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(戦国の名参謀①)軍師 竹中半兵衛 新装版(上・下)/笹沢左保(著) 遠藤拓人(イラスト)

kage

2018/03/12 (Mon)

知性を武器に活躍した軍師たち

2014年NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の影響で、

当時、書店にも軍師ブームが到来!

戦国乱世に活躍した天才軍師から、近代日本の偉大なる参謀まで。

彼らの優れた頭脳と魅力的な人物像に迫ります。

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika

智をもって乱世を生き抜く
戦国の名参謀

 軍師 竹中半兵衛 新装版(上・下)/笹沢左保(著) 遠藤拓人(イラスト)

軍師 竹中半兵衛 上 新装版 (角川文庫)

美濃・菩提山城の若き城主、竹中半兵衛重治は、謀略を見抜き近江・浅井氏の奇襲を撃退するが、周囲を欺くため、自らを腑甲斐ないうつけ者であるとする噂を流させる。が、一時は主君である斎藤氏の稲葉山城を占拠するほど、軍略家としての才を発揮し、美濃一国に浪きたらず乱世へと飛び込んでゆく。運命的に出会った織田信長の妹・お市への想いを胸に、黒田官兵衛に先駆けて豊臣秀吉の懐刀となった名軍師の生涯を描く長編!


軍師 竹中半兵衛 下 新装版 (角川文庫)

織田家の寄人として藤吉郎秀吉の軍師に迎えられた竹中半兵衛は信長の意図を正確に理解し、秀吉を導いてゆく。「縁の下の力持ち」として軍師に徹する半兵衛の喜びは、自らの采配で秀吉が出世を遂げることにこそあった。が、秀吉にその思いは届かない。同じく軍師の才に恵まれた黒田官兵衛だけが、半兵衛唯一の友となる…。官兵衛とともに「両兵衛」と並び称せられ、秀吉の天下取りに貢献した男の天才と孤独を描いた傑作長編!


Arikaアイコン(小)1脳ある鷹は爪を隠すとは正にこの人!
官兵衛と対をなす各軍師、タイミングを見定める人が成功する生き様。

黒田官兵衛とともに「両兵衛」と称されたもう一人の天才軍師・竹中半兵衛。美濃の斎藤家から織田家への使者に抜擢された竹中半兵衛は、信長のもとで運命の人・お市の方と出会った。やがて家督を弟に譲り、研究を重ねついに半兵衛流兵法を完成させる。戦国の世が半兵衛を求めていた。研究を重ねて完成させた半兵衛流兵法とは? 脳ある鷹は爪を隠すとは正にこの人のことだろう!常に冷静で度胸もあり、タイミングを見定める力がある。能力があるにも関わらず欲がない。誰かに仕えて振り回されるでなく兵を動かし世を動かし、それでいて天下を狙うわけでも無いという軍師の生き様。凄まじい予想の的中っぷりにもニヤリ。「形となって残る結果など欲しくない。大きなことに夢を抱き、その巨大なるものを動かすところに必ずや本物の《生きる張り》がある」。才能のあるこの時代の男にとって、軍師とか軍配者というのはよほど面白いポジションだったのだと思わされた。本格ミステリーから「木枯らし紋次郎」シリーズまで、数多くの傑作を世に遺した作家が手がけた長編時代小説。


笹沢 左保
┣1930年11月15日 - 2002年10月21日没。
┣デビュー当時の筆名は笹沢佐保だが、『招かれざる客』の単行本でデビューした翌年から左保と改めた。
┣テレビドラマ化されて大ヒットした『木枯し紋次郎』シリーズの原作者として知られ、推理小説、サスペンス小説、恋愛論などのエッセイ他、歴史書等も著し、380冊近くもの著書を残した。筆名の左保は、夫人の名前からとったもの。
┣2002年10月21日、東京都狛江市の病院で逝去した。



Arika報告書v
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上り調子な上巻と衰退、衰弱っぷりが切ない下巻。
「この世に未練のない人間は、わざわざ死を覚悟したりはしない」

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巻はいきなり浅井に襲われるところから朝倉、浅井軍に挟みうちされたところまで書かれている。お市の姿に理想の女性像を見出し、それに憑りつかれたせいか、性的なことには感心が薄い様子の半兵衛という印象を受けるが、かといって性的シーンが少ないわけでもなく、どこか健康的なエロスであるのが個人的には印象に残る。淡々としながらも、一つ一つの行動に強い情熱が通っていることを感じさせる。今まで読んだ半兵衛の中で一番行動的で情熱的で女性に対しても積極的な人物像である。妻が可哀想なのは同じですが。秀吉が今までの中ではちょっと頼りなく信長が上機嫌率高め。後半のお市様との純愛と赤丸の子供、蔵人の行く末。裏切るという行為は、勝てば知略家、負ければ不忠者。本人への評価は、結果の積み重ねで決まっているのだろう。

巻は朝倉の追撃からの殿軍役を引き受けたところから病に亡くなるところまで描かれてている。上巻では赤丸とのやり取りやお市への思慕に多く紙面が割かれていたが、下巻ではラストが近づくにつれ、良くも悪くも史実に沿ったストーリー展開となっていく。赤丸やお市、お琴に秀吉と、あらゆる登場人物達が半兵衛の中で淡い存在となり、最後に彼を突き動かすのは、一人の人間としていかに生き切るか、という執念だけ。下巻の半兵衛は、身体が頑健でなく、短命である宿命を負った悲しみに満ちている。城持ちでもなく、仕える主も持たず、自分はこれで良かったのか?死の床で自分に問う半兵衛に答えた誰かの声。やはりこれで良かったのだとニヤリとする半兵衛自身にはこの世に未練はなかったのだろうが、読んでいた私としてはもっともっと活躍してもらいたかったと痛切に思った。あまりにも何から何まで出来すぎている半兵衛だがどうしてだろう、惚れ惚れしてしまう。そのただひたすらに純粋な半兵衛の思いや言動が秀吉との確執を生むことになるのだが、その時の半兵衛の心境を思うと切なくてたまらなかった。最後は半兵衛は秀吉に失望して大きな溝を残したまま亡くなってしまう。人を理解する、されるのはとても難しいと再確認した。

竹中半兵衛の色濃く短い生涯が、わかり易い文面で書かれています。洞察力や先見性といった部分だけでなく、具体的な事象における動き方、信長・秀吉との距離の取り方など、やはり諸葛亮孔明に酷似する部分が多い事に驚愕。歴史にたらればは禁じ手だけど、半兵衛が秀吉の死後も生きるようであれば、まず朝鮮出兵はなかっただろうし徳川幕府開闢ももっと違った形になったんだろうなとは思う。大河ドラマの影響で、黒田官兵衛ばかりが取り上げられるけど、豊臣秀吉自らが自分の軍師になってほしいと懇願する、竹中半兵衛も中々の切れ者だよね。歳若くして亡くなってしまったけれど、もう少し長生きしていたら黒田官兵衛とどんな関係になっていたのかな…。もし長く生きていたら秀吉の晩年も少しは改まっていたのかな。上巻よりこの下巻の方が個人的には好きでした。竹中半兵衛には欲や野心がない。戦国を生きる男としてはカッコ悪いのかもしれない。しかし、半兵衛はカッコ良かった。それは男としてというよりは人としてカッコ良かった。自らの保身を考えず、なによりも信義を重んじ、そして自分の信念に忠実だった。それに比べ、秀吉は自分の保身ばかり考え、つまらない男だという印象を受けた。官兵衛のドラマとシンクロする部分もあったので、勉強にもなった。小谷城が炎上しない浅井滅亡を初めて読んだかもしれない。
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