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このマンガがすごい!2018≪オトコ編≫

kage

2018/01/01 (Mon)

このマンガがすごい2018

オトコ編 第1位は『約束のネバーランド』

原作・白井カイウ先生、作画・出水ぽすか先生共に「週刊少年ジャンプ」初連載中の“脱獄”サスペンス。

物語の舞台は、小さな孤児院「グレイス=フィールドハウス」 。

3人の主人公エマ、ノーマン、レイは、
この平穏なハウスで幸 せな日常を送っていたが、突如その日常は終わりを告げてしまう……。

オンナ編第1位は『マロニエ王国の七人の騎士』

「このマンガがすごい!」2017年度、見事オンナ編の第1位に輝いた『金の国 水の国』。

完結直後に発表された岩本ナオ先生の新連載が、なんとオンナ編第1位を2年連続で獲得!!

2年連続での第1位は、羽海野チカ先生以来の快挙です!!!!

物語の主役は、マロニエ王国に暮らす7人兄弟の騎士。

彼らが心に決めた大義は、「かっこよくお姫様を助けること!」

兄弟全員のキャラクターがまるで違うので、 推しキャラができること間違いナシ!?

第2位以降のランキングは、みなさんがご存じであろう作品から、期待の新人作家さんの作品まで目白押しなので、要チェック!!


このマンガがすごい! 2018/宝島社

¥価格不明
Amazon.co.jp



 オトコ編

★ 第1位 ★
『約束のネバーランド』
白井カイウ(作)  出水ぽすか(画)
(集英社)


「楽園」は「監獄」だった‼ 知力と死力を尽くした脱獄劇 

約束のネバーランド 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

「ジャンプ」らしくない? 

いいや、これこそ最高の「ジャンプ」マンガ!! 

“天才”原作ד神”作画の“最強”タッグに迫る!!


早急な安全の確保を目指す子供達に接触した謎の少女。彼女は一体!? 一方囮として皆と離れたレイを鬼の追手が完全包囲する。彼は再び仲間と会えるのか!? 永遠の子供達よ、絶望に立ち向かえ! 衝撃の脱獄ファンタジー!!

Arikaアイコン(小)1食人鬼が支配する世界で「檻」からの脱出――
子どもvs大人!頭脳戦がアツいサスペンス「ジャンプ」マンガ

本作は、SF的なサスペンス作品にして「脱獄」もの。「週刊少年ジャンプ」掲載開始直後から大反響を呼び、あっという間に累計発行部数100万部を越えた脅威の作品『約束のネバーランド』。小さな孤児院グレイス=フィールドハウスで過ごす3人の主人公・エマ、ノーマン、レイ。優しい“ママ”と仲間の子どもたち、幸せで穏やかな暮らしが、ずっと続くと思っていた……。しかし、その平穏は唐突に終わりを告げる。里親に出されたはずのコニーが鬼向けの食肉として出荷される現場を目撃してしまう。明らかになった孤児院の正体と、残酷な世界の仕組み。真実を知ってしまったその日から彼らは、生きるため、“脱獄”を決意するのだった――!! 

主人公は12歳以下の子どもたち。育ての親でもあり孤児院を装った人間飼育場の管理者でもあるママは、知力も体力も優れた強者。庇護者である「大人」が敵にまわった時の怖さといったら…!?優しい仮面を被るママと、無知でピュアを装う少年・少女たちの駆け引き。仲間の中にも内通者がいたり、ママが状態を制御していたという意図を逆手に取ったりと、頭脳戦や心理戦を繰り広げられる、そのうえで、知恵を出し尽くした末の壁を乗り越える「勇気」の脱獄劇。しかも驚きなのは「ジャンプ」なのに、バトル展開もない!しかも、原作・作画の2人とも、本作が「ジャンプ」でのデビュー作!注目マンガが目白押しの「ジャンプ」大激戦を制し、本作は見事オトコ編第1位を獲得しました!! ハラハラさせられたが、無事に孤児院編も終わって新編に突入。この勢いのまま、この世界の果てまで完走してほしい!



★ 第2位 ★
『BEASTARS』
板垣巴留 (秋田書店)


理性と本能のせめぎあい 

17歳ハイイロオオカミの恋は種を超えられるか!? 


BEASTARS 6 (少年チャンピオン・コミックス)

「動物たち」を通して描かれる激熱ヒューマンドラマ‼

激闘の末、シシ組からハルを救出したレゴシ。

ハルと2匹で帰宅途中、終電を逃してしまい、ホテル泊を余儀なくされた。

密室で、過去の罪を自白するレゴシだが…!?

Arikaアイコン(小)1あちら側に「踏み越えない」苦労に共感しきりの人類も多いはず。
一見、平和な世界に潜む種を超えた理性と本能のせめぎあいの苦労⁉

肉食獣と草食獣が共存するこの世界で「肉を食べること」は重罪とされている。全寮制のチェリートン学園で過ごすオスオオカミのレシコは、メスウサギのハルに出会ったことで、本能が暴走しかけてしまい、自己嫌悪に陥るが――。そんな全寮制のチェリートン学園で草食獣の男子学生が校内で食殺される事件から始まる本作。ミステリー展開を予感させながら、この事件を「一見、平和な世界に潜む理性と本能のせめぎあいの象徴」にすえ、それぞれの動物たちが自身の立ち位置から事件周辺について発言していく展開と各種族の特徴を多分に残した造形、体格の違いをフルに魅力的に活かした高低差のあるアングル、目や尻尾の動きによる細かな画の演出や寮内・校内の張り紙や、購買部に置かれている小動物用の梯子などの小物etc.見どころ満載。なかでも、理性的であることが当たり前の世界で、本能の発露に悩むハイイロオオカミのレゴシの繊細さや、本能があるかぎり、自分たちは他者か己を苦しめる存在なのだと語る、大人びたドワーフウサギのハルとのドラマからは目が離せない。肉食獣と草食獣が共存する世界では、レゴシが内なる野望に逆らいながら学校という窮屈な「檻」に踏み止まる。本能を縛る理性、喰うものと喰われるものの種を超えた愛情。恋は種を超えられるのか⁉ 種の違い、自分らしさと理性のどちらに軸足を置くかによっても、「正義」が変わる複雑な世界観を浮かびあがらせつつ、ドラマ性の本筋も着々と進行していく構成のうまさ。あちら側に「踏み越えない」苦労に共感しきりの人類も多いはず。いつしか動物たちが抱えている問題は、フィクションの世界を超え、読み手の胸に迫る激熱ヒューマンドラマに‼ なんといっても、各種動物のキャラクターの魅力的個性が素晴らしい作品です。




★ 第3位 ★
『不滅のあなたへ』
大今良時 (講談社)


”球”だった主人公・フシ――

”自分”を獲得していく物語 


不滅のあなたへ(5) (週刊少年マガジンコミックス)

各地から凶悪殺人犯を集めた島・ジャナンダで、フシはピオランと離れ離れになってしまう。

ピオランを救い出す唯一の方法は、闘技場のトーナメントで優勝し島長となること。

殺伐とした島に強い不快感を覚えながらもフシは闘技場での戦いを続ける。

抑圧がフシを人としての成熟へ導く。

ここはまさに新しい学び舎であった。

Arikaアイコン(小)1あてのない遍歴で新たな「家族」を得ては失い、
悲しみの記憶を体内に取り込んで先へと進む物語の向こう側に何が…!?

「このマンガがすごい!2015」オトコ編で第1位に輝いた『聲の形』の大今先生が放つ最新作は、現代を舞台とした前作とは打って変わった本格的なファンタジー。何者かによって、この世界に「球」が投げ入れられた。姿をあらゆるものに変化させられる球は、石、コケ、オオカミと姿を変え、そして少年と出会う。やがて少年の姿を獲得した”それ”は、広い世界へ旅立つ。まだ何者でもない主人公が、様々な経験をして成長するビルドゥングスロマンといえば少年マンガの王道だが、まさか主人公が最初は本当に何者でもない球体であるというデフォルメの発想に私を含め多くの読者は度肝を抜かれただろう!?物語は西洋風の架空世界を舞台に始まる古墳時代前期のヤマト王権成立期を思わせる文化水準で、独特の言語(現代日本語の五十音と対応)も登場する。フシと名付けられた少年は、かつて自分が出会ったオオカミやクマへと変幻自在に姿を変えながら敵と戦う。読者はフシの目を通じ、この新世界の情報をフシとともに獲得していく旅の目になる。少年の旅に見守るうちに成長とは何か、自分とは何かを、いつしか考えさせる。あてのない遍歴で新たな「家族」を得ては失い、悲しみの記憶を体内に取り込んで先へと進む物語の中で、自分に出会う。 フシの戦い方は予測不能で、先の読めないアクションに手に汗を握ることは必至。また、フシのあとを追うノッカーの存在も気がかりである。



★ 第4位 ★
『月曜日の友達』
阿部 共実 (小学館)


モノクロームな世界で輝く危なくカラフルな青春

月曜日の友達 1 (ビッグコミックス)

まばゆい中学生ガールミーツボーイ物語!

みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生。そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と校庭で会う約束をする。決まって月曜日の夜に。大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、まばゆく、胸がしめつけられるガールミーツボーイ物語。

Arikaアイコン(小)1瞳のなかにいる2人。青春の違和感にポップに向き合う
『ちーちゃんはちょっと足りない』で『このマンガがすごい!2015』オンナ編1位、第18回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 新人賞を受賞した天才・阿部共実が満を持して贈る長編最新作。中学校に進学し、大人びはじめてきた周囲の言動に息苦しさを覚えている水谷茜は、夜の校庭で、超能力の特訓をするクラスメイト月野透と出会う。2人は毎週月曜日に夜の学校で会うという秘密の約束を交わす。久々の連載作品ながらもその切れ味をまったく落としておらず、むしろ、よりいっそう鋭さを増している。大人へと歩み始めた友だちに、素直には溶け込めない思春期の違和感。絵柄はポップでコミカル、でも同時にどこか不気味で切ない。子どもっぽい女の子ときれいな男の子のコントラスト。みんなが心地いいフリをしている学園生活。その閉ざされた「普通」が気持ち悪い!と、ともに叫べる相手とめぐり合う切なさ。どんなモノクロームな世界でも輝く危うくカラフルな青春はある。主人公・水谷は、豊富な語彙でモノローグを語ることはできても、自分の抱える感情にうまく言葉にとらえることができない。なぜ”変”であってはいけないのか、なぜ出来のいい姉のことが嫌いなのか。その心の機微は、月野との交流の中でのちょっとした描写の積み重ねによって、ただ示されていく。対して物語には、不穏さの種もあちこちに見られる。大人になる一歩手前のまばゆさを独特の語調と陰影描写で綴る魅力。モノクロの世界に色を灯す背景のきらめきの描写力は、本作の情緒を下支えする注目ポイントです。普遍的でいて尊い。人類の宝にしたい、そう思える作品です。



★ 第5位 ★
『衛府の七忍』
山口貴由 (秋田書店)


チェスト関ケ原! 
「怨身忍者」たちの”復讐時代劇〈エンターテインメント〉”


衛府の七忍 4 (チャンピオンREDコミックス)

新たな怨身忍者出現の報を受け、討伐に向かったのは剣聖・宮本武蔵! 

剣聖の剣は鬼を斬れるか!?

Arikaアイコン(小)1突き抜けすぎたケレン味が未知の感覚を呼びさます。
元和元年(1615年)、徳川家康によって大坂城は落城。豊臣家は敗北した。治国平天下人大君となった徳川家康は将来の反乱の芽を潰すため、豊臣残党の討伐を徹底。徳川幕府は落人狩りのため「覇府の印」を配下や民兵に配布し、身分を問わず豊臣の残党を自由に狩ることを許した。だが落人狩りの許可証である「覇府の印」は、「身分なき者」への暴力と悪意を暴走させた。その横暴に刃向かうべく、異形の姿と能力を持つ「怨身忍者」が誕生する――!このおぞましいほどの濃厚な物語を『シグルイ』『エクゾスカル 零』の山口先生がケレン味たっぷりに激筆する。本作の特徴は、なんといっても過剰なまでに残酷な描写と、独特の台詞まわしの数々。命のやり取りの極限で唐突に放り込まれるイマドキの若者言葉や、「チェスト関ケ原!」に代表される謎の造語が、読者を面食らわせ、そして独特のペースへと引きずり込んでいく。それでいて、ここぞの場面では、その奇妙な台詞が心揺さぶるひと言へと転じるのが、見事というほかない。「チェスト関ケ原!」(ぶち殺せ)がまかり通る薩摩の住人たちも楽しそうだし、桃太郎や宮本武蔵まで乱入し、展開は過激さを増すばかり。本作で注目すべきもうひとつのポイントは、いわゆる「スターシステム」の採用。主人公・カクゴもしかり、設定は異なるものの山口先生の過去作のキャラクターが、明らかにそれとわかる姿と名前で再登場するファンには激アツ!さらに単行本4巻収録の第18話より、『魔剣豪鬼譚』と副題がつけられた「宮本武蔵編」が始まり、怨身忍者への「鬼退治」が描かれる。本作とあわせて『シグルイ』や『エクゾスカル 零』なども読んでおくと、より楽しみが増すのは間違いない。果たして「七忍」が揃う頃には何が起きるのだろうか?混沌の向こうへの期待は今後も尽きない。



★ 第6位 ★
『とんがり帽子のアトリエ』
白浜鴎 (講談社)


魔法使いに憧れる少女に訪れる希望と絶望の物語

とんがり帽子のアトリエ(2) (モーニングコミックス)

「魔法使いになれるのは、魔法使いとして生まれた人間だけ」という絶対の掟があるなかで、魔法使い・キーフリーの弟子になることを認められた「ふつうの人」のココ。彼女の「杖」を買うために、ココと、キーフリーの3人の弟子たちは魔法使いの街・カルンを訪れる。しかし、そこで奇妙な「仮面の魔法使い」によって、彼女たちは不思議な空間に招かれてしまう。そして、そこには巨鱗竜(ドラゴン)が――!!

Arikaアイコン(小)1とにかく丁寧に魔法とマンガを”描く”心の同期
連載開始後に第1話が公式サイトにアップされるやいなや、またたく間にSNS上で拡散してバズった話題作。小さな村の少女・ココは、魔法使いに憧れを抱いていた。ある日、魔法使いの「絶対の秘密」を知ったココは、不用意にも禁止魔法で母親を石にしてしまう。母を救うため、ココは魔法使いに正式に弟子入りする物語。フレッシュなマンガ表現と、まるでタロットカードのような幻想的な絵柄があいまって、多くの読者が本作に一目惚れをした。こうした綺麗なルックスの良さに加えて、テーマとモチーフの合一性も素晴らしい。この作品世界では、特殊なインクで魔法陣を描けば魔法を行使できるもので、その秘密を知ってしまったココは、魔法使いの世界へ足を踏み入れることになる。「(魔法陣を)描く」主人公の心情と「(作品を)描く」著者の心情が同期しているからこそ、ココが魔法に対して描く憧れや畏れ、描くことへの喜びが、読者の心にダイレクトに響いてくる。1巻最後のドラゴンとの危機を、優しい魔法で切り抜けます。他の漫画のような、ドラゴンとの対決や鬼気迫る逃走劇はなく、むしろココやアガットたちの関係性に焦点をあてた内容で、ドラゴン問題を解決します。画力とファンタジーの設定と見事にマッチしてる見事な竜(ドラゴン)と魔法の兼ね合い、少し優しい魔法の使い方、応用の閃きの良さ魔警団や水の魔法、炎の魔法、明かりの魔法、光の魔法…新しい世界観が広がっていて、2巻でもまた色濃く楽しませてくれます。いち読者としてはアニメ化も希望です。




★ 第7位 ★
『ゴールデンカムイ』
野田サトル (集英社)


入れ墨探しとグルメツアー加速する闇鍋度!

ゴールデンカムイ 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

反逆の情報将校・鶴見から逃れるため、杉元一行は、釧路へ向かう。一方、刺青人皮の噂を追って鶴見率いる第七師団は小樽へと。待っていたのは電光石火の稲妻強盗、艶めく毒婦・蝮のお銀。北の最強軍団vs最凶夫婦、稲妻強盗編収録! 毒も蝮も稲妻も、グツグツ煮込んだ和風闇鍋ウエスタン! 痺れるほどの感動を貴方へ贈る第11巻ッ!!!!!!!

Arikaアイコン(小)1杉元&土方チームのシャッフルで生まれる新たなドラマ
北海道の美味を食い歩くグルメツアー、脱獄王・白石の純愛(?)、稲妻強盗&蝮のお銀の極道夫婦…。贅沢な闇鍋感が加速し続ける本作。ひとつだけでも連載が続けられそうな具材を貫く串が、金塊の在処を示す「囚人の刺青青人皮集め」という本筋。「宝の地図の奪い合い」というシンプルなストーリーから目が離せないのは、次々と個性的なキャラクターたちが登場するおかげ。鶴見中尉を好きすぎて早口の薩摩弁を話す鯉登や、亡き弟の耳をヘッドギアに装着して、仕込み銃付きの義足を持つ二階堂も濃すぎる。刺青集めチームは複数あるが、それぞれのメンバーがシャッフルされたのも驚き。主人公・杉元&アシㇼパと、元・土方歳三組の牛山と尾形らが同行するなんて。この敵味方のないボーダレス感が素晴らしく、深みがあるキャラ掛けあいを生む。また、アイヌの人たちの自然の捉え方が興味深い。なかなか発想できない考え方っていったらよくないのかもしれないけど、でもそれでそういう世界では辻褄合うんだろうな、とも思う。

第11巻では、「不死身」の異名を持つ元陸軍兵・杉元とアイヌの少女・アシㇼパ、脱獄王・白石が、金塊とその在処を示す囚人探しをする。道中、捕らわれた白石を奪還した一行は、大雪山で難を逃れる。一方、鶴見率いる第七師団は小樽での主人狩りを企むのだった。第11巻で登場する、悪事のかぎりを尽くす熱愛カップル・稲妻強盗(刺青囚人のひとり)と蝮のお銀は、さながら日本版ダニーとクライド。蝮と稲妻のカップル、すごくいい!やってることは凶悪だったけど、二人の愛だけは本物だったんだなぁ。刺青人皮を奪おうとして、華やかに散っていった本作は、数話かぎりのキャラクターでもつくりこみがハンパない。また鶴見中尉大好きな鯉登少尉が大活躍の巻で、10巻では冷静で有能なイメージが強かったのに、なんだか残念な子に仕上がってます。そして月島軍曹のフォローがもうお母さんみたい。蝮のお銀の裸体がとても綺麗でした。そして尾形の過去の闇がとても深くて深くて哀しいです。「…子供は親を選べない」というセリフが突き刺さる。アシㇼパさんに「ヒンナ(ごはんへの感謝)は?」と聞かれ、無言で複雑な表現をする尾形もたまらない。巻を重ね、登場人物の背景がどんどん明らかになり、人物像が分厚くなっていく。個性的な人たちもどんどん出る、濃い、濃い…。果たして、刺青集めたあとで、謎は解けるんだろうか??また、持っている刺青だけで解こうとはしないんだろうか??やっぱりアシㇼパにしかわからないようになっているのだろうか…?



★ 第8位 ★
『1日外出録ハンチョウ』
福本伸行(協)
萩原天晴(作)
上原求、新井和也 (画)
(講談社)


悪魔的発想が生みだすハンチョウの最高の休日・・・・!

1日外出録ハンチョウ(2) (ヤングマガジンコミックス)

『カイジ』スピンオフ第2弾始動!

主役はE班班長・大槻!


地下暮らしをしながら「1日外出券」で地上に出ては、贅沢三昧の日々を過ごす男、大槻班長‥! 美味い飯を追い求め、のたり外出、海・山・京都‥! 風邪を引いても、邪神に心を支配されようとも‥‥1日外出は、やめられないっ‥! 今日を頑張る全ての大人に捧ぐ、『カイジ』の飯テロ・スピンオフ第2巻‥!

Arikaアイコン(小)1大人の人生の楽しみ方がここに⁉
『カイジ』スピンオフ第2弾始動! 主役はE班班長・大槻!

昨年のランキングで堂々第1位を獲得した『中間管理録トネガワ』。その原作者・萩原天晴が新たに手掛けた作品が本作。有名作品の登場人物スピンオフ、本家の許可・原作・作画者付きの作品群、なんて名の商法なのか。あ、フランチャイズ?グループ会社? この連載の開始を知った時は「そうそういない…二匹目のドジョウなど…!」と思ったのに、こちらも大変面白い…!設定をカイジの1キャラにして、とことん上手く描こうとしたらうまくできるぞ、という感じの作品。

今回の主役は、地下でカイジとチンチロ勝負を繰り広げた大槻班長。借金に縛られた債務者が集まる帝愛地下労働施設。そんな地下施設から1日外出券を使い、悠々と外出するひとりの男、彼こそがE班班長・大槻!地上で飲んで喰っての大満喫…果たして大槻が次の休日にむかう店とは……!この大槻、定期的に地上に出ては休みを満喫するのだが、ただ漫然と過ごすわけではない。スーツ姿で昼から立ち食い蕎麦に入り仕事中のサラリーマンを肴にビールを痛飲。縁日では実行本部に差し入れを渡し、タダ酒を確保。・・・・といった具合に数々の悪魔的発想で予算も時間もかぎられた不自由な休日を最高の一日に塗り替えていく! 

同じスピンオフながら管理職の苦労を描いた『トネガワ』とはまったく別のおもしろさを追求した本作。もちろん、絵柄やコマ割り、セリフまわしなど『カイジ』本編を彷彿とされる細やかな演出も健在! いやもうまず表紙でまず笑うでしょ(笑)。おじさん達の1日外出がこんなに楽しいとは…。この巻、使えるライフハック満載ですごい。風邪のひきはじめのオレ流対処法、他班のビジネスを乗っ取るみみっちい駆け引き方、旅先の楽しみ方、食べ歩きの楽しみ方等々、最高の大人マンガ。私にとってはむしろ1巻より面白く感じられる部分もありびっくりしました。大槻班長が堪能するうまそうな料理描写もたまらないがときに大槻班長が見せる篾言も見逃せない。あくどい真似で地下の住人を搾取する小悪党なのに、ときには読者の心に突き刺さる人生訓も生み出す……。この二面性が大槻班長という男の魅力・・・・!アンテナショップの話が面白かった。というかよく観察してるなという。




★ 第9位 ★
『血の轍』
押見修造 (小学館)


いびつな母子は どこに向かうのか!?

血の轍(1) (ビッグコミックス)

「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」! 母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと! 読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

Arikaアイコン(小)1美しく、そして不安定に描かれる母親の怖さ
主人公の長部静一は、仲のいいクラスメイトや気になる女子がいる普通の中学2年生。ひとつ、友だちたちと少し違うのは、自分のことを常に気にかけ、親密に接してくる母親との関係だ。そんなある日、事件が・・・・。

中学生の息子を偏愛し、そのすべてをアンダー・コントロール(しようと)している母親。まわりには「過保護」に見えるも、すでにマザコン気味の息子は、疑問を抱いていない……。数々の問題作を手がけてきた鬼才・押見修造が、そんないびつな母子関係の行方を描く、身の毛もよだつサスペンス。第1巻で描かれたのは、主人公をとりまく静かな日常生活と、そのすべてを一変させてしまう「ある事件」。なんのことはない普通のシーンなのに、ちょっとした母親の仕草や表情が ”なぜか怖い”前半と、その恐怖の正体が最悪のケースをともなって明らかになる後半の二段がまえのインパクトが凄まじい。

いわゆる”毒親”要素は織り込まれているが、大きなテーマで見れば、これもひとつの押見流ファム・ファタールだろう。押見修造にしか描けない、思春期の地獄(究極バージョン)としての「ボーイ・ミーツ・マザー」。また著者なれではのマンガ表現の数々にも注目したい。とにかく全編にわたって印象的なのが、母親の”顔”。表情そのものがセリフ以上にドラマやストーリーを物語っている点だ。息子を溺愛しすぎた母を見つめる『血の轍』は、論理を踏み越えた先にある彼岸が広がる業の深さにおののきつつ、今後が楽しみな作品です。



★ 第10位 ★
『バイオレンスアクション』
浅井蓮次(画) 
沢田新(作)
(小学館)


指名ナンバー1の最強の殺し屋は”ゆるふわ系”美少女!?

バイオレンスアクション(3) (ビッグコミックススペシャル)

簡易宿泊所を偽装した暴力団管轄の私設刑務所[囚人倉庫]。そこに自ら「塾長」と名乗る凶悪な思想家[巌谷]からの襲撃予告あった。凄腕の殺し屋[ケイ]は護衛の仕事を請け負う。しかし[囚人倉庫]の正面入り口から丸太を括り付けた大型トレーラーごと突入し―― ここがバイオレンスアクションの最前線!! 最強ゆるふわ殺し屋ガール、本能の第3集!!

Arikaアイコン(小)1天然ゆるふわ系殺し屋! 慈愛も闇も底知れない深さ
ド直球ともいえるタイトルと、それに似つかわしくない雰囲気のゆるふわガール。その取り合わせ×彼女の魅力こそが本作のキモといえるだろう。「ぷるるん天然娘特急便」は、デリヘルを装った殺し屋の宅急業者。そこでは指名ナンバーワンを誇るケイは、見た目のゆるさとは裏腹に、次々と危険な任務をこなしていく凄腕の殺し屋。だが、闇の社会には想像を絶する敵もいて……。まさに想像のナナメ上のキャラクターは、殺しのターゲットや敵もまたしかり。強靭な肉体を持つ「みちたかくん」や残忍な深見など、それぞれが独自のルールや哲学を持っているのも見どころ。もっとも共感できるかどうかは別だが……。ほんわかした空気から一転、プロのスイッチが入った仕事っぷりは、極めて映像的なセンスにあふれる見せ方もあいまってテンション最高になる。その一方で、やけに堅実な「日商薄記検定2級合格」という目標をケイが持つのもポイント。そんな「ささやかな幸せ」を求める気持ちが、絶望の淵に立つ人間にどう響くのか――。その心の響きも見逃せない。

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