FC2ブログ
2019 11 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. »  2020 01

(オトナ女子が読みたいエロ系文庫:映画)ジェリー・フィッシュ /雛倉さりえ(著)

kage

2018/03/26 (Mon)

オトナ女子R15あ

世の中には星の数ほどの文学賞がありますが、最近「女性による女性のためのR-18文学賞」という名前の文学賞を受賞した作家の作品をよく読んでいる気がします。

書くのも読むのも女性限定!

「女による女のためのR-18文学賞」は、新潮社が主催する公募新人文学賞です。

単にR-18文学賞ともいわれる。

これじゃ、女はイケないでしょ―――。「女による女のためのR-18文学賞」創設のきっかけは、男性視点の官能小説に異を唱える、女性編集者たちのそんな声だったという。女性が自然に感じることのできる性をテーマにした小説の追求―――だがそれは、その趣旨に創作意欲を刺激された新たな書き手たちによって独自の進化を遂げていった。

ちょっとディープなものから日常的な気分に寄り添えるものまで枝分かれし、気負いなく性を読むことのできる作品が次々と登場している女性向けエロ系文庫の盛況ぶり。かつて男性のものだったエロ小説は、今や女子の手中に!?どんどん進化を遂げる、その奥深い魅力に迫ります!

アイコン・リス今回の書籍案内人・・・・Arika

映画になった「R-18文学賞」受賞作品2/5

第11回(2012年度)R-18文学賞候補
 ジェリー・フィッシュ /雛倉さりえ(著)

ジェリー・フィッシュ


Arikaアイコン(小)116歳が描く、女子高生同士の恋、残酷な性。
「女による女のためのR‐18文学賞」から若き才能誕生!

お願い、私の首を絞めて。もっときつく、私を貶めて――。クラゲ水槽の前で突然交わした、初めてのキス。夏の夜、廃墟と化した植物園での貪るようなセックス。真っ逆さまに、恋と性の狭間にころげ堕ちて行った私たちは、永遠を信じない振りして確かに信じていたんだ――。16歳の圧倒的筆力が突きつける、瑞々しい恋、残酷な生と性。デビュー作でいきなり映画化の超問題作。 「ジェリー・フィッシュ」「果肉と傷痕」「夜の国」「エフェメラ」「崩れる春」の5編は、登場人物が交錯する連作短編になっている。

表題作「ジェリー・フィッシュ」では若い感性ならではの小説を書く上での初期衝動のようなものを強く感じることが出来ます。この初期衝動=私はコレが書きたいんだ!、というのは時として青臭い印象をうけてしまうかもしれませんが、コレが許され、作品と相乗効果を生むことが出来るのも若さの特権。夕紀と叶子のインモラルな愛の始まりから終わりまでを描いた表題作からは、なぜかクラゲのような透明感と浮遊感が伝わる。蒼く透明なクラゲの水槽を前に、二人の少女が始まりのキスを交わす。壊れることが前提の二人だけの完成されたセカイ。外敵の居ない水槽で飼われているクラゲは、ただふわふわとその身を漂わせる。美しい夢の中を泳ぐように。そんな夢なんか踏みにじるように、もっと痛みを!私を壊すくらいにぎりぎりと首を絞めて!痛みと快楽が溶け合う。私は生きている。どろりとした赤黒い血が流れている。相手も自分もぐちゃぐちゃに傷つけながら、私は生きているんだと叫んでいるように聞こえた。流れる時を無視して、居心地の良い一瞬だけを反芻し続けて過ごす二人。一時の悦と傷を、それだけでしか自分を確立できないから大事なもののように抱え込む。痛みを庇っているふりの自分を、それとは違う場所から認識してくれる人間。世界中でたった一人、そんな相手がいれば救われる。青い危うさを纏う少女たちが可愛くてたまらない。映画とは内容が違ったけれど、私はこちらの方が断然好きです。なんともいえない透明感から狂ったような残酷なとこまで、思春期って感じがした。17歳の少女・少年たちの危うい心が丁寧に描かれており、デビュー作とは思えない程完成度が高い世界観に仕上がっていると思います。

本著は若干16歳の女の子が小説に挑んだ時に、初期衝動と題材、そして応募先が「R-18 文学賞」でなければ生まれない見事な化学反応を起こした作品と言えると思います。情景描写や感情表現だけでなく切ないけど希望に溢れた展開。横溢する若さゆえの気負いというか、執筆年齢を知ってしまうと背伸びした感じを拭えないものの、女子高生の閉塞感は現役世代ならではの感受性を感じる。衝撃的に美しい文章の流れ、言葉のチョイスや平仮名の使い方、世界観、中学生のころならきっと心酔したかも。ずいぶんと大人になった今では、若干ノイズと感じるような表現や文章が懐かしく少し微笑ましく思えてしまう。R-18文学賞の最終選考候補であり、3013年映画化もされた作品ということで、表題作目当てで読んでみたけど、意外なことに「エフェメラ」の主人公の少年の気持ちに一番共感できた。「夜の国」の朝日先輩みたいな人は魅力的だけど好きになるととても辛いだろうね。本著は表題作「ジェリー・フィッシュ」をはじめ、高校を舞台にしたいわゆる連作短編=短編ごとに内容のつながりを持つ小説群なのですが、一冊の本の中でこの荒削りというかノイズになっている部分がドンドン洗練されてゆく印象を受けました。本著作は発光する原石の輝かしい第一歩として皆様にお勧め。次回作はどのような成長を見せてくれるのだろうが、と期待せずにはいられない作家のひとりになりました。


雛倉さりえ(ひなくらさりえ)
┣1995年生まれ。現役大学生。
┣16歳のときに書いた短編「ジェリー・フィッシュ」で、第11回「女による女のためのR-18文学賞」の最終候補になる。惜しくも受賞は逃したが、女子高生同士の淡く残酷な恋愛を瑞々しい描写で表現した同作は映像関係者の注目を集め、処女作にしていきなりの映画化が決まる。『ジェリー・フィッシュ』は同作ほか、全5編を収録した連作短編集。



Arikaシネマ2014b5

劇場公開日:2013年8月31日
 映画『R-18文学賞vol.2 ジェリー・フィッシュ』

R-18文学賞受賞作品を映画化。

同性に惹かれ合う2人、甘く危険な思春期の少女たち日々を描く


R-18文学賞 vol.2 ジェリー・フィッシュ [DVD]

■映画ストーリー
クラスで浮き気味な高校生の夕紀(大谷澪)は、水族館で同級生の叶子(花井瑠美)に話し掛けられ、その後キスをする。その日から、惹(ひ)かれ合うようになった夕紀と叶子。しかし、孤独の闇を抱える叶子は男子と交際を始め、彼と体を重ねることに夢中になっていく。さらに、叶子が中学生のときに子どもをおろしたといううわさを聞き、夕紀の心はかき乱される。

★映画チェック★
「女による女のためのR-18文学賞」受賞作の映画化第2弾として、雛倉さりえの原作を基に、惹(ひ)かれ合う女子高生を官能的に描く青春ドラマ。心が通じ合いながらも、1人の少女に彼氏ができたことから、思春期特有の繊細さや残酷さ、さらには同性愛への偏見があぶり出される。監督は、『DEATH NOTE デスノート』シリーズの金子修介。本作が映画初主演の大谷澪と花井瑠美がWヒロインを務め、芸人の川田広樹、奥菜恵や竹中直人など多彩な俳優陣が共演。少女ならではの危うさをみずみずしくも大胆に体現する大谷と花井の熱演が見どころ。

■スタッフ
監督: 金子修介
原作: 雛倉さりえ
脚本: 高橋美幸
製作年:2013年製作国:日本
日本公開:2013年8月31日
上映時間:1時間32分
映倫 R18+
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

■キャスト(役柄:俳優)
宮下夕紀:大谷澪
篠原叶子:花井瑠美
川田広樹
川村亮介
柿本光太郎
千大佑
りょう
清水真緒
仲田つばさ
桑名里瑛
山下春花
野見隆明
松林慎司
中村映里子
奥菜恵
秋本奈緒美
竹中直人



金子修介監督作品の集大成ともいえる、甘く危険な思春期ファンタスティック・ワールド。

「R-18文学賞」シリーズの第2弾!

大谷澪、花井瑠美 初主演作品。


【イントロダクション】
『自縄自縛の私』に続いて新潮社主催の「女による女のためのR-18文学賞」作品の映画化シリーズ第2弾。雛倉さりえが16歳で記した同名小説を原作に、まるでジェリー・フィッシュ=クラゲのように艶めかしく、しかし刺さると痛い毒を持つ思春期少女たちの繊細かつ残酷、そして優しい愛と嫉妬の日々を、名匠・金子修介監督が透明感あふれるタッチで描いていく。これまで、どのようなジャンルの作品の中でも少女に対するこだわりを示し、その瑞々しい感性を映画的に機能させてきた金子監督作品の集大成ともいえる、甘く危険な思春期ファンタスティック・ワールド。その一方で、ウィリアム・ワイラー監督の名作『噂の二人』を劇中に引用しながら、同性愛に対する世間の偏見などをさりげなく示唆しているあたりは、この監督ならではの反骨精神の顕れともいえよう。まるで永遠のように繰り返されていくキスをはじめする蒼きエロティシズムかつフェティシズムに満ちたシーンの数々に、共にこれが映画初主演となる大谷澪と花井瑠美が体当たりで挑みながら、初々しくもはかない存在感を美しく醸し出していく。川村亮介、川田弘樹(ガレッジセール)、奥菜恵、秋本奈緒美、そして竹中直人ら出演陣が巧みに彼女たちをサポートしている。



「女による女のためのR‐18文学賞」とは?

新潮社が主催する”女による、女のための”公募新人文学賞。選考委員、編集者、ウェブ上での読者投票と、選考もすべて女性。2002年、賞設立時は、「女性が書く、性をテーマにした小説」を募集していたが、女性が性について書くことは珍しいことではなくなり、多くの書き手が生まれたことから、一定の社会的役割を果たしたと、第11回より、「女性ならではの感性を生かした小説」と、募集テーマをリニューアル(官能をテーマとした作品も引き続き受け付ける)。第14回からは、選考委員に友近が加わり、友近賞が新設された。豊島ミホ、宮木あや子、窪美澄、吉川トリコなど、女性の秘めた感覚をこまやかに描き出す人気作家を輩出している。受賞作は、『小説新潮』『yom yom』に掲載されている。受賞者には、正賞として大賞30万円、読者賞10万円が、副賞として体脂肪計付ヘルスメーターが贈られる。

書くのも読むのも女性限定!
応募は女性に限定、新潮社の女性編集者が第一次・第二次選考を担当した後、三浦しをんさんと辻村深月さんの二人の女性作家が選考委員として、選ばれた候補作品の中から大賞を決定いたします。

読者も参加できる!
書くことはできないけれど、読むのは大好き、という読者のために「読者賞」を設けました。Web上で最終候補作品を公開し、女性読者限定で感想コメントを募集します。

年齢制限なし!
「R-18」、つまりあくまで大人が楽しめる作品を求めますが、応募に年齢制限はありません。15歳の熟女でも、80歳の少女でもOKです。ドンドン応募して下さい。

選考委員
┣【第1回】光野桃、山本文緒第
┣【2回 - 第5回】山本文緒、角田光代
┣【第6回 - 第10回】山本文緒、角田光代、唯川恵
┣【第11回 - 第13回】三浦しをん、辻村深月
┣【第14回 -】三浦しをん、辻村深月、友近







関連記事
スポンサーサイト



コメントフォーム

kage


URL:




Comment:

Password:

Secret:

管理者にだけ表示を許可する

この記事へのトラックバック