニャの自己犠牲に徹した生き方に打たれ、ついに自らを法の手にゆだねる。――ロシヤ思想史にインテリゲンチャの出現が特筆された1860年代、急激な価値転換が行われる中での青年層の思想の昏迷を予言し、強烈な人間回復への願望を訴えたヒューマニズムの書として不滅の価値に輝く作品である。

Arika報告書v1アイコン己の才を信じ野心も希望も携えて傲慢に舞い上がる若さの特権。そこから社会とのすり合わせがはじまる。罪は誰も犯してはいけない領域に踏み込んだこと。他者の血を流した後に苦悩「できた」ラスコーリニコフは誠実であったなと思う。罰は自分が一番わかってる。人は脆く過ちを犯す。罪は償わないといけないし誠実に向き合うほど罰は心から消えない。人類はすべて凡人と非凡人とに分けられ、大勢を成すのが凡人、現代風に言うならタックスペイヤー。そして一握りの非凡人、現代風に言うならタックスイーターか。非凡人は「秩序維持のためなら反社会行動も是」とする思想。それは一世紀以上経った現代でも社会の縮図のよう。主人公の苦悩や葛藤、登場人物との人間関係の描写が見事。なるほど名作だと思った。「ナポレオンになろうと思った」この一言に尽きる。さて自分は自分の弱さを自分で裁けるか?他者の血に気づけるか?赦せるか?助け合う社会の一員でいられるか?そんな問いがずっと渦巻いている。印象的だったのは、主人公と母親の母子関係の描写。リアリティが垣間見られ、切なくもなりました。
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