(オトナ女子が読みたいエロ系文庫)R‐18文学賞受賞者の活躍!| 宮木あや子

2018/04/29 (Sun)

世の中には星の数ほどの文学賞がありますが、最近「女性による女性のためのR-18文学賞」という名前の文学賞を受賞した作家の作品をよく読んでいる気がします。
書くのも読むのも女性限定!
「女による女のためのR-18文学賞」は、新潮社が主催する公募新人文学賞です。
単にR-18文学賞ともいわれる。
これじゃ、女はイケないでしょ―――。「女による女のためのR-18文学賞」創設のきっかけは、男性視点の官能小説に異を唱える、女性編集者たちのそんな声だったという。女性が自然に感じることのできる性をテーマにした小説の追求―――だがそれは、その趣旨に創作意欲を刺激された新たな書き手たちによって独自の進化を遂げていった。
ちょっとディープなものから日常的な気分に寄り添えるものまで枝分かれし、気負いなく性を読むことのできる作品が次々と登場している女性向けエロ系文庫の盛況ぶり。かつて男性のものだったエロ小説は、今や女子の手中に!?どんどん進化を遂げる、その奥深い魅力に迫ります!

R‐18文学賞受賞者の活躍!|宮木あや子

第5回大賞・読者賞受賞
宮木あや子(ミヤギ・アヤコ)
この恋は罪。
当代一の美女と謳われた、細川ガラシャの華麗なる純愛絵巻。


嫁いだ後にはじめての恋を知った玉子はガラシャと名を改め、異国の神に祈り続ける。彼女に献身的な愛を捧げる侍女・糸もまた、報われぬ愛に身をこがし…戦国に散った細川ガラシャとその父・明智光秀、夫である細川忠興、舅の幽斎―想えば想うほどすれ違う恋人たちを描く渾身の恋愛長編。

男に夢を見させるためだけに、生きておりんす。
叶わぬ恋を胸に秘め、抱いて抱かれる遊女たち。
驚愕のデビュー作。
R-18文学賞大賞受賞。

どんな男に抱かれても、心が疼いたことはない。誰かに惚れる弱さなど、とっくに捨てた筈だった。あの日、あんたに逢うまでは――初めて愛した男の前で客に抱かれる朝霧、思い人を胸に初見世の夜を過ごす茜、弟へ禁忌の恋心を秘める霧里、美貌を持てあまし姉女郎に欲情する緑……儚く残酷な宿命の中で、自分の道に花咲かせ散っていった遊女たち。江戸末期の新吉原を舞台に綴られる、官能純愛絵巻。R-18文学賞受賞作。
収録作品:
花宵道中 / 薄羽蜉蝣 / 青花牡丹 / 十六夜時雨 / 雪紐観音 / 大門切手



□■宮木あや子□■
■「校閲ガール」シリーズ
石原さとみ主演で連ドラ化された、読むと元気が出るワーキングエンタメ!


解説=唯川 恵






■小説・文芸・その他

文庫: 215ページ
出版社: 集英社
美しい少女たちの孤独と秘密
その岬には資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大があった。衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。そんな陸の孤島で暮らす4人の少女―高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡。孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。胸苦しいほど切なく繊細な、少女たちの物語。(解説/吉川トリコ)

文庫: 347ページ
出版社: 幻冬舎
福岡のお屋敷に奉公に出た千恵子。そこで出会った美しい令嬢の和江は、愛に飢えた寂しい日々を送っていた。孤独の中、友情とも恋とも違う感情で惹かれ合うが、第二次大戦下、戦況は刻々と悪化。女たちの運命はたやすく戦火に揺り動かされ……。人生を選ぶことも叶わず、時代と男に翻弄されてもなお咲き続ける昭和の女性たちの、誇り高き愛の物語。

文庫: 272ページ
出版社: 小学館
卑猥な宝石に恋する少女趣味(ロリータ)ファッション店員、美少年の生徒に慕われる幼児体型の養護教諭、アイドルの夫の帰りを待つ幼妻、可愛い恋人がありながら不倫するSM女子、優しく賢く美しい叔父様に引き取られた少女、「眠り姫」と綽名される女子大生……薄い胸、華奢な四肢、可憐な顔立ちで周囲の欲望を絡めとる少女たち。その刹那のきらめきを閉じ込めた異端にして背徳の恋愛短篇集。R-18文学賞受賞作家が描く愛の毒6篇。

文庫: 311ページ
出版社: 文藝春秋
平安王朝で繰り広げられる狂おしい恋愛劇
いつの世も恋はせつなく、苦しいもの。
清和、陽成、宇多、三代の御世を舞台に、気鋭の女性作家が描くさまざまな愛と官能のかたち。
「余はこれから何人の女を抱かねばならぬのだろう」―時は平安。清和、陽成、宇多、若くして即位した天皇たちはそれぞれに孤独な屈託を抱えていた。そして、後宮の女たちは、そんな主上のお訪いを来る夜も来る夜もただひたすら待つのだった。いつの世も変わらぬ、身を滅ぼさんばかりの物狂おしい恋情を描いた時代絵巻誕生。

単行本(ソフトカバー): 235ページ
出版社: メディアファクトリー
生きてるうちに、言えればよかったのだけど…。町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、アラサー女子・笹島、メガネ男子・木崎、謎の新人女子・妹尾が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。
収録作品:
セレモニー黒真珠 / 木崎の秘密 / 主なき葬儀 / あたしのおにいちゃん / はじめてのお葬式

文庫: 243ページ
出版社: 光文社
恋だ!仕事だ!婚活だ!彼氏いない歴二年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて―。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。

文庫: 270ページ
出版社: 集英社
一般人には存在を知られず、政財界からは「神」と崇められている、永代院。地図に載らない広大な屋敷に、当主の由継を中心に、複数の妻と愛人、何十人もの子供たちが住まい、跡目をめぐって争っていた。そんな中、由継の息子・駒也は、父の女・鞠絵に激しく惹かれてゆく。許されぬ愛は、やがて運命の歯車を回す。破滅の方向へ―。「神」と呼ばれた一族の秘密と愛憎を描く、美しく、幻想的な物語。

文庫: 246ページ
出版社: 幻冬舎
人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され―。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。
●連作短編集

文庫: 243ページ
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
外資系ITサポートセンターで働く29歳の派遣OL・後藤。ユーラシア大学時代からの親友・中尾と、飲み屋で本音トークを繰り広げる日々。自分探しなんてまっぴら、腹立つことや悔しいこともいっぱいあるけど、私は私で、きちんと生きてる!全ワーキングガール必読、仕事に恋に悩む、アラサー女子の憂鬱を吹き飛ばすウルトラハッピーストーリー。解説は、作家の山内マリコ。
収録作品:
憧憬☆カトマンズ / 脳膜☆サラマンダー / 豪雪☆オシャマンベ / 両国☆ポリネシアン

文庫: 272ページ
出版社: 実業之日本社
全世代の女子に捧げるハイテンション学園コメディ
女子校に憧れた和実は、猛勉強のすえ中の丸学園に合格。だが入学すると、学園は共学になり、「大奥」と呼ばれる生徒会に牛耳られていた!憧れの「上様」はまるで雲上人。クラスメイトは外部入学者に冷たい。さらに、大嫌いな幼馴染み・鼻くそギルバートに愛を告白されてしまい…。子どもから大人まで全ての女子をときめきと笑いの渦に巻き込む、学園ラブコメの決定版。

文庫: 240ページ
出版社: 早川書房
『花宵道中』の著者が放つ、異端にして背徳の恋愛短篇集
「どうにかなっちゃうから、お願い助けて」
少女たちの喪失の血がしるすのは、刹那の愛か、永遠の絶望か――
卑猥な宝石に恋する少女趣味(ロリータ)ファッション店員、美少年の生徒に慕われる幼児体型の養護教諭、アイドルの夫の帰りを待つ幼妻、可愛い恋人がありながら不倫するSM女子、優しく賢く美しい叔父様に引き取られた少女、「眠り姫」と綽名される女子大生……薄い胸、華奢な四肢、可憐な顔立ちで周囲の欲望を絡めとる少女たち。その刹那のきらめきを閉じ込めた異端にして背徳の恋愛短篇集。R-18文学賞受賞作家が描く愛の毒6篇。
収録作品:
コンクパール / 春眠 / 光あふれる / ピンクのうさぎ / 雪の水面 / モンタージュ

文庫: 255ページ
出版社: 光文社
愛したひとは、2.5次元。35歳人妻、夫以外の男に溺死寸前。
容姿も境遇もまったく異なる五人の女性。共通項は人妻、三十五歳、そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。ステージ上の「恋人」に注ぐのは、歪だけれど、狂おしいほどにひたむきな愛。たとえ手が届かなくとも、たとえ現実が悲惨でも、「彼」さえいれば、人生は美しい―。女の本音を余すことなく描いた“最凶恋愛小説”。
収録作品:
アヒルは見た目が10割 / 何故若者は35年生きると死にたくなるのか / ぬかみそっ! / 小料理屋の盛り塩を片付けない / その辺のフカフカ / 茄子のグリエ〜愛して野良ルーム2

イラスト:ロクロイチ
単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: 一迅社
幼い少女ふたりの邂逅。
過酷な生き方を余儀なくされた思春期少女たちは、もがきながら互いを希求し続け…。
切ない欲望が交差する、ふたりのビルディングスロマン。
百合長編小説。
団地の隅のシロツメクサの野原で幼い少女たちは出会った。親が過保護すぎる純粋な真淳と、親にネグレクトされる大人びた照乃。正反対の環境で育った二人はたちまち惹かれあう。照乃が真淳に教えた秘密の遊びは二人の絆を強めたが、まもなく遊びが親に発覚して二人は引き離され……すれ違いと邂逅を繰り返し、傷つけ合いながらも互いを全てで求め合う少女たち。複雑で純粋な恋心と大人になるまでの軌跡を描く傑作恋愛小説!

単行本: 256ページ
出版社: 平凡社
寂しい。寂しい。寂しい。でも強くなりたい。
清少納言が枕草子に綴った嘘と真実とは?
R‐18文学賞デビューの実力派による平安時代小説の大本命!
R-18文学賞デビューの著者による、清少納言と中宮定子を描いた平安大河ロマン。華やかながら政争激しい時代に『枕草子』が描かれた様子を美しい筆致で綴った平安時代小説の大本命。

単行本(ソフトカバー): 233ページ
出版社: 光文社
仕事、恋愛、夢、希望……。
等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。
大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々―憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!

単行本: 242ページ
出版社: 講談社
出たいよ、出して。
お願いだからここから出して。
どこにでもいる、ごく普通の人妻たち。共通しているのは、禁忌を犯していること。
罪悪感がまったくないのは、母の愛が欲しかった私の、必然だから。
恋愛小説の妙手、宮木あや子が描く六つの愛欲小説。
二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫とも不倫をしている。ある日、ふらりと赴いた旅先で出会った女学生に抱いた気持ちは、未だかつて経験のないものだった。(「金色」)。狂おしく愛を求める女たちの物語。
宮木あや子(ミヤギ・アヤコ)
┣1976(昭和51)年、神奈川県生れ。
┣2006(平成18)年『花宵道中』で「女による女のためのR-18文学賞」大賞と読者賞を同時受賞しデビュー。
┣趣味は着道楽と海外旅行。
┣他の著書に『雨の塔』『白蝶花』『群青』『泥(こひ)ぞつもりて』『セレモニー黒真珠』『野良女』『太陽の庭』『春狂い』などがある。
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