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(オトナ女子が読みたいエロ系文庫)第10回(2011年度)R‐18文学賞受賞作

kage

2018/04/08 (Sun)

オトナ女子R15あ

世の中には星の数ほどの文学賞がありますが、最近「女性による女性のためのR-18文学賞」という名前の文学賞を受賞した作家の作品をよく読んでいる気がします。

書くのも読むのも女性限定!

「女による女のためのR-18文学賞」は、新潮社が主催する公募新人文学賞です。

単にR-18文学賞ともいわれる。

これじゃ、女はイケないでしょ―――。「女による女のためのR-18文学賞」創設のきっかけは、男性視点の官能小説に異を唱える、女性編集者たちのそんな声だったという。女性が自然に感じることのできる性をテーマにした小説の追求―――だがそれは、その趣旨に創作意欲を刺激された新たな書き手たちによって独自の進化を遂げていった。

ちょっとディープなものから日常的な気分に寄り添えるものまで枝分かれし、気負いなく性を読むことのできる作品が次々と登場している女性向けエロ系文庫の盛況ぶり。かつて男性のものだったエロ小説は、今や女子の手中に!?どんどん進化を遂げる、その奥深い魅力に迫ります!

アイコンりす今回の書籍案内人・・・・Arika

■歴代受賞作品
第10回(2011年度)R‐18文学賞受賞作

大賞:30万円
読者賞:10万円
選考委員:唯川恵・ 山本文緒・ 角田光代


大賞2第10回(2011年)大賞受賞
 べしみ(『甘いお菓子は食べません』所収)/田中兆子(著)

甘いお菓子は食べません (新潮文庫)

結婚について私たちが語ること、語らないこと/花車/母にならなくてもいい/残欠/熊沢亜理紗、公園でへらべったくなってみました/べしみ

Arikaアイコン(小)1第10回R‐18文学賞大賞受賞作。 
心えぐられるのに爽快、貫禄のデビュー作。 

頼む…僕はもうセックスしたくないんだ。仲の良い夫から突然告げられた妻の動揺。“土下座婚活”が功を奏して知り合った男性に、会って3時間でプロポーズされた女の迷い。念入りに掃除をし、息子に手作りのおやつを欠かさない主婦が抱える秘密。諦めきれない悟れない、けれど若さはもう去った。中途半端な“40代”をもがきながら生きる、私たちの物語。心に深く刻み込まれる6編。

R-18文学賞の『べしみ』をはじめ、アラフォー、アラフィフあたりの女性にはチクチク刺さるようなお話が6編。R-18の割に生々しい描写は少ないんだけど、心の奥深くの恥部をえぐってくる感じは流石です。 それにしても、女はいくつになっても選びたいんじゃなくて選ばれたい生き物なので、そして、あわよくば自分が選んだ相手に選ばれたい欲張りな生き物です(笑) 私も格好つけて「甘いお菓子は食べません」なんてことばかり言ってたら、すぐに彼女たちと同じ道を辿りそう。よし、今日はチョコレートを食べよう。この小説の中には絶対あなたが居ますという帯と装丁に惹かれた。この中に私はいなかったけれど、『残欠』と『熊沢亜理紗、公園でへらべったくなってみました』のストーリーが心に残った。『残欠』は、結婚、出産、専業主婦、幸せな生活のようでいて、中盤から驚きの過去にライトを当てて、ラストで一気に思いが吹き出す。この後さてどうなるのか。この途中で終わる辺りがこの年代を表しているのかも。『熊沢~』は、独身、折り合いをつけて、再就職にまた向かうところが、良かった。公園でねっころがって気持ち良さそう。


田中兆子(たなか・ちょうこ)
┣1964年富山県生まれ。東京在住。
┣9年間のOL生活を経て専業主婦。
┣2011年、短編「べしみ」で新潮社が主催する第10回女による女のためのR-18文学賞(大賞)を受賞する(読者賞受賞は、上月文青の「偶然の息子」)。
┣30代の頃には、戯曲を書いていた。小説の執筆を始めたのは、40歳を過ぎてからという。
┣好きな作家として、笙野頼子、古井由吉、金井美恵子を挙げている。
┣何を書くか、ではなく、どう書くか、にこだわりを持っている作家が好きだと語っている。
┣影響を受けた本として、茨木のり子『詩のこころを読む』、マーガレット・アトウッドほか『描かれた女性たち 現代女性作家の短篇小説集』、古井由吉ほか『小説家の帰還 古井由吉対談集』を挙げている。



👑読者賞
 偶然の息子(『小説新潮』2011年6月号掲載)/上月文青(著)

小説新潮 2011年 06月号 [雑誌]

小説新潮 2011年6月号

Arikaアイコン(小)1息子に訪れた性の目覚め。
私の手で、すべてを教えてやるべきなのか。
「障害のある息子の性」という重い命題に取り組んだ意欲作

息子が生まれてから15歳までをとても繊細に、しかしそうとは感じさせない筆致で描きます。少しずつ、この語り手である母親の苦労や人生の選択、重荷を的確に読者に届け、さらに自分の「女としての性」もしっかりと描いていきます。だからこそ、恋人が結婚はできないけれど息子の性問題を共に背負ってくれたり、息子の担任教師が真正直で、まともにぶつかってくれる――お手軽なお涙ちょうだいになりそうな展開に、逆にホッとするのです。文章がとてもうまい。擬音語擬態語を多用しても、やぼったくならず、独特の世界をつくりあげます。大賞作品よりもずっと惹かれるのに読者賞にとどまってしまったのが惜しい。次の作品が楽しみな新人作家です。


上月文青(こうづき・ふみお) 
┣1959年4月29日生まれ。
┣山形県庄内町出身、宮城県仙台市在住。
┣YBC山形放送、TBC東北放送系制作会社を経て、現在、フリーランスライター。
┣会社案内や大学要覧の制作、ラジオ番組等の原稿作成を中心に活動中。
┣好きなことは、大相撲、野球、ゴルフなどのスポーツ観戦。
┣好きな作家は、村上春樹、宮本輝、宮部みゆき、桐野夏生、絲山秋子。
┣好きな言葉「苦あれば楽あり」。


候補
「僕のゆかちゃん」 宇山明香
「愛とその他のこと」 佐伯こはく
「ふらふら、不埒」 後藤亜稀子
「 selfish」 西丘はつか

最終候補作6篇


「女による女のためのR‐18文学賞」とは?

新潮社が主催する”女による、女のための”公募新人文学賞。選考委員、編集者、ウェブ上での読者投票と、選考もすべて女性。2002年、賞設立時は、「女性が書く、性をテーマにした小説」を募集していたが、女性が性について書くことは珍しいことではなくなり、多くの書き手が生まれたことから、一定の社会的役割を果たしたと、第11回より、「女性ならではの感性を生かした小説」と、募集テーマをリニューアル(官能をテーマとした作品も引き続き受け付ける)。第14回からは、選考委員に友近が加わり、友近賞が新設された。豊島ミホ、宮木あや子、窪美澄、吉川トリコなど、女性の秘めた感覚をこまやかに描き出す人気作家を輩出している。受賞作は、『小説新潮』『yom yom』に掲載されている。受賞者には、正賞として大賞30万円、読者賞10万円が、副賞として体脂肪計付ヘルスメーターが贈られる。

書くのも読むのも女性限定!
応募は女性に限定、新潮社の女性編集者が第一次・第二次選考を担当した後、三浦しをんさんと辻村深月さんの二人の女性作家が選考委員として、選ばれた候補作品の中から大賞を決定いたします。

読者も参加できる!
書くことはできないけれど、読むのは大好き、という読者のために「読者賞」を設けました。Web上で最終候補作品を公開し、女性読者限定で感想コメントを募集します。

年齢制限なし!
「R-18」、つまりあくまで大人が楽しめる作品を求めますが、応募に年齢制限はありません。15歳の熟女でも、80歳の少女でもOKです。ドンドン応募して下さい。

選考委員
┣【第1回】光野桃、山本文緒第
┣【2回 - 第5回】山本文緒、角田光代
┣【第6回 - 第10回】山本文緒、角田光代、唯川恵
┣【第11回 - 第13回】三浦しをん、辻村深月
┣【第14回 -】三浦しをん、辻村深月、友近




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