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(天才軍師・黒田官兵衛⑧)二流の人/坂口安吾(著)

kage

2018/03/04 (Sun)

知性を武器に活躍した軍師たち

2014年NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の影響で、

当時、書店にも軍師ブームが到来!

戦国乱世に活躍した天才軍師から、近代日本の偉大なる参謀まで。

彼らの優れた頭脳と魅力的な人物像に迫ります。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika

秀吉に天下を取らせた不敗の男
天才軍師・黒田官兵衛

arikaいちおし
 二流の人/坂口安吾(著)

二流の人


Arikaアイコン(小)1物事を新たに創造する者を一流、
事変に応じて巧みに世の中を渡ろうとする世間的にいう器用な智者を二流 

「堕落論」坂口安吾先生です。作家坂口安吾は「二流の人」という小説で、この黒田官兵衛のことを書きました。この本をもとにして「黒田如水」という小説を仕上げていらっしゃいます。権謀術数渦巻く戦国時代にあって、巧みな弁舌と軍略で秀吉を支えた冷徹な軍師。信長、秀吉、家康の三英傑に重用されながらも、切れすぎる才智ゆえに警戒され、秀吉に恐れられた男。大河ドラマ化以後、かように巷では高く評価されている黒田官兵衛がなぜ二流であるのか…?作者坂口安吾は、この作品で、大変ユニークな戦国武将論、ひいては人物論を展開しています。坂口安吾がまずもって当代一流であると認めているのは、いわゆる戦国の三英傑である信長、秀吉、家康。では彼らの一体どんなところが一流であるのか。その理由を次のように述べています。

「家康は石橋を叩いて渡る男ではない。武将でもなければ、政治家でもない。蓋し稀有なる天才の一人であつた。天才とは何ぞや。自己を突き放すところに自己の創造と発見を賭るところの人である。」

「家康は天の時を知る人だ。然し妥協の人ではない。この人ぐらゐ図太い肚、命をすてて乗りだしてくる人はすくない。時に際し、利害、打算を念頭になく一身の運命を賭けることを知らない奴にいわば『芸術的』な栄光は有り得ない。芸術的とは宇宙的、絶対の世界に於けるといふことである。」

ちょっと言っていることは難しいですが、要は、一流の人とは創造者であるということ。知識が豊富で、分析力に優れ、機に応じて敏。 行動力に富み、文章巧みで、リベート力に優れ、器用でいわゆる頭の回転が早い。我々が、頭のいい人というと真っ先に思い浮かぶのは、この作品の中の黒田官兵衛のような人間でしょう。 しかし、作者に言わせると、そのような頭の良さは二流のものに過ぎず、つまり、その頭の良さは賭博者としてのそれに過ぎず、何か新しいものを創り出す、作者のいうところの一流のものではないらしい。この「二流の人」は、なかなか述べていることの奥が深く、がっぷり、じっくりと考える作品である。作者は戦国武将の生き様も、作家など芸術家のそれと同一軸で考えており、物事を新たに創造する者を一流とし、事変に応じて巧みに世の中を渡ろうとする、世間的にいう器用な「智者」を二流と捉えるユニークな考え方は、非常に面白く、かつ説得的にも感じられる。荒削りですが、こちらの方が個人的には好きです。豊臣秀吉でいえば小田原攻めから、関ヶ原の戦いの終了まで、ほんの10年くらいの期間しかない部分を描いておりますが、昭和前期の小説らしさもたっぷりにじみ出ています。後に書かれた「黒田如水」も含めて併せて読まれることをお薦めします。


黒田如水

昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「現代文学」[大観堂、1943(昭和18)年]。戦国時代、豊臣秀吉の側近として仕え、参謀役・渉外として活躍した「黒田孝高」の名前で知られる武将「黒田如水」に材をとった歴史・時代小説。本作を下敷きに、安吾は「二流の人」を書き上げている。



坂口安吾
┣1906年新潟県生まれ。
┣父は新潟新聞社長で衆議院議員だった坂口仁一郎。
┣戦時中は多くの作品が時局に合わないとして発禁になったりしたが、敗戦後「堕落論」を発表して一躍時代の寵児となる。人気作家になってからも税金不払いで差押さえを受けたり、暴れて留置場に入れられたりして世間を賑わした。
┣1955年脳出血で急逝、享年49。


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