FC2ブログ
2019 11 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2020 01

今すぐ書店へGO!”夏の文庫フェア”2017…新潮社文庫フェア『泣ける本×21』

kage

2017/08/23 (Wed)

夏イチ

新潮文庫の100冊

★9月末までの期間限定配信!
文庫フェア



潮文庫『新潮文庫の100冊』。

2017年のテーマ「この感情は何だろう。」


毎年夏になると、出版各社の文庫を紹介したパンフレットが書店に並びます。

これらのパンフレットのなかでも「新潮文庫の100冊」のキャンペーンは、1976年から始まり40年近い歴史があります。

2900余点の新潮文庫の中から編集部が厳選した100点を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。

■今年の特典


#キュンタ大作戦

新潮社が毎年展開しているフェア「新潮文庫の100冊」がスタートした。

 今年の「新潮文庫の100冊」には、宮部みゆき『荒神』や湊かなえ『豆の上で眠る』、朝井リョウ『何者』、河野裕『いなくなれ、群青』などがラインナップされ、フェア対象本を1冊買うと新潮文庫のキャラクター「キュンタ」のしおり(4種類)がその場でもらえる。

 ほかに、アイドルグループ「嵐」の大野智主演で映画化された「忍びの国」やマーティン・スコセッシ監督による映画「沈黙―サイレンス―」の原作、2016年に岩手県盛岡市にある「さわや書店フェザン店」が《文庫X》として表紙を隠す売り方をして話題を呼んだノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる』なども対象となっている。

期間中はInstagramやTwitterにハッシュタグ「#キュンタ」を付けて投稿すれば、抽選で100名様に「純金キュンタしおり」が当たるキャンペーンを実施する。また、夏目漱石『こころ』や星新一『未来イソップ』、トルーマン・カポーティ・著、村上春樹・訳『ティファニーで朝食を』など計8冊の限定プレミアムカバーも発売される。

【応募締切】2017年9月6日正午まで

■フェアのジャンル項目


恋する本
シビレル本
考える本
ヤバイ本
泣ける本





泣ける本×21

繋ぎ留めておきたい、この時間を。(P425)
 夜のピクニック/恩田陸(著)

夜だから、いつものみんなも違って見える。

私も少し、勇気を出せる。


夜のピクニック (新潮文庫)/新潮社

¥724
Amazon.co.jp

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

Arika報告書v1アイコン小さな賭けを胸に秘め、貴子は高校生活最後のイベント歩行祭にのぞむ。誰にも言えない秘密を清算するために―――。永遠普遍の青春小説。高校生活最後のイベント「歩行祭」が舞台。学生達の赤裸々な心情を描いた爽快な青春もの。内容は、ただひたすら歩くだけですが、その中に、数々のドラマがありました。朝の開始から、夜にかけて、それぞれの心情の変化や、次第に謎が解明されていく様子がとても上手く書かれており、読む方を夢中にさせてくれます。爽やかな文体で書かれた作品で、読後が心地よい。登場人物も、魅力的な個性が出ていましたが、やはり、思わず笑ってしまう、高見光一郎のキャラが好きでした。うがった見方をすれば「なんやこのリア充ども…」となるが、青春の色んな人間模様があって、とてもいい。外が暗くなったときの気分とか夜中に友達といるときのテンションとか長時間歩いたときの身体のダルさとか、描写が上手だなぁと思った。読んだ後、とっても清々しいというか素晴らしい青春時代の過ごし方だな、と羨ましく感じた。





俺は童貞を捨てて来た。(P121)
 あすなろ物語/井上靖(著)

夢を見ても許されるのは、何歳までなんだろう――。

あすなろ物語 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

天城山麓の小さな村で、血のつながりのない祖母と二人、土蔵で暮らした少年・鮎太。北国の高校で青春時代を過ごした彼が、長い大学生活を経て新聞記者となり、やがて終戦を迎えるまでの道程を、六人の女性との交流を軸に描く。明日は檜になろうと願いながら、永遠になりえない「あすなろ」の木の説話に託し、何者かになろうと夢を見、もがく人間の運命を活写した作者の自伝的小説。

Arika報告書v1アイコンあすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜にはなれない”あすなろ”の木に託し、幼年期からの成長を陰影深く描いた自伝的長編の大傑作。あすなろたちは、みな志半ばにして頓挫。金子は死に、左山も死に、熊さん夫婦は別れ、かつては神童と謳われた鮎太も、車輪の下のごとく落伍し、最後には無難な線に収まっていく。最後の女の子が拳銃を星空に向ける描写が印象に残ってます。 文章が実に巧みで、さりげない心情の入れ方にはほれぼれしてしまいます。けっこうグロテスクな出来事もありつつ、穏やかでそこはかとなく優しい筆致がとても良いですね。読了後にしみじみとこみ上げて来た。うまく表現できないが、寂寥感や孤独感に似た感覚。物語は作者の思春期から青年期にかけての心の移ろいを描いている。女性との出会いと別れ、人の死になどに触れながら多感な時期をやり過ごす物語。心情の描写がきめ細やかで滋味に満ちている作品。




この世界には隠れているもの、見えないものがいっぱいあるんだろう。(P97)
 夏の庭―The Friends―/湯本香樹実(著)

死んだ人って見たことある? 怖いけど見たい。

知りたいことは知りたいんだ!


夏の庭―The Friends (新潮文庫)/新潮社

¥464
Amazon.co.jp

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

Arika報告書v1アイコン死への興味から、生ける屍のような老人を「観察」し始めた少年たち。いつしか双方の間に、深く不思議な交流が生まれるのだが……。死んだ人を見てみたいと思っている少年三人といまにも死にそうな人と思われて少年らに観察されているおじいさんとの楽しくもあり悲しくもある物語。純粋っていうか単純っていうか考えてることをストレートに行動にしてしまうところが、男の子ってなんだかかわいい。少年たちにとって、おじいさんにとって忘れられない夏の素敵な話。言葉の選び方もとても好きでした。子供だっていろいろ悩みや現実問題を抱えてるし、同じにしか見えない年配の人だって、それぞれ人生も青春も思いも歴史もある。当たり前だけど、忘れがちな真実。その事を知ることができた三人は、人の心が分かる素敵な大人になるんだろうなと思わせてくれる。「こんなことあるよね」と思わせるエピソードの積み重ねの中に、かけがえのない時間が描きだされ。最後が少しきれい過ぎるかもしれませんが、過剰に全てが説明されすぎることもなく、少年たちは自分の中にだけ大切な宝物を手に入れます。 おじいさんと少年らの交流が生き生きと描かれていて、児童文学の枠におさまらない、いろんなメッセージを発する一冊。





お前たちに踏まれるために、私は存在しているのだ。(P274)
 沈黙/遠藤周作(著)

神様って、いないんじゃない? という疑問を、ここまで考えぬいた人達がいる。

沈黙 (新潮文庫)/新潮社

¥594
Amazon.co.jp

島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

Arika報告書v1アイコン殉教を遂げるキリシタン信徒と棄教を迫られるポルトガル司祭。神の存在、背教の心理、東洋と西洋の思想的断絶等を追求し、映画化された話題作。信仰を命を賭してまで守ろうとする司祭と隠れキリシタン。それを様々な手法を用いて転ぶように仕向ける役人。祈れども祈れども黙秘し続ける神。その描写が痛々しい。ロドリゴの葛藤が重く響いてくる。当時の西洋ならキチジロウはクリスチャンてして穏やかに死ねた。迫害の時代に生まれた苦悩を叫ぶキチジロウの慟哭が痛い。それでも信仰を捨てられないキチジロウの弱さ中にキリストが息づいている証なんだろう。それはロドリゴも同じ。ロドリゴが棄教の中で見いだした物。たぶん、それはねじ曲げられた隠れキリシタンの教えも同じかも知れない。恐らく人類が長く持ち続けている思いが題材であろうから目新しいわけではないけれど、言葉を尽くせばこんなにも良い本になるのだなぁと巨匠の偉大さを知る。 この熱意のまま映画を観るべきか否か迷うところ。試される信仰、葛藤。なかなか理解しきれるものではないが映画と合わせて少しは理解を深めることが出来る小説である。





自分を閉じ込めるのは自分だけ。(P131)
 さきちゃんたちの夜/よしもとばなな(著)

きつい時代に〈さきちゃん〉たちの小さなパワーが優しい灯をともす。

著者最高の短編集。


さきちゃんたちの夜 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

失踪した友人を捜す早紀(さき)。祖父母秘伝の豆スープを配る咲(さき)。双子の兄を事故で亡くした崎(さき)の部屋に転がり込んだ、10歳の姪さき……。いろんな〈さきちゃん〉に訪れた小さな奇跡が、いまかけがえのないきらめきを放つ。きつい世の中を、前を向いて生きる女の子たちのために。「スポンジ」「鬼っ子」「癒しの豆スープ」「天使」「さきちゃんたちの夜」人生の愛おしさに包み込まれる5編。

Arika報告書v1アイコン友を捜す早紀。小鬼と亡きおばに導かれる紗季。秘伝の豆スープを受け継ぐ咲。〈さきちゃん〉の人生が奇跡にきらめく最高の短編集。死に寄り添って生きるそれぞれの『サキ』ちゃんたちの物語5編。穏やかながらもなんとなく冷めた感じで、こういう割り切った感情は自分にはないなと思いながら読みました。優しくて暖かくて穏やか。紡いでいくような文章に無駄がなく、安定感のある言葉の展開がすっと心に沁みていく。著者は自分が短編向きだと言っているが、個人的にはまとまった小説の方が好み。よしもとばななを読むといつも無条件で癒され赦される気がしてしまう。





僕の記憶は80分しかもたない。(P21)
 博士の愛した数式/小川洋子(著)

ぼくの記憶は80分しかもたない――

あまりに悲しく暖かい奇跡の愛の物語。


博士の愛した数式 (新潮文庫)/新潮社

¥529
Amazon.co.jp

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

Arika報告書v1アイコン80分しか記憶が続かない数学者と、家政婦とその息子はしだいに心を通わせ――。第1回本屋大賞に輝いた、あまりに切なく暖かい奇跡の物語。80分しか記憶が持たない「博士」、家政婦の「私」、家政婦の息子の「ルート」。この3人の日常を描いている。数学を愛し、ルートを無条件に愛する博士、これが「博士の愛した数式」と掛かっているとは素直にスゴイ!家事をする音。タイガースの帽子。ラジオから流れる野球中継。孤独な数学者の世界に侵入する事を許された外の世界の息吹。ルートが博士に抱き締められたり、褒められたり、優しくされると本人以上に嬉しかったり、自分もその時、側にいたいと思う「わたし」の気持ち、よーくわかる。記憶される事のない、特別な日々。記憶されなくても、決して色褪せる事のない日々。「分からないのは恥ではなく、新たな真理への道標」。数式を見れば頭痛の症状が現れるほど数学が大の苦手だった私が、物語の中の数式には何故かわくわくさせられ、博士とルートの互いを想う気持ちにほっこりした。都度都度出てくる数式には少し難を示しましたが、博士の様な人に教われば数学が少しは好きになっていたのかなぁと感じました。





思い出せないかもしれないけれど、左織さん、私にとってもよくしてくれたの。(P33)
 笹の舟で海をわたる/角田光代(著)

激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。

あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!

『本の雑誌』が選ぶ 2014年ベスト10(ノンジャンル)の第1位 獲得! !


笹の舟で海をわたる (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

朝鮮特需に国内が沸く日々、坂井左織は矢島風美子に出会った。陰湿ないじめに苦しむ自分を、疎開先で守ってくれたと話す彼女を、しかし左織はまるで思い出せない。その後、左織は大学教師の春日温彦に嫁ぐが、あとを追うように、風美子は温彦の弟潤司と結婚し、人気料理研究家として、一躍高度成長期の寵児となっていく…。平凡を望んだある主婦の半生に、壮大な戦後日本を映す感動の長篇。

Arika報告書v1アイコン不思議な再会をした昔の疎開仲間は、義妹となり時代の寵児となった。そのまばゆさに平凡な主婦の心はざわめく。昭和を促えた感動作。戦中戦後、そして現代を生きた女性の生涯を描いた物語。戦争から復興、高度成長、平成と激変の時代を生きた普通の主婦の佐織。なんでも周りのせいにして幸せを感じられない彼女。正反対の人生を作っていく友人風美子への嫉妬や妬み、疑いの一生。女性が自分で選択したり、決めたりするのがまだ難しい時代を生きた左織とスタートは同じなのに自由奔放に生きた風美子。気になる二人の女性の生涯。最後に左織が「わたしが決めた」と誇らしく思うのが良かった。彼女がちゃんと自分で選び、最後にやっと救われた。戦後の女性の生き方や家族の在り方について考えさせられた。誰しもこだわりはあるだろうけど、時にはゆるまないと人生楽しめない。風美子みたいな強さは無いけど、歳をとっても、周りの変化や色々な理不尽を受け入れられる人でいたいものだ。




ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。(P355)
 あと少し、もう少し/瀬尾まいこ(著)

寄せ集めのメンバーがぶつかり合いながら挑む中学最後の駅伝大会。

感涙必至の青春小説。 


あと少し、もう少し (新潮文庫)/新潮社

¥637
Amazon.co.jp

陸上部の名物顧問が異動となり、代わりにやってきたのは頼りない美術教師。部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめるが……。元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。あと少し、もう少し、みんなと走りたい。涙が止まらない、傑作青春小説。

Arika報告書v1アイコン頼りない顧問のもと、寄せ集めのメンバーがぶつかり合いながら挑む中学最後の駅伝大会。襷が繋いだ想いに、溢れる涙が止まらない傑作青春小説。駅伝にかける六人の中学生たちが、それぞれの事情や葛藤を胸に襷を繋ぐ青春ストーリー。解説の三浦しをん同様、あまり傑作って言葉は好きじゃないが、これはそれに値する。きれいごとでは片付かない年頃の彼らがそれでも襷をつなごうと必死にもがく姿は清々しくも、少し痛々しい。色々な人の心が一つのゴールに向かう、すっごい青春なストーリーと爽やかな読後感。 登場人物六人の視点で描かれており、それぞれの駅伝への思いが伝わってくる。 中学生におすすめしたい一冊。





死者は、残された生者のためにいるのだ。(P424)
 ツナグ/辻村深月(著)

あなたがもう一度、会いたい人は誰ですか? 

新直木賞作家の感動長編! 

映画化!


ツナグ (新潮文庫)/新潮社

¥680
Amazon.co.jp

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。

Arika報告書v1アイコン一度だけ、逝った人との再会を叶えてくれるとしたら、何を伝えますか――。死者と生者のそれぞれの想いをかかえた一夜の邂逅がもたらす奇跡。心に染み入る感動の連作長編小説。死んだ人と一生のうち1度だけ会うことを叶えてくれる、その使者ツナグ。設定を聞いたときはあまり好きな話ではないと思ったが登場人物の設定が秀逸で思わず引き込まれた。地味なOL、不器用で高飛車な長男、親友を亡くした女子高生、失踪した婚約者を待つ男、そして祖母から使者を引き継ぐ男子校生。話は突拍子もないモノなのに、何処にでもありそうな人間模様を題材に、裏にある真理を使者を通して描き出す辻村深月氏、スゲェ。しかもそれがシンプルで飾ってないからグイグイ入ってくる、お見事だわ…。大切な人に会えなくなる前に伝えたい事、聞きたい事、和解したい事、心残りがない様に過ごしていきたいと思う。





どこまでもどこまでも一緒に行こう。(P255)
 新編 銀河鉄道の夜/宮沢賢治(著)

星の空を、ひっそりと見あげたことありますか。

そして涙が出ませんでしたか。 


新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)/新潮社

¥464
Amazon.co.jp

貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく哀しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの絢爛にして切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な醍醐味をあますところなく披露する。

Arika報告書v1アイコン貧しい少年ジョバンニが銀河鉄道で美しく哀しい夜空の旅をする表題作等、童話13編戯曲1編。絢爛で多彩な作品世界を味わえる一冊。 。「双子の星」から始まるこの一冊の中に、一等有名な「銀河鉄道の夜」があり、ラストは菜食主義について描かれる「ビジテリアン大祭」で幕を閉じる。宗教的概念が強い作品の数々が集まって形成された賢治の宇宙は、静かに輝きを放ちながらしっかりとここにあるのだ。宮沢賢治の独特の世界観。言わずと知れた名作集です。表題作の「銀河鉄道の夜」と「双子の星」が個人的にはお気に入り。宮沢賢治のいつ読んでも飽きない世界観、そして個性的なオノマトペが好き。好きというか心に刺さったのは「ビジテリアン大祭」かもしれない。今までに読んだことのない賢治の世界がそこにあった。時に優しさ、時には残酷さを謳いながらキラキラと瞬くそれは、まさしく夜空に浮かぶ無数の星のようである。





うまい物を食うと、本当に子供みたいな顔になるのね。(P38)
 あつあつを召し上がれ/小川糸(著)

誰にだって忘れられない味がある。

身も心も温まる、食卓をめぐる7つの物語。


あつあつを召し上がれ (新潮文庫)/新潮社

¥432
Amazon.co.jp

この味を忘れることは、決してないだろう――。10年以上つきあった恋人との、能登へのお別れ旅行で味わった最高の朝食。幼い頃に、今は亡き母から伝授された、おいしいおみそ汁のつくり方。何年か前に家族みんなで並んでやっとありついた、天然氷でつくった富士山みたいなかき氷……。ときにはほろ苦く、ときには甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。

Arika報告書v1アイコン恋人との最後の食事、今は亡き母にならったみそ汁のつくり方……。ほろ苦く温かな、忘れられない食卓をめぐる七つの物語。食べ物にまつわる短編集。どのお話に出てくる料理も美味しそうで、食べてみたくなります。物語としては、かき氷の話が切なくて好き。こーちゃんのおみそ汁とさよなら松茸は特に好き。思わずウルっときちゃいます。料理にまつわる本が好きなのもあるが、小川糸の作品はとても読みやすい。言葉の使い方が絶妙。 どの作品もホロッとしてしまった。食べ物って美味しいことももちろん大切ですが、誰とどんな時に食べるかがとても大切なんだと感じました。




さあ、もう一度手をたたけ! 笑え!(P29)
 ビルマの竪琴/竹山道雄(著)

人が生きている意味ってなんだ? 

戦火の下で聞こえる歌声が答えてくれる。


ビルマの竪琴 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

ビルマの戦線で英軍の捕虜になった日本軍の兵隊たちにもやがて帰る日がきた。が、ただひとり帰らぬ兵士があった。なぜか彼は、ただ無言のうちに思い出の竪琴をとりあげ、戦友たちがが合唱している“はにゅうの宿”の伴奏をはげしくかき鳴らすのであった。戦場を流れる兵隊たちの歌声に、国境を越えた人類愛への願いを込めた本書は、戦後の荒廃した人々の心の糧となった。

Arika報告書v1アイコンビルマの戦線で捕虜になっていた日本兵士たちが帰国する日、僧衣に身を包んだ水島上等兵の鳴らす竪琴が……大きな感動を呼んだ名作。ビルマにて終戦を迎えた日本兵。その1人 水島がビルマ僧として残留します。最後に「仰げば尊し」を竪琴で弾いた時は、胸につまるものが(T_T)当時は、戦士した人の冥福を祈る気持は、新聞や雑誌にはさっぱり出ず、それどころか、「戦った人はたれもかれも一律に悪人である」といった風潮だったそうです。とかく家族愛とか祖国愛とか人類愛というようなものに触れてしまうと、良くも悪くも涙を浮かべてしまう。その涙は自分の内から発せられたものなのか、あるいは単に外(本)からの衝撃によるものなのかは不明なのだが、そうか、これって元々は児童向けとして書かれたのか……知りませんでした。しかし、大人が読んでも十二分に楽しめる小説でした。





誠の心、勇気、努力。(P111)
 塩狩峠/三浦綾子(著)

他人の犠牲になんてなりたかない、誰だってそうさ――

そうだろうか、本当に?


塩狩峠 (新潮文庫)/新潮社

¥767
Amazon.co.jp

結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。

Arika報告書v1アイコン大勢の乗客の命を救うため、雪の塩狩峠で自らの命を犠牲にした若き鉄道員の愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う。結末を知っていたからか、思っていたより平静に近い気持ちで読了した。「目に見えた不具者を笑うことはやさしいが、自分たち人間の心がどんなに不自由な身動きのとれない不具者かということには、なかなか気付かないものだよ」。キリスト教を基調とした小説。冒頭と最後に引用される「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん」の一節を地でいくような内容。初めはキリスト教を「ヤソ」と呼び反発していた主人公が、世間を知り、自らに悩むうちに信仰の道へと傾倒していく。このお話はフィクションですが、信夫の元になった長野政雄さんというクリスチャンのことが気になりました。





人生に二周目があればいいのに。(P344)
 月の上の観覧車/荻原浩(著)

「人生に二周目があればいいのに……」

いま、大人たちの“こころの観覧車”が静かに回り始めています。



月の上の観覧車 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

閉園後の遊園地。高原に立つ観覧車に乗り込んだ男は月に向かってゆっくりと夜空を上昇していく。いったい何のために? 去来するのは取り戻せぬ過去、甘美な記憶、見据えるべき未来──そして、仄かな、希望。ゴンドラが頂に到った時、男が目にしたものとは。長い道程の果てに訪れた「一瞬の奇跡」を描く表題作のほか、過去/現在の時間を魔術師のように操る作家が贈る、極上の八篇。

Arika報告書v1アイコン閉園後の遊園地、観覧車の中で過去と向き合う男――彼が目にした一瞬の奇跡とは。過去/現在を自在に操る魔術師が贈る極上の8編。各主人公達が自分や親しい人、偶然出会った人の過去に触れていく。 過去を振り返ることで前に進んでいく物語。人生の節目や終盤を迎え、主人公は幸福と言えない、大切なものを喪失し、後悔もしている。でも、過去は過去として一歩踏み出そうともしている。 自分の人生を振り返ってみても後悔は多々ある。でも、タイムマシンがあったらもう一度人生をやり直してみたいかといえばそうでもない。それは、失敗も後悔も、全部ひっくるめてかけがえのない自分の人生だから。当たり前だけどみんな若い時があって、故郷があって、邪険にしたり鬱陶しがっていたとしても自分のルーツを振り返る時期が来るのかもしれない。男も女もどうして若い時は新しい味付けが良くてもだんだんと実家の味に寄って来るのかなぁ、なんて思う今日この頃。少し人生を振り返るようになった年代に優しく哀しく響く物語たちだと思う。





一生忘れない友だちが、一人、いればいい。(P293)
 きみの友だち/重松清(著)

「いちばん大切なもの」、見つかった!

きみの友だち (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。

Arika報告書v1アイコン僕らはいつも探している、「友だち」のほんとうの意味――。優等生にひねた奴、弱虫や八方美人。それぞれの物語が織り成す連作長編。学生時代の友情をテーマとした連作短編集。同じ世界の中で、章ごとに主人公とする人物が変わっていく。人の数だけ物語があることに気づかされる。脇役で軽薄な奴だと思っていたのが、別の章では主人公となり同情するような葛藤を抱えたりしている。思春期特有の人間関係や感情の複雑さを、複数の視点から描いている。あの子と自分は友達なのか、あの子は暗いからいじめられても仕方がない、という登場人物の感情を見て、社会人になった今でも通じる感情であることに苦笑してしまった。思春期のそのような複雑な人間関係を正確に捉えていて、自分のその頃を思い出すことができた内容でした。子供の世界だけでなく、大人も含めた人間社会の構図。最後はハッピーエンドなのは良かった。





二度と再び、まいの世界が元に戻ることはなかった。(P10)
 西の魔女が死んだ/梨木香歩(著)

大好きなおばあちゃんは本物の魔女。

生きる力も本物だった――。

それからの物語「渡りの一日」併録。 


西の魔女が死んだ (新潮文庫)/新潮社

¥497
Amazon.co.jp

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

Arika報告書v1アイコン学校に足が向かなくなった少女が、大好きな祖母から受けた魔女の手ほどき。何事も自分で決めるのが、魔女修行の肝心かなめで……。冒頭の西の魔女が死んだ。から始まり、主人公まいは西の魔女、おばあちゃんとの思い出が浮かび上がっていく。野イチゴのジャム作り、魔女の修行、自分の場所、人は死んでしまうとどうなるのか…。大好きなおばあちゃんからたくさんのことを学び、少しずつ成長していくまいと共に読んでいる自分たちも少しずつ成長していくような気持ちになります。不登校の中学生のまいがおばあちゃんから魔女の手ほどきを受け、自分で決める力、遂行する力、精神力を鍛えることで心の悩みを解決してゆく。「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。〜シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」。西の魔女がまいに語り掛ける易しく優しい丁寧な言葉は、本当は弱くないまいを少しずつ引き出す魔法のよう。自己啓発本ではないのだけれど、おばあちゃんが教えてくれる魔女修行の教訓は、現実社会を生きる私にとってもためになるものだった。特に、自分で物事を決めるということは、本当に大切。学生時代に読むべき1冊。





一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。(P125)
 黒い雨/井伏鱒二(著)

あの20世紀最大の悲劇を、坦々と、静かな語り口で後世に伝える――

小説の力だ。 


黒い雨 (新潮文庫)/新潮社

¥724
Amazon.co.jp

一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨”にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。

Arika報告書v1アイコン一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨の中を人々は彷徨い歩く……。罪なき広島市民が負った原爆の悲劇。その実相を精繊に描く名作。原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを語る物語はたくさんあるけれど、この小説はそれらとは明らかな違いがある。登場人物たちは身体に不調を感じながらもまず普段どおりの生活を第一に考え世を嘆いたりしない。事件が起こったから「終わり」、ではなく、そこから「始まる」。容赦なく残酷な時間は止まってくれないし、体だって時間を刻んでいく。感情なんかを置き去りにして・・・・。だからこそ逆に恐さが伝わってくる、そんな小説のように思えた。印象深い一文。「いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」。これからの私たちが出来ることは、同じ惨禍を二度と繰り返させないこと。声にならない叫びに耳を澄まし、黒い雨が二度と降らないよう、過去を忘れてはいけない。それが平和への強い祈りになるのだと改めて思った。





死者達は笑っていた。(P208)
 野火/大岡昇平(著)

テレビや教科書では教わらない、戦争の真実がここにある。

野火 (新潮文庫)/新潮社

¥432
Amazon.co.jp

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

Arika報告書v1アイコン野火の燃えひろがるフィリピンの原野を彷徨う田村一等兵。極度の飢えと病魔と闘いながら生き延びた男の、戦争という異常な体験を描く名作。すごく衝撃でした。 戦争を描いた作品は多数あれど、実際に経験しなければ書けない事実の重みがありました。飢え、フィリピンの自然、敗残兵の心境…。 けれども、とても文学的で、匂いや熱まで伝わるような描写力にその世界に自然と引き込まれた。主人公が戦後、戦時中のことを回想した手記とはいえ、自分の感情や見た自然の様子が誰か他の人の経験を話すかのように淡々としている。それに対して、出会った人たちが泥臭く良くも悪くも生き生きしている対比。主人公は一貫して神に救いを求めたが、生きるために人の肉を食べなかったそれが主人公が自分を客観視することができるその姿はある意味神ではないだろうか。生きる事と倫理。その間で彷徨う凄惨な戦時下での飢えた人間の姿、人を殺し人を壊すもの、これが戦争というものなのだろう。腐敗する姿、山の風景、立ち上る野火…、数々の細やかな描写の生々しさと、哀しいまでに美しい自然が脳裏に焼き付き、重い衝撃で言葉がない。戦争を通じて、自分が極限状態に陥ったらどうなるのか、ということをストーリーを通していろいろ考えさせられた。極限状態の人間の心理をここまで書ききった作品は初めて読んだ気がする。人間でありながら人間でなくなることへの恐怖を感じた。





読書よ、わたしの物語は自由で終わる。(P317)
 ある奴隷少女に起こった出来事
 /ハリエット・アン・ジェイコブズ(著) 堀越ゆき(訳)


幼くして両親と死に別れ、

12歳で35歳年上の白人医師の家の奴隷となり性的虐待を受ける。

苦難に満ちた自身の半生。

刊行から約130年後のアメリカでベストセラーに。


ある奴隷少女に起こった出来事 (新潮文庫)/新潮社

¥価格不明
Amazon.co.jp

好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身篭ることを―。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遙かに凌ぐ“格差”の闇を打ち破った究極の魂の物語。

Arika報告書v1アイコン絶対に屈しない。自由を勝ち取るまでは――残酷な運命に立ち向かった少女の魂の記録。人間の残虐性と不屈の勇気を描く奇跡の実話!「人が人をモノとして扱う」という地獄をたっぷり描きつつも、心に残るのは、それでも多くの人が彼女を助けたということ。法律や当時の社会規範よりも、自分の良心や情に従って行動した人びとの姿は、まさに地獄の中にさす光のようです。とくにお祖母さんが競売にかけられた時のエピソードがまるで映画のワンシーンみたいにドラマチック!主人の性虐待や逃亡生活など凄絶な環境に身も心もズタズタになりながらも、逆に彼女の知性が研ぎ澄まされていくのがすごい!そして七年間の潜伏、嘘の手紙、執拗な追跡…知力も死力も尽くした逃亡劇が凄まじい!不屈の闘志!子ども達がけなげ!「人間として扱われたければ、人間として行動しなければならない」という言葉を思い出しました。たとえそれがどんなに辛くて過酷な道だとしても、人間として生きるため闘った少女の実話。これが人間同士で公然と行われてきた事実なのかと思うと、その愚かさに言葉を失います。




ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。(P108)
 星の王子さま/サン=テグジュペリ(著) 河野万里子(訳)

これまでで最も愛らしく、毅然とした王子さまが、優しい日本語でよみがえります。

世界中の子供が、そして大人が読んできた。

世紀を越えるベストセラー。


星の王子さま (新潮文庫)/新潮社

¥514
Amazon.co.jp

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。

Arika報告書v1アイコン世界中の言葉に訳され、70年以上にわたって読みつがれてきた宝石のような物語。今までで最も愛らしい王子さまを甦らせたと評された新訳。小学生時代に『星の王子さま』を読んだ時にはあまり印象に残らず、暗喩の多い本かと漠然と思った。大人になった今、王子さまの言葉は、子ども目線による大人の変なところや身勝手なところ的確に言い当てているようで、ドキッとする。大人になった今だからこそ、はっとすることが多かった。知識ばっかりつけて頭でっかちになっていくから、「心で見る」ということは、なかなか難しいなあと思う 。児童書の枠を明らかに超えて読んでいて哲学書のようだとも感じる。なるほどなと気づかされる話が沢山あったが特に心に沁みたのはキツネとのやり取り。「肝心なことは目に見えない」というキツネのセリフ。名作と言われるのも納得。 いつのまにか子どもの心を忘れてしまった大人が読むべき本だと思う。





さあ、殺せ、どっちがどっちを殺そうとかまうこたない。(P105)
 老人と海/アーネスト・ヘミングウェイ(著)、福田恆存(訳)

男は死ぬまで闘いだ。

こんなに薄い本でそれを悟れる君は幸福とだけ言っておく。


老人と海 (新潮文庫)/新潮社

¥464
Amazon.co.jp

キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる食いちぎられてゆく……。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。

Arika報告書v1アイコン来る日も来る日も一人小舟に乗り、出漁する老人――― 大漁を相手に雄々しく闘う漁夫の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作。何もない海に一人の老人と一尾のカジキの静かな死闘、決着がつき帰路に臨んだところでの鮫との死闘がただ淡々と進んでいきます。 老人もカジキも鮫も、ただ生きていくために、活きていくために死にもの狂いになり、また運が悪ければ死んでいく。そんな言ってしまえば当たり前のことを淡々と、一方でそのシーンを間近で見ているような感覚にさせられる本書です。とは言いながら、文章は簡潔平易で、ハードボイルドなアメリカンヒーローの闘いを満喫させてくれます。主要な登場人物はわずかニ人+一匹。秀作、面白かった。



関連記事
スポンサーサイト



コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック