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気になる作家の魅力*16(絵本作家:レオ・レオニ)

kage

2017/09/17 (Sun)

2017年09月17日号
Arika作家紹介2

担当:風うろこArika報告書1gアイコン

気になる作家『レオ・レオニ』さん

日本でも有名な外国人絵本作家のひとりであるレオ・レオニさんですが、そのプロフィールはあまり知られていません。

10年以上前に東京・板橋区美術館で開催された「レオ・レオニ原画展」の目録を元に、レオ・レオニさんを知る6冊を紹介します。


 じぶんだけのいろ ―いろいろさがしたカメレオンのはなし

作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

一緒なら、周りの色がどんなに変わっても大丈夫。

じぶんだけのいろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし

おうむはみどり、きんぎょはあかい・・・動物はそれぞれ自分の色を持っていますが、カメレオンだけは周りの色に合わせて色が変わってしまい、「自分の色」がありません。カラフルなカメレオンの悩みは、周りに合わせて色が変わってしまうこと。自分の色がないことを嘆くカメレオンに仲間が現れ、一緒にくらすことにします。2匹一緒なら、どこに行っても同じ色。何かを共有できる家族や友だちがいるって、とてもしあわせ。

長い冬の夜のページで、カメレオンの悲しみがひたひたと伝わってきました。 周りの人は持っている「自分の色」を、どうしても持つことができない自分。ふと、周囲に合わせて、本当の自分らしさが分からなくなってしまった頃の自分を思い出しました。けれど、春が来て、年上の賢いカメレオンとの出会いで、カメレオンの表情がまるで変わります。二匹は一緒に暮らすことにして、一緒に緑になり、紫になり、黄色になり・・・。周囲に合わせて色が変わるのはそのままだけど自分と同じ気持ちを分かってくれる存在がいるという喜び。最後のあか(実際はピンク)に白の水玉模様に染まった、仲睦まじいニ匹をみたら「ぼくらいっしょにいてみないか?」という言葉はプロポーズだったのかしら?なんて思えてきたりして。



 あおくんときいろちゃん

作・絵: レオ・レオニ
訳: 藤田 圭雄

絵の具で描かれた青や黄色のまるが生き生きと動きまわり、

絵本ならではの夢と感動をもたらしてくれる。

作者が孫のために作ったという人間愛あふれる絵本。


あおくんときいろちゃん (至光社国際版絵本)

あおくんはパパとママとおうちに住んでいて、お友達がたくさん。でも一番の仲良しはきいろちゃんで、きいろちゃんは通りの向こうにパパとママと住んでいます。ある日あおちゃんのママは、あおちゃんにお留守番を頼んでお買い物に。ところがあおちゃんはきいろちゃんと遊びたくて家を出てしまいます。あちこち探しますがきいろちゃんはいません。とうとう街角でばったり大好きなきいろちゃんと出会いました。あおくんときいろちゃんは嬉しくてくっつき・・・みどりちゃんになってしまったあおいくん。

絵の具で描かれた青や黄色のまるが生き生きと動きまわり、絵本ならではの夢と感動をもたらしてくれる。作者が孫のために作ったという人間愛あふれる絵本。シンプルでかわいい絵本は、大人になって読み返すと、個性や意識、独立して家庭を持つことなどに思いが及びます。アメリカなどでは人種について考えることにもつながるのかもしれませんね。

この絵本の作者レオ・レオーニは長年アメリカで、もっとも活躍した芸術家の一人です。その多彩な創造力は絵画、グラフィック・アート、デザインの各分野で示されています。すでに古典といわれるこの絵本はレオーニが孫たちにお話をせがまれた時、ぐうぜん生れたものです。手近の紙に色をつけて次つぎに登場人物を創りだしながら、孫たちもレオーニ自身も夢中だったといいます。アメリカでは、この絵本の、青と黄とが重なってまったく違った緑になるというテーマが、人と人の心の融和を暗示するものとして、おとなたちの間でも好評を博しています。




 マックマウスさん のねずみのなかまになった まちねずみのはなし

作:レオ=レオニ
訳:谷川俊太郎

街ねずみのティモシーはある日突然人間のような姿になってしまい、街から逃げ出します。

野ねずみたちの仲間になるためには試験が…


マックマウスさん

ある朝、突然人間のような姿になってしまった街ねずみのティモシーが、自分を受け入れてくれる場所を探しにいくというお話です。街から逃げ出したティモシーは、草むらで野ネズミたちに出会います。そこで出会ったスピニーというの野ネズミは、ティモシーに会った瞬間に「マックマウスさん」とあだ名を付けたり、「あなたもいっしょにすんでもいいんじゃないかな」と、全く垣根のない性格。仲間になるための野ねずみ免許を取るのに頑張るも、テストでは失敗ばかりだけど、猫から逃げる知識なら持ち合わせています。そしてそれは大切なこと。違いを理解してくれるスピニーも素敵です。私は、このスピニーという野ねずみが、主人公のティモシーよりも、気になってしまいました。この絵本はシックで大人っぽい印象の挿絵です。岩や土の触感がすぐそこに感じられるような美しい世界でした。



 せかいいち おおきなうち りこうになったかたつむりのはなし

作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

世界一大きなうちを欲しがるちびかたつむりに、

父親が、世界一大きな家を持ったばっかりに家の重みに

身動きのできなくなった愚かなかたつむりの話をしてやります。

静かなる教え。



せかいいちおおきなうち―りこうになったかたつむりのはなし

「大きくなったら世界一大きなうちがほしい」という息子に、かたつむりの父さんが聞かせたお話。大きくてカラフルなかたつむりは美しいというよりも滑稽で、びっくり仰天のカエルたちと「身の丈を知るって言葉があるよね」と話し合ってみたくなります。「大きいことは、いいことだ」的価値観に疑問を投げかける父さんかたつむりの話が印象的な作品。ちびかたつむりは自分が小さいゆえ「大きいことが一番」と考えましたが、父さんの話を聞いて新しい価値観を学びます。作中話で、かたつむりが自分の「うち」をどんどん大きく変容させる場面は小さな読者を魅了することでしょう。その結果、何が起こるのか。人生の知恵をわかりやすく教えてくれる一冊ともいえます。レオ=レオニの中でも、特に大好きな作品です。 機能性とか利便性とか、子どもには思いつくはずもありません。 『大きくて、格好よくて、目立って、みんなの注目をあびる!』それこそが、理想。このお話は、おとうさんが昔話を通して、ちびかたつむりに『本当の素晴らしい家とは何か』を教えてくれます。どんな説教よりも説得力があります。だって、ちびかたつむりの目は涙でいっぱい。私は、このシーンすごくいとおしい。素直に涙を流せる ちびかたつむり、本当に純粋で、子どもらしいなって思います。




 フレデリック ―ちょっとかわったのねずみのはなし

作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

仲間の野ねずみが、冬に備えて食料を貯えている夏の午後、

フレデリックだけは何もせず、ぼんやり過ごしておりました。

寒い冬がきて、フレデリックは・・・。


フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし

牧場に沿った石垣の中に、おしゃべりのねずみの家がありました。お百姓さんが引っ越してしまったために、納屋は傾き、サイロはからっぽに。おまけに冬が近づいています。野ネズミたちは冬に備え、せっせと食べ物を蓄えました。でも、フレデリックだけは別。どうして働かないのかと聞く仲間達に、フレデリックは「色を集めてるんだ。冬は灰色だからね。」「おひさまの光を集めてるんだ。」「言葉を集めてるんだ。話のたねがつきてしまうから。」と答えます。冬が来て、楽しく過ごしていたのもつかの間、食べるものが尽きて、みんなが元気をなくす中、フレデリックは・・・・。「フレデリック、君が集めたものはどうなったんだい?」そこでフレデリックはせきばらいをすると・・・。みんなと違うってことは、みんなの役に立つこともあるってこと。

子どもの頃、他の人たちと考え方が違うことに悩んだ経験がありますか? サブタイトルが、~ちょっとかわったのねずみのはなし~とあります。 人と違う考え方をしたり、人と違う視点で物を考えたり、一見すると悪い事に思えてしまうようなことも、自分を信じてそれをまっとうする。それで良いんだ。ってフレデリックは教えてくれる。私はそうでした。でも社会に出るとそれがものすごくプラスになる(うまくいけば)。芸術家になろうと思ったり、今は偉人だと言われる人や、例えばエジソンだって、その時は出る杭は打たれるような扱いで、「あの人は変わってる」ってきっと言われていたはず。でも人と違う事を考えたり、違う視点で物を考える事を誰もしなくなってしまったら、なんてつまらない世の中になってしまうと思いませんか。 大人が言葉で説明するよりも簡単にそんな事を教えてくれるレオニ・マジックを是非一度!レオ・レオニの絵本は子ども達にとって救いになるはず。





 マシューのゆめ ―えかきになったねずみのはなし

作: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

ねずみのマシューは、汚い屋根裏の一隅に両親と住んでいました。

将来何になりたいかと訊ねられても、答えることができません。

学校の皆と美術館に行ったのが・・・

ちょっとかわったのねずみのはなし。



マシューのゆめ―えかきになったねずみのはなし

両親に何になりたいか聞かれても「わかんない」と言うマシュー。ところが生まれて初めて美術館に行き、その夜見た夢で絵描きになると決心します。そこから絵描きになるまでのお話です。貧しくてみすぼらしい暮らしでも、芸術は夢を見せてくれるし、未来への夢を持つことで人生が輝くのです。



 スイミー 小さなかしこいさかなのはなし

作: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

小さな黒い魚スイミーは、広い海で仲間と暮らしていました。

ある日、仲間たちが大きな魚にみな食べられてしまいました。

一匹だけ残ったスイミーは・・・



スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

ちいさな黒い魚のスイミー。海の中で出会ういろいろな海の生き物たち。小さな赤い魚たちが集まってできた赤い大きな魚。ページいっぱいに描かれている海の様子は、きっと子供たちの目を引くことでしょう。また「虹色のゼリーのような…」「ドロップみたいな岩から…」といったいろんなイメージが広がる表現や「スイミーは考えた。いろいろ考えた。うんと考えた。」というリズムに乗った文章を読み手も一緒に楽しんでみてください。




 アレクサンダとぜんまいねずみ ―ともだちをみつけたねずみのはなし

作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎


ねずみのアレクサンダは、子供達にちやほやされる玩具のぜんまいねずみがうらやましくて仕方ありません。

しかしある日、その玩具はゴミ箱に捨てられていたのです・・・


アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし

コラージュのような色鮮やかな美しいページが沢山ある中でも、強く印象に残っていたのが「むらさきのこいし」でした。 満月の夜、アレクサンダが抱える「むらさきのこいし」は本当にきれい。石だけ見ると、何の変哲もない紫色の石なのに、不思議です。自分のことばかり考えていたアレクサンダがウィリーの悲しみに共感したとき「とつぜんめにはいった」むらさきのこいし。しあわせになるために必要なことは何なのかを象徴しているようにも感じました。最後のページのねずみ達の表情がとてもいい。音楽でも流れてきそうな、喜びにあふれたダンス。今はまだ真っ白な未来に、生きているネズミとして大変なことがあっても、ニ匹はずっと友達でいられるのではないかしら。昔、表紙のかわいらしいねずみに魅かれて手に取り、想像以上の深いお話に入り込んだ覚えがあります。




 コーネリアス ―たってあるいた わにの はなし

作: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

ワニのコーネリアスは立って歩きます。

猿に教わり、逆立ちや尻尾でぶらさがることもできるようになりました。

仲間のワニたちはそれを無視していましたが・・・

立って歩いたワニと、仲間たちのお話です。



コーネリアス―たってあるいた わにの はなし

ニ足歩行が出来るわに、コーネリアスのお話です。遠くまで見えることが嬉しくて、みんなに伝えずにいられない彼の気持ちも分かるけれど、コーネリアスの話を聞かない、憮然とした表情のわにの仲間の気持ちも分かる気がします。生まれつき立って歩けたコーネリアスと違って、這って歩くことしかできない自分じゃ、努力したって無駄、自分で遠くの景色を見ることはできないと思えば、
やっぱり面白くないだろうなぁ。川岸を出て行ったコーネリアスが、さると出会えて、本当に良かったなぁと思います。さるの芸当を見て、素直に教えを乞うコーネリアスも、嬉しそうに助けるさるも、いいじゃない!新しいことが、自分だけ出来たら自慢かもしれないけれど一緒に誰かとその楽しさを共有できたら、もっともっとしあわせ。コーネリアスはさるとその体験をしたからこそ、また川岸に戻ったのではないかな?と思います。仲間に、新しいことの楽しさを今度こそ伝えたい、と。それでもやっぱり相手にされず、さるのところへ帰ろうとしたコーネリアス。よくぞ振り向いてくれました!ユーモラスで、ちょっと嬉しい結末に、その後のお話が気になります。きっと、読む人によって色々な読み方ができるお話だと思います。かわいらしい動物達に誘われて、読むとあれこれ考えさせられる、レオ・レオニらしい絵本、おすすめです!




 さかなはさかな ―かえるのまねしたさかなのはなし

作・絵: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

おたまじゃくしが、蛙になって幼馴染みの魚を訪ねてきます。

魚は蛙の話を聞き、外の世界をみたくなり、蛙の真似して池を飛び出してしまいます。

さあ大変・・・


さかなはさかな―かえるのまねしたさかなのはなし

隣の芝が青く見えるという諺があるように、他人の暮らしに憧れたり、無い物ねだりしたりする人がいるけれど、自分に合った暮らしというのは、自分の目の前にあるものだということをこども向け絵本ながら、大人も教えられる作品です。魚はやっぱり魚として水の中で暮らすのが一番だと、他の生き物の暮らしに憧れていたさかなが気づく時、なんだかこどもながらにほっとするようです。分かり易いけれど、奥が深い作品です。




 はまべには いしが いっぱい

作: レオ・レオニ
訳: 谷川 俊太郎

石、石、石・・・子どもたちって、石が好きですね。

浜辺の石はいろんな色や形をしていて、まったく同じものは二つとありません。


はまべにはいしがいっぱい (レオ=レオニの絵本)

この絵本には、石の魅力がいっぱいに詰まっています。さかなの形をした石、がちょうみたいな石、数を教えてくれる石、そして素敵な顔の石・・・。モノクロの鉛筆で描かれている石のちょっとした丸みや影に、不思議と温かな、親しみと懐かしさを感じます。色もなく、言葉も少ないこの絵本。実はこの作品、レオ・レオニの3冊目の絵本とのこと。日本でも長い間絶版で入手困難でしたが、2012年4月に好学社より復刊されました。私たちの知らなかったレオ・レオニの世界に出会えたことに感謝します。


Profile レオ・レオニ(れおれおに)

絵本作家。

イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家として、米国でもっとも活躍した芸術家のひとり。「あおくんときいろちゃん」(至光社刊)「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「さかなはさかな」「うさぎをつくろう」「じぶんだけのいろ」(以上好学社刊)などの作品がある。1999年没。

☒略歴・人物
1910年オランダ アムステルダム生まれ。

☒受賞歴
1910年 オランダのアムステルダムに生まれる。
1931年 ノーラ・マッフィーと結婚。
1939年 米国に亡命、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍。イタリアファシスト政権崩壊後はイタリアとアメリカを行き来する生活を続ける。
1959年 ”Little Blue and Little Yellow”(あおくんときいろちゃん)を出版し、絵本作家としてデビュー。
1976年 イタリアの出版社から 『平行植物』 を出版。
1981年 国際交流基金により、日本に1ヶ月間滞在する。
1999年 10月12日死去。


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